草 笛 3       100句

草笛や盲導犬の深まなざし   清水保  獐

麦笛  草笛

作品
作者
掲載誌
掲載年月
草笛や遂に閉ぢたる父祖の墓 佐々木暢 炎環 200909
言ひ負けし兄や草笛高鳴らし 東野鈴子 雨月 200909
草笛やひぐれの雲はとほすぎる 豊田都峰 京鹿子 200909
夕星や草笛いまもかすれ吹き 豊田都峰 京鹿子 200909
草笛の少年青きぼんのくぼ 鈴木智 200909
草笛を吹いて故人をなつかしむ 岩岡中正 ホトトギス 200910
草笛や父の教へのなつかしき 村上絢子 馬醉木 200910
城跡の草笛今も忘れ得ず 曷川克 遠嶺 200910
草笛の吾が音となつてきたりけり 高橋将夫 200910
草笛や八十路の青春無しとせず 竹下陶子 ホトトギス 200911
草笛の谺返らぬ白き雲 竹貫示虹 京鹿子 201005
草笛を互ひに吹いて下校の子 滝沢伊代次 万象 201006
皺の手の草笛もつとも高かりき 加藤みき 201006
草笛の呼ぶ郷愁の風に逢ふ 塩路五郎 201007
草笛や大地の果ての夕日呼び 泉田秋硯 201008
草笛の上手な爺を子の囲み 小山ミツ子 末黒野 201008
草笛やともに吹きたる兄は征きき 野沢しの武 風土 201008
草笛の音の出るまで畦に立ち 奥山茶々 風土 201008
通院の道に草笛吹いてみる 高倉恵美子 201008
草笛を吹いて昭和を引き戻す 阿部綾子 ろんど 201008
草笛の子にもおはこがあるらしく 荒木稔 ぐろっけ 201008
草笛を吹きつつ故郷後にせる 上田明子 雨月 201008
草笛や青い稜線せりあがる 加藤峰子 201008
金婚の父母に草笛吹き祝ふ 久保東海司 201009
草笛の音色を青と聞きゐたり 柳生千枝子 火星 201009
草笛や少年父を憧るる 大泉美千代 雨月 201009
草笛を鳴らす傘寿の男の子 次井義泰 201010
草笛やのらくろ世代みな吹けて 磯崎清 201010
昨日よりうまき草笛下校の児 白神知恵子 春燈 201010
草笛にしばし佇み耳すます 兼子栄子 酸漿 201010
草笛の力を抜いて吹けば鳴る 安武晨子 201012
吉祥天まで草笛の子を連れて 山尾玉藻 火星 201104
ジープより響く草笛峡暮し 石川かおり 201107
草笛はいまも苦手や父となり 松田洋子 201108
家潰え少年草笛吹きつ去る 土屋青夢 ぐろっけ 201108
草笛や二の丸跡の姿よし 前田美恵子 201108
生涯を草笛吹けず終りしか 高橋照子 雨月 201108
草笛の鳴らずじまひや海の紺 柴田佐知子 201109
草笛の上手な悦ちやん一つ下 荒木甫 201109
草笛や一舟浮かぶ有磯海 松下信子 万象 201109
吹けば鳴る老いの草笛生きめやも 藤岡紫水 京鹿子 201109
切れぎれの父の草笛子が継いで 鎌田篤 雨月 201109
草笛に波さざめける湖畔かな 石本秋翠 馬醉木 201110
草笛の軍歌に合はせ村を苅る 水野範子 ぐろっけ 201110
草笛やひぐれの雲はとほすぎる 豊田都峰 水の唄 201203
草笛に紛ふ耳鳴り庵籠り 品川鈴子 ぐろっけ 201206
草笛の音つきぬける古城かな 松本周二 かさね 201208
草笛の音にならねど楽しめり 戸田澄子 末黒野 201208
草笛の主砲を囃す外野席 足立良雄 201208
草笛を吹きて卒寿を自祝せり 藤岡紫水 京鹿子 201208
草笛ふく故郷の山河光らせて 安田優歌 京鹿子 201208
草笛の山河やレトロの旅支度 安田一郎 京鹿子 201208
