豆の飯      106句

日曜はすぐ昼となる豆の飯   角光雄

作品
作者
掲載誌
掲載年月
塩加減どうのかうのと豆の飯 木野本加寿江 火星 199908
石蹴つて蹴つて帰る子豆の飯 小池槇女 火星 199908
声高な客人のあり豆の飯 橋本公枝 春耕 199908
祥月やしかと盛らるる豆の飯 小阪喜美子 遠嶺 199909
仏前に初物ですと豆の飯 北村きみ子 ぐろっけ 199909
老てふ語便利に使ひ豆の飯 福村壽子 京鹿子 200008
誰がためといふこともなき豆の飯 野澤あき 火星 200011
隠し味あるとも見えず豆の飯 稲畑汀子 ホトトギス 200105
増えるかも知れぬ人数豆の飯 稲畑汀子 ホトトギス 200105
淡々とひと日こなせり豆の飯 木下節子 俳句通信 200107
落選し大食ひしたる豆の飯 成重佐伊子 俳句通信 200107
さきざきを深く思はず豆の飯 藤原紅 いろり 200107
うぶすなの雲ぽつかりと豆の飯 鈴鹿仁 京鹿子 200206
ねんごろに今日を終らせ豆の飯 藤岡紫水 京鹿子 200207
卓袱台のまどゐありしよ豆の飯 辰巳比呂史 200208
臥す父に流動食の豆の飯 藤田誉子 雨月 200208
喪に籠るひとに届けむ豆の飯 藤田誉子 雨月 200208
母いまも弟びいき豆の飯 井尻妙子 京鹿子 200208
AB型のBが飛び出た豆の飯 篠田純子 あを 200306
豆の飯淡く血の透く爪をして 宇垣みきえ 200307
妻のことほとんど知らず豆の飯 戸栗末廣 火星 200307
B面に入りたる生活豆の飯 塩路隆子 200308
豆の飯魚沼産と凝りて炊く 福盛悦子 雨月 200308
出世には縁なきうから豆の飯 隅田享子 200309
胎蔵界金剛界豆の飯 雨村敏子 200309
赤米をはらりと混ぜて豆の飯 泉田秋硯 200407
ふる里の話となりし豆の飯 中村重雄 百鳥 200408
子は不惑なれど子なりし豆の飯 西村操 雨月 200408
わが舌の麻痺せしごとく豆の飯 近藤きくえ 200408
夕餉なりツタンカーメンの豆の飯 八木岡博江 酸漿 200408
来し方も行方も妻と豆の飯 山本康夫 200508
一つ家に二つの余生豆の飯 松澤秀昭 200508
生かされて生きて今あり豆の飯 村越化石 200508
正座して疊目著き豆の飯 中山純子 万象 200606
ぼちぼちと生きる納得豆の飯 山元志津香 八千草 200701
末つ子に母の溺るる豆の飯 鈴鹿仁 京鹿子 200706
生え変る大きな前歯豆の飯 中塚照枝 200708
怒らせてしまひしあとの豆の飯 杉浦典子 火星 200708
豆の飯食べ一と日の穏しかり 大橋晄 雨月 200807
身に合ひしゆっくりずむや豆の飯 野中啓子 200808
帰国せる子に盛り上げて豆の飯 塩見育代 200809
清貧の昭和は遠し豆の飯 有元文子 風土 200809
豆の飯炊いて一人を満たしをり 北川とも子 ぐろっけ 200809
難しきことみな忘れ豆の飯 鈴木セッ 200907
嫁して来てここがふるさと豆の飯 刈米育子 200908
箸置の猫に見られて豆の飯 大橋敦子 雨月 200908
手捻りの茶碗に適ふ豆の飯 山本漾子 雨月 200908
来し方のうたかたなれど豆の飯 島貫寿恵子 雨月 200908
豆の飯遊びほうけて輝いて 土居通子 ろんど 200908
とうさんのそのまたとうさんの豆の飯 篠田純子 あを 200908
この妻の夫でよかりし豆の飯 山本康夫 200909
肩の力抜きたる暮し豆の飯 鈴木一恵 末黒野 200910
豆の飯賑やかなりしころのこと 宮野百合子 200910
