豆ごはん      66句

歳月やふっくらとこの豆ごはん   坪内稔典   百年の家

作品
作者
掲載誌
掲載年月
豆ごはんぷわぷわぷわとかむ幸せ 甲田夏湖 船団 199811
二番目の兄のきらいな豆ごはん 小川千子 船団 199909
舞の海ころんころんと豆ごはん 小枝恵美子 ポケット 199911
豆ごはん母を尋ねし子のやうな 三神あすか ヒッポ千番地 200005
ぬり箸に波長の合はぬ豆御飯 丸山佳子 京鹿子 200007
栄転も左遷もなくて豆ご飯 武井康隆 船団 200010
豆ごはん一つの愛で足る途中 菊池和子 京鹿子 200107
母の日の母に供へる豆御飯 栢森敏子 あを 200107
豆御飯赤子の首の座りたり 半澤佐緒里 百鳥 200108
年金のあてがはずれて豆ご飯 神野佐嘉江 船団 200201
雨の音一人しずかに豆御飯 河合笑子 あを 200207
帰国してみそ汁・納豆・豆ごはん 中川勲 200209
ハイハイと二つ返事の豆御飯 三上冨佐子 ぐろっけ 200209
田から田へさざ波走り豆ご飯 南うみを 風土 200307
粒ごとの全きみどり豆ご飯 鷹羽狩行 200405
掌に茶碗包みて豆ごはん 林裕美子 六花 200408
口汚す納豆ごはん朝ぐもり 釜井瞳子 対岸 200408
ふる里で子等よろこびし豆ご飯 佐藤俊雄 帆船 200410
留守にする妻の気配り豆御飯 奥村鷹尾 京鹿子 200410
豆御飯炊きて一人でありにけり 稲畑汀子 ホトトギス 200605
箸置きをきちんと並べ豆ご飯 浅田光代 風土 200608
碧眼の客迎ふるに豆ご飯 山崎辰見 ぐろっけ 200610
相よきを粒揃へして豆ご飯 山崎辰見 ぐろっけ 200610
日曜のひとり身の夜の豆ごはん 岡有志 ぐろっけ 200707
ジャカルタより帰りし宵の豆ご飯 木暮剛平 万象 200708
歳月やふっくらとこの豆ごはん 坪内稔典 稔典句集U 200804
母の味にほっこり炊けし豆御飯 廣見知子 200808
豆ごはん熱いだけでは恋じゃない 中原幸子 船団 200809
母やつと笑つてくれて豆御飯 柴崎英子 200901
据ゑ膳のほとほとさみし豆御飯 宮野照子 馬醉木 200909
幼な子と剥いて数へて豆ごはん 池田加寿子 200908
めいつぱい昭和を生きて豆ごはん 樋口英子 200908
総持寺の箸の細身よ豆ごはん 西山睦 200910
一椀に祖母のしあはせ豆ごはん 水谷洋子 十進法 200911
エジプトの豌豆御飯勘で炊く 宇都宮敦子 201008
幾年の宿痾去りけり豆御飯 大沼遊魚 倭彩 201009
豆ご飯無病息災とはゆかず 山多暢子 風土 201108
薄明の湯気たちのぼる豆ごはん 飯塚ゑ子 火星 201108
何事もなく日の暮れて豆御飯 岩藤礼子 やぶれ傘 201109
小魚の唐揚げ添へて豆ごはん 渡部法子 201207
豆ごはん昔は祖父の恐かりし 樋口英子 201207
豆御飯炊けたと喋る炊飯器 上野進 春燈 201209
釜一杯炊いて冷凍豆御飯 林美智 ぐろっけ 201209
幸せに気づくしあはせ豆ご飯 窪田粧子 馬醉木 201307
手に馴染む萩焼茶碗豆ごはん 有賀昌子 やぶれ傘 201310
豆ごはん夫婦に広き卓囲み 秋山信行 やぶれ傘 201310
うす味に炊きあがりたる豆ごはん 根橋宏次 やぶれ傘 201507
豆御飯ラップに包みにぎりたる 今井充子 201610
豆ごはん二階のひとに声を掛け 中林明美 船団 201701
特別な日でもないのに豆ご飯 平井奇散人 船団 201707
母のまた昔語りや豆ご飯 田所節子 201709
似顔絵の夏目漱石豆ごはん 谷さやん 船団 201802
豆ごはん掛ける年数の平凡 梨地ことこ 船団 201802
国道を運ばれてゆく豆ごはん 中居由美 船団 201805
豆ごはん酒は早目に切り上げむ 懸林喜代次 春燈 201808
豆ごはん嫌ひを通す一人つ子 鈴鹿呂仁 京鹿子 201907
腹八分通せし父の豆ごはん 浅田光代 風土 201908
豆ごはんぷっくり炊けし雨の朝 秋川泉 あを 201908
夢で逢ふ母は明るし豆ごはん 斉藤マキ子 末黒野 201909
杖となる母似の妹と豆ごはん 廣瀬克子 春燈 201909
ざざ降りの昼には上がる豆ごはん 根橋宏次 やぶれ傘 201910
豆ごはん十年後にも豆ごはん いろは 201910
孫の来て数の勉強豆ごはん 時田義勝 やぶれ傘 201911
ちよつとだけコブの佃煮豆ごはん きくちきみえ やぶれ傘 202007
塩といふ魔法のタクト豆ごはん 菊池和子 京鹿子 202010
片言が話を凌う豆ごはん 橋添やよひ 風土 202109

 

2021年5月30日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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