短 夜 2      100句

短夜や空とわかるゝ海の色    几董

短夜  明早し  短か夜

作品
作者
掲載誌
掲載年月
短夜の漁り火ちかき芝の露 水原秋櫻子 馬醉木 201607
短夜や幾度も地震にとび起きて 滝澤千枝 春燈 201608
短夜や見える見えぬと星談義 秋川泉 あを 201608
短夜や安定剤を小刻みに 山田六甲 六花 201608
井月の書や短夜を短かくす 田原陽子 201609
短夜や逆引き辞書を多用して 小松誠一 201609
吉報を待つ短夜の長さかな 田中たつを 雨月 201609
短夜の俳句欲しがる脳細胞 木戸渥子 京鹿子 201609
短夜や惜しむ父子の長話 伊吹之博 京鹿子 201609
短夜や眠れぬ夜の長きこと 江島照美 201609
短夜や長し長しと朝鴉 安斉久英 末黒野 201610
短夜を破る叫びの救急車 細島孝子 末黒野 201610
眠れねば短夜を二度三度醒む 野沢しの武 風土 201610
短夜や活字奴隷となつてをり 木戸渥子 京鹿子 201610
短夜や思ひ出せざる怖き夢 住田千代子 六花 201611
短夜の秒針急ぎ回るなり 山下美典 ホトトギス 201612
短夜の夢の欣一髪黒し 大坪景章 椿垣 201612
短夜や夫の香のなき部屋に座し 栗原公子 銀の笛 201612
短夜の夢をつつみしオブラート 村田あを衣 京鹿子 201702
短夜や早目早目の旅支度 稲畑汀子 ホトトギス 201706
短夜の一人住まひといふ自由 稲畑汀子 ホトトギス 201706
雨止んで短夜明くる早さかな 稲畑汀子 ホトトギス 201706
短夜をまた減らしたる探しもの 千手和子 馬醉木 201708
短夜やポーチの内に睡眠薬 柴崎富子 春燈 201708
短夜や不良息子に書く手紙 波戸辺のばら 201709
信じたし短夜に見し夢なれば 稗田寿明 201709
短夜の稿半ばなり妻寝落ち 田中臥石 末黒野 201709
短夜や註釈多過ぎる史料 坂場章子 201709
寝不足の顔短夜の所為にして 大島寛治 雨月 201709
短夜の先客のゐる露天の湯 菊池洋子 やぶれ傘 201709
短夜や動かぬ父の北枕 秋津令 201709
短夜やむかしをとこの秘めし恋 三宅文子 春燈 201709
短夜の時間ばらばら趣味ばらばら 中山皓雪 201710
短夜の『江戸の妖怪絵巻』かな 大西由美子 春燈 201710
短夜の貼り損ねたる湿布薬 井尻妙子 京鹿子 201710
短夜や岐阜提灯の薄明り 久保村淑子 万象 201710
妻のゐて短夜の酒長くなり 谷口一献 六花 201710
短夜の妻発症の声嗄らす 田中臥石 末黒野 201710
短夜のつまぐる珠数の軽さかな 平野多聞 201711
短夜の重しと思ふ怪我の腕 佐々木秀子 201711
短夜や明日の草稿たしかめて 安原葉 ホトトギス 201712
短夜や若かりし日の夢に覚め 磯貝尚孝 清閑 201804
短夜とかかはりもなく熟寝かな 稲畑汀子 ホトトギス 201805
短夜の二人は今からが佳境 稲畑廣太郎 ホトトギス 201805
短夜や寝足らぬままに旅にあり 稲畑汀子 ホトトギス 201806
短夜や訃報伝へし受話器置く 稲畑汀子 ホトトギス 201806
訃報あり更に短夜なりしこと 稲畑汀子 ホトトギス 201806
短夜や早立ちの旅重ね来て 稲畑汀子 ホトトギス 201806
短夜のケーキと紅茶配らるる 稲畑汀子 ホトトギス 201806
短夜に息子の声や「ころぶなよ」 槙野あさ子 風土 201808
短夜の夢は途中に終はりけり 赤羽陽子 春燈 201808
