小 春 4    100句

玉の如き小春日和を授かりし   松本たかし

小六月  小春

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書他
住職の話小春を引き寄せて 稲畑廣太郎 ホトトギス 200712  
耳掻きの当たり柔らか小春の日 中島玉五郎 200712  
小春なほもみづるを待つ楓あり 阿部ひろし 酸漿 200712  
小春日の足袋裏返し干しにけり 水谷ひさ江 六花 200712  
チャドル着てをんな謎めく小春かな 今川千鶴子 春燈 200801  
庭の木々香木のごと小春かな 四條進 200801  
詩碑一基雲呼び寄する小春凪 鈴木阿久 200801  
小春日や姉妹が久に甥の婚 仁平則子 200801  
稿疲れ小春の京の洲浜菓子 大橋敦子 雨月 200801  
初宮の子にまたとなき小春かな 大橋晄 雨月 200801  
小春日や柔和に在す観世音 椋本一子 雨月 200801  
十団子に小春賜る峠道 近藤幸三郎 風土 200801  
湖小春松は添木に身を委ね 諸岡和子 200801  
六道の辻に迷ひて小春なる 豊田都峰 京鹿子 200801  
小春日の小石一つを手玉にす 村越化石 200801  
ナイルなるアザーン小春のサンデッキ 大西まりゑ 酸漿 200801  
小春日のだるま夕日で暮れにけり 水谷ひさ江 六花 200801  
庭園のくまなく小春日和かな 安部里子 あを 200801  
陶土搗く臼の響きや峡小春 水原春郎 馬醉木 200802 小鹿田焼
小春日や母の辺に縫ふ母のもの 田粧子 馬醉木 200802  
小春日や白虎隊士の墓に御酒 藤井彰二 馬醉木 200802  
鶏を二羽絞め今日の小春凪 布川直幸 200802  
小春日の保母運転の紐電車 小城綾子 200802  
振り返る湖の青さや坂小春 岡野ひろ子 200802  
歯を腫らす人へ小春の治療かな 四條進 200802  
小春日の秒針命を刻む音 島田山流 春燈 200802  
小春日や水沸々とぐたり沼 佐々木新 春燈 200802 東八甲田
肩書がとれて身軽の小春かな 君塚敦二 春燈 200802  
小春日を来て漱石のデスマスク 大曽根育代 遠嶺 200802  
小春日や老舗に今も招き猫 本橋葉月 遠嶺 200802  
銘仙の糸を染めゐる小春かな 三好かほる 万象 200802  
火口まで階段数ふ小春かな 綱川恵子 万象 200802  
極楽鳥花路傍に溢れ島小春 綱川恵子 万象 200802  
小春日の詩人笑へば馬の目も 水野恒彦 200802  
馬馬馬文字歩み出す小春かな 塩田博久 風土 200802 馬の博物館
軽快に井戸使ふ音路地小春 代田青鳥 風土 200802  
小春日や天台座主の頭陀袋 浅田光代 風土 200802  
買出しの力士や博多の街小春 楠原幹子 200802  
小春日のガーリックバター馥郁と 出木裕