マフラー 1       200句

派手なマフラー被せる車席の米袋   高島茂

襟巻  マフラー

作品
作者
掲載誌
掲載年月
子を呼びに来しマフラーの祖母若し 小池横文 火星 199903
マフラーに私流の無頼かな 飯島士朗 銀化 200002
マフラーをぐるぐる透明人間に 山田六甲 六花 200002
マフラーに搦めとられてをりし首 中島真沙 円虹 200003
マフラーを外して家の中の顔 阿部晶子 200003
マフラーの二重の短か埋む顔 大森美恵 風土 200005
生き急ぐべしマフラーを翻し 立岩利夫 海程 200005
花柄のマフラーに顔埋れる 西塚成代 六花 200006
マフラーを忘れずちよつと茶房へも 三井孝子 六花 200006
マフラーに削げたる顎を埋めけり 宮本道子 酸漿 200101
もう若くないマフラーを締め直し 石橋翠 いろり 200102
マフラーの闇にとけゆく巡視船 森山卓郎 船団 200103
マフラーに声を埋めて見送りぬ 栗山よし子 馬醉木 200104
マフラーの真白もろとも抱かれたる 小林あつ子 火星 200104
マフラーを巻き上げ後ろ振り向かず 須田千代 200104
ふるさとへ向ふマフラー巻き直す 江頭信子 馬醉木 200105
赤いマフラーして沈黙を通しけり 生圭佑子 海程 200105
マフラーに帛紗羽二重継ぎはぎて 馬越幸子 ぐろっけ 200105
真黒のマフラーアダルトチルドレン 久森知子 船団 200106
マフラーや耳に神経集まりぬ 寺田良治 船団 200107
通販でマフラーを買ひとても淋し 松永典子 船団 200107
少し早きマフラーを出す旅支度 能村登四郎 羽化 200110
マフラーに鰓を沈めて集ひ来る 田村はじめ 銀化 200201
マフラーを掛け分去れの丁里石 村上一葉子 200202
サイドカーに犬マフラーをひるがへし 保科次ね子 百鳥 200202
マフラーに仏頂面の付いてをり 田村はじめ 銀化 200202
梅園を出でマフラーを巻き直す 濱地恵理子 200202
死病得し人マフラーゆるく巻く 辻雅子 ぐろっけ 200202
マフラーは母のアフガン編みなりし 深澤鱶 火星 200203
マフラーの遺影をほめて通夜更くる 渕上千津 200203
レクイエムマフラー固く巻き直し 山本あかね 百鳥 200204
若向きのマフラーに頸こそばゆし 石渡芳枝 200204
マフラーを頭に巻きてニューモード 岡谷栄子 200205
借りて巻くマフラー海の荒るるなり 高橋さえ子 200206
靡くもの朱のマフラーと妻の墓 神蔵器 風土 200302
マフラーを巻いて君だけしか見えず 木村みかん 200302
マフラーを巻きし途端に駈けゆく子 佐野まさる 百鳥 200302
マフラーを贈られて日々寿命新 泉田泉一 200303
十三回忌修しマフラーの赤きかな 宮川みね子 風土 200303
マフラーにさみしさ包むぼんのくぼ 宇田篤子 京鹿子 200303
マフラーを結び直して別れけり 笹村政子 六花 200303
マフラーや禁煙席はあいてません 鶴目鯛遊 六花 200303
マフラー巻くかつて白絹予科練は 三嶋隆英 馬醉木 200303
マフラーや生徒の嘘に乗つてみる 江頭信子 馬醉木 200303
少女とも少年かとも赤マフラー 平野静 京鹿子 200304
マフラーを巻けば空より鳥礫 森田蝌蚪 200304
マフラーを二重に巻いて花購ひに 小林まこと 200304
ほろ酔ひの膝にマフラー母にかな 小林成子 火星 200305
乗換のホームの風に出すマフラー 遠藤裕子 円虹 200306
言ひすぎし口癒ゆまでの深マフラー 疋田巴麻 京鹿子 200307
傷心や風にマフラー吹流し 飯塚雅子 200401
一目ゴム編マフラーの長さかな 諸橋廣子 対岸 200402
ぐる巻きのマフラー似合ふや青年期 遠藤とく 200402
マフラーの大好きな猫元気かと 大村孝 百鳥 200402
マフラーの毛先に須磨のひかりかな 小林成子 火星 200403
年祝ぐや若きマフラー贈られて 村越化石 200403
マフラーを赤にしてよりやや強気 長谷川春 200403
フランス製マフラーを振る初勝利 木村みかん 200403
ゆび編みのマフラー母にざつくりと 河村泰子 ぐろっけ 200403
逢ふまでのマフラー長く長く編む 辻雅子 ぐろっけ 200403
春のマフラーふはりと角を曲りけり 福井隆子 対岸 200404
