蜘蛛の巣(含 他季)            71句

海に低く冬の日はあり蜘蛛の巣張る    高島茂

蜘蛛の囲  蜘蛛の巣  蜘蛛の子  蜘蛛

作品
作者
掲載誌
掲載年月
誤たず蜘蛛の巣八角労働祭 丸山海道 京鹿子 199812
蜘蛛の巣のむこうに予備の鍵がある 横倉由紀 船団 199902
蜘蛛の巣にかゝりたるより不機嫌に 稲畑汀子 ホトトギス 199905
蜘蛛の巣に森の通ひ路ありにけり 稲畑汀子 ホトトギス 199905
蜘蛛の巣の軒に光れり良夜かな 佐藤フクエ 春耕 199911
小才の効く蜘蛛の巣の風だのみ 宇都宮滴水 京鹿子 200010
ばりばりと頭の蜘蛛の巣をほどく 渡部ひとみ 船団 200107
蜘蛛の巣に紅葉吊りさげ撮る乙女 阿部ひろし 酸漿 200112
蜘蛛の巣は立体交差二主 高橋大三 ぐろっけ 200202
法の網くぐりて蜘蛛の巣を張れり 志麻茜 銀化 200208
奥美濃の谿湯に蜘蛛の巣の暖簾 品川鈴子 ぐろっけ 200307
一丈の蜘蛛の巣なりし磨崖仏 堀義志郎 火星 200309
蜘蛛の巣を払うてくれと大師像 桑島啓司 200311
日の辻に蜘蛛の巣を繰りゐたるかな 藤田あけ烏 草の花 200408
蜘蛛の巣の乾いてをりぬ杓子星 飯塚ゑ子 火星 200409
張替へし蜘蛛の巣露のあらたなり 里中章子 200502
蜘蛛の巣を白く飾れり山の雨 原田達夫 虫合せ 200506
まつ先に蜘蛛の巣にくる秋の風 戸栗末廣 火星 200511
蜘蛛の巣に露の化粧や朝日射し 杉江みつる 四葩 200512
蜘蛛の巣を三つこわして扉まで 加藤裕子 四葩 200601
蜘蛛の巣の緻密な図形宙にあり 島内美佳 ぐろっけ 200601
鉛筆で画く蜘蛛の巣や長電話 陳錫恭 春燈 200609
蜘蛛の巣に顔をぶつつけてしまひけり 小峯雅子 酸漿 200609
朝露の飾る蜘蛛の巣佛はずに 丹生をだまき 京鹿子 200611
蜘蛛の巣や廃家を沈め福木垣 伊舎堂根自子 万象句集 200703
水引を引く蜘蛛の巣の糸のあり 大内恵 酸漿 200712
蜘蛛の巣のいくつ光れり露の朝 坂本知子 酸漿 200712
蜘蛛の巣を残す木がらし第一号 早崎泰江 あを 200801
蜘蛛の巣の破れて正義とは何ぞ 常田創 200808
蜘蛛の巣の未完に終る爪楊枝 梶浦玲良子 六花 200809
蜘蛛の巣の張りつめてゐるやはらかさ 高橋将夫 200810
蒙古塚まで蜘蛛の巣を割りながら 秋千晴 201009
蜘蛛の巣の主は留守よ通り雨 中田禎子 201010
蜘蛛の巣の水玉光るハンモック 土屋喜美代 酸奬 201010
蜘蛛の巣はアガパンサスの茎の間に 渡邉孝彦 やぶれ傘 201012
軒下に夕雲掴み蜘蛛巣張る 鈴木俊孝 末黒野 201104
蜘蛛が巣を張れる軒下雨催ひ 谷口俊郎 201108
朝夕に蜘蛛の巣払ふ勝手口 中尾廣美 ぐろっけ 201110
蜘蛛の巣に先生だけがかかりけり 安原葉 ホトトギス 201111
蜘蛛の巣に我はモスラとなりて立つ  須藤常央 ホトトギス 201112
蜘蛛の巣の見えてゐるやう赤とんぼ 早崎泰江 あを 201112
蜘蛛の巣をタカサブロウで払いけり 荒木奈美惠 ろんど 201202
蜘蛛の巣の主が獲物のやうであり 小林朱夏 201204
洩れ来たる日に蜘蛛の巣の飾らるる 山田六甲 六花 201206
蜘蛛の巣を払ひてパントマイムめく 松本周二 かさね 201208
小さな巣蜘蛛の子見守る男の子 濱田ヒチヱ ぐろっけ 201208
蜘蛛の巣のちぢみて秋の彼岸かな 山田六甲 六花 201210
蜘蛛は巣をすぼめて秋の彼岸かな 山田六甲 六花 201211
蜘蛛の巣に小さき眞珠や朝の露 米田文彦 かさね 201301
木漏れ日に光る蜘蛛の巣秋の朝 丸山酔宵子 かさね 201301
今朝も亦昨日の蜘蛛の巣にかかり 小早川恒 馬醉木 201311
民宿や蜘蛛の巣作り見て泊る 瀧春一 花石榴 201312
煤払ひ即ち蜘蛛の巣を払ふ だいじみどり 201403
巣に狂ふ獲物に蜘蛛の近寄れず 久保東海司 201408
白き月捕へむと蜘蛛巣を拡ぐ 有松洋子 緑光 201411
蜘蛛の巣の七色八いろ雨の露 佐藤恭子 あを 201509
蜘蛛の巣を両手で払ふ日午なり 亀井紀子 201510
秋の日に浮いて蜘蛛の巣大いなり 中嶋陽子 風土 201603
蜘蛛の巣や素数定理の美しき 坂本徹 201609
蜘蛛の巣の主は見えず夕陽かな 神田惣介 京鹿子 201611
小流れの上に巣を張る秋の蜘蛛 渡邊孝彦 やぶれ傘 201611
蜘蛛は巣を人は虚言を吐く濁世 山中志津子 京鹿子 201709
巣を張りし蜘蛛に三日の留守たのむ 山本喜朗 雨月 201808
蜘蛛の巣の未完のままに朝日かな 北村梢 京鹿子 201810
主無き蜘蛛の巣の透けゐたりけり 永田万年青 六花 201810
繊細に密に蜘蛛の巣張りにけり 永田万年青 六花 201810
蜘蛛の巣の芯にたたかふ蜘蛛と蜂 内藤静 風土 201810
なゐあとの蜘蛛は考ふ巣のも中 定梶じょう あを 201810
火の国の川に巣を張る女郎蜘蛛 延川五十昭 六花 201812
蜘蛛の巣を天に残して黄昏るる 丸井巴水 京鹿子 201909
蜘蛛の巣や一つや二つ殺すかも 竹内悦子 201911
雨上り軒に蜘蛛の巣銀の玉 土田野里子 202109
道の辺の蜘蛛の巣に降る通り雨 枝みや子 やぶれ傘 202110
虚子像の耳に蜘蛛の巣とは不将 原木村享史 ホトトギス 202111

 

2023年7月14日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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