九月 2    99句

風落ちて水にひろごる九月かな   八田木枯

九月  九月尽

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書その他
九月かな実習畑に声の湧く 林裕子 風土 200312  
ケーキ屋の灯の明々と九月かな 保田英太郎 風土 200312  
羽二重団子下げて芋坂九月かな 平田紀美子 風土 200312  
看護士のめくる九月のカレンダー 板橋智恵子 百鳥 200312 両手首骨折
さはさはと刻吹かれゐて森九月 山田美保 200312  
父母の墓つつむ九月の海光よ 荒井千佐代 200312  
山影冷ゆ羊歯に九月の日はあれど 市場基巳 200401  
九月はや羽黒の坊は榾燃ゆる 岸のふ 馬醉木 200401  
九月来る両手空つぽにして歩く 木村みかん 200401  
九月かな養生訓を壁に貼り 吉田島江 火星 200403  
雨がちの九月の肝を休まする 伊藤白潮 200410  
沼風や九月の鳰の遠遊び 伊藤白潮 200410  
粗土に馬柵の影濃き九月かな 渡邊千枝子 馬醉木 200411  
出来過ぎのキャベツのあはれ九月かな 久永淳子 春燈 200411  
妻の忌やむかしむかしの九月来ぬ 徳永辰雄 春燈 200411  
鳥海山に雲の鉢巻九月来る 米屋道子 200411  
分厚なるノートに変へて九月とす 豊田都峰 京鹿子 200411  
九月二日飯田蝶子の涙かな 堀内一郎 あを 200411  
生きもののなかの一人の九月かな 内藤ゑつ ゑつ 200411  
浮き雲の耀ふ光ゲも九月かな 西屋敷峰水 河鹿 200412  
ブラックの旗が九月は幅利かす 泉田秋硯 200412  
九月集読むや夜汽車に居る心地 井上信子 200412  
束ね髪解けば九月の風になる 瀬下るか 200412  
モナリザ笑み続ける九月十一日 片山タケ子 200412  
椈の森に入り九月の木霊かな 雨村敏子 200412  
休講のお知らせ届く九月かな 林裕子 風土 200412  
九月はや黄竜は雪を纏ひ初む 梶井和呼 酸漿 200412  
痛み止め厭き厭きしたる九月かな 十河秀子 百鳥 200412  
目礼に参禅終る九月かな 近藤幸三郎 風土 200501  
日めくりの三粍となり九月果つ 真木早苗 八千草 200503  
神宿る山へ九月の星溢れ 藤嶋まさと 200504  
溜息が沈黙となる九月の田 藤嶋まさと 200504  
まだ白の目立ち九月のサラリーマン 稲畑廣太郎 ホトトギス 200509  
日差まだ九月を遠ざけてをりぬ 稲畑廣太郎 ホトトギス 200509  
九月来る雨後の竹垣匂ひ立ち 岡本眸 200509  
喪返しに鷹峰居士とあり九月 伊藤白潮 200510  
九月来る筆一本を糊口とし 伊藤白潮 200510  
陀羅尼助九月の雨のうす湿り 吉田かずや 春燈 200511  
馬の眼の濡れてゐるなり九月かな 野澤あき 火星 200511  
外灯の照らし交はして九月来る 仲村青彦 200511  
四季咲きの萩も九月は殊の外 大嶽志萌 200511  
戌の日の祝迎えし九月かな 鎮田紅粽 200512  
騙し絵の窓に九月の光りかな 岩月優美子 200512  
向かうにも道あり九月来たりけり 富沢敏子 200512  
蔓引かれ青し九月の烏瓜 村田さだ子 酸漿 200512  
カレンダー書き込み多き九月かな 須藤美智子 風土 200512  
夫の写真九月の壁に笑つてゐる 芝尚子 あを 200512  
山畑の豆の葉黄ばむ九月かな 塩井志津 万象 200601  
忘れまじ九月九日てふ忌日 稲畑廣太郎 ホトトギス 200610  
奉納の貝に九月の波の音 万城希代子 200611  
