緑立つ      118句

若緑  緑立つ  松の芯  松の緑

作品
作者
掲載誌
掲載年月
神島の朝美しく緑立つ 堀江清子 円虹 199807
神木の杜を暗めて緑立つ 稲畑廣太郎 ホトトギス 199904
緑立つ屋久種子五葉亭々たり 上原瑞子 200005
緑立つ「阿羅々木」巻の一の一 神蔵器 風土 200008
よき家によき蔵のあり緑立つ 石井平八郎 雨月 200008
朝静寂ひろげて苑の緑立つ 小澤克己 遠嶺 200107
五十六の墓森閑と緑立つ 石井邦子 酸漿 200108
太平洋飛び来て日本緑立つ 大島寛治 雨月 200108
海原へ希望展ぐや緑立つ 遠藤匡子 遠嶺 200206
緑立つ画室茶室と散在し 堀田恵美子 雨月 200207
緑立つ舞鶴松の五百年 阿部文子 酸漿 200207
みささぎの正面松の緑立つ 藤原かかし 200207
塔の丹の美しき緑立つ 桑田青虎 円虹 200208
神籬の松一本や緑立つ 神蔵器 風土 200208
緑立つ浄土の池の水鏡 曷川克 遠嶺 200208
一村に一教会や緑立つ 今井久良子 酸漿 200209
入定窟風折れ松の緑立つ 星佳子 200209
岩割りの松のやさしさ緑立つ 鷹羽狩行 200305
緑立つ勘十郎の名の継がれ 谷口ふみ子 雨月 200306
緑立つ鶯張りの古刹かな 神原操 雨月 200307
緑立つ樹冠を風の渡る音 斉藤小夜 風土 200307
門構の帆掛の松に緑立つ 竹内蒼礁 200307
一と括り立志伝ほか緑立つ 禅京子 風土 200307
法隆寺唐招提寺も緑立つ 中村洋子 風土 200308
天心の海大観の山緑立つ 中村洋子 風土 200308
緑立つ畳のへりの生真面目に 神蔵器 風土 200406
叡山の水引く御坊緑立つ 渡辺周子 雲の峰 200406
噴煙を目深に島の緑立つ 淵脇護 河鹿 200407
ラマ塔と教会・モスク緑立つ 松崎鉄之介 200407
緑立つ男家系にをみな生(あ)る 淵脇護 河鹿 200408
連合軍接収の邸緑立つ 鈴木榮子 春燈 200507
緑立つ二重橋前駅に降り 布施まさ子 風土 200507
方丈の厚き萱屋根緑立つ 斎藤くめお 対岸 200507
裾見えぬ五重の塔に緑立つ 大空純子 ぐろっけ 200508
式内の長き馬場先緑立つ 森脇貞子 雨月 200508
相模野の名残の並木緑立つ 鷹羽狩行 200605
池の面に延べし松が枝緑立つ 村田さだ子 酸漿 200606
言の葉の端に一念緑立つ 松本きみ枝 遠嶺 200606
名にし負ふ舞鶴松ぞ緑立つ 守屋井蛙 酸漿 200607
新説に蕉翁嬉々と緑立つ 金子慶子 遠嶺 200608
近江八幡見越の松の緑立つ 田中きよ子 酸漿 200609
遠浅のにぎはひ抜けて緑立つ 坂口夫佐子 火星 200609
狼煙山一本松の緑立つ 森山暁湖 万象合同句集 200703
緑立つ天へ身構ふ綺羅となり 鈴鹿仁 京鹿子 200706
盆栽の古木の松や緑立つ 木暮剛平 万象 200708
綱受くる力士の気迫緑立つ 佐藤いね子 馬醉木 200709
緑立つ高見盛の負けっぷり 陽山道子 船団 200710
緑立つ三百年の枝振りに 稲畑廣太郎 ホトトギス 200804
緑立つ蝦夷への旅を終へてより 稲畑廣太郎 ホトトギス 200804
目にて言ふ千のことばや緑立つ 野口香葉 遠嶺 200807
一乗寺の下り松とや緑立つ 木暮剛平 万象 200808
緑立つ御苑に映ゆる儀装馬車 小澤淳子 200907
明治館謂れの冊子緑立つ 鈴木石花 風土 200907
師のことばいまも新し緑立つ 吉田陽代 200907
一本の回向柱や緑立つ 山路紀子 風土 200907
緑立つ釜いつぱいに飯炊いて 冨松寛子 200908
幸せは今が一番緑立つ 富永レイ子 酸漿 200908
緑立つ阿修羅像をば見に行く日 坪内稔典 船団 200909
碧き眼の新郎和装緑立つ 佐方敏明 ぐろっけ 200909
唱歌の祖偲ぶ館に緑立つ 澤井玲子 201006
緑立つ山に大きな仏さま 高倉和子 201007
風のゆくシーツの白さ緑立つ 佐田昭子 ぐろっけ 201007
なほ生きむなほも生きむと緑立つ 小澤克己 遠嶺 201008
西国巡礼一番札所緑立つ 中村洋子 風土 201008
梲あぐ木綿問屋の緑立つ 田下宮子 201107
絶壁に根付きたる松緑立つ 辰巳比呂史 201107
立札に時をぬすめり緑立つ 神蔵器 風土 201107
田道間守命に松の緑立つ 岩木茂 風土 201108
二代目のお宮の松や緑立つ 菅野日出子 末黒野 201108

