東 風 2     100句

阿尾の浦に寄する白波いや増しに立ちしき寄せ来東風をいたみかも   万葉集

東風  梅東風  鰆東風

作品
作者
掲載誌
掲載年月
東風渡る大奥跡の黄金竹 阿部範子 200205
梅東風や路地ひた下り母の墓所 田所洋子 雨月 200205
京都発十二時半の桜東風 高橋将夫 200205
夕東風や柱に旧りし千社札 辻井桂子 雲の峰 200205
川波のきらめく淀や雲雀東風 中川晴美 雲の峰 200205
棟梁のはじく墨縄さくら東風 青山岬 銀化 200205
雲雀東風江戸川渡る手漕舟 岡村美恵子 春耕 200205
冥界の君と会ふ日や彼岸東風 高沢昌江 ぐろっけ 200205
曲線定規置く夕東風の製図板 長谷川鉄夫 200205
強東風やフェリーの揺れも旅の興 松村富子 200206
桟橋へ吾も吐き出さる東風の中 松村富子 200206
佇めば東風の波音聞くばかり 松村富子 200206
風の緒の鰐口鳴らす東風御堂 丸山冬鳳 京鹿子 200206
櫻東風ちひさき貝のよく光る 戸村よねこ 遠嶺 200206
桜東風鯉のはらわた艶やかに 高橋とも子 百鳥 200206
大漁にならずじまひの鰆東風 三村純也 円虹 200206
帆柱に舟霊坐す鰆東風 延広禎一 200206
骨太の墨痕なりし桜東風 近藤きくえ 200206
東風の庭子らが相撲の声を上げ 池部久子 酸漿 200206
色を変へ沖より続く東風の波 小滝奈津江 酸漿 200206
桜東風寺囲む山揺らし過ぐ 荒川優子 春耕 200206
海を見に来て梅東風にふかれゐる 宮尾直美 200206
赤いもの真東風あまりて宙に舞ふ 吉弘恭子 あを 200206
磯釣の子を包みたる椿東風 小林希世子 200206
強東風に押されダヴィンチ展の廊 岸はじめ ぐろっけ 200206
天平の丸き礎石に東風わたる 小林玲子 ぐろっけ 200206
梅東風に差すに差されぬ野点傘 垂水イツ子 ぐろっけ 200206
鼻ぺちやの狐せんべい桜東風 木田千女 200207
東風吹いて学問好きの古墳村 沼田巴字 京鹿子 200207
虚子先生若杉殿下東風の館 千原叡子 ホトトギス 200207
古き殻脱ぎ捨てばやと東風に立つ 稲岡長 ホトトギス 200207
桜東風駅に教師を送る歌 佐野幸子 百鳥 200207
夕東風に揺るる水面の鳳凰堂 梅谷昌弘 雲の峯 200207
梅東風に中陰の顔寄せ合ひぬ 大東由美子 火星 200207
強東風や身内に残る船の揺れ 川上恵子 雨月 200207
夕東風の通り過ぎたる砂の山 中川美代子 ぐろっけ 200207
桜東風那須野ヶ原を抜けにけり 山路紀子 風土 200208
強東風の岸へ帆立貝を打ち上ぐる 丸本博子 200208
五月連休馬耳東風にリハビリす 吉田多美 京鹿子 200208
晩成へ一のハードル東風に乗り 大井貞一 京鹿子 200208
星の入東風埋めたる魚港埃立つ 禰寝瓶史 京鹿子 200302
東風止みてお成の車到着す 稲畑汀子 ホトトギス 200303
飛ばされしもの舞ひ上げて東風の浜 稲畑汀子 ホトトギス 200303
強東風の午後の予報の当りけり 稲畑汀子 ホトトギス 200303
強東風に乱れし髪のまま着きぬ 稲畑汀子 ホトトギス 200303
あなどりてをれなくなりぬ東風の道 稲畑汀子 ホトトギス 200303
纏ふもの吹かれ強東風まとひけり 稲畑汀子 ホトトギス 200303
夕東風に赤提灯の点り初む 稲畑廣太郎 ホトトギス 200303
かばかりの東風に一日満ち足りぬ 朝妻力 雲の峰 200303
梅東風や替ふるくさびの鍬ねかせ 平子公一 馬醉木 200304