マフラーの巻き方変へて待合せ 岡田直子 百鳥 200404
マフラーの解けてゐたる鹿の前 山尾玉藻 火星 200501
腿出してマフラー厚し女学生 斉藤裕子 あを 200502
マフラーを赤色にせむ野に出るに 豊田都峰 京鹿子 200502
マフラーをはづして山に対ひけり 豊田都峰 京鹿子 200502
日曜の派手なマフラー首に刎ね 吉田祥 200502
襟巻きとマフラー祖父と孫と立つ 大串章 百鳥 200502
マフラーの白も若さも眩しかり 長野純顕 対岸 200503
マフラーのぐるぐる巻きが訃を告げに 山尾玉藻 火星 200503
白マフラー特攻隊はもう居ない 田中藤穂 あを 200503
一本のマフラー巻き合へるふたり 藤井智恵子 百鳥 200503
おせつかいにマフラーきつく巻いてやり 瀬下るか 200503
マフラーは風の遊び場かもしれず 倉持梨恵 200504
マフラーに首をうづめて肯定す 小林朱夏 200505
行方不明気どりの一と日黒マフラー 山元志津香 八千草 200506
誰が編みしマフラー三本孫成人 平野きぬ子 八千草 200507
マフラーをヨン様巻きと伊達男 漢隆司 八千草 200507
病みてなど居れぬマフラー背に跳ねて 岡本眸 200512
辛うじて跳びし螇蚸やマフラー欲し 中田みなみ 200601
かけくれし絹マフラーに葉巻の香 楠原幹子 200601
巻きくるる子のマフラーの微体温 井原美鳥 200602
マフラーも睡毛も長し男の子 門脇なづな 対岸 200602
マフラーより目の出て家庭教師かな 大山文子 火星 200602
ひしと巻くマフラー余生多忙です 山中宏子 200603
セーターもマフラーも赤海を見に 渡邉美保 火星 200603
モディリアニの女マフラー似合ひさう 笹原紀世子 200603
マフラーに顎を埋めて解くパズル 岩崎可代子 ぐろっけ 200603
アシメトリカル好きマフラー巻くときも 嶋田摩耶子 ホトトギス 200604
マフラーのなかへ溜息こぼしけり 田中春生 200604
マフラーの結び目ほどき本開く 田中眞由美 ぐろっけ 200604
はじめてのマフラー長く長く編む 武田和代 百鳥 200604
ステッキの人マフラーを巻き直す 藤原絹子 百鳥 200604
手作りのマフラー遺し父逝きぬ 西氏宣子 遠嶺 200605
マフラーや職ある人は歩を急ぎ 長井順子 200605
マフラーに頤埋めて看取の夜 斎藤妙子 200606
子と同じマフラー編んで街に出る 芝宮須磨子 あを 200701
ひと巻きのマフラーの白羨しめり 土田栄 200702
冬青そよご尾染のマフラーふはりたなごころ 近藤紀子 200703
悩みなど無しとマフラー巻きながら 大川ゆかり 200703
銀ラメのマフラー選び初句会 柳生千枝子 火星 200704
命とはほの赤きものマフラー巻く 椿和枝 200704
マフラーの赤きを撥ねて少女どち 真保喜代子 200704
重寶なマフラーとなり歩き出す 中島陽華 200705
マフラーに溢るるほどの陽を包み 土岐明子 遠嶺 200705
ツートンの手編みマフラーして出づる 伊藤白潮 200802
試験の日赤色マフラーきつく捲き 大空純子 ぐろっけ 200803
マフラーに顔を埋めてバスを待つ 坂本知子 酸漿 200803
マフラーの朱をひるがへす別れかな 佐藤博美 200804
一本のマフラー二人巻き結ぶ 岸上二條 200804
マフラーに頤埋め夜の家路 小城綾子 200804
マフラーを片結びせり正念場 加藤峰子 200804
マフラーを巻くとほき雲近き雲 星井千恵子 遠嶺 200806
マフラーをして国境の映画館 火箱游歩 船団 200806
夏マフラー臀部凛たるハイヒール 荒木甫 200809
ほつれたるマフラーを編み直しをり 山田六甲 六花 200812
マフラーに吾が子らは憂き大人の顔 瀧春一 深林 200901
巻きなほすマフラー宵の明星に 長崎桂子 あを 200902
マフラーに顔埋めをり鄙の駅 能勢栄子 200903
マフラーを結ぶ枯渇の胸元へ 風間史子 200904
貰ひたる手編マフラーちくちくす 小林正史 200904
クエスチョン形にマフラーきつく巻く 小林正史 200904
縄とびの大波にのる赤マフラー 中山皓雪 200904
古稀過ぎて華やぐマフラー巻きにけり 中山静枝 200905
マフラーを外し混浴足湯かな 渡部磐空 200905
マフラーに隠す八十路の項かな 高木みさ女 炎環 200905
