子 猫 1      236句

捨てに行く人に抱かれし子猫かな   朴魯植   ホトトギス

猫の子  子猫

作品
作者
掲載誌
掲載年月
タバサとて魔女の名与へ子猫飼ふ 植田のぼる 雨月 199807
いつまでも鳴かない仔猫カンナ咲く 仲村青彦 199810
野良として生れし運命の子猫かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 199904
仔猫猛々し先史の岩窟に 品川鈴子 ぐろっけ 199904
パソコンに描きし子猫肩にのり 森景ともね 船団 199907
極道の兄は子猫におろおろし 長沼都 船団 199909
何にでも鼻くっつけて子猫かな 津田このみ 月ひとしずく 199912
ほたほたと仔猫のしっぽ冬が来る わたなべじゅんこ 鳥になる 200003
母と子の連弾子猫じやれてゐる 松木知子 ヒッポ千番地 200004
風呂敷包仔猫のこゑをこぼしけり 吉田明 200006
首の根のからまつてゐる仔猫かな 彌榮浩樹 銀化 200007
枳殻きこくの実胸くぼに仔猫を眠らせ 森央ミモザ 海程 200102
僅かなる日向もとめる野良子猫 栢森敏子 あを 200102
子猫抱く質屋の主人鼻眼鏡 篠田純子 あを 200103
逃げることもう身につけてゐる子猫 稲畑汀子 ホトトギス 200104
親猫の視野を出たがる子猫かな 稲畑汀子 ホトトギス 200104
仔猫鳴くゴム鉄砲の的となり 泉田秋硯 200107
風流る仔猫の腹の透ける程 伊藤敬子 遠嶺 200107
叱られてゐる子仔猫を抱きしめて 西岡美代子 百鳥 200108
そよ風のやうな子猫を貰ひけり 佐藤京子 百鳥 200108
捨て仔猫ビルの街には生きられず 長谷川登美 ぐろっけ 200108
九品佛育て給ふや捨て仔猫 長谷川登美 ぐろっけ 200108
つまみあげられて仔猫といへるもの 野中亮介 馬醉木 200110
よくひびく子猫の鈴や柿日和 内田雅子 馬醉木 200112
風吹けば風をおもちゃに仔猫たち 北原志満子 海程 200112
この夏の淡きちぎりに仔猫飼う 北原志満子 海程 200112
野良子猫大分馴れて足袋を嗅ぐ 川崎不坐 火星 200202
クリスマス子猫の赤い首飾り 小橋安子 いろり 200202
柊の咲きこぼる下子猫死す 平居澪子 六花 200202
どのやうに呼んでも返事する子猫 新開一哉 円虹 200204
今日からはお前と二人子猫抱く 鎌倉喜久恵 あを 200205
咲き急ぐ花や仔猫の震へ癖 東條未英 200205
掌の中で冷たくなつてゆく仔猫 奥田文葉 百鳥 200206
うかつにも抱きて子猫を飼ふはめに 辻のぶ子 雲の峰 200206
掴まれし仔猫の爪の宙を掻く 伊藤敬子 遠嶺 200207
タウン紙に仔猫さしあげますの記事 長谷川守可 百鳥 200207
子猫らの遊び疲れし寝顔かな 永沢達明 円虹 200207
子猫見に寄り道をする二年生 今井千鶴子 ホトトギス 200209
子猫見に誘はれぬ子もついて来る 今井千鶴子 ホトトギス 200209
ぞろぞろと学校帰り子猫見に 今井千鶴子 ホトトギス 200209
猫じやらし仔猫の尾よりまだ短か 松崎鉄之介 200209
子に泣かれ子猫に啼かれ負けにけり 河野美奇 ホトトギス 200210
捨て仔猫人に甘ゆること知らず 西宮舞 200212
十元で売らるる仔猫鳴きどほす 島玲子 風土 200301
猫じゃらし仔猫あやすに丁度いい 泉田秋硯 鳥への進化 200303
親猫の子猫見守る闇の距離 稲畑汀子 ホトトギス 200304
