蜘蛛の囲 2           88句

蜘蛛の囲に霧の重さの撓みかな    伊東さよ

蜘蛛の囲  蜘蛛の巣  蜘蛛の子  蜘蛛

作品
作者
掲載誌
掲載年月
震度五はありぬ蜘蛛の囲蜘蛛踏まへ 定梶じょう あを 201310
蜘蛛の囲を払ひ払ひて野菜採る 仁平則子 201311
蜘蛛の囲をきれいに残し蜘蛛の留守 佐々木紗知 京鹿子 201311
蜘蛛の囲の裏側すでに暮れてをり えとう樹里 201311
蜘蛛の囲に露のかかりし高野口 深澤鱶 火星 201401
紅葉のひと葉燦めく蜘蛛の囲に 和田郁子 201401
蜘蛛の囲に大羽広げ秋の蝶 大野芳久 やぶれ傘 201402
蜘蛛の囲の今日新しくなりてをり 飛高隆夫 万象 201408
免震の極意は蜘蛛の囲にありぬ 高橋将夫 201408
蜘蛛の囲の眩き朝や雨霧れて 大島寛治 雨月 201409
蜘蛛の囲の一糸緻密に織りなせる 国包澄子 201409
山霧を含み蜘蛛の囲点々と 須賀敏子 あを 201409
蜘蛛の囲や時の移ろふ磨崖仏 河村啓花 ろんど 201410
蜘蛛の囲や時の移ろふ磨崖仏 河村啓花 ろんど 201410
蜘蛛の囲のティアラとなりぬ雨のあと 相良牧人 201410
蜘蛛の囲に懸りて今朝の物忘れ 沼澤石次 馬醉木 201508
蜘蛛の囲を余さず桜蘂降りぬ 来海雅子 201508
蜘蛛の囲に雨滴つつみの撓みかな 能村研三 201508
蜘蛛の囲の全し嬰の熟寝かな 田中佐知子 風土 201508
蜘蛛の囲に占拠されたる裏出口 大橋晄 雨月 201508
蜘蛛の囲のダイヤ繋ぎに光りけり 岡真紗子 201509
蜘蛛の囲へ紙飛行磯の突つ込みぬ 小林朱夏 201510
蜘蛛の囲や夕日まみれの幹の洞 高野春子 京鹿子 201510
蜘蛛の囲を透けて夕日の真つ赤つ赤 松本三千夫 末黒野 201510
蜘蛛の囲の白くつきりと今朝の雨 都留百太郎 末黒野 201510
蜘蛛の囲を山吹色に秋の暮 山田六甲 六花 201511
蜘蛛の囲や十万億土の果てに星 服部早苗 201511
搦手はまた蜘蛛の囲でありにけり 河野美奇 ホトトギス 201512
地下鉄の蜘蛛の囲巡る秋袷 七郎衛門吉保 あを 201512
蜘蛛の囲に掛かる滴や坊泊り 小林文良 春燈 201608
蜘蛛の囲の待つてふ孤独雨上る 荒井千瑳子 201608
蜘蛛の囲を今日も崩して無風なり 笹村恵美子 201609
蜘蛛の囲を潜りかつての句座探す 鈴木石花 風土 201609
蜘蛛の囲を誉めたる後は打ち払ふ 内藤静 風土 201609
蜘蛛の囲を引つ張つてゐる髢草 古川京子 万象 201609
蜘蛛の囲の破れしかなた夕山河 松田多朗 馬醉木 201610
蜘蛛の囲を繕ふ糸のきらきらと 佐藤康子 末黒野 201610
蜘蛛の囲や一番星の引つ掛り 岩下芳子 201610
蜘蛛の囲の光は虫に見えぬらし 山下美典 ホトトギス 201612
蜘蛛の囲の七周毎の大隙間 青木朋子 201702
蜘蛛の囲の出来立てサンダルおろしたて 中居由美 船団 201702
蜘蛛の囲やただ今瓦斯の検針中 鈴鹿呂仁 京鹿子 201705
蜘蛛の囲や有料回線行き詰まる 鈴鹿呂仁 京鹿子 201706
蜘蛛の囲に朝の油断のありしかな 稲畑汀子 ホトトギス 201706
孔子像の蜘蛛の囲に降る桜蘂 加藤昌安 末黒野 201708
蜘蛛の囲の真中蜘蛛が占領す 中江月鈴子 201709
天空に蜘蛛の囲かがりをりにけり 永田万年青 六花 201710
蜘蛛の囲の虜となりし星の数 介弘浩司 ホトトギス 201712
雨粒をつけ蜘蛛の囲の撓みけり 秋千晴 201712
蜘蛛の囲をキャンバスとして雨滴かな 小林はじめ 六花 201712
