九 月 1 100句
忘れゐし暦めくると九月の忌 高島茂 鯨座 |
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作品 |
作者 |
掲載誌 |
掲載年月 |
九月なりブツダも見たる犀の肚 | 岡井省二 | 槐 | 199809 |
何もせぬ母に九月の空のあり | 田畑保英 | 火星 | 199810 |
公園に静けさもどる九月かな | 島田教夫 | 春耕 | 199811 |
秋九月樹霊のKに会いに行く | 坪内稔典 | 船団 | 199812 |
秋九月樹霊もわれもあぐらして | 坪内稔典 | 船団 | 199812 |
のぞみ号君をさらった九月一日 | 尾上有紀子 | 船団 | 199902 |
「車輪の下」贈る九月の誕生日 | 内田美紗 | 船団 | 199903 |
潮揺れ九月は穴の鱓かな | 岡井省二 | 槐 | 199909 |
川の面を雨の流れる九月かな | 吉野裕之 | 槐 | 199909 |
イクルーを出て死神と会う九月 | 松田正徳 | 船団 | 199909 |
真夜中の九月の空の明るかり | 竹内悦子 | 槐 | 199910 |
消息の間遠となりし九月かな | 山田弘子 | 円虹 | 199911 |
映像の蝶の渡りの九月かな | 竹部千代 | 澪 | 199911 |
二人家に葉影あしらふ九月かな | 中村堯子 | 銀化 | 199911 |
横書きの名刺に替へて九月かな | 千田百里 | 巴里発 | 199911 |
輪蔵に鍵の音する九月かな | 小形さとる | 槐 | 199912 |
九月とふ大きな洞のなかにゐる | 小形さとる | 槐 | 199912 |
黒松の幹に觸れたる九月かな | 小山森生 | 槐 | 199912 |
奥山の白光九月さ中なり | 小形さとる | 槐 | 199912 |
安曇野よ九月十月風の橋 | 道悠喜 | 海程 | 199912 |
風立ちて九月の浜の片ピアス | 肥后潤子 | 遠嶺 | 199912 |
朝九月遠き雲まで歩かんか | 小黒カツ | 酸漿 | 199912 |
どわすれの眼鏡をさがす九月かな | 信崎和葉 | 六花 | 199912 |
九月かぐろく奉書見てゐる上の兄 | 栗林千津 | 船団 | 199912 |
東西屋クラリネットが九月です | 中林明美 | 船団 | 199912 |
心引締めてはじまる九月かな | 安原葉 | ホトトギス | 200002 |
一向に九月らしくはならぬかな | 稲岡長 | ホトトギス | 200002 |
念力のふとゆるみたる九月かな | 稲岡長 | ホトトギス | 200002 |
揉み合つて九月の電車出てゆけり | 吉野裕之 | 槐 | 200002 |
九月来ぬまづ踵より身を洗ふ | 田中藤穂 | 水瓶座 | 200002 |
まねき猫まねくは九月の寂しん坊 | 尾上有紀子 | わがまま | 200002 |
のぞみ号君をさらった九月一日 | 尾上有紀子 | わがまま | 200002 |
九月には人間嫌いのふりをする | わたなべじゅんこ | 鳥になる | 200003 |
チンパンジー九月の空にぶらさがり | 松木知子 | ヒッポ千番地 | 200004 |
爪ほどの鳩羽根色の九月の蝶 | 三神あすか | ヒッポ千番地 | 200005 |
降り出して九月の空でありしかな | 稲畑汀子 | ホトトギス | 200009 |
欠席の多き九月の会となる | 稲畑汀子 | ホトトギス | 200009 |
脚二本汀を歩く九月なり | 岡井省二 | 槐 | 200009 |
白象の四足そろへし九月なり | 岡井省二 | 槐 | 200009 |
コ-ランが九月の陸を荘厳す | 岡井省二 | 槐 | 200009 |
呼気吸気九月レンズを磨くなり | 岡井省二 | 槐 | 200009 |
消しゴムへ帰る九月の半ばには | 中原幸子 | 遠くの山 | 200010 |
いろいろの川音のある九月かな | 加古みちよ | 火星 | 200011 |
波の上に魚の浮きくる九月かな | 田畑幸子 | 火星 | 200011 |
切株の見えて九月の水逸る | 竹部千代 | 澪 | 200011 |
冠雪の嶺々はや眼下なる九月 | 奥田智久 | ホトトギス | 200012 |
明烏声の間近に九月かな | 岡和絵 | 火星 | 200012 |
九月また山羊の歯茎となりゐたる | 小形さとる | 槐 | 200012 |
今日どっと雨の九月の涼あらた | 大西正栄 | 雨月 | 200012 |
バトン受け取りて九月の風となる | 小嶋洋子 | 沖 | 200101 |
木の言葉飛び交う朝の九月の木 | 鶴濱節子 | 船団 | 200102 |
