コスモス 6      201句

コスモスなどやさしく吹けど死ねないよ   鈴木しづ子   指輪

秋桜  コスモス 秋ざくら あきざくら

作品
作者
掲載誌
掲載年月
コスモスの月に摘みしをおみやげに 山田六甲 六花 201511
コスモスの揺れを遠目に意志通す 安居正浩 201511
風ぐるみコスモスの束抱へけり 吉田政江 201511
コスモス田うねりて入日巨きくす 松井志津子 201512
コスモスに適ひ風車に足らぬ風 藤原照子 201512
コスモスのまだまだ揺れて日が沈む 安藤久美子 やぶれ傘 201512
コスモスに風の存問ありにけり 久保東海司 201512
空も揺れコスモスも揺れ無人駅 井島郷雲 万象 201512
コスモス一輪窓辺の予約席 平野みち代 201512
コスモスのライトに揺るる最終便 古川夏子 201512
黄花コスモス午前の風が乗っている 林田麻裕 201512
コスモスに風の行方を問うてをり 樺山翠 雨月 201512
コスモスの揺れコスモスの丘揺るる 堀井英子 雨月 201512
コスモスの風に憩ふや卒寿の我 細川コマヱ 雨月 201512
揺れかはしゐてコスモスの影もなし 堀田こう 雨月 201512
コスモスの揺れて必死なのだと思ふ 直江裕子 京鹿子 201601
コスモスにコーヒーの香は強すぎる 片山煕子 京鹿子 201601
コスモスに彳ちてたやすく淑女かな 箕輪カオル 201601
コスモスの一斉に揺れ縺れざる 森清堯 末黒野 201601
コスモスの小諸城址や空の青 鏡英子 末黒野 201601
コスモスや渓流下る舟着き場 前原マチ 末黒野 201601
亡き父はコスモスが好きと姉に聞き 須賀敏子 あを 201601
コスモスや子らの遊戯はたけなわに 山田佳子 201601
コスモスに風の戯れなまめきぬ 上野進 春燈 201601
コスモスの道高原へ高原へ 大久保白村 ホトトギス 201602
コスモスにいささか強し余呉の風 中島陽華 201602
自らを煽りコスモス揺れ揺るる 杉山瑞恵 雨月 201602
夕光に透くコスモスの花の群 青木朋子 201602
コスモスを活けて故郷も子も遠し 西住三恵子 201602
無人駅なれどコスモス招きをり 池田光子 201602
胎内の色して黄花コスモスは 林田麻裕 201603
コスモスに道間違へてをりしこと 稲畑汀子 ホトトギス 201609
コスモスの雨を拒んでゐる乱舞 稲畑廣太郎 ホトトギス 201610
コスモスの垣根に添ひて朝日燦 岡本まち子 馬酔木 201611
コスモスに短命の人思ひをり 黒坂紫陽子 馬酔木 201611
コスモスの真上で電話線工事 大崎紀夫 やぶれ傘 201611
撮り撮られゐるコスモスの風の中 岡淑子 雨月 201612
コスモスの群生穢れなき風に 岩月優半 201612
コスモスを支離滅裂の茎支ふ 南うみを 風土 201612
コスモスの氷上郡に果ててゐし 山田六甲 六花 201612
コスモスや牛横たはる牧の昼 箕輪カオル 201612
コスモスや子牛の付ける雌雄札 和田紀夫 201612
コスモスの風得て己煌めかす 松本三千夫 末黒野 201612
不揃ひのコスモスゆるる保育園 本多正子 雨月 201701
コスモスの角を曲がれば千蔭の墓 野沢しの武 風土 201701
コスモスの風の中より大男 落合絹代 風土 201701
丈高く揺れてコスモス終はる頃 齋藤晴夫 春燈 201701
コスモスのさわさわと消す出世欲 高木晶子 京鹿子 201701
コスモスの小さき風を抱いてみる 片山煕子 京鹿子 201701
コスモスと聞きしのみにて和みけり 志方章子 六花 201701
