東 風 5       115句

軍隊の短き言葉東風に飛ぶ   竹下しづの女

東風  梅東風  鰆東風

作品
作者
掲載誌
掲載年月
伊吹東風枡木積みあぐ燻し窯 能村研三 200605
水占の歌碑や東風吹く仁岸川 今村征一 ホトトギス 200911
初東風は彼の世ひとの世繋ぎけり 宇田喜美栄 201005
夕東風に干すはらからの喪服かな 大山文子 火星 201005
ペダル踏む東風に向へば潮の香 長崎桂子 あを 201005
桜東風根付の鯨揺れてをる 冨松寛子 201006
命終は何時の日なるや東風に問ふ 泉田秋硯 201006
強東風や遠白浪の日本海 吉田裕志 201006
風見鶏終日東風と対峙せる 西谷良樹 春燈 201006
東風吹くやこんなところに酒の倉 溝上正利 春燈 201006
東風吹くや気落ちする日も気負ふ日も 田所洋子 雨月 201006
蜆漁すでに名残の東風つのる 博多永楽 雨月 201006
東風の岸芭蕉別離の碑に伴ちて 堀田こう 雨月 201006
強東風に浮桟橋のぎいと鳴る 西村操 雨月 201006
強東風や波間波間にかもめ翔つ 鈴木圭子 201006
東風に乗り潮の匂ひの園にみち 佐藤喜仙 201006
強東風や待合室の小座布団 岡和絵 火星 201006
東風の隙隠れ公孫樹を悼みけり 田中貞雄 ろんど 201006
東風に乗る鳶潮騒に和して啼く 渡辺和夫 ろんど 201006
強東風の夜更けの霧笛旅ごころ 長崎桂子 あを 201006
強東風に雲掃く竹の穂先かな 丸井冬星 201007
星宿の古墳にありし夜の東風 柳生千枝子 火星 201007
東風といふ詩となられし霊仰ぐ 竹下陶子 ホトトギス 201008
東風声をあげ源平を物語る 竹下陶子 ホトトギス 201008
全輪に東風巻き取りて離陸せり 大沼遊魚 倭彩 201009
水音にいざなはれゆく東風の庭 稲畑汀子 ホトトギス 201103
強東風の一日家居となることも 稲畑汀子 ホトトギス 201103
寒暖をいとふ一日よ東風の朝 稲畑汀子 ホトトギス 201103
二日目は旅の強東風をさまりし 稲畑汀子 ホトトギス 201103
初東風を真つ先に受け塔伸びる 吉田政江 201103
青竹に初東風触るる気配かな 谷口直樹 万象 201104
東風通り四方に飛び出す竹の声 布川直幸 201104
初東風や松の根方の松落葉 杉浦典子 火星 201104
強東風や被災の娘らを連れ出さむ 山崎里美 201105
夕東風のケーブル駅は「梅屋敷」 鈴木照子 201105
連日の停電予告東風夕ベ 森下康子 201105
東風の道幾曲りして詩仙堂 伊東和子 201105
東風吹くや北側棟に入院す 末吉治子 春燈 201105
東風吹かば寄宿生徒の入替ぞ 千田百里 201105
朝東風や衣桁へ通す玻璃戸開く 中島霞 ぐろっけ 201105
トラックの鶏の鳴き立つ朝の東風 中田みなみ 201105
甘き香を運びて東風の通りけり 加納淳子 六花 201105
強東風のビル天辺にヘリポート 中川すみ子 201106
梅東風や蕪村の碑まで遠からず 蘭定かず子 火星 201106
東風吹くや震災の地ヘアヴェ・マリア 岩下芳子 201106
荒東風や東北関東大地震 岡田史女 末黒野 201106
荒東風の美濃路木曽路の分岐点 塩見治郎 雨月 201106

 石川可南子様送別

強東風に羽搏く君の未来かな

稲畑廣太郎 ホトトギス 201202
バーコード並の北山杉に東風 小瀧洋子 ろんど 201202
強東風や八方支ふ大蘇鉄 大沢てる子 末黒野句集 201203
藁しべのあり初東風の置土産 中田禎子 201204
夕東風や灯のぽつぽつとホテル窓 竹内悦子 201205
「東風吹かば」売家の梅に詩の札 北尾章郎 201205
夕東風やしばらくは置く反故の束 井上信子 201205

