小六月 2    200句

羽をこぼす梢の鳶や小六月    蒼虬

小六月  小春

作品
作者
掲載誌
掲載年月
亡き人を偲ぶ心の小六月 稲畑汀子 ホトトギス 201012
「影ふんだ」幼のびのび小六月 岡野ひろ子 201101
干し物を膝の上に仲し小六月 七田文子 201101
父母の恩義思ひ思ひて小六月 大橋敦子 雨月 201101
大阪の下町巡る小六月 大橋晄 雨月 201101
小六月元寇防塁ひそと立ち 吉村摂護 201101
駅迄に挨拶多し小六月 赤座典子 あを 201101
地に低く跳ぶものありて小六月 大竹淑子 風土 201102
薪積みて軒のふくらむ小六月 浜福惠 風土 201102
包丁の切れを確かむ小六月 塩千恵子 201102
手に入れるほどの遠富士小六月 大場ましら 201102
小六月一度触れたき犀の角 本多俊子 201102
大鯉の影ゆつたりと小六月 広瀬俊雄 万象 201102
手捻りの小鉢の乾く小六月 岡田史女 末黒野 201102
礁みな波を遊ばす小六月 小山直子 末黒野 201102
ござれ市賑はひ見せて小六月 大西まりゑ 酸漿 201102
首のべて飛行船見る小六月 篠田純子 あを 201102
キャタピラの跡のギザギザ小六月 大島英昭 やぶれ傘 201102
小六月老人ホームに義母尋ね 谷泰子 ぐろっけ 201103
わが影を合はす日時計小六月 永田二三子 酸漿 201103
お手玉の擦れ合ふ音や小六月 宮井知英 201104
茣蓙敷いて地べたに坐る小六月 高橋龍 201105
小六月今年も少女めく君に 稲畑廣太郎 ホトトギス 201111
二三人口説きたくなる小六月 稲畑廣太郎 ホトトギス 201111
何よりも家居の時間小六月 稲畑汀子 ホトトギス 201111
はやぶさの快挙のその後小六月 稲畑汀子 ホトトギス 201111
おふくろのふくろのやうな小六月 竹内弘子 あを 201112
小六月暫し鴉と睨み合ふ 須賀敏子 あを 201112
浮世絵に江戸世の遊び小六月 藤本秀機 201201
醤油屋の匂ひ立つ土間小六月 笠井清佑 201201
母の笑顔に安堵の思ひ小六月 川崎利子 201201
皿盛りの浅蜊潮吹く小六月 中江月鈴子 201201
小魚が海月をつつく小六月 岩木茂 風土 201201
観音の天衣軽やか小六月 中村ふく子 201202
小道具屋の電話どれ鳴る小六月 北尾章郎 201202
狛犬に悪相なかり小六月 久米なるを 201202
観音の腰のひねりや小六月 根岸善行 風土 201202
奈良漬に酔うてかなしき小六月 浅田光代 風土 201202
捨小猫子らに鳴き寄る小六月 平田榮子 春燈 201202
鳴雪の書軸に見ゆ小六月 西村しげ子 雨月 201202
小六月川のながれに水ゑくぼ 中山純子 万象 201202
小六月ホバリングなすヘリコプター 加藤千津 ろんど 201203
小六月寺のいらかの光けり 小林美登里 かさね 201203
小流れのただよふ藻草小六月 熊切修 末黒野 201203
近松の長き戒名小六月 中村紘 ぐろっけ 201203
首筋にぬくもりのあり小六月 柳田皓一 かさね 201204
旅といふ自由な仲間小六月 稲畑汀子 ホトトギス 201211
先づ齟齬の解決に向け小六月 稲畑汀子 ホトトギス 201211
辛崎の松もかくやと小六月 佐藤喜仙 かさね 201301
街角のカフェに絵を描く小六月 米田文彦 かさね 201301
草にまだ伸びる力や小六月 佐野ときは 201301
小六月河鴉はしゃいですぐ浮ぶ 篠田純子 あを 201301
和蝋燭灯る本堂小六月 村上絢子 馬醉木 201302
絵はがきの和紙の手ざはり小六月 楠原幹子 201302
遠き日の地面の遊び小六月 菊川俊朗 201302
塵取に影の生まるる小六月 中山純子 万象 201302
虚子の本見つけてうれし小六月 山田春生 万象 201302
小六月供花に赤色少し足し 村上留美子 火星 201302
環濠の口に野地蔵小六月 藤田かもめ ぐろっけ 201302
のぼせたる鯉の浮きくる小六月 近藤喜子 201302
大津絵の鬼の愛敬小六月 近藤紀子 201302
着ぐるみに名刺を貰ふ小六月 相良牧人 201302
小六月猫撫で声で猫を釣る 篠田純子 あを 201302
巡業の初つ切りを見る小六月 神田恵琳 跫音 201303
小六月曙杉に鳶眠る 加藤和子 万象 201303
干支の「巳」の図柄あれこれ小六月 古林田鶴子 ぐろっけ 201303
虎・三毛・斑大きく伸びし小六月 三橋早苗 ぐろっけ 201303