あなどれぬ子猫の爪と知つてをり 稲畑汀子 ホトトギス 200304
子猫はや野良となりたる眼を持てる 稲畑汀子 ホトトギス 200304
手の上に乗せて重さのなき子猫 稲畑汀子 ホトトギス 200304
手を出せば子猫の爪の待つてをり 稲畑汀子 ホトトギス 200304
草の上に置かれし仔猫鳴きにけり 山尾玉藻 火星 200305
捨子猫悲しきまでに甘えけり 丸山敏幸 200305
仔猫見に毎日寄つて行く子かな 三遊亭金遊 百鳥 200306
月おぼろ獣医の戸口に捨仔猫 西村梛子 馬醉木 200307
土鈴くわらんと振れば燦く子猫の眼 荻野千枝 京鹿子 200308
その昔仔猫拾ひしはな並木 賀山秀子 ぐろっけ 200308
捨て子猫子らの輪の中動かれず 中村功 築港 200407
吸ひついて乳房押しゐる子猫かな 里中章子 200407
薔薇と言ふ短き名前子猫の死 寺門武明 あを 200407
貰はれて暗がりを嗅ぐ仔猫かな 戸栗末廣 火星 200408
退院の妻にまつはる子猫かな 桑田青虎 ホトトギス 200409
枇杷と共に貰はれて来し子猫かな 永橋久子 百鳥 200409
爪立てること知つてゐる子猫かな 稲畑汀子 ホトトギス 200504
遠くより子猫見守る親らしく 稲畑汀子 ホトトギス 200504
血統書付きの顔して子猫かな 水野典子 200504
雨女雨の子猫を抱き上げし 山田六甲 六花 200506
六道の辻にじやれをる子猫かな 近藤きくえ 200507
コンクリに体温あづく子猫かな 吉弘恭子 あを 200509
ぶさいくな祇園生れの仔猫かな 八田マサ子 馬醉木 200605
絵草子屋覗いてゆきし子猫かな 三宅文子 春燈 200605
貰ひ手の決まりし子猫のど鳴らす 松井倫子 火星 200605
センサーに子猫再び現われず 秋田直己 ぐろっけ 200605
通るたび子猫と話す母卒寿 阿部澄 万象 200606
血統書付きの子猫や瞳の蒼し 泉田秋硯 200607
溶けさうな眼で見られゐる子猫かな 丹生をだまき 京鹿子 200607
小さき指仔猫の耳に爪を立て 村田とくみ ぐろっけ 200609
尾の先も蝶捕る構へぶち子猫 岩松八重 六花 200610
助けんとしたる子猫の立てし爪 稲畑汀子 ホトトギス 200704
貰はれて由緒正しき仔猫かな 辻佳子 馬醉木 200706
大いなる樹幹をのぼりゆく子猫 小澤克己 遠嶺 200706
最初に目合ひし仔猫を貰ひけり 伊藤トキノ 200707
ままごとの母が抱きたる捨て子猫 馬越幸子 ぐろっけ 200707
見詰められ黒き子猫を拾ひけり 芝尚子 あを 200708
氏素性たしかな仔猫貰ひけり 船越和香 馬醉木 200708
針のめど通らぬ膝に子猫くる 鎌倉喜久恵 あを 200709
親猫の子猫をかはす暑さかな 芝尚子 あを 200709
こぼれ萩轢かれ子猫を埋めにけり 四條進 200711
秋暑し頭に挙げてゐる子猫の手 岡有志 ぐろっけ 200712
納屋に藁重ねて子猫隠し飼ふ 山田六甲 六花 200803
耳の先ぴくと子猫の目覚かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200804
目は父似耳は母似の子猫かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200804
子猫飼ふことにしたから泣かないで 稲畑廣太郎 ホトトギス 200804
もう敵と味方知つてる子猫かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200804
