黄砂/黄沙 3     105句

黄砂/黄沙   霾天  霾ぐもり  黄塵

作品
作者
掲載誌
掲載年月
閂に黄沙うつすら御成門 品川鈴子 ぐろっけ 201103
九州を又も侵すか冬黄沙 山口博通 ぐろっけ 201103
黄砂降りふりまわされる日本国 吉井潤 ぐろっけ 201105
黄砂より一足先にパンダ来る 小俣剛哉 雨月 201105
地球包む一枚の空黄砂降る 川崎真樹子 春燈 201106
書を売りし遠き日もあり黄沙降る 水野恒彦 201106
黄沙降り「元朝秘史」の終講す 竪山道助 風土 201107
長き旅終へて黄砂の着地かな 永塚尚代 ぐろっけ 201107
黄砂万丈もの影深き一と日なり 藤岡紫水 京鹿子 201107
ソウルにも黄砂降るてふ注意報 木戸宏子 201108
遠山はすっぽり隠れ黄沙降る 宇治重郎 201108
先づ眉山消えし黄沙の徳島市 岩田公次 ホトトギス 201108
黄砂来る胡楊紅柳の香もあらず 中原俊之 201108
黄砂来て落書されたボンネット 中田寿子 ぐろっけ 201108
黄沙降る気怠き日なり犬眠る 福田かよ子 ぐろっけ 201108
シャム猫の寝そべつてゐる黄砂かな 竹内悦子 201108
今日もまた大山見えず黄沙降る 宮原悦子 雨月 201108
京の町沈ませてゐる黄砂かな 谷口律子 末黒野 201108
黄沙の日吉野の里は紙干さず 塩路隆子 201204
秩父嶺を染め上げてゆく黄沙かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201205
堅雪に黄砂のまじりをりにけり 林いづみ 風土 201206
大東京統べるツリーに黄砂かな 森下岩男 風土 201207
西国や黄砂の島に隠れ耶蘇 柴田佐知子 201207
開聞岳かくし黄沙のとびきたる 木内徴子 万象 201207
信貴山もなにはも覆ふ黄沙かな 大橋晄 雨月 201207
元冠を思いつ黄砂拭いている 土屋青夢 ぐろっけ 201208
築地松越えて黄沙の来る出雲 栗山恵子 雨月 201208
楊貴妃の像や黄砂の街を来て 北崎展江 くりから 201209
西国の果の燈台黄沙降る 柴田志津子 201210
着岸の汽笛響けり黄砂降る 溝渕弘志 六花 201212
橋渡る人を眼下に黄砂降る 山田六甲 六花 201304
駱駝俑胡地の黄沙に逢ひし眼か 桂樟蹊子 201304
大陸の黄砂猛りぬ建国日 高橋照葉 ぐろっけ 201305
黄砂降る空より鴎滑り来る 藤井美晴 やぶれ傘 201305
パンドラの箱開き黄砂押しよする 樋口みのぶ 201305
音もなき電気自動車黄沙降り 竹内悦子 201305
黄沙降る空ねむさうでありにけり 近藤喜子 201305
シルクロード踏破は夢に黄沙荒る 杉本光祥 201305
黄砂降る確たる山を曖昧に 国包澄子 201306
黄砂襲来火の国をくすぶらせ 楠原幹子 201306
東京に空なき日なり黄砂降る 山田暢子 風土 201306
父母に足掛けて黄砂の墓拭ふ 生田恵美子 風土 201306
なんやかや地の半球に黄砂降る 中山皓雪 201306
午後よりの空の雲とも黄砂とも 森田尚宏 201306
名画座の映写機回り黄砂降る 山本孝子 ろんど 201306
胸深きところ重たく黄砂降る 神戸京子 ろんど 201306
突然に黄砂降る日となりにけり 北村香朗 京鹿子 201306
黄砂降る超高層の立上り 北村香朗 京鹿子 201306
鴬の声もかすむや黄砂降り 北村香朗 京鹿子 201306
明け離る弥山嶺模糊と黄砂ふる 水田壽子 雨月 201306
鳥影の沖にゆるやか黄砂過ぐ 水田壽子 雨月 201306
三越の獅子のブロンズ黄砂降る 安藤久美子 やぶれ傘 201306
黄沙憂しPM2・5とは尚 宮原悦子 雨月 201306
黄砂降る古都に火の行水の行 古賀しぐれ ホトトギス 201307
