更 衣 〈衣更〉7   211句

越後屋に衣裂く音や更衣    其角

ころもがへ  更衣

作品
作者
掲載誌
掲載年月
みづうみの沖に紺さす更衣 山尾玉藻 火星 201306
衣更へて能のあはれに涙しぬ 丸山佳子 京鹿子 201306
更衣三面鏡の乱反射 木村ふく 馬醉木 201307
更衣少女にはかに大人びて 岡野ひろ子 201307
ポケットにもの溢れさせ更衣 井上石動 あを 201307
山鳩が雲呼びにけり更衣 城孝子 火星 201309
カーテンの風にふくらむ更衣 涼野海音 火星 201309
更衣かの日の釦とれしまま 山田佳乃 ホトトギス 201310
更衣しても誰にも気づかれず 内藤呈念 ホトトギス 201310
一病の非力淋しき更衣 下平しづ子 雨月 201310
軽やかに風羽織りたる更衣 涌羅由美 ホトトギス 201311
衣更へて卒寿の世界一新す 竹下陶子 ホトトギス 201311
心軽ければ言葉も更衣 竹下陶子 ホトトギス 201311
一斉に出仕の僧の更衣 安原葉 ホトトギス 201311
衣更へて人品自づからなりし 竹下陶子 ホトトギス 201311
母の単衣直してもらひ更衣 瀧春一 花石榴 201312
明日明日と延ばせり後の更衣 濱上こういち 201401
更衣いよいよ酒の旨き日々 稲畑廣太郎 ホトトギス 201405
更衣してあなたとはおしまひよ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201405
滞在を一と日延ばして更衣 稲畑廣太郎 ホトトギス 201405
更衣ちよつとスカート長いんちやふ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201405
衣更へて動きの速き副都心 稲畑廣太郎 ホトトギス 201405
更衣して朝帰りしてをりぬ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201405
更衣妖しき君の勝負服 稲畑廣太郎 ホトトギス 201405
更衣して本山の朝動く 稲畑廣太郎 ホトトギス 201405
更衣東京都内白くなる 稲畑廣太郎 ホトトギス 201405
更衣今日はカテドラルの弥撒へ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201405
ともかくも脱いだり着たり更衣 稲畑汀子 ホトトギス 201405
更衣したる不安も旅のもの 稲畑汀子 ホトトギス 201405
したやうなしてないやうな更衣 稲畑汀子 ホトトギス 201405
更衣まこと快晴なりしこと 稲畑汀子 ホトトギス 201405
更衣てふ冒険のやうなもの 稲畑汀子 ホトトギス 201405
更衣せしとはつきり言へぬほど 稲畑汀子 ホトトギス 201405
更衣したる不安のあるうちは 稲畑汀子 ホトトギス 201405
旅といふ解放感の更衣 稲畑汀子 ホトトギス 201405
更衣少し不安のあることも 稲畑汀子 ホトトギス 201405
更衣して旅一つ終りたる 稲畑汀子 ホトトギス 201405
まだ少し不安と言ひつ更衣 稲畑汀子 ホトトギス 201405
更衣して滞在の長くなる 稲畑汀子 ホトトギス 201405
衣更へてうつし世にわが身ひとつ 丸山佳子 京鹿子 201406
激つ瀬の石に丸みや更衣 原友子 201407
すつと立つ脚の長さや更衣 國保八江 やぶれ傘 201407
遅々としてゆづらぬ母の更衣 阿部綾子 ろんど 201408
生國を問はれてをりし更衣 深澤鱶 火星 201408
水浴びて雀も衣更へてをり 河前隆三 馬醉木 201408
更衣箪笥の底の緋縮緬 上野紫泉 京鹿子 201408
更衣迷ふ楽しさ遊びをり 阪倉孝子 201408
含羞のこころ鏡に更衣 藤岡紫水 京鹿子 201408
湧く雲に富士抱かるる更衣 犬塚芳子 201408
若返りしと思ふ自信の更衣 北尾章郎 201408
忘れ得ぬ人の記憶や更衣 河口仁志 201408
亀麒麟龍鳳凰の更衣 柳川晋 201408
二の腕のさびしかりけり更衣 藤丸誠旨 春燈 201408
登校の子等いつせいに衣更 松嶋一洋 201408
更衣肌身を律す衣の綾 四條進 201408
更衣身の衰へは止められず 大嶋洋子 春燈 201408
更衣羽化宛らの園児たち 佐藤山人 201408
更衣一歩一歩の風若し 木村ふく 馬醉木 201408
着廻しを楽しみ夏へ衣替え 石田朝子 末黒野 201409
ひとつづつ思ひを重ね更衣 雨村敏子 201409
体操の手足きびきび衣更へ 島田浩美 201409
先生も更衣して校門に 秋千晴 201409
人並に喜寿を迎へて更衣 山田暢子 風土 201409
身八口より新しき風更衣 金井裕子 風土 201409
更衣二十歳の手足惜しみなし 川村文英 ろんど 201409
適塩に血のうすくなる更衣 能村研三 201409
当てにせず己を守る更衣 だいじみどり 201409
更衣門浪の音を近うせる 浜口高子 火星 201409