縁先のいぶりがつこや小六月 内藤呈念 ホトトギス 201304
島渡船礁脈透いて小六月 渡真利真澄 万象 201304
海を見てをれば心は小六月 稲畑汀子 ホトトギス 201311
仕上げねばならぬ稿債小六月 稲畑汀子 ホトトギス 201311
家に錠かけて出掛けし小六月 稲畑汀子 ホトトギス 201311
勿体なき家居となりし小六月 稲畑汀子 ホトトギス 201311
質問を受けて立つべし小六月 稲畑汀子 ホトトギス 201311
上京のこたび一泊小六月 稲畑汀子 ホトトギス 201311
小六月崩るる雲の現れし 稲畑汀子 ホトトギス 201311
スケジュール明日に及びぬ小六月 稲畑汀子 ホトトギス 201311
小六月時間長者のひとりもの 竹貫示虹 京鹿子 201311
ひょっとこの白目が見てる小六月 篠田純子 あを 201312
居眠りの鼾穏やか小六月 中島玉五郎 201312
小六月東京タワーでまず富士を 須賀敏子 あを 201401
上衣ぬぎ駆けて行く児等小六月 長崎桂子 あを 201401
小六月地上に降りし飛天かな 中田禎子 201402
微笑を返すも看取り小六月 吉原弘 ろんど 201402
片づいて手持無沙汰や小六月 有本惠美子 ろんど 201402
湘南の海明らかに小六月 粟倉昌子 201402
球根の衝動買ひや小六月 杉本綾 201402
足裏を見せたる飛天小六月 坂根宏子 201402
点滴に時をつひやす小六月 佐藤喜仙 かさね 201402
十余年家族としての小六月 佐藤喜仙 かさね 201402
よく笑ふ子と居て暮るる小六月 大滝敏子 末黒野 201402
ポン菓子の軽さ散らばる小六月 国包澄子 201403
落慶の檜の香に浴す小六月 滝澤圭子 雨月 201403
小六月犬と小鳥とチャーリーと 山口ひろよ 201403
固まらぬ拳骨握る小六月 吉村摂護 201403
杉の実の早も熟れそむ小六月 小倉純 末黒野 201403
ジーパンの破れに素肌小六月 瀬島洒望 やぶれ傘 201403
日を入れて猛き航跡小六月 成田美代 201403
三百年の椨の木に瘤小六月 有賀昌子 やぶれ傘 201404
SLにマニアのフラッシュ小六月 仁平則子 201404
環濠に白壁の蔵小六月 笠井清佑 201501
窯元の薪割る音や小六月 塩路隆子 201501
亀の背の昼には乾く小六月 大崎紀夫 やぶれ傘 201501
赤松の丸太のにほふ小六月 大島英昭 やぶれ傘 201501
三羽の鵜潜り比べや小六月 篠田純子 あを 201501
ホームレスに添ふ黒猫や小六月 篠田純子 あを 201501
小六月若き庭師の面皰痕 赤座典子 あを 201502
ふる道の日差まつたり小六月 伊東和子 201502
楽譜より音の生まるる小六月 堀井英子 雨月 201502
一村の丸まつて住む小六月 森岡正作 201502
用それぞれ二人の暮らし小六月 門伝史会 風土 201502
楮干す手のひらひらと小六月 岩木茂 風土 201502
背負はるる廻し地蔵や小六月 鈴木庸子 風土 201502
畳屋が来て予算組む小六月 水井千鶴子 風土 201502
放たれし羊の群や小六月 岡田史女 末黒野 201502
黒髪の通り過ぎゆく小六月 鈴木阿久 201502
時空超ゆ旅きらきらと小六月 近藤喜子 201502
駄菓子屋に昭和のありて小六月 阪倉孝子 201502
天守閣の金の眩しき小六月 西村しげ子 雨月 201502
窯出しの湯呑掌にうけ小六月 武生喜玖乃 雨月 201502
鯉食べに迎へのバスや小六月 中川すみ子 201502
酒蔵の寛政の梁小六月 神田美千留 京鹿子 201503
母の忌のこよなくぬくし小六月 原田しずえ 万象 201503
新句集祝ふ句友や小六月 丹羽武正 京鹿子 201503
繭のごと眠る茅屋小六月 森清信子 末黒野 201503
快き水車のリズム小六月 安斎久英 末黒野 201503
水亭の戸を開け放つ小六月 加藤静江 末黒野 201503
美容師へ頭預けて小六月 外山節子 末黒野 201503
桜灰の釉薬青き小六月 生田恵美子 風土 201503
歳時記を繕うてゐる小六月 野畑さゆり 201504
子規のこと偲ぶ講話や小六月 稲畑汀子 ホトトギス 201511
小六月めぐれば心地よき風に 稲畑汀子 ホトトギス 201511
念入りに爪研ぐ猫よ小六月 平子公一 馬醉木 201601
コーヒーに砂糖さらさら小六月 一民江 馬醉木 201601
武具庫を開けて昏しや小六月 和田ゑい子 馬醉木 201601
腹背に友垣のあり小六月 井上信子 201601
冬支度死仕度せむか小六月 大草由美子 春燈 201601