大書院九月の山が目の高さ | 坪内稔典 | 船団 | 200105 |
九月また玉虫がくる一位の木 | 岡井省二 | 槐 | 200107 |
鉄棒をくるり回れば九月来し | 松田都青 | 京鹿子 | 200110 |
櫨の木にはしりもみぢの九月かな | 阿部ひろし | 酸漿 | 200110 |
落款の隷書九月ももう終り | 山田六甲 | 六花 | 200110 |
飯桐の房あをあをと九月なり | 阿部ひろし | 酸漿 | 200111 |
切抜きの多し九月の新聞紙 | 早崎泰江 | あを | 200111 |
星の座の組替へを待ち九月来る | 波多洋子 | 銀化 | 200111 |
甌穴の底まで透ける九月かな | 松塚香寿子 | 俳句通信 | 200111 |
鉄塔の反り際やかに九月来る | 岡本眸 | 朝 | 200111 |
大潮の九月の風の匂ひかな | 石脇みはる | 槐 | 200111 |
山上駅九月処女雪胸に舞ふ | 村上光子 | 馬醉木 | 200112 |
昆布漁過ぎし九月の怒涛かな | 安達実生子 | 苑 | 200112 |
月光の九月の白き曼陀羅華 | 加藤みき | 槐 | 200112 |
くねくねと九月の市電よかばつてん | 深澤鱶 | 火星 | 200112 |
大阪城九月の光当りをり | 堀義志郎 | 火星 | 200112 |
ビール園ランチ九月の海辺かな | 三橋泥太 | 遠嶺 | 200112 |
雨風の猛りし利根の九月かな | 中根栄子 | 遠嶺 | 200112 |
きのふより高し九月の富士の山 | 佐藤喜孝 | あを | 200112 |
忽然とカンナ芽を出す九月かな | 東芳子 | 酸漿 | 200201 |
九月なりブッダも見たる犀の肚 | 岡井省二 | 槐 | 200201 |
磔像に祈る九月の軽井沢 | 吉村ひさ志 | ホトトギス | 200202 |
軽やかな風や九月も末となり | 山田閏子 | ホトトギス | 200202 |
旅多きことも九月の過ぎ易く | 稲畑汀子 | ホトトギス | 200209 |
子規のこと偲ぶ九月と思ひつゝ | 稲畑汀子 | ホトトギス | 200209 |
事多き九月やうやく過ぎんとす | 稲畑汀子 | ホトトギス | 200209 |
組み替へる脚に触れたる九月かな | 田中英子 | 火星 | 200211 |
山近く滝近く住み九月来る | 高橋照子 | 雨月 | 200211 |
どんでん返し無くて九月も了りけり | 神蔵器 | 風土 | 200212 |
好日や九月の鶴見吟行図 | 上田祥子 | 遠嶺 | 200212 |
おづおづと疊に長き九月の陽 | 稲谷妙子 | 遠嶺 | 200212 |
買ひたての枕に頭九月かな | 浜口高子 | 火星 | 200212 |
砂山の九月影こき槐の木 | 水野恒彦 | 槐 | 200212 |
晴天や九月半ばの亀の首 | 大島翠木 | 槐 | 200212 |
太陽の破れ繕ふ九月かな | 志方章子 | 六花 | 200212 |
どんよりと梵鐘澄める九月かな | 松本康司 | 銀化 | 200212 |
草々や九月の光ほしいまま | 家塚洋子 | 酸漿 | 200212 |
九月十一目うさぎ抱きしめる | 片山タケ子 | 鴫 | 200301 |
九月かな養生訓を壁に貼り | 吉田島江 | 火星 | 200302 |
ことごとく港濡らせり九月の雨 | 青山丈 | 朝 | 200302 |
九月来る川面に木々の影正し | 平田はつみ | 馬醉木 | 200311 |
鳴り止まぬ風鈴九月一日来 | 三浦香都子 | 対岸 | 200311 |
大き樹より足下りてくる九月かな | 元田千重 | 火星 | 200311 |
檣頭に風の哭(な)く日や九月の詩 | 泉田秋硯 | 苑 | 200312 |
沖雲の翼広げて九月来ぬ | 平田はつみ | 馬醉木 | 200312 |
九月来る足踏み入るる潦 | 木村みかん | 鴫 | 200312 |
かたくなな九月生れや実むらさき | 高尾豊子 | 火星 | 200312 |
九月来て友にちからの三分粥 | 岩尾みち子 | 京鹿子 | 200312 |
石ベンチ九月の海を泳ぐ人 | 三井孝子 | 六花 | 200312 |
九月 →2 |
2021年10月6日 作成
「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。
「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。
注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。
ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。