お転婆なコスモス道を通せんぼ 濱上こういち 201701
コスモスに埋れてゐたり童子仏 南雲秀子 万象 201701
背丈より伸びしコスモス刈りにけり 白石正躬 やぶれ傘 201701
コスモスに無念無想となつてゐし 犬塚芳子 201702
コスモスの傾ぎ面舵いつぱいに 久保夢女 201702
黄花コスモス少しねぢれて人に会ふ 伊藤希眸 京鹿子 201702
バスの旅コスモスの群生に声を上げ 東秋茄子 京鹿子 201702
コスモスの一万本の迷ひかな 河野けいこ 船団 201707
千花万花コスモスの花読み切れず 佐藤淑子 雨月 201711
常の道コスモスいろに歩は弾む 長崎桂子 あを 201711
コスモスやパンダを抱いた日もありし 須賀敏子 あを 201711
コスモスの畑の出口見つからず 陳妹蓉 春燈 201712
コスモスが咲けば遠くがよく見ゆる 安居正浩 201712
こすもすやローカル線は湾に沿ひ 荒井千佐代 201712
頭の芯をコスモスの風吹き抜ける 高橋あさの 201712
コスモスや小心者のゆらぎやう 小山田子鬼 201801
コスモスの径やはらかくすれ違ふ 須賀ゆかり 201801
コスモスや間口七間旅籠跡 片桐紀美子 風土 201801
首脳らの靴先尖りコスモス野 高木晶子 京鹿子 201801
コスモスの高さに街の暮れそめて 片山煕子 京鹿子 201801
コスモスの風を揺らして風になる 加藤タミ 末黒野 201802
コスモスや風に崩るる色模様 宮崎他異雅 末黒野 201802
コスモスや故郷に帰る地図がない 直江裕子 京鹿子 201803
こすもすやローカル線は湾に沿ひ 荒井千佐代 201801
クラス会コスモスの風に迎へらる 遠山のり子 201802
揺れ動くものに心とコスモスと 天谷翔子 201803
もう寝るか胸にコスモス転写して 原ゆき 船団 201805
受け唇は月でわたしで黄コスモス 津波古江津 船団 201806
コスモスの中より返事下校の子 横田敬子 201806
コスモスや風のタクトは一辺倒 呂秀文 春燈 201807
コスモスの旅路にはまり込みしより 稲畑汀子 ホトトギス 201809
一面のコスモスに旅包まれし 稲畑汀子 ホトトギス 201809
陽と遊ぶコスモスヘ子の車椅子 田所節子 田所節子集 201810
囁きに似てコスモスの揺れやまず 山田暢子 風土 201811
コスモスや駅には遠き縄電車 和田照海 京鹿子 201812
コスモスや見掛けずになる老夫婦 黒坂紫陽子 馬醉木 201812
コスモスの中に立つ妻良かりけり 手島靖一 馬醉木 201812
コスモスの丈より低く姉が来る 松本幸子 馬醉木 201812
コスモスとなって一日風の中 波戸辺のばら 201812
黄花コスモス綺麗な人と言われたい 林田麻裕 201812
コスモスに夢中になればゐのこづち 須賀敏子 あを 201812
背丈ほど伸びしコスモスこれを伐る 白石正躬 やぶれ傘 201901
コスモスも疲れの見ゆる頃となり 松村光典 やぶれ傘 201901
コスモスの微熱空間漂へる 直江裕子 京鹿子 201901
コスモスに似合ふ空あり乳母車 古本もね 京鹿子 201901
コスモスや馬にもありし湯治小屋 中田みなみ 201902
休耕田のコスモス吹かれ星明り 大塚たきよ 201902
晩年を遊べば冬のコスモスに 火箱ひろ 201903
コスモスや乙女ごころは揺れやすく 中島秀夫 王水 201909
コスモスはそれでそれでと聞いてくる 仲里奈央 201909
コスモスの揺れて風より立ち上がる 稲畑汀子 ホトトギス 201909
コスモスに風の撹乱ありにけり 稲畑汀子 ホトトギス 201909