かりそめにあらざる九月十九日 神蔵器 風土 200611  
さみしさに羽音ありけり森九月 西川織子 馬醉木 200611  
九月はや机上の白紙飛びやすく 加瀬美代子 200611  
白神の九月の橅は緑濃く 須賀敏子 あを 200611  
さあ九月まずは珈排飲み干して 石田玲子 200612  
少年のこゑはや銹びし九月かな 水野恒彦 200612  
塩振つて九月の海に出でにけり 小形さとる 200612  
くもの囲の中を九月の雲うごく 城孝子 火星 200612  
九月逝く讃美歌三百二十番 外川玲子 風土 200612 四十年間の友を失ふ
山門へ九月の日傘たたみけり 植松安子 200612  
退院日定まり九月も果てむとす 瀬尾幸代 200701  
白兎跳ぶごとき沖波九月かな 伊藤トキノ 200701  
「北吉」へ九月四日の朝帰り 小山徳夫 遠嶺 200701 越中八尾の割烹旅館
軸替へて風新しき九月かな 秋千晴 200702  
九月来る平和宣言都市の塔 米山喜久子 200711  
空の青地球儀の青九月来ぬ 米山喜久子 200711  
木椅子乾くプールサイドの九月かな 横田初美 春燈 200711  
切り分くる豆腐ゆれゐる九月かな 吉村さよ子 春燈 200711  
うらなりの西瓜ころがる九月畑 木内美保子 六花 200711  
檀の実まだ青々と九月なり 鈴木幾子 酸漿 200711  
木の間より風かさかさと九月かな 小澤純子 200712  
木綿もの手熨斗畳みの九月かな 吉武千束 200712  
水辺りの九月はじまる匂ひかな 佐々木幸 200712  
母校への道均されし九月かな 高倉和子 200712  
池を這ふ霧のはやさも九月なる 前田陶代子 200801  
やわらかに土踏まずあり九月来る 坪内稔典 坪内稔典句集U 200804  
秋九月樹霊もわれもあぐらして 坪内稔典 坪内稔典句集U 200804  
九月の水流れてゐたり正暦寺 城孝子 飛火野 200808  
タイガース二位になりたる九月かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200809  
身ほとりに忌日の多き九月かな 稲畑汀子 ホトトギス 200809  
越中八尾九月三日の雨止まず 朝妻力 雲の峰 200810 風の盆
ガスコンロ火の透き通る九月かな 北島和奘 風土 200811  
炎の舐むる牛舌の反り九月来る 千田敬 200811  
魚跳ねて金属音のする九月 七種年男 200811  
水入りも無し三日目の九月場所 赤座典子 あを 200811  
鉛筆のやうな少年九月来る 田口紅子 200812  
揺れやすきものからゆれて風九月 脇千英子 200812  
海鳴りも耳鳴りも去り九月来る 伊藤希眸 京鹿子 200812  
貝塚に湯の神在す九月かな 竹内悦子 200812  
九月なり海の没日も白象も 雨村敏子 200812  
傘たたむ九月の雨に灯らぬ軒 外川玲子 風土 200812  
ハンカチの木買つて九月の花屋かな 井口ふみ緒 風土 200812  
大亀のゆっくり沈む九月かな 吉成美代子 あを 200909  
絵日記の後一頁九月来る 藤見佳楠子 200911  
リハビリにモジリアニめく九月かな 和田政子 200911  
岸壁に残る波跡九月来る 小田里己 200911  
割り切れぬ奇数九月の雲ま白 丸山佳子 京鹿子 200911  
まっすぐに血液すすむ九月かな 篠田純子 あを 200911  
帆柱の影すつきりと九月かな 橋本良子 遠嶺 200912 九月→ 3

2013年9月23日 作成

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