東 風 1     100句

朝東風にゐで越す波の外目にも逢はぬものゆゑ瀧もとどろに   万葉集

東風  梅東風   鰆東風

作品
作者
掲載誌
掲載年月
鰆東風すでに砂絵の描かれある 岡井省二 199806
東風の波打ち込む洞に水軍記 田守としを 馬醉木 199807
日蓮の入滅の寺東風荒し 松崎鉄之介 199904
夕東風や沖さす艀水尾長く 山田京子 俳句通信 199904
強東風にかはらけの乗る竹生島 辻のぶ子 俳句通信 199904
雲雀東風寺紋の入りし軒瓦 山口たけし 俳句通信 199905
夕東風や煙吐きゆく異国船 山田京子 俳句通信 199905
強東風や潮煙浴ぶ弁慶像 北吉裕子 俳句通信 199905
海東風や殉教の士の眠る丘 松宮幹彦 俳句通信 199905
東風の吹く低温火傷の愛ありと 境良一 京鹿子 199906
櫻東風岸にカヌーの横たはる 山田禮子 遠嶺 199907
椿東風をとこに金のネックレス 北川孝子 京鹿子 199907
御錠口出入り自由に椿東風 鴛尾敏子 京鹿子 199907
強東風や高層ビルの屹立す 稲畑廣太郎 ホトトギス 199909
東風吹かばポケットチップス歩み来る 小枝恵美子 ポケット 199911
帰雁東風農夫ら土を篩ひをり 佐藤国夫 馬醉木 200001
東風吹くや富沢町の紺暖簾 中村七三郎 七三郎句集 200001
事ごとに躓く日なり桜東風 鈴鹿百合子 京鹿子 200001
椿東風さすらふ猫のとんがり目 鈴鹿百合子 京鹿子 200001
その朝の風を東風とも信じをり 能村登四郎 200002
陸ここに尽き荒東風の沖ばかり 品川鈴子 ぐろっけ 200002
強東風に吹き払はれし富士見ゆる 稲畑汀子 ホトトギス 200003
東風止んで朝の光の漲りぬ 稲畑汀子 ホトトギス 200003
東風吹きて槌音屋根に及び来し 稲畑汀子 ホトトギス 200003
今日のこと今日片づけて東風の旅 稲畑汀子 ホトトギス 200003
朝東風に覚醒遅き丸の内 稲畑廣太郎 ホトトギス 200003
強東風に縮む都心の景となり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200003
朝東風に又もダイヤの乱れかな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200003
ポスターの虚子の笑まへる東風の街 山田弘子 円虹 200004
東風吹くや野づら積なる石垣に 川合八重子 酸漿 200004
強東風や火の島の雲吹き払ふ 武田禅次 春耕 200004
花束が待ち受けてゐる東風の人 山田弘子 円虹 200005
梅東風や水陽炎の妻庇 浅井千代子 200005
桜東風句帳に火山灰のざらざらす 上原瑞子 200005
東風強し快気祝いが届きたり 篠田三七子 いろり 200005
雲雀東風連山襞をあらはにす 大谷茂 遠嶺 200006
梅東風に開眼の句碑艶ませり 鈴木良戈 200006
東風吹かば靖国の魂思ふべし 江木紀子 雨月 200006
職替ふる若さ羨しむ椿東風 土田栄 200006
桜東風通ひ神父の舟着きぬ 水岡芳子 馬醉木 200007
梅東風や壁に掛けたる父の筆 稲辺美津 夏椿 200007
万物の輪郭震え桜東風 津田このみ 船団 200008
強東風にテープ吹かれて開館す 稲畑廣太郎 ホトトギス 200103
梅東風に眉吹かれ立つ富士の前 阿部ひろし 酸漿 200103
梅東風の転害門前竹迎ふ 山口たけし 俳句通信 200104
馬放つ阿蘇の草原雲雀東風 宮川杵名男 春耕 200104
梅東風や浦曲つづれる舟屋の灯 益本三知子 馬醉木 200105
起き伏しを煮詰めてをりぬ桜東風 能村研三 200105
葭塚の傾ぎて立てり雲雀東風 大竹淑子 風土 200105