忍ぶ古代葉っぱで食べる豆の飯 長崎桂子 あを 201001
年寄もすこしときめき豆の飯 丁野弘 201005
みちのくの奥へは行かず豆の飯 内海良太 万象 201007
私流の気楽な家風豆の飯 石田玲子 201008
父母のこと姉しか知らず豆の飯 須賀敏子 あを 201008
塩梅のまことよろしき豆の飯 高谷栄一 201009
豆の飯食ぶ妹の面やつれ 三井尚美 ぐろっけ 201009
豆の飯ひとつ嬉しきことのあり 鎌倉喜久恵 あを 201012
食卓はけふもふたりよ豆の飯 前川ユキ子 201107
手捻りの器に盛られ豆の飯 石川かおり 201107
塩梅を問ふ声弾み豆の飯 中原敏雄 雨月 201107
弁当の六割八分豆の飯 吉田希望 201108
わだかまりの解くるきつかけ豆の飯 青柳雅子 春燈 201108
豆の飯初物と告げ仏前に 大橋晄 雨月 201108
子の炊ぐ退院の日の豆の飯 城戸緑 末黒野 201109
疎開地の想ひ出たどる豆の飯 林美智 ぐろっけ 201109
み仏に二日つづきの豆の飯 田所洋子 雨月 201110
娘に残す幸せレシピ豆の飯 岩永はるみ 白雨 201203
テーブルの四隅明るし豆の飯 井上信子 201208
内側の白き茶碗や豆の飯 きくちきみえ やぶれ傘 201210
豆の飯色よく炊けてひとりなり 青野安佐子 201307
栄転も左遷も受けて豆の飯 松田明子 201310
誘はれて比良山荘の豆の飯 三川美代子 201407
豆の飯普通てふ日を安堵して 秋山ユキ子 201407
さみどりの玉を散りばめ豆の飯 久保田雪枝 雨月 201408
豆の飯いまを是とせるふたり住み 阪本哲弘 201408
相槌の心地好きかな豆の飯 鈴木藤子 ろんど 201502
四代の女系家族や豆の飯 中谷富子 201507
子育ての嫁の健啖豆の飯 金森信子 雨月 201507
昏れぎはの山大きかり豆の飯 柴田久子 風土 201508
言訳も知恵のひとつよ豆の飯 鈴木まゆ 馬醉木 201608
青春の色のみどりに豆の飯 安部和子 雨月 201608
父母のゐし昔を今に豆の飯 大矢恒彦 201608
トンチンカンばかりして居り豆の飯 中谷富子 201608
句輩家族のやうに豆の飯 足立典子 雨月 201609
余震やや遠ざかりたる豆の飯 岩岡中正 ホトトギス 201610
東京へ戻る子に炊く豆の飯 森山暁湖 万象 201612
親しさに甘えて所望豆の飯 藤岡紫水 京鹿子 201707
白髪の妻ゐて温き豆の飯 丸井巴水 京鹿子 201707
句は推敲料理は手順豆の飯 玉置かよ子 雨月 201708
初夏のかをり豊かに豆の飯 青山正生 201709
年ごとに飲食淡し豆の飯 芝田幸惠 末黒野 201808
真剣に子育ての頃豆の飯 深川敏子 春燈 201907
二杯目は弟が先豆の飯 梅田武 末黒野 201909
子との距離程良く保ち豆の飯 播磨武子 雨月 201909
婦唱夫随てふ絆あり豆の飯 佐俣まさを 春燈 201912
仏壇の位牌の父母へ豆の飯 辻泰子 春燈 202008
人の和を醸す塩味豆の飯 植村蘇星 京鹿子 202009
聞き役になりて頬張る豆の飯 寺田すず江 202009
山荘の椅子は茶箱や豆の飯 中田みなみ 202010
豆の飯小柄な母の大き声 三井所美智子 202010
あの人は卒寿の筈と豆の飯 赤座典子 あを 202107
箸遣ひ下手になりたる豆の飯 松下道臣 202110

 

2022年5月29日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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