日和下駄鳴らす菊坂小六月 石川倜子 馬醉木 201602
神鶏の巫女につきゆく小六月 浅田光代 風土 201602
農小屋の引き戸砂かむ小六月 生田作 風土 201602
一の坂から八の坂まで小六月 仙田孝子 風土 201602
頭陀袋へ知恵いただきて小六月 阪倉孝子 201602
杣が家の隣ははるか小六月 原田しずえ 万象 201602
はらからの集ひて墓地へ小六月 野口朝世 やぶれ傘 201602
露座仏の賽銭光る小六月 遠山のり子 201602
百度石に日の燦々と小六月 隅田恵子 雨月 201603
名園の径くねくねと小六月 森礼子 雨月 201603
小六月ぽつくり寺に靴数多 田岡千章 201603
橋渡る前のときめき小六月 中山皓雪 201603
野良猫が屋根に来てゐる小六月 大島英昭 やぶれ傘 201603
巡礼のロザリオ光る小六月 久保白村 ホトトギス 201604
主を讃ヘチャペルも庭も小六月 久保白村 ホトトギス 201604
尊徳像未だ健在小六月 大橋晄 ホトトギス 201604
家事一切する気がなくて小六月 今井千鶴子 ホトトギス 201604
昨夜の雨吸ひ上げてゐる小六月 稲畑廣太郎 ホトトギス 201611
小六月主日の前の静寂かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201612
古書店の店主ぬうつと小六月 秋山ユキ子 201701
小六月川を隔てて町と村 宮井知英 201701
瓦葺く音も軽やか小六月 森川絢子 京鹿子 201701
手渡しの郵便の来て小六月 渡辺やや 風土 201701
店仕舞ひ早き巣鴨へ小六月 安藤久美子 やぶれ傘 201702
次郎吉の墓石けづる小六月 山田春生 万象 201702
小六月明日飲む薬揃へけり 岸洋子 201702
言の葉の美しき敷島小六月 植村蘇星 京鹿子 201702
櫂のなき埴輪の船や小六月 伊藤ふみ 馬醉木 201702
鶏小屋のことりことりと小六月 石田阿畏子 馬醉木 201702
港への人出となりぬ小六月 岡田史女 末黒野 201702
過去棄つる身辺整理小六月 小沼ゑみ子 末黒野 201702
城跡に潮にほひけり小六月 天野美登里 やぶれ傘 201703
売り物はカヌーが二艘小六月 瀬島洒望 やぶれ傘 201703
物置に鐘と曲尺小六月 大崎紀夫 やぶれ傘 201703
納骨を終へたる安堵小六月 森幸 雨月 201703
糸を引くチーズのピザや小六月 森清信子 末黒野 201703
手仕事のあれやこれやと小六月 谷渡末枝 万象 201703
杉戸絵は蕪村の筆や小六月 原田しずえ 万象 201703
釜めしのお焦げが旨し小六月 鎌田八重子 馬醉木 201703
帰りたきふるさとのあり小六月 片岡さか江 末黒野 201704
ひと目ぼれは神の導き小六月 竹下陶子 ホトトギス 201704
北国もけふは一転小六月 安原葉 ホトトギス 201704
僧老を羨しとも見て小六月 千原叡子 ホトトギス 201705
小六月久し振りなる同窓会 安藤久美子 やぶれ傘 201711
体調に心してゆく小六月 稲畑汀子 ホトトギス 201711
水音の中にありけり小六月 稲畑汀子 ホトトギス 201711
気忙しき思ひ沈めて小六月 稲畑汀子 ホトトギス 201711
小六月ワイン好きてふ明治帝 稲畑廣太郎 ホトトギス 201711
墓しまふ話ききをり小六月 菊池洋子 やぶれ傘 201712
小六月四角い家から箱が出る 佐藤喜孝 あを 201712
小六月旗日のバスがやつてくる 宮内とし子 201801
仏像展混みて静かや小六月 落合絹代 風土 201802
天と地に遊ぶ心や小六月 吉田とよ子 春燈 201802
紫に三毳嶺暮るる小六月 江見悦子 万象 201802
ガレージで速歩を試す小六月 赤座典子 あを 201802
小六月母と尽きざる句の話 荻野周子 雨月 201802
誰それに似たる羅漢や小六月 峰幸子 末黒野 201802
再検の夫へつきゆく小六月 岡田史女 末黒野 201802
白壁や猫の影ゆく小六月 尾崎千代一 末黒野 201803
諍へる夫ゐる幸や小六月 片岡さか江 末黒野 201803
四阿の将棋の子らや小六月 森清堯 末黒野 201803
貫之のかな書に出合ふ小六月 布施まさ子 風土 201803
燭台に薄埃ある小六月 天野美登里 やぶれ傘 201803
小六月→3      

 

2021年11月30日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。