掌に乗せて子猫の軽さかな 稲畑汀子 ホトトギス 200804
からまりし網の子猫と気づくまで 稲畑汀子 ホトトギス 200804
無沙汰の子仔猫の話ばかりせり 藤井佐和子 200805
路地裏の仔猫の呼名小町なり 中村翠湖 馬醉木 200805
老僧の一喝子猫とびさりぬ 綿谷美那 雨月 200806
貌つぶし合ひて子猫の眠りをり 柴田佐知子 200806
短編を書かうか子猫居着きたる 北尾章郎 200808
たんぽぽの絮のやうなる仔猫かな KOKIA 六花 200809
仔猫らの木天蓼の実に執心す 植村よし子 雨月 200902
付き来たる子猫をしかる声弱し 山田六甲 六花 200904
留守宅の庭に遊べる仔猫かな ことり 六花 200904
知り抜きし路地へ子猫はまっしぐら 森理和 あを 200904
玩具箱にまぎれこみたる仔猫かな 野中亮介 馬酔木 200905
花屑にまみれて遊ぶ仔猫かな ことり 六花 200905
不機嫌な男に見せる仔猫かな 塩路隆子 200906
あの恋でこんな子猫の生れしか 大久保白村 ホトトギス 200907
花街の路地に隠るる子猫かな 大久保白村 ホトトギス 200907
子猫抱く宝物でも抱くやうに 大久保白村 ホトトギス 200907
工場の隅をすみかにして子猫 白石紀子 200907
漱石の猫の血筋といふ子猫 柴田良一 雨月 200907
トラクター前を横切る捨仔猫 小林馨 万象 200907
諭しゐる子猫がじやれる跳びはねる 柴田佐知子 200907
あやふやな貌に子猫の生れけり 秋千晴 200907
黒猫の子猫と来たり良夜かな 細川和子 炎環 200912
紐あれば毬あれば子猫の世界 稲畑廣太郎 ホトトギス 201004
拾たんちやふついて来ただけこの子猫 稲畑廣太郎 ホトトギス 201004
容赦なき子猫の爪でありしこと 稲畑汀子 ホトトギス 201004
親猫の目のついて来る子猫かな 稲畑汀子 ホトトギス 201004
捨て子猫必死の声で付き来たり 布川直幸 201004
小春日や屋根の仔猫の親離れ 松本文一郎 六花 201004
仔猫にも電話のこゑを聞かせけり 竹内慶子 春燈 201006
預かりし子猫三日をもてあます 高橋照子 雨月 201006
眠さうな子猫出て来る出湯坂 矢野百合子 201007
赤き毬添へて子猫の貰はるる 森脇貞子 雨月 201007
捨て子猫箱にうごめく四条橋 鈴木浩子 ぐろっけ 201007
下町や仔猫呼ぶ声いく度も 大西八洲雄 万象 201008
仔猫鳴くひよろりと歩みては転び 柳生千枝子 火星 201008
万緑に子猫尾を立て歩みけり 穂苅照子 万象 201009
子猫もう闘争心の目を持てり 山下美典 ホトトギス 201009
風鈴に子猫の耳のよく動く 荻龍雲 201010
床の間に飾りたるごと子猫かな 樋口みのぶ 201011
星祭里親待ちの仔猫鳴き 松本文一郎 六花 201011
霜柱子猫三匹走り去る 早崎泰江 あを 201102
てのひらの仔猫けむりのやうにゐる 富川明子 201105
引っ越しに隣の子猫ついて来る 宮村フトミ ぐろっけ 201105
捨てられし子猫に草の揺れはじむ 柴田佐知子 201105
諭されて仔猫戻しに行くをさな 中本吉信 201106
あやふやな子猫銜へて塀を飛ぶ 秋千晴 201106
咥へられ子猫だらりと命まで 秋千晴 201106
かたまりて子猫の頭どこだろう 内藤玲二 201106
バス停に子猫が二匹桜咲く 赤羽陽子 春燈 201106
子猫ゐて僅かばかりの募金かな 高橋信一 201107