編まれゆく私のマフラー隣席に 藏本博美 ぐろっけ 200905
風絡むままにマフラー掛けてあり 立村霜衣 ホトトギス 200906
マフラーにふれて別れを惜しみけり 水谷洋子 十進法 200911
鶴林寺住職の児の白マフラー 佐方敏明 ぐろっけ 201002
マフラーをお酒落に巻きて神戸っ子 増円一代 201003
捨てしこと悔いてはをらずマフラー巻く あさなが捷 201003
甲板を離れマフラー緩めけり 黒部祐子 201003
マフラー巻き星のことばを聞きに出る 山田弘子 ホトトギス 201005
狛犬に拾ひしマフラー結びけり 島津治子 万象 201005
マフラーの中にうづめてゐる想ひ 今橋眞理子 ホトトギス 201006
祝ぎの酔ひ残しマフラー二重巻 宮内とし子 201101
マフラーに顎埋め予報士は戸外 千田百里 201102
左まき右まきマフラー通学路 芝宮須磨子 あを 201102
マフラーに口まで埋め立話 谷泰子 ぐろっけ 201102
何気なくマフラー重ね風避ける 岡佳代子 201103
マフラーをはづし一服釜の白湯 数長藤代 201103
マフラーの込み合つてゐる喉仏 相良牧人 201103
マフラーに綿虫の来る河内かな 城孝子 火星 201103
若菜摘マフラーすぐに解けたる 城孝子 火星 201104
マフラーのひとの残り香草城忌 松本三千夫 末黒野 201104
マフラーをしつかり結ぶ吹きさらし 和南城ふみえ 酸漿 201104
マフラーの黒地一面されかうべ 山根征子 201105
さりげなくマフラー巻いて待ちくれし 浅井靑陽子 ホトトギス 201107
気付きたれば甲虫我がマフラーに 大橋敦子 雨月 201109
ざつくりとマフラー巻いて風の街 赤羽陽子 春燈 201202
マーラー聴くマフラーに首埋めつつ 上山永晃 春燈 201203
マフラーを外して今日のスケジュール 高田令子 201203
地獄絵を見てよりマフラー巻き直す 史あかり ぐろっけ 201203
吊橋を渡るマフラー巻き直し 細川知子 ぐろっけ 201203
マフラーの巻き方孫の叱り方 上田雪夫 ぐろっけ 201203
マフラーは赤漆黒を抜けてきて 坪内稔典 船団 201203
マフラーに首をうずめて星空へ 坪内稔典 船団 201203
マフラーに隠す罪咎ウオッカ呷る 古川夏子 201204
マフラーで絞める恋などしてみたし 亀井紀子 201205
マフラーをまだ来ぬ人へ巻き直す 近藤牧男 六月 201206
マフラーをしても青春かへらざる 岩岡中正 ホトトギス 201206
マフラーを伸ばして絆ごっこして 火箱ひろ 船団 201206
麟麟くんマフラー貸してあげやうか 川井秀夫 ろんど 201206
ふんはりと指編みマフラー首を埋め 鈴木セツ 201301
マフラーや朝のホームの高校生 岡野安雅 かさね 201301
マフラーをふんはり小猫抱くやうに 和田郁子 201302
桂郎の赤きマフラー畦をとぶ 神蔵器 風土 201302
惜命のながきマフラーとろろ吸ふ 山本耀子 火星 201302
兄在らば背丈際だつ長マフラー 品川鈴子 ぐろっけ 201302
大仏殿仰ぎマフラー巻直す 渡会昌広 馬醉木 201303
マフラーの色ほめらるる句会かな 伊勢きみこ 火星 201303
マフラーの中で呟く恋のうた 宮田香 201304
はらり巻く紅きマフラー老の伊達 高橋明 末黒野 201304
コンビニヘマフラー巻して一走り 國保八江 やぶれ傘 201304
恋は捨ててもマフラーは捨てられず 木暮陶句郎 ホトトギス 201305
マフラーに君との距離を近付けて 稲畑廣太郎 ホトトギス 201312
マフラー深く思春期の繭ごもり 辻美奈子 201402
マフラーもて口元覆ふ通学路 横山さくら 春燈 201402
マフラーの粋に隠せる既往歴 山田ゆう子 馬醉木 201402
マフラーの上に鼻ある寒さかな 坂口夫佐子 火星 201402
老犬の赤きマフラー蝶結び 国包澄子 201402
遺されしマフラー幾重にも巻いて 栗原公子 201402
頭の容よき丸刈りのマフラーよ だいじみどり 201403
首つたけの人のマフラー編んでをり 本田保 春燈 201403
顔の黒い羊に会った日のマフラー 火箱ひろ 201403
世に疎しマフラーぐるぐるぐる巻いて はしもと風里 201403
マフラー→2      

 

2020年12月14日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。