蜘蛛の囲の軒に吹かれて冬はじめ 富田要 万象 201803
蜘蛛の囲の真綿となりて吹かれをり 沼田巴字 京鹿子 201806
蜘蛛の囲に囚はれ花鳥諷詠詩 稲畑廣太郎 ホトトギス 201806
蜘蛛の囲の星と存問する高さ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201806
逆光の蜘蛛の囲何と美しき 稲畑汀子 ホトトギス 201806
又かかる蜘蛛の囲同じところかな 稲畑汀子 ホトトギス 201806
又蜘蛛の囲にかかりたる迂闊さよ 稲畑汀子 ホトトギス 201806
蜘蛛の囲や隠れ道ゆく国分寺 小林共代 風土 201807
人影なき森奥に蜘蛛囲を張れる 堀田こう 雨月 201809
囲の見えず蜘蛛は白雲つかむかな 岡村彩里 雨月 201809
行道の門に土蜘蛛囲を張れり 竹中一花 201809
蜘蛛の囲に一糸の無駄も見当らず 佐津のぼる 六花 201809
蜘蛛の囲の光の筋よ夜がくる おーたえつこ 201809
蜘蛛の囲や傘の骨より強さうな 片山煕子 京鹿子 201810
蜘蛛の囲をひからせ夕日海に入る 片桐紀美子 風土 201810
蜘蛛の囲の一番星をとらへをり 石原孝人 京鹿子 201901
風向きへ囲を張りなほし冬の蜘蛛 小田嶋野笛 末黒野 201903
疵一つなき蜘蛛の囲や小糠雨 菅野日出子 末黒野 201909
蜘蛛の囲の張る無住寺に雨宿り 本田武 やぶれ傘 201911
蜘蛛の囲に触るれば蜘蛛の向ひくる 浜崎素粒子 ホトトギス 201912
もう繕はぬ蜘蛛の囲となりにけり 角野良生 202006
蜘蛛の囲に今日また触れて乱れ髪 原博美 風土 202009
蜘蛛の囲や霜の花めく雨の粒 岡野里子 末黒野 202009
蜘蛛の囲に引つ掛かりゐる日差しかな 本田武 やぶれ傘 202009
蜘蛛の囲の校正もなく出来上る 齊藤實 202010
蜘蛛の囲の裏側の山眩しかり 住田千代子 六花 202010
日輪を捉へ蜘蛛の囲の風輪 浜田はるみ 202011
蜘蛛の囲にあまた吹かれぬ草の絮 中根美保 風土 202012
蜘蛛が囲を張るだけ張つて消えにけり 秋千晴 202102
払つてもまた払つても蜘蛛の囲は 岩藤礼子 やぶれ傘 202108
蜘蛛の囲の応護に託す安楽寺 鈴鹿呂仁 京鹿子 202108
蜘蛛の囲の三角点を始めとす 牛島晃江 202109
蜘蛛の囲の身丈に適ふ小ささよ 田中春江 末黒野 202109
蜘蛛の囲にガサガサガサと奈落かな 七郎衛門吉保 あを 202109
蜘蛛の囲に残る雨粒光りをり 神山市実 やぶれ傘 202110
蜘蛛の囲のティアラめきたる雨雫 菅原末野 風土 202110
蜘蛛の囲や間口の狭きレース店 永井惠子 春燈 202110
蜘蛛の囲の張られつぱなしや池の上 西谷恵美子 春燈 202110
蜘蛛の囲を払ふ手の修羅蜘蛛の修羅 門井千歩 京鹿子 202201
蜘蛛の囲の万華鏡めく雫かな 澤田英紀 202207
蜘蛛の囲や宿坊に酌む般若湯 小林文良 春燈 202209
蜘蛛の囲のべたりと髪に木下闇 有賀畠子 やぶれ傘 202209
蜘蛛の囲をひとつ払ひてまたひとつ 神山市実 やぶれ傘 202210
蜘蛛の囲に跳返されし一歩かな 湯川雅 ホトトギス 202211
蜘蛛の囲をかぶる漢の声哀し 伊藤啓泉 202211
蜘蛛の囲→1

 

2023年7月11日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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