日本へ黄沙ミサイルのごと来る 安藤虎酔 かさね 201311
黄砂降る一千キロも誤差のうち 今瀬一博 201401
あんなことして黄沙まで降らせるか 稲畑廣太郎 ホトトギス 201402
旅先にまで追うて来し黄沙かな 稲畑汀子 ホトトギス 201403
黄砂来る壁画の舟は帆を張りて 宮井知英 201406
留守番の夫とのあはひ黄砂吹く 村上倫子 201406
大阪の海の暗さに黄砂降る 涼野海音 火星 201406
目ざめたる鳥に獣に黄砂降る 松山直美 火星 201407
鍼師待つ夏の黄沙を閉め切つて 吉村摂護 201410
四丁目音なし黄砂に魘はるる 大日向幸江 あを 201504
活版の印字の重み黄砂降る 能村研三 201505
使はずの文房四宝黄砂降る 能村研三 201505
大陸は父の奥つ城黄砂降る 山本喜朗 雨月 201505
釣舟の唐舟に似て黄沙降る 今井妙子 雨月 201506
大山は全く見えず黄沙降る 宮原悦子 雨月 201506
黄砂降る比叡も愛宕もレトロ調 伊吹之博 京鹿子 201506
賓館の窓に黄砂や夜の更けし あさなが捷 201506
黄沙ふる護憲改憲問はれけり 河口仁志 201508
楼蘭の美女のはるかや黄沙降る 中川のぼる 201508
麩のやうな日輪の浮く黄沙かな 近藤喜子 201605
黄砂くる膝でおさへて段ボール 辻美奈子 201705
黄砂降る東の果てに正倉院 峰崎成規 201705
黄砂降る虚飾の街の出現す 前田美恵子 201708
南北の朝鮮掠め黄砂来る 荒木甫 201708
橋立の松を掻き消し黄砂くる 原田しずえ 万象 201708
薄雲に非ず黄砂の降るらしき 大橋晄 雨月 201708
わが寿命地球の寿命黄砂降る 楠原幹子 201801
画数の多き字記し黄沙降る 能村研三 201804
高層の黄砂に明けより捉はるる 田尻勝子 六花 201805
貝殻に黄砂積もっている日なり 東英幸 船団 201805
黄砂降る高速エレベーター昇る 林昭太郎 201806
黄砂降る一音長く霊柩車 林徹也 201807
黄砂降る自転車は時速二十キロ 山田まさ子 船団 201811
黄砂飛ぶ日和洗濯物たまる 治部少輔 201902
AIとビッグデータと黄砂かな 柳川晋 201905
元冠の防塁長し黄砂降る 柴崎甲武信 春燈 201907
水平線溶けて黄砂のひといろに 山田佳乃 ホトトギス 201909
とある日音なく黄砂降りしきる 陽山道子 船団 201910
黄砂降る西郷像の厚き胸 今井康子 201911
なつかしき黄沙曇の旅のこと 稲畑汀子 ホトトギス 202003
黄沙来る天に鎧戸無かりけり 塙誠一郎 202006
孫達と墓の黄砂を流しけり 湯本実 やぶれ傘 202007
大いなる退屈連れて黄砂来る 今村千年 末黒野 202007
生まれたる黄砂は山河渡り来し 瀬川公馨 202105
「猫を棄てる」村上春樹黄砂降る 須賀敏子 あを 202105
五百里の旅路の果ての黄砂拭く 塚原紀代子 風土 202106
莫高窟の思ひ出のせて黄砂降る 遠藤レイ 春燈 202106
太古より空はひとつよ黄砂降る 近藤牧男 春燈 202107
山城の栄枯盛衰黄砂降る 卜部黎子 春燈 202107
追憶のやうに黄沙の降りしきる 栗坪和子 202107
消え失せし埋葬品よ黄砂来る 永淵惠子 202108
敦煌の昼の真闇よ黄砂降る 岩井京子 202112
五百里の旅路の果ての黄砂拭く 塚原紀代子 風土 202201
遠山をさらに押し遣る黄沙かな 森田明成 202211
黄砂→1

 

2023年3月30日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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