荒東風や紙片が蝶に化けるとき 泉田秋硯 200105
しなやかな一樹ありけり東風月夜 小澤克己 遠嶺 200105
朝東風の並べて蒼き竹細工 小澤克己 遠嶺 200105
強東風に負けじと宙の鴉たち 清水雅子 200106
朝東風や子牛の牧舎まだ開かず 安倍いさむ 円虹 200106
夕東風の一筋の波ひた走る 曷川克 遠嶺 200106
強東風が小学生の声運ぶ 杉浦富士子 遠嶺 200106
強東風の塔の風鐸揺らしをり 渡辺智佳 遠嶺 200106
島東風や稚児の冠さやに鳴り 中根美保 風土 200106
朝東風や波の形に貝の屑 佐藤京子 百鳥 200106
桜東風とことんといふ縁あり 宮田津々絵 京鹿子 200106
椿東風炎のやうな死もありぬ 北川孝子 京鹿子 200106
太子堂水の匂ひて強東風す 渡邊牢晴 雨月 200106
高虚子の縁をつなぎ桜東風 本城布沙女 雨月 200106
梅東風や神馬嘶く日ぐれどき 鰍澤真佐子 春耕 200107
卑弥呼の世の東風に揺られてイヤリング 伊佐利子 海程 200107
白象に人だかりあり桜東風 中島陽華 200107
東に東の神東風来たり 佐藤恭子 ホトトギス 200107
東風来たる北海道の幅なして 佐藤恭子 ホトトギス 200107
強東風や汝にたつぷりとある未来 佐藤恭子 ホトトギス 200107
朝東風や胸にリボンをつけらるゝ 吹田躬千 ホトトギス 200107
東風の中在校生に見送られ 吹田躬千 ホトトギス 200107
式終へし子等のざわめき東風の中 吹田躬千 ホトトギス 200107
やは東風やコリント前書十三章 浜永宗一 ホトトギス 200107
夕東風や愛の誓詞を述ぶ若さ 浜永宗一 ホトトギス 200107
東風待てど越路は湿り勝ちの日々 黒川青逸 ホトトギス 200107
越に住み空しく東風を待ちつゞく 黒川青逸 ホトトギス 200107
三宅島東風は素知らぬ振りで過ぐ 黒川青逸 ホトトギス 200107
強東風やマストに掲ぐ艦長旗 大久保白村 ホトトギス 200107
夕東風や基地へ下りゆく双発機 大久保白村 ホトトギス 200107
朝東風や水車のきしむ蕎麦どころ 大久保白村 ホトトギス 200107
東風はねるネクタイなだめすかしては 豊田淳応 ホトトギス 200107
転げ来てころげゆくもの東風追ひぬ 豊田淳応 ホトトギス 200107
牧水を末広がりに東風払ふ 豊田淳応 ホトトギス 200107
夕東風や母のおはぎでなきゃならぬ 石橋翠 いろり 200107
裏窓に女顔出す桜東風 浜麻衣子 六花 200107
強東風や鷺の咥へる雑魚動く 中川節子 春耕 200107
四つ竹に三板さんぱんの和す鰆東風 宮城菊子 200107
桜東風門仲墓を山裾に 宮城菊子 200107
夕東風や平和のいしじに知人の名 宮城菊子 200107
風紋のひそかに動く櫻東風 上田希実 遠嶺 200107
東風吹かば投げたくなりし不発弾 北原武巳 船団 200108
散骨の怒濤に呑まれ強東風す 武政礼子 雨月 200201
触れ合うて孟宗東風に鳴り止まず 朝妻力 雲の峰 200204
荒東風や芥寄りたる濠の隅 谷野由紀子 雲の峰 200204
文脈に序破急ありし桜東風 能村研三 200204
梅東風や筑波逆光の中に消え 今瀬一博 200204
塗椀に笠子魚一匹東風吹けり 水原春郎 馬醉木 200205
ひと掻ぎにすべるカヌーや雲雀東風 中村房子 馬醉木 200205
東風吹くや子に吉報の届きゐて 永井たえこ 馬醉木 200205
満ち潮の東風の波立つ舟溜り 若林柾矢 円虹 200205
東風 2      

 

2021年2月14日 作成

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