更衣 〈衣更〉2

痩脛の毛に微風あり更衣    蕪村

ころもがへ  更衣

作品
作者
掲載誌
掲載年月
更衣好みの柄を今年また
二村蘭秋
雨月
200008
光り飛ぶ時間のひまの更衣
岡本眸
200008
看護婦は帽子そのまま更衣
永野秀峰
ぐろっけ
200008
心奥の少し透けるや更衣
三輪慶子
ぐろっけ
200008
猫のこゑ何処かでしたり更衣
小澤克己
遠嶺
200009
あてもなき旅に憧れ更衣
村田近子
遠嶺
200009
身ほとりの何事もなく更衣
粟津松彩子
ホトトギス
200009
足うらに感じる畳更衣
粟津松彩子
ホトトギス
200009
衣更へて神慮問ひつつ母見舞ふ
千原叡子
ホトトギス
200009
更衣リュック背負うてをらざりし
千原叡子
ホトトギス
200009
人生に交叉点あり更衣
塙告冬
ホトトギス
200009
四十路なほ輝く吾娘の更衣
高堂智恵子
ホトトギス
200009
透きとほる服を好みて更衣
高堂智恵子
ホトトギス
200009
丸く拭く丸きテーブル更衣
関根洋子
風土
200009
わだなかの凹み見てをる更衣
小形さとる
200009
更衣病衣は丈を余しけり
岡田鉄
200009
衣更へて歯型採られてをりにけり
内田美紗
船団
200009
いくばくの残生しらず更衣
安田登志子
ぐろっけ
200009
声変はり好みも変はり更衣
近藤倫子
ぐろっけ
200009
鯛に会うよろこびありて更衣
立岩利夫
海程
200010
通院が主なる仕事更衣
嶋田摩耶子
ホトトギス
200011
縁先の風軽くなる更衣
石本百合子
馬醉木
200012
丸く拭く丸きテーブル更衣
関根洋子
風土
200101
雨あとの松葉の匂ふ更衣
加瀬美代子
200103
衣更へてすぐに風添ふ腕かな
磯田富久子
200104
植込みに展げ浮浪の更衣
品川鈴子
船出
200104
更衣しても用心深きかな
稲畑汀子
ホトトギス
200105
旅いくつ待てる心に更衣
稲畑汀子
ホトトギス
200105
更衣してより人と会ひたき日
稲畑汀子
ホトトギス
200105
忙中に更衣てふ閑ありて
鷹羽狩行
十三星
200105
四十年埃の念い更衣
松村美智子
あを
200106
更衣父の匂ひの帯結ぶ
皆川盤水
春耕
200107
衣更へて新しく座す袖の位置
能村登四郎
200107
衣更へて爪でも染めてみようかな
高垣和恵
雨月
200107
衣更まだ捨てきれぬものありて
松沢久子
いろり
200107
むがたまの一枝机上に更衣
大和田鏡子
俳句通信
200107
派手なものわれに届きて更衣
松沢久子
いろり
200107
部屋中をハンガー散らし更衣
桑原敏枝
いろり
200107
更衣残る若さのおしゃれして
侭田伊都希
いろり
200107
他ならぬ用を足す日や更衣
桑垣信子
いろり
200107
分度器と遥かなる海更衣
亀田愚風
銀化
200107
背筋少し伸びたる思ひ更衣
芝尚子
あを
200107
制服を五糎伸ばし更衣
品川鈴子
ぐろっけ
200107
無防備な刻はやばやと更衣
泉田秋硯
200108
動き出しさうなマネキン更衣
鈴木照子
200108
肩を出すことがファッション更衣
塩路五郎
200108
更衣ほくろの数の増えてをり
村上留美子
火星
200108
朴の木は冷えをはなさず更衣
野々村紫
百鳥
200108
野の花の一面の白更衣
幡江美智子
百鳥
200108
更衣白木の額を部屋に掛く
半澤佐緒里
百鳥
200108
をりからの昼の星なり更衣
水野恒彦
200108
看取女の二の腕太き更衣
正木光子
いろり
200108
衣更へて今日より名刺横書に
大島寛治
雨月
200108
定年の身の軽やかに更衣
山本喜朗
雨月
200108
更衣低めに母の博多帯
西川よし子
春耕
200108
更衣ふところに文貰ひたる
村越化石
200108
衣更へて虚子の浄土へ発ちたまふ
山田弘子
円虹
200108
晩節を汚さず生きて更衣
吉永とほる
円虹
200108
いちはやく気象予報士更衣
小倉正達
200108
飛べさうな肩の軽さや更衣
芳賀雅子
航跡
200108
先づ肌へ風着せてより更衣
尾崎久子
ぐろっけ
200108
締切りの無き日常の更衣
高橋英子
ぐろっけ
200108
変身のモンローウォーク更衣
泉田秋硯
200109
ポケットの物を入れ替へ更衣
山口秋子
酸漿
200109
更衣日本丸の帆が揚がり
水口楠子
百鳥
200109
更衣血よりもうすき判を押す
奥田筆子
京鹿子
200109
思ひ出も広げて畳み更衣
師岡洋子
ぐろっけ
200109
性格の明るくなりし更衣
邑橋淑子
遠嶺
200110
衣更へて薔薇の都に仮寓かな
中川壽子
百鳥
200110
姿見に雲のひとひら更衣
八百山和子
200110
遊び人実はお奉行更衣
朝日彩湖
船団
200110
更衣風をまといていざ町へ
川島ひとみ
船団
200110
衣更へて雲湧く方へ歩みけり
高橋さえ子
200110
更衣あなたの短気にちょっと慣れ
甲田夏湖
船団
200111
捨てられぬ想ひの品や更衣
岡部三和江
ぐろっけ
200202
着流しのからす遠目に更衣
鷹羽狩行
200205
旅いくつ予定組みゆく更衣
稲畑汀子
ホトトギス
200205
みほとりの風の軽さよ更衣
稲畑汀子
ホトトギス
200205
荷物まで軽くなりたる更衣
稲畑汀子
ホトトギス
200205
嘘ついて罪となる世や更衣
松崎鉄之介
200206
顔はまだ取り残されし更衣
朱間繭生
銀化
200206
橋たもと何故かなつかし更衣
堀内一郎
あを
200206
言訳を考えてゐる更衣
栢森定男
あを
200206
きつかけは海を見しこと更衣
鷹羽狩行
200207
糊すこし強きもよけれ更衣
鷹羽狩行
200207
大空へ顔少し向け更衣
村越化石
200207
神戸つ子らしくと衣更へにけり
山田弘子
円虹
200207
更衣母によく似しいかり肩
辻井桂子
雲の峯
200207
更衣遺品となりしゴルフ帽
辻井桂子
雲の峯
200207
交差点老若男女更衣
市川伊團次
六花
200207
更衣する服無くて朝の道
市川伊團次
六花
200207
取り出だす父の形見や更衣
小山漂葉
酸漿
200207
日当りてさみしき一樹更衣
加瀬美代子
200207
ひるがへる楠の葉匂ふ更衣
加瀬美代子
200207
シルバーエイジいざ先取りの更衣
山中宏子
200208
衣更へて卓布もけふは瑠璃色に
薪豊子
馬醉木
200208
窓開き鳥語たのしや更衣
薪豊子
馬醉木
200208
更衣(3)      

 

2021年6月2日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。