子猫にも運不運ある甘え鳴き 和田幸江 春燈 201107
四方より子猫出て来る殉教地 矢野百合子 201108
父危篤子猫すり寄る無人駅 志方章子 蟋蟀 201203
楽しくてならぬ子猫のはじけ合ふ 柴田佐知子 201205
名が付いて賢くなりし子猫かな 柴田佐知子 201205
縮むだけ縮んで伸びる子猫かな あさなが捷 201205
じんろくの名がつき子猫愛さるる 定梶じょう あを 201205
眠たくてさるるがままの子猫かな あさなが捷 201206
仔猫来て問はず語りに亡夫のこと 山田愛子 201207
よく跳ねて転げて子猫汚れざる 柴田佐知子 201207
貰うて下さいパンダのやうな子猫です 鶴原妙 ろんど 201207
ポケットに子猫忍ばせ厨妻 梅田武 末黒野 201207
仔猫生る赤子の手つきに手をしやぶり 鈴木榮子 春燈 201304
わが男なにさ仔猫に猫撫で声 池田澄子 201304
早退けの子の抱きもどる子猫かな 三上程子 春燈 201306
丸窓に眠る子猫や不動院 中山静枝 201306
仔猫眠る茅葺駅の小座布団 粟倉昌子 201307
かはいがる仔猫が爪を研ぎ始む 小林朱夏 201403
雨垂れに飛びついてをる子猫かな 橋本順子 201405
人形を引き摺りまはす仔猫かな 小林朱夏 201405
休日の父に子猫のとびかかる 柴田佐知子 201405
黒猫に従ふ仔猫すべて三毛 二宮一知 万象 201406
不器量や残る仔猫に鈴つける 藤見佳楠子 201406
かたはらに仔猫もねむる看とりかな 石橋邦子 春燈 201406
春めいて土塀の破れから子猫 陽山道子 船団 201406
あたまだけ草むらに見え捨て仔猫 佐津のぼる 六花 201407
吾をにらむ術を知りゐし仔猫かな 志方章子 六花 201407
つけてやりし鈴ふりならす子猫かな 久保田万太郎 春燈 201408
ばらばらに貰はれて行く子猫かな だいじみどり 201409
子猫はや我を威嚇す台風圏 荒井千佐代 201411
子猫にも目薬注すや日向ぼこ 斉藤裕子 あを 201502
短日や子猫あげると言はれても 内海良太 万象 201502
仔猫よちよちだが既に家なき子 布川直幸 201503
日向ぼこ円座に子猫納まりて 斉藤裕子 あを 201503
夫と競ひ子猫呼び込む掛布団 斉藤裕子 あを 201504
腹の上子猫揺らして日向ぼこ 斉藤裕子 あを 201504
交番に子等のとどけし子猫かな 樋口みのぶ 201506
掌に乗せて毛玉のごとき仔猫かな 中林晴雄 201507
鈴の鳴る子猫の玩具暖かし 押田裕見子 201508
人間はことごとく敵子猫咬む 八木健 八木健集 201509
子猫の名ワカメアラメの見分け方 火箱ひろ 船団 201512
紐を得し子猫いよいよたかぶれり 柴田佐知子 201605
だれにでも懐く子猫でありさうな きくちきみえ やぶれ傘 201605
子を持たぬ梵妻手離さぬ仔猫 佐藤山人 201606
窓の灯や猫の行く手にゐる子猫 黒滝志麻子 末黒野 201606
職退きし夫は子猫に甘えらる 和田幸江 春燈 201607
動くものに戯れたし怖し子猫かな 岩下芳子 201607
子猫まづ甘えることを覚えたり 有松洋子 201607
露地裏に名のなき仔猫ばかりなり 松田明子 201607
泳ぎ着く子猫ボートに助け上ぐ 大日向幸江 あを 201607
足許の子猫に鳴かれゐても扨 佐藤淑子 雨月 201611
子猫 →2      

 

2022年4月25日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。