内緒ごとありコスモスの咲いてをり 稲畑汀子 ホトトギス 201909
コスモスに日矢の尖つてをりにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201909
コスモスや守りたくなる君のこと 稲畑廣太郎 ホトトギス 201909
コスモスを写して風を写しけり 江島照美 発火点 201909
コスモスの無数の色の交はらず 小田司 馬醉木 201911
コスモスや無邪気といふは無敵なる 粟原公子 201911
コスモスの中まで鉄路山の駅 及川照子 末黒野 201911
コスモスと共に望むや古寺の塔 今泉忠芳 ある日の滴 201912
コスモスやステップ軽き孫娘 岡村彩里 雨月 201912
コスモスの眩しき程に黄の照りて 安部和子 雨月 201912
駅前の万のコスモス風染めて 大川暉美 末黒野 202001
コスモスや返事はもつと揺れてから 片山煕子 京鹿子 202001
背景を替ヘコスモスの生育地 高木晶子 京鹿子 202001
コスモスの揺らぎに長き塔の影 宇都宮敦子 琴引鳥 202002
コスモスを揺らせて行くや鼓笛隊 江見巌 六花 202002
コスモスの撮られ上手に揺れにけり 田中嘉信 京鹿子 202002
コスモスの倒れてもなほ咲き続く 吉田幸恵 やぶれ傘 202002
コスモスや夢の色して風の中 藤田美耶子 202002
コスモスの余白はすべて母の空 直江裕子 京鹿子 202002
固定観念拒むコスモスゆらゆらす 能城檀 船団 202003
一人逝き二人逝きコスモスになる 松尾龍之介 202006
コスモスの主の消息聞くことも 稲畑汀子 ホトトギス 202009
コスモスに招かれし日も遠ざかる 稲畑汀子 ホトトギス 202009
コスモスの君と呼ばれて遠き人 稲畑汀子 ホトトギス 202009
育てたるコスモスは野の花とこそ 稲畑汀子 ホトトギス 202009
コスモスの明るき方へ柩出づ 高笠栄子 202011
コスモスや播磨風土記の丘の風 山田六甲 六花 202011
こすもす靡く雲黙りを通す 鈴鹿呂仁 京鹿子 202011
コスモスの幾千万の散華かな 雨宮桂子 風土 202012
コスモスや改札のなき浦の駅 橋添やよひ 風土 202012
コスモスのふれ合ふ風の広場かな 大川暉美 末黒野 202012
休耕田コスモス満ちて風まかせ 小池桃代 末黒野 202012
帽子とりコスモス越しに道をきく 田中藤穂 あを 202012
濃淡の揺るるコスモス散歩道 赤座典子 あを 202012
わさわさとキバナコスモス路地狭ばむ 赤座典子 あを 202012
コスモスに播州百鬼夜行かな 山田六甲 六花 202012
コスモスの風を受けとめはじめけり 藤生不二男 六花 202012
園庭のコスモス鉄棒より高し 平居澪子 六花 202012
過ぎし日のコスモス街道しぐれ雲 北川孝子 京鹿子 202101
コスモスの軸の太しよ色も濃し 高木晶子 京鹿子 202101
ゆれ止まぬものコスモスと少年期 西村白杼 京鹿子 202101
白こすもす火宅の我に揺れ戻す 安田優歌 京鹿子 202101
コスモスの揺れたる空のにごりかな 今瀬一博 202101
コスモスの風に吹かるることしきり 秋山信行 やぶれ傘 202101
コスモスを挿して優しき心持 志方章子 六花 202101
コスモスの「はないちもんめ」に揺れにけり 田中嘉信 春燈 202102
コスモスの迷路の彩に溺れけり 長尾タイ 末黒野 202102
コスモスを描くや十色の筆揃へ 平野秀子 末黒野 202102
空真青摘むコスモスのひと抱へ 平野秀子 末黒野 202102
池の土手までコスモスの花の床 善野行 六花 202102