更衣背伸びせぬこと身につきて 門伝史会 風土 201409
更衣足の装具を新調す 山本無蓋 201409
更衣山河もつとも青きとき 林昭太郎 201409
更衣して欝の種取り替へる 松田都青 京鹿子 201409
スリッパのつま先軽き更衣かな 時澤藍 201409
衣更へてあといくたびを折り返す 服部早苗 201409
衣更へてはや子に一つ掠り傷 堀田順子 馬醉木 201409
衣更へて国のはじめの島へ入る 滝澤圭子 雨月 201409
シュレッダーへ名刺入れをり更衣 中村洋子 風土 201409
生き乍ら会へぬ人殖ゆ更衣 北川孝子 京鹿子 201410
出てきたるテレフォンカード更衣 深川敏子 春燈 201410
更衣髪引詰めて薬剤師 田岡千章 201410
病む妻に更衣とは言ふものの 赤川誓城 ホトトギス 201410
人間にまへやうしろや更衣 だいじみどり 201411
嵩ばれる衣桁や後の更衣 中本吉信 201412
村守るお地蔵さんの更衣 大日向幸江 あを 201412
更衣顔新しくなりにけり 木村ふく 馬醉木 201501
更衣して後悔をしたる旅 稲畑廣太郎 ホトトギス 201505
更衣して忘れ来しもののあり 稲畑汀子 ホトトギス 201505
母の字の我が名の茶箱更衣 篠田純子 あを 201506
お下りを嫌う年頃更衣 大日向幸江 あを 201506
転がされ病衣といへど更衣 中林晴雄 201507
更衣街にあふるるクールビズ 河本由紀子 春燈 201507
ナースきびきび更なる白に更衣 渡部節郎 201507
更衣ハンドメイドのワンピース 安藤久美子 やぶれ傘 201507
迷ひゐる妻の呟き更衣 四條進 201507
年々に時期遅くなる更衣 大橋晄 雨月 201507
衣更へて若手歌舞伎の昼席に 大島寛治 雨月 201507
衣更へて白一色の通学路 金森信子 雨月 201507
更衣曲線婀娜に成りにけり 王岩 あを 201507
衣更へてうなじの老いのつまびらか 田代民子 201508
更衣生活の余白本を積む 岸上道也 京鹿子 201508
衣更へてみても潰しの効かぬ身よ 三上程子 春燈 201508
軽すぎて心もとなき更衣 岡真紗子 201508
衣更へてビル七階の鳩居堂 井口ふみ緒 風土 201508
衣更ふ妻を眩しく眺めをり 石井秀一 風土 201508
更衣老いを隠して背を正す 松嶋一洋 201508
更衣して次の一句を思ひゐる 松嶋一洋 201508
更衣してやはらかき風に合ふ 大石喜美子 雨月 201508
帆船や商船大生更衣 田中たつを 雨月 201508
逝きし人の写真入れ替へ更衣 石谷淳子 雨月 201508
衣更へてあをすがすがし隅田川 大坪あきら 万象 201508
更衣人は身軽になりたがる 和田華凛 ホトトギス 201509
濡れ場なりプールの更衣室もまた 八木健 八木健俳句集 201509
姿見を磨いてをりぬ更衣 中島昌子 201509
旅するは我が感性の更衣 江島照美 201509
引き算の美学もありし更衣 江島照美 201509
更衣散歩に出づる今日の晴れ 磯部愛子 末黒野 201509
捨て上手は片付け上手更衣 渕田則子 末黒野 201509
老いの胸少しはづませ更衣 仙頭宗峰 万象 201509
衣更へて心身共に軽きかな 長谷仁子 春燈 201509
丈詰めること多くなり更衣 三木千代 201509
羽衣のやうな五歳の更衣 佐藤恭子 あを 201509
更衣何か忘れてゐる軽さ 山田佳乃 ホトトギス 201510
更衣心機一転して旅へ 安原葉 ホトトギス 201510
母在さばおろそかならず更衣 河野美奇 ホトトギス 201510
灯に垂るる紐に風見え更衣 深川淑枝 201510
母のものまだ残しゐて更衣 高倉和子 201510
八十路なれど余生にあらず更衣 遠藤逍遙子 風土 201510
更衣どほりにゆかぬ心かな 濱上こういち 201510
老いたれば控へ目がよし更衣 笹倉さえみ 雨月 201510
朝蝉やまだ誰も居ぬ更衣室 仲里奈央 201511
鉄棒が突如現れ更衣 藤井なお子 船団 201512
門といふをんなの形見衣更 篠田純子 あを 201602
更衣して聞く医師の言葉かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201605
更衣迷うて蝦夷の旅にあり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201605
更衣すませしやうなせぬやうな 稲畑汀子 ホトトギス 201605
脱稿に近づいてゐし更衣 稲畑汀子 ホトトギス 201605
好き嫌ひ色にありけり更衣 稲畑汀子 ホトトギス 201605
捨てられぬ思ひ出ばかり更衣 稲畑汀子 ホトトギス 201605
更衣 →8      

 

2021年6月11日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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