草笛や大極殿の丹の柱 西村節子 火星 201208
草笛の出来たての音愛しめり 上谷昌憲 201209
草笛に飽きし頃より大人なる 松田都青 京鹿子 201209
草笛を吹けばふる里駆けて来る 今村征一 ホトトギス 201210
軍場に覚えし草笛忘れたり 物江康平 春燈 201210
草笛のひろがる空や夕茜 高橋定峰 末黒野 201210
杣の道草笛吹きて足軽き 山口登 末黒野 201210
草笛や天守台跡平らなる 大内佐奈枝 万象 201302
草笛や療園の坂のぼりくる 梶浦玲良子 六花 201310
草笛名人定評の無口なり 久染康子 201405
そのことに触れず草笛でも吹かな 中島知恵子 雨月 201406
草笛のさくらさくらや異邦人 岡田桃子 201407
草笛や雲の流るる古戦場 松本文一郎 六花 201408
草笛の最後は草にもどしけり 高橋将夫 201408
草笛そつと青空こはさぬやう 近藤喜子 201408
先生となる子草笛上手なり 山田美恵子 火星 201408
若き日の兄の草笛夢に聴く 池田節 春燈 201408
草笛をまつすぐ吹きし子は父に 高野春子 京鹿子 201409
どこかの国のうたよ草笛吹く人よ 菊地螢子 春燈 201409
花嫁に鳴らす草笛いつせいに 綱川恵子 万象 201409
草笛に卒寿の恋を吹きにけり 竹下陶子 ホトトギス 201411
草笛や無官といふは清らにて 鳥居美智子 ろんど 201411
草笛の少年ひとり馬柵に凭り 曽根薫風 馬醉木 201412
草笛を卒寿の息の吹ききれず 竹下陶子 ホトトギス 201412
草笛も風に消されてしまひけり 稲畑汀子 ホトトギス 201505
草笛や遠き日のごと星ともる 豊田都峰 京鹿子 201507
したたれる草笛に野の星もまた 豊田都峰 京鹿子 201507
草笛のこだまがへしのひとつ星 豊田都峰 京鹿子 201507
草笛を吹いては夫を振り向かす 白神知恵子 女坂 201508
草笛も唄も中なか村の長 大石よし子 雨月 201508
野原大学音楽科草笛奏法研究生 八木健 八木健俳句集 201509
草笛を吹きて山河の迫り来る 犬塚李里子 201509
草笛の音のねぢれて終はりけり 山田佳乃 ホトトギス 201510
草笛を震はせながらちりぢりに 三屋英俊 万象 201510
金婚の父母に草笛吹き祝ふ 久保東海司 風鈴 201512
須磨寺や草笛吹けば海まぶし 天谷翔子 201512
水田べり行く草笛のわらべ唄 榊山智惠 末黒野 201604
草笛や沼面ゆつくり雲流れ 伊藤希眸 京鹿子 201607
山の子は山へ草笛吹きながら 山内碧 201607
草笛やむかし兄ゐて弟も 齋藤晴夫 春燈 201608
草笛のすぐに鳴る人鳴らぬ人 内藤静 風土 201608
草笛や「からたち日記」ほしいまま 赤座典子 あを 201608
草笛の高音が止まり在の宵 福田周草 風土 201609
草笛のアンデスのうた雲白く 斉藤マキ子 末黒野 201609
草笛の音を競ひしよりの友 戸栗末廣 201609
草笛の余韻しみゆく一谷 堀井英子 雨月 201609
草笛を吹く一芸と言へるほど 三村純也 ホトトギス 201610
草笛や黒牛の耳大きかり 鎌田光恵 201610
兄さんの草笛に音重ねけり 山田佳乃 ホトトギス 201611
草笛 →4      

 

2021年5月18日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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