九月尽    93句

傾城の小哥はかなし九月尽   其角

作品
作者
掲載誌
掲載年月
肉たるむ鶏頭倦めり九月尽 有働亨 馬醉木 199812
人中に肩泳がする九月尽 岡本まち子 馬醉木 199812
声かぎり海へ唄ふよ九月尽 細川知子 ぐろっけ 199901
ジョニ黒の行人振り向く九月尽 宮嵜亀 船団 199903
見えて来し未来引き寄せ九月尽 稲畑汀子 ホトトギス 200009
九月尽わが誕生月終る 金澤明子 火星 200012
枝々の闇にとけゆく九月尽 成重佐伊子 俳句通信 200012
創作の力貰ひし九月尽 桑原敏枝 いろり 200012
消しゴムのかす掻き寄せる九月尽 藏本博美 ぐろっけ 200012
九月尽湖ある方を南とし 林朋子 船団 200103
仲間にも言えぬ事情の九月尽 桑原敏枝 いろり 200111
漢方にすがる身となり九月尽 井田道子 200201
いつからの心の錆や九月尽 関口ゆき あを 200211
余り種袋に閉ぢぬ九月尽 木船史舟 200212
心病むゆえの休筆九月尽 大野雑草子 円虹 200212
体温をぬぐワンピース九月尽 尾上直子 200212
真つすぐに釘打ち込めり九月尽 加藤はま子 200212
石蹴りの音のみ渇く九月尽 宇都宮滴水 京鹿子 200311
不揃ひに並ぶ本の背九月尽 内山千代子 帆船 200312
換気扇新しくして九月尽 須賀敏子 あを 200312
閉店の貼紙の褪せ九月尽く 八木玲子 百鳥 200312
九月尽なほ捨てきれぬ外れ籤 塩路隆子 200501
味噌汁をお代りしてる九月尽 岸幸子 帆船 200501
選挙結果先先不安九月尽 安部里子 あを 200511
友の跋やうやく仕上ぐ九月尽 荒井正隆 200512
九月尽小さきコラム切り抜きて 高木嘉久 200512
手をとりて歩むことなく九月尽 須賀敏子 あを 200512
水槽に魚群の乱舞九月尽 沼口蓬風 河鹿 200601
足元を消したる驟雨九月尽 高倉和子 200601
ロボットと交す言葉よ九月尽 森山のりこ あを 200611
気構へはや綻びみせて九月尽 木村風師 馬醉木 200612
水晶の首輪直しに九月尽 真木早苗 八千草 200704
人恋ふや鯉の離れぬ九月尽 前田美恵子 200712
食堂車のランプ過ぎゆく九月尽 服部早苗 200801
九月尽この道ばかりは避けられず 宇都宮滴水 京鹿子 200809
双方向の老老介護九月尽 赤座典子 あを 200811
タイガースにマジックいく度九月尽 森下康子 200812
九月尽渚伝ひに小犬跳ね 浅田光代 風土 200812
雨の日の暮るる速さや九月尽 山下青坡 200905
九月尽野犬蹤きくる余後の歩に 宇都宮滴水 京鹿子 200908
九月尽く首もつて注ぐウイスキー 布川直幸 200911
糊しろのやうなる九月尽きにけり 小嶋洋子 泡の音色 200912
網膜がかなしくなるの九月尽 中谷仁美 船団 200912
口喧嘩帰る家ある九月尽 安部里子 あを 200912
床下の乾く亀裂や九月尽 大内幸子 六花 201001
鉛筆を束ねて削る九月尽 松原仲子 201012
九月尽地球の自転早まりぬ 伊藤純子 201112
みちのくの物産展や九月尽 山本丈夫 201112
七十億の一人で在りし九月尽 須賀敏子 あを 201112
人の死を悼みつ九月盡惜しむ 定梶じょう あを 201112
枕にも自分の形九月尽 高倉和子 夜のプール 201203
ふとしのぎ易き朝とも九月尽 稲畑汀子 ホトトギス 201209
九月尽人と離れて海を見る 小倉陶女 春燈 201212
九月尽喜怒哀楽の楽遠く 篠原幸子 春燈 201212
対岸はたづきの明かり九月尽 安立公彦 春燈 201301
城翳す「真田幸村」九月尽 山田佳子 201301
飛騨川の逆巻く波や九月尽 河合とき 末黒野 201301
九月尽戦ひ終へしごとく臥す 小田嶋野笛 末黒野 201301
診察券一枚ふえて九月尽 松本アイ ぐろっけ 201302
現世へ吐息ひとつを九月尽 石坂比呂子 ろんど 201312
持ち古りし鞄の手擦れ九月尽 安立公彦 春燈 201312
決勝戦術無く終り九月尽 赤座典子 あを 201409
逃げてゆく喪ごもりの日々九月尽 佐藤淑子 雨月 201412
父の居し病室のぞき九月尽 堀内一郎 堀内一郎集 201412
寝室のノブが甘くて九月尽 荒木甫 201501
ふといづる経の一文九月尽 四條進 201511
まだ解けぬ神の法則九月尽 近藤真啓 春燈 201512
ひと知れず祈りの行者九月尽 秋川泉 あを 201512
鉄棒に稲の束干し九月尽 石井ケエ子 風土 201512
天窓に束の間のあを九月尽 水野加代 万象 201612
貝釦きつきカフスや九月尽 江見悦子 万象 201701
耳遠き師の声強し九月尽 松原智津子 万象 201702
舞ひ納む金の扇や九月尽 江見悦子 万象 201702
「ひよっこ」に自分史重ね九月尽 七郎衛門吉保 あを 201711
大病を生きぬいてゆく九月尽 秋川泉 あを 201712
洞の木の四つ伐り転び九月尽 三留早苗 201712
蓮根をぱりりと噛みて九月尽 小林愛子 万象 201712
神の花の能書きを読む九月尽 中堀倫子 201801
九月尽季寄せ片手に入院す 志方章子 六花 201801
建売りに未だ万国旗九月尽 赤座典子 あを 201811
撤退の白物家電九月尽 荻布貢 201811
推敲を大方終へし九月尽 谷口一献 六花 201812
豪州は春半ばなり九月尽 谷口一献 六花 201912
耕作放棄の畑の荒れざま九月尽 中里よし子 春燈 201912
手放すものちやつちやと放し九月尽 辻水音 201912
ふり返るときに日々あり九月尽 稲畑汀子 ホトトギス 202009
外つ国の銀貨黒ずみ九月尽 森村江風 202011
コロナ禍の推移見守る九月尽 千葉禮子 202012
コロナ禍も峠を越して九月尽 須賀敏子 あを 202111
九月尽解除解任解散と 七郎衛門吉保 あを 202111
小夜嵐寝付けぬままに九月尽 小林清彦 末黒野 202201
寂寥のただよふ庭や九月尽 秋川泉 あを 202211
九月尽誰かに電話したき夜 五十嵐章子 202212

 

2023年9月30日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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