更 衣 〈衣更〉6   112句

目の中に虫入りけり更衣    金子蛙次郎

ころもがへ  更衣

作品
作者
掲載誌
掲載年月
家中を風吹き抜くる更衣 佐藤博重 春燈 201108
更衣ブルーシートの屋根瓦 鴨下昭 201108
逝くことも容易くはなし衣更ふ 高倉恵美子 201108
頭陀袋黒から白に更衣 長谷川としゑ ぐろっけ 201108
更衣してシスターのきびきびと 大川ゆかり 201108
更衣背負ひしものの外しどき 富川明子 201108
更衣はたちの頃のワンピース 渡辺八枝子 万象 201108
緋や朱色纏ひ息災更衣 石坂比呂子 ろんど 201108
更衣して同志社のAランチ 大山文子 火星 201108
衣更へてなんじやもんじやの花の下 藤田素子 火星 201108
右肩のすこし下がれる更衣 藤田素子 火星 201108
衣更へて身の丈に添ふたつきかな 岩下芳子 201108
肩書を脱ぎすててまづ更衣 鎌倉喜久恵 あを 201108
捨てるもの多き一生更衣 早崎泰江 あを 201108
結局は断捨離出来ぬ更衣 三川美代子 201109
生駒嶺に白き雲浮き更衣 岡佳代子 201109
衣更へて心そのまま立ち出づる 今井千鶴子 ホトトギス 201109
衣更へて子らに齢を聞かれたり 海村禮子 春燈 201109
日焼なき二の腕晒し更衣 岡谷栄子 201109
更衣首のまはりの頼りなさ 濱上こういち 201109
更衣車掌の声の水色に 西村将昭 201109
更衣庭の雀に声かける 吉清和代 万象 201109
余生には余生の矜恃更衣 神田惣介 京鹿子 201109
高層にゐてシヨパン聴く更衣 佐々木紗知 京鹿子 201109
身辺の整理ほどほど更衣 城戸緑 末黒野 201109
蒙古斑なでて嬰児の更衣 都留百太郎 末黒野 201109
家中の畳を拭いて更衣 能美昌二郎 201109
更衣渚といふは濡るる砂 水野恒彦 201109
青空に扉を開けて更衣 中野京子 201109
更衣心機一転目指したり 田中清子 雨月 201109
指しやぶりやめられぬまま更衣 細川知子 ぐろっけ 201109
スカートのさらに短かき更衣 細川知子 ぐろっけ 201109
鮮やかに更衣せし妻の貌 貝森光洋 六花 201109
邂逅の予感も秋の更衣 千田敬 201110
ばさと断つ思ひもありぬ更衣 宮井知英 201110
世の人に一と月遅れ更衣 林哲夫 ぐろっけ 201110
七十余年の速さ短かさ更衣 中野京子 201110
人の世の重荷を捨てし更衣 前田美恵子 201110
更衣アウトレットの青きシャツ 久世孝雄 やぶれ傘 201110
通勤車女生徒の声更衣 神田惣介 京鹿子 201110
更衣したる教室風軽し 中村江利子 京鹿子 201110
吾がセンサーあはてて秋の更衣 山崎真義 201112
お洒落着を選ぶや後の更衣 大堀賢二 201112
更衣昨日が遠くなりにけり 吉永すみれ 風土 201112
少女らの制服眩し更衣 紀川和子 うらら 201202
まづ声の若がへるなり更衣 岡崎伸 遠眼鏡 201203
更衣人には言へぬ恋をして 稲畑廣太郎 ホトトギス 201205
文学を志したる更衣 稲畑廣太郎 ホトトギス 201205
旅を機に少し早まる更衣 稲畑汀子 ホトトギス 201205
何よりも身軽となりぬ更衣 稲畑汀子 ホトトギス 201205
身軽さに従ふ家居更衣 稲畑汀子 ホトトギス 201205
席埋めて四角に囲む更衣 稲畑汀子 ホトトギス 201205
更衣色の混乱交差点 稲畑汀子 ホトトギス 201205
テーブルを囲む彩り更衣 稲畑汀子 ホトトギス 201205
更衣旅の自由を楽しみて 稲畑汀子 ホトトギス 201205
身に合はぬとて捨てられぬ更衣 稲畑汀子 ホトトギス 201205
衣更へて薔薇の都に仮寓かな 中川壽子 百鳥 200110
病みつつや長生きをせり更衣 井上信子 201205
沙羅の枝を蟻の流るる更衣 山尾玉藻 火星 201206