 赤倉にて震災地想う

緑立つ地にも天心六角堂

松木清川 ぐろっけ 201108
緑立つ水辺の風の豊かさよ 大浅田均 万象 201108
緑立つ君は直毛われ猫毛 陽山道子 船団 201110
枝こぞり構へ正して緑立つ 太田具隆 春燈 201206
御座の間に千の老松緑立つ 川崎利子 201207
緑立つまなじりを裂く日蓮像 松本三千夫 末黒野 201207
緑立つ海住山寺鎮もれる 坂根宏子 201207
庭園の松の名木緑立つ 小林美登里 かさね 201208
御苑なれいと大らかに緑立つ 大橋晄 雨月 201208
蒼天にお台場の松緑立つ 宮原悦子 雨月 201209
緑立つ水分け石は音の景 能村研三 201305
緑立つ支柱あまたの名木に 久染康子 201306
寄せ書きの色紙の上に緑立つ 飯塚ゑ子 火星 201309
正面の御車寄せに緑立つ 能村研三 201405
身ほとりを甘やかす間に緑立つ 風間史子 201406
岩礁の百の海鳴り緑立つ 遠藤真砂明 201407
緑立つ家紋瓦の薬医門 北田せい子 京鹿子 201408
肌荒れの羽衣の松緑立つ 福島せいぎ 万象 201408
江ノ電に触るるばかりや緑立つ 佐渡谷秀一 対座 201505
巫女舞ひていよよ大社の緑立つ 大橋晄 雨月 201506
緑立つ大磯宿の松並木 小川玉泉 末黒野 201506
緑立つ高々と子を抱きあげて 水原春郎 馬醉木 201506
雨上がる東宮御所や緑立つ 豊谷ゆき江 春燈 201507
人の和の堅き末黒野緑立つ 小川玉泉 末黒野 201507
一片の衒ひもなくて緑立つ 窪田佳津子 雨月 201507
拭き込まれし弓の道場緑立つ 藤田満枝 万象 201507
緑立つ笑顔の囲む泣き相撲 泉本浩子 馬醉木 201508
清閑と書院の苑の緑立つ 谷村祐治 雨月 201508
古井戸の滑車きゆるつと緑立つ 内山花葉 201606
黒松の不易のいろや緑立つ 吉澤恵美子 春燈 201607
緑立つ閉門早き知恩院 岸洋子 201607
大名の菩提寺松の緑立つ 橋添やよひ 風土 201608
緑立つ五山の一の建長寺 久保田雪枝 雨月 201608
緑立つ共学となる男子校 内山照久 201706
水を押す水の階段緑立つ 中村洋子 風土 201708
潮風に気比の松原緑立つ 吉田万喜子 雨月 201708
百人番一所百年沈黙緑立つ 若泉真樹 201902
江戸の香の息づく苑や緑立つ 山下健治 春燈 201906
六義園大江戸振りの緑立つ 柴崎富子 白地 201909
元号を重ね名園緑立つ 稲畑廣太郎 ホトトギス 202005
緑立つ俳誌の未来信じつつ 稲畑廣太郎 ホトトギス 202005
緑立ついくたびポスト見にゆかむ 津野桂子 末黒野 202008
緑立つ宇宙の涯を知りたくて 稲畑廣太郎 ホトトギス 202104
緑立つ格式高き表門 大室恵美子 春燈 202107
緑立つ水分け石は音の景色 能村研三 神鵜 202107
少年の声ソプラノや緑立つ 岡田史女 末黒野 202107
豊の川豊の山あり緑立つ 山田六甲 六花 202205
五色幕巡らす寺や緑立つ 浅田光代 風土 202207
池の辺の古りたろ木椅子緑立つ 岡野里子 やぶれ傘 202207

 

2023年5月4日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。