 五条市藤岡家住宅

東風やさし一言主に詣づれば

大橋晄 雨月 201205
強東風へひとの出棺かたげるな 定梶じょう あを 201205
灯のともる窓から順に東風たたく 定梶じょう あを 201205
荒東風のかたちに鴎飛び交へり 石田きよし 201205
東風吹けど廻らぬ風車池の辺に 佐藤喜仙 かさね 201206
東風荒れの緞帳重し石舞台 久染康子 201206
夕東風や駅舎見おろすカフェテラス 三橋早苗 ぐろっけ 201206
強東風や荒磯に返す膨れ汐 藤岡紫水 京鹿子 201206
東風吹きて能因塚の匂ひ立つ 安田一郎 京鹿子 201206
東風吹くや九十九里浜見霽かす 原口頌子 ろんど 201206
東風波に揺られつつ魞つくろへる 三村純也 ホトトギス 201207
夕東風や羽榑くやうに帽子とぶ 宮崎きみ枝 201207
強東風や子を送り出すドアー口 松岡悠喜夫 ぐろっけ 201207
Z旗にあふるる東風や三笠艦 小川玉泉 末黒野 201207
強東風や旗竿叩く旗のひも 瀬島洒望 やぶれ傘 201207
ベット固し入院初夜の東風の笛 田中貞雄 貞雄句集 201301
初東風や膝の屈伸怠らず 小林正史 201302
初東風の地蔵に被せ赤頭巾 宮田香 201303
鉄橋は今も鉄橋東風の中 井上信子 201303
強東風に我が髪風前の灯 稲畑廣太郎 ホトトギス 201304
初東風や妊婦みどりに光りをり 有松洋子 201304
東風吹くや城の姿はなけれども 山田六甲 六花 201304
東風吹くや硝子の泛子が日を返す 瀬戸悠 風土 201304
東風吹きて匂ひ遺せる北野宮 山本孝夫 201304
なづな東風ことばつくせず別れ来て 鈴鹿百合子 猫贔屓 201305
人の祖は魚とや騒ぐ東風の波 伊東和子 201305
夕東風やテラスの手にはワイングラス 佐藤喜仙 かさね 201305
東風吹きて通勤のネクタイ思ひ出し 田島昭久 かさね 201305
東風吹かばボルサリーノの副総理 千田百里 201305
強東風を捉へ鵯一直線 大内和憲 火星 201306
強東風や鉛のごとき海の面 熊切光子 末黒野 201306
東風吹くや靄に浮く島動くがに いぶすき幸 万象 201306
東風荒さび砂丘満面人容れず 久保東海司 201306
夕東風や台地の端をゆく家路 五十嵐章子 201401
初東風や明星を舵中央に 工藤義夫 馬醉木 201402
初東風や真砂女の句碑は波返す 鶴岡紀代 春燈 201403
留守の庭東風にゆだねて旅立ちぬ 稲畑汀子 ホトトギス 201403
東風吹きて武蔵野の森ゆるがしぬ 稲畑汀子 ホトトギス 201403
東風荒れて旅の帰心をいざなへる 稲畑汀子 ホトトギス 201403
強東風の怒涛は巌に棒立ちす 四條進 201404
初東風や電子辞書より鳥のこゑ 小峯綾子 風土 201404
子の背ナに初東風まはる社かな 竹中一花 201404
朝東風や蔵の奥より酢の匂ひ 黒滝志麻子 末黒野 201405
朝東風の真正面や合掌阿修羅 豊田都峰 京鹿子 201405
強東風や城址下の干物店 安藤久美子 やぶれ傘 201405
強東風や寺に付属の幼稚園 大島英昭 やぶれ傘 201405
強東風や課題の本の『夜と霧』 和田絢子 春燈 201405
強東風に攫はれまいぞ浜千鳥 浜福恵 風土 201405
真つ直ぐが好きな測量技師に東風 すずき巴里 ろんど 201406
夕東風へ呼応の木々のハーモニー 大村仍子 雨月 201406
菓子箱の吹寄せつまみさくら東風 北川孝子 京鹿子 201406
保育士の胸をキラリと東風の笛 すずき巴里 ろんど 201406
文したたむ折鶴にして夕東風に 林達男 京鹿子 201406
鳩すずめ来てゐる東風の精米所 河原昭子 万象 201406
東風吹いて波間を進む雛小舟 伊藤和子 201406
東風吹いて日本のリケジョ立ち上がる 陽山道子 船団 201406
葉擦れして竹林東風に応へたる 今村征一 ホトトギス 201407
東風吹かば邪馬台国を登記せむ 熊川暁子 201407
強東風の小庭に渦をつくりけり 黒澤登美枝 201405
東風吹くや若狭鰈は日に透けて 田中佐知子 風土 201411
東風 →6      

 

2021年2月23日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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