麦 笛       51句

麦笛を噛めば甘しやなつかしき   松本たかし  鷹

麦笛  草笛

作品
作者
掲載誌
掲載年月
麦笛やむかし無銭の旅を恋ひ 鷹羽狩行 199906
麦笛や吹いておのれは聞いてゐず 鷹羽狩行 199907
麦笛の夜はまばらな人でいる 南村健治 船団 199909
麦笛を吹く父の息続かざる 棚山波朗 春耕 200007
麦笛を吹きD51を待ちゐたり 高野清風 雲の峯 200207
鳴りさうで鳴らぬ麦笛青臭し 當麻幸子 雲の峯 200207
麦笛を教へてあげるいらっしゃい 蔵本博美 ぐろっけ 200209
麦笛やじやんけんぽんの負け知らず 内海はるか 200309
麦笛を上手に吹いて友逝けり 鈴木多枝子 あを 200310
麦笛の近づいてくる夕べかな 苑実耶 200310
麦笛をもて先生の名を呼べり 朝妻力 雲の峰 200406
麦笛やのつぺらぼうは師のあだ名 藤田あけ烏 草の花 200406
麦笛を吹く海へ吹く畔へ吹く 中尾公彦 200407
麦笛の少年過る札所寺 平賀扶人 馬醉木 200409
五十年ぶりの麦笛鳴りくれし 大串章 百鳥 200409
麦笛を吹いて父への挽歌とす 服部早苗 200509
少年の眼差しとなり麦笛吹く 高橋英子 ぐろっけ 200509
麦笛や声のつぶれし男吹く 滝沢伊代次 万象 200605
望郷の麦笛野風甘くする 渡邉友七 あを 200607
麦笛の大地に風の起りけり 稲畑汀子 ホトトギス 200705
風に乗る麦笛風に消されけり 稲畑汀子 ホトトギス 200705
鳴らぬ鳴らぬ麦笛夕陽中 水野恒彦 200709
麦笛の少年丘の遺跡過ぐ 浜田はるみ 遠嶺 200709
麦笛や幼きころの同じ音に 竹内弘子 あを 200806
麦笛やひと駅分を練り歩く 吉田明子 200808
父子して麦笛競ふ畑の中 鈴木多枝子 あを 200808
麦笛を吹くとき父の真顔なる 戸栗末廣 火星 200809
曲なさぬままに麦笛終りけり 佐藤圀夫 馬醉木 200810
麥笛や明治唱歌の節ばかり 瀧春一 深林 200901
麦笛を吹き六十路への序曲とす 小澤克己 遠嶺 200908
麦笛や男独りを通したる 高倉恵美子 200910
麦笛やそつと秘め事耳許へ 中島玉五郎 201006
麦笛や光つめたき瓶の底 松原仲子 201007
麦笛を吹きをり吾子を偲びをり 西村博子 馬醉木 201008
話すことなくて麦笛吹くふたり 八田マサ子 馬醉木 201107
麦笛や夕日に染まる雲の色 佐橋敏子 春燈 201108
麦笛を吹いて畑のはづれまで 大崎紀夫 やぶれ傘 201210
麦笛や安房を突き出す逆さ地図 能村研三 201407
麦笛を鳴らし近江の下校の子 大橋晄 雨月 201508
麦笛を吹いて畑のはづれまで 大崎紀夫 虻の昼 201510
麦笛の単調過去がやつて来る 片山煕子 京鹿子 201601
麦笛や何をせむとや遺されて 橋添やよひ 風土 201608
麦笛に歩みを止めぬ川堤 小川玉泉 末黒野 201608
麦笛や陸軍歩兵一等卒 中川句寿夫 ここのもん 201705
麦笛や歩くほかなき一里塚 稲岡みち子 雨月 201708
麦笛を上手に吹いて在所の子 宮本俊子 雨月 201808
麦笛に麦笛こたへ筑後かな 永淵惠子 201809
麦笛を捨てたる里も変りけり 中田みなみ 201811
麦笛や幼馴染の若き声 佐藤まさ子 春燈 202008
麦笛の彼方に遠き故郷かな 及川照子 末黒野 202008
麦笛を鳴らさぬ父や桜桃忌 小坂尚子 202208

 

2023年6月1日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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