長城の果てに到りて更衣 中島玉五郎 201206
連れ合ひの留守に始める更衣 大日向幸江 あを 201206
更衣捨てられませぬ親の愛 森下康子 201207
衣更へて何時もの席へ一歩づつ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201207
衣更へて発つときめたる下山かな 石田康明 春燈 201207
衣更へて雨のにほひの映画館 城孝子 火星 201207
更衣余生と言ふも軽からず 高橋あさの 201207
更衣記憶の綾を手繰りをり 吉田政江 201207
更衣絵文字となりし種痘痕 田中貞雄 ろんど 201207
球場の白きウェーブ更衣 阪本哲弘 201208
更衣して新しき顔でゐる 雨村敏子 201208
美しき日の出に衣更へにけり 十川たかし 201208
お茶室の畳のにほひ更衣 吉田啓悟 かさね 201208
浮雲の移る間のあり更衣 河口仁志 201208
病み抜けて華髪身に添ふ更衣 座古稔子 201208
美しき歯の乙女等よ更衣 工藤ミネ子 風土 201208
更衣へて少女の手脚長かりし 柴田久子 風土 201208
八十路の身晒すをおそる更衣 鴨下昭 201208
部屋中に広げ進まぬ更衣 中山静枝 201208
更衣昨日とちがふ風はおる 卜部黎子 春燈 201208
落着きのなき空見上げ更衣 下平誠子 ろんど 201208
更衣へて小振の茶碗えらび買ふ 河村啓花 ろんど 201208
古衣又出して着る更衣 福田かよ子 ぐろっけ 201208
衣更へて欅の影のくはしかり 浜口高子 火星 201208
衣更への腕にのこりし時計かな 米澤光子 火星 201208
鍵善の干菓子つまめり更衣 西村節子 火星 201208
富士の峰の遥かに見ゆる更衣 西畑敦子 火星 201208
ほほゑみてほほゑまるるや更衣 篠田純子 あを 201208
犬の散歩へ小母さんが更衣 定梶じょう あを 201208
更衣ブータンの言ふ幸福度 田中藤穂 あを 201208
ときめかぬ衣類は捨てむ更衣 伊藤憲子 201209
生き方を変へる事なし更衣 瀬川公馨 201209
雲空も野山も変はり更衣 柴田靖子 201209
ふだん着は小倉木棉や更衣 沢木欣一 万象 201209
衣更ふ背のジツパーに立ち往生 布川孝子 京鹿子 201209
碁敵を更衣して待つ今宵 小泉欣也 ろんど 201209
妻ありてこその卒寿の更衣 宮崎正 ホトトギス 201210
気ままなる晩年であり更衣 ふじの茜 201210
羽抜けて籠の鳥どち衣更 古井公代 ぐろっけ 201210
袖を出るにぎり拳や衣更 林昭太郎 あまねく 201210
後戻りできぬ人生衣更ふ 大橋伊佐子 末黒野 201210
捨つるべき物捨てきれず更衣 大川暉美 末黒野 201210
青空を山なみ走る更衣 柴田佐知子 201210
はじめより身一つ衣更へにけり 柴田佐知子 201210
衣更えてアロエの汁を絞りけり 鳳蛮華 201304
気分だけ更衣して来たりけり 稲畑汀子 ホトトギス 201305
白がちになりたる起居や更衣 稲畑汀子 ホトトギス 201305
幾度も後戻りして更衣 稲畑汀子 ホトトギス 201305
用心をして雨の日の更衣 稲畑汀子 ホトトギス 201305
忘れものせしかに軽き更衣 稲畑汀子 ホトトギス 201305
鏡臺をまづ拭いてから更衣 竹貫示虹 京鹿子 201305
タイガースにも更衣ころもがへ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201305
更衣せめて身軽に旅立ちぬ 稲畑汀子 ホトトギス 201305
更衣→7      

 

2021年6月11日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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