悶絶の手にコスモスを握らせよ 善野行 六花 202102
コスモスの揺れに遊べる蝶蜻蛉 住田千代子 六花 202102
コスモスの風や防空壕の口 林徹也 202102
コスモスに子はひらひらと消えにけり 窪みち子 202102
コスモスに風の指つぎつぎ触るる 立村霜衣 ホトトギス 202103
コスモスや火を噴く山を遠く置き 今井千鶴子 ホトトギス 202103
コスモスや周りはみんな好きな人 仲里奈央 202104
コスモスを旅の途中と思ひけり 井上菜摘子 京鹿子 202109
雨の色足してコスモス揺れ止まず 稲畑廣太郎 ホトトギス 202109
コスモスを眺めて三里無人駅 森竹治郎 末黒野 202111
コスモスに園児の帽子見え隠れ 廣瀬正雄 やぶれ傘 202111
コスモスの彼方夕づく筑波山 安立公彦 春燈 202112
裏道の黄花コスモス風やさし 小沼ゑみ子 末黒野 202112
コスモスの風の振れは風が解き 小池桃代 末黒野 202112
コスモスの丘を見渡す車窓かな 津野桂子 末黒野 202112
コスモスに母と遊びて逝かれけり 藤生不二男 六花 202112
実生のコスモス逆縁の墓に揺れ 水谷昭代 202112
コスモスに花盗人となりにけり 山田暢子 風土 202201
コスモスの行きたいところあるやうに 直江裕子 京鹿子 202201
コスモスに触れ一陣の風立たす 山中志津子 京鹿子 202201
コスモスに濃き色のあり瓶に差す 福地タカ 202201
招かれてコスモスよりも美しき人 善野行 六花 202201
コスモスを活けて一人のティタイム 仁上博恵 202202
遠き日のコスモス街道冬ざれて 北川孝子 京鹿子 202203
コスモスに埋もれて歩く人のあり 田尻りさ 六花 202210
コスモスの委ねし風に委ねられ 菅原健一 202211
コスモスや自由に揺るる国を恋ふ 赤座典子 あを 202211
秋桜反コスモスの世界揺れ 七郎衛門吉保 あを 202211
コスモスの道亡き母の好きな道 荒川心星 202211
ディズニーメドレーコスモスの揺れやまず 中村世都 202211
コスモスの丘に背伸びす夕間暮 佐々木澄子 末黒野 202212
コスモスや風の私語めく花の揺れ 市川夏子 末黒野 202301
コスモスや夫と通ひし幼稚園 山中ミツ 末黒野 202301
コスモスや負けず嫌ひの背くらべ 辻泰子 春燈 202301
チョコレートコスモスなんて旨さうな 志方章子 六花 202301
コスモスの風の通へる牛舎かな 升田ヤス子 六花 202301
村沈むコスモスの海膨らめば 升田ヤス子 六花 202301
コスモスを裳裾に古寺の五輪塔 善野行 六花 202301
警笛や北条鉄道黄コスモス 廣畑育子 六花 202301
コスモスの丘気持ちよく疲れけり 永田万年青 六花 202301
コスモスの坐れば隠る二人かな 永田万年青 六花 202301
コスモスにハガキがとどく鳥渡ゆれ 佐藤竹僊 あを 202301
信濃路のコスモスみんな揺れてゐる 萩原久代 やぶれ傘 202302
コスモスの風をいなせる勁さかな 石黒興平 末黒野 202302
コスモスのゆるる街道浅間山 宮崎浩美 末黒野 202302
コスモスを活けて野の風生るる部屋 稲畑廣太郎 ホトトギス 202309
コスモスの数多の色の競はざる 稲畑廣太郎 ホトトギス 202309
コスモスの種蒔かれをり休耕田 横田敬子 202306
コスモスの何と空気の読み上手 千田百里 202310
コスモス→1

 

2023年11月26日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。