短夜の夢を濡らすや通り雨 大西武士 春燈 201808
短夜の海へつばさを白鳥座 大沢美智子 旬日 201808
短夜の水のはたらく音すなり 佐久間由子 201808
短夜の堂々めぐり性善説 鈴鹿呂仁 京鹿子 201808
サッカー燃ゆ短夜さらに短くし 楠原幹子 201809
いつの間に短夜の夢見果つるか 稗田寿明 201809
短夜の端から端へ暴走す 柳川晋 201809
短夜の夢に母恋ふ孫愛し 谷口一献 六花 201809
まぼろしのごと短夜の月の虹 おーたえつこ 201809
短夜に唄ふ手廻しオルゴール 辻響子 201809
短夜や海より明くる茅淳の里 塚本實(虚舟) 六花 201810
短夜や蛇口の雫落ちる音 石井秀一 風土 201810
短夜や「アレクサ」に問ふ「いまなんじ」 須賀敏子 あを 201810
短夜や壁の向かうにベル止まず 森なほ子 あを 201810
短夜の夢のあとさきジムノペディ 阪野基道 船団 201811
短夜やも少し欲しき夢会話 河野昭彦 ホトトギス 201811
短夜の母のあとゆく貰ひ風呂 山田健太 風土 201811
短夜や栞はきのふをそのままに 田岡千章 201812
短夜を空騒ぎして付喪神 永淵惠子 201902
短夜や熟睡したる一部分 稲畑汀子 ホトトギス 201905
短夜の旅の予定をこなしつつ 稲畑汀子 ホトトギス 201905
短夜の思ひちりぢり書を展く 沼田巴字 京鹿子 201907
短夜や静かに雨の降り続く 須賀敏子 あを 201908
短夜や地震速報鳴り響き 中嶋陽子 風土 201909
短夜の途中で目覚め夢惜しむ 佐津のぼる 六花 201909
短夜の水音たかき飛騨の宿 蒲田雅子 雨月 201910
蜩はまさに短夜のはじめかな 菊谷潔 六花 201910
短夜やメジャーリーグの試合みる 時田義勝 やぶれ傘 201911
短夜や夢儚くて目覚めけり 河野昭彦 ホトトギス 201911
短夜の半分過ぎてしまひけり きくちきみえ やぶれ傘 201911
短夜の悪夢一日引きずって 日置游魚 201912
短夜や世界は朝に終はるだらう 十一 船団 201912
短夜の覚めて吟行日和かな 稲畑汀子 ホトトギス 202005
短夜の朝帰りとはなりにけり 稲畑汀子 ホトトギス 202006
短夜の家ごもりはらす長電話 高井修一 春燈 202008
短夜のラジオが流す「昭和」かな 安立公彦 春燈 202008
短夜や夢の続きは彼の世にて 前田美恵子 202008
短夜やメール句会の受信音 楠本和弘 202009
短夜の床柱より父のこゑ 鈴木直充 春燈 202009
短夜の絵の中の猫歩きだす 松井季湖 202009
短夜や夢も短く終りけり 藤浦昭代 ホトトギス 202009
短夜は逝く潮騒と鳶一羽 三椚淳 202009
短夜の浅き眠りにある疲れ 犬飼典子 京鹿子 202010
短夜やコロナ自粛の末読本 小林共代 風土 202010
短夜や孫の写真と猫自慢 田中信行 202011
短夜を走るヴィトンの防護服 波戸辺のばら 202011
マーラーの五番短夜司り 稲畑廣太郎 ホトトギス 202104
短夜の祈りに心合はせたる 稲畑汀子 ホトトギス 202106
マーラーの五番短夜司り 稲畑廣太郎 ホトトギス 202106
短夜 →3      

 

2023年7月4日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

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