梅東風や母の汚せし昨夜のもの 山尾玉藻 火星 200304
梅東風にビニールシートのめくれやう 大東由美子 火星 200304
汐汲み女祀りて須磨や東風まぶし 大野英美 風土 200304
梅東風や円相となる石拾ふ 鈴鹿仁 京鹿子 200304
山の音水音どつと東風吹けり 工藤義夫 馬醉木 200305
梅東風や水際にあそぶ鳥の影 穴澤光江 遠嶺 200305
夕東風やインクの付きし手を洗ふ 門伝史会 風土 200305
大淀を烟らせてをり櫻東風 中村芳子 円虹 200305
桜東風ポン菓子やがて香りくる 中御門あや 雲の峰 200305
梅東風や防人鹿島立ちし浦 山本喜朗 雨月 200305
トランペット吹く青年に雲雀東風 萩谷幸子 雨月 200305
自動ドアするりと東風は置去りに 林翔 200305
深息の自づと朝の桜東風 遠藤真砂明 200305
梅東風や我が今生の一書成る 小菅暢子 200305
踏みながらジーンズ洗ふ桜東風 高橋あゆみ 200305
文楽三昧べんべんべんと雲雀東風 有働亨 馬醉木 200306
夕東風へ女コックス声荒ぐ 野中啓子 200306
枯蒲の絮たえだえに東風の雨 十川たかし 200306
夕空の豆腐屋東風の旗吊す 井上信子 200306
桜東風孔雀の羽の吹かれをり 内藤順子 酸漿 200306
一斉に木霊とよもす東風の山 椋誠一朗 円虹 200306
金砂磯出の幟はためく鰆東風 杉山たかを 200306
追波湾東風に吹かるる浮子ブイあまた 菊池ゆう子 200306
師に蹤きて巡る本牧鰆東風 須賀遊子 200306
朝東風や紫衣の下なる白きもの 高松由利子 火星 200306
梅東風や机上に古端渓を据ゑ 岡淑子 雨月 200306
夕東風の海へ回転ドアを押す 山下唐泉 百鳥 200306
砂置場覆ひのテント東風が剥ぐ 筒井圭子朗 ぐろっけ 200306
東風吹かば船足軽ろき燧灘 中田征二 ぐろっけ 200306
夕東風の洗濯物は生乾き 佐方敏明 ぐろっけ 200306
東風波の寄せくる堅田古町に 粟津松彩子 ホトトギス 200307
荒東風に奪はれし帽海に浮く 泉田秋硯 200307
陶絵師の小筆の乾く桜東風 柴田近江 200307
強東風に知覧ざくらの蕾まで 林日圓 京鹿子 200307
強東風に身を反らし立つ龍馬像 水島夜雨 京鹿子 200307
この頃やふる里鯖東風ならむ 中島知恵子 雨月 200307
桜東風十九階の美術館 宮崎千恵子 帆船 200307
強東風の耳朶にきて固くなり 小島とよ子 遠嶺 200307
川底にゆらめく小石櫻東風 清水晃子 遠嶺 200307
はからずも夫を逝かしむ椿東風 小島みつ代 200307
駅までを吹かれ歩むや鰊東風 佐々木幸 200307
万歩計を動かす一歩や桜東風 宮川秀穂 200308
記念写真一瞬つよき東風の中 島谷征良 風土 200308
強東風や借住いの身落ち付かず 田中時子 八千草 200309
鴨のよくあがりて朝の東風の磯 岡井省二 省二全句集 200312
星の入り東風やジユラ紀の化石蟹 矢島三榮代 帆船 200401
武満忌ピアノに東風の塵幽か 山元志津香 西の峰 200401
強東風に触れて黒潮立ち上り 稲畑廣太郎 ホトトギス 200403
大原の東風智光尼にたてまつる 朝妻力 雲の峰 200403
東風荒れて繰り人形マリオネットのぶうらぶら 竹貫示虹 京鹿子 200403
東風 3→      

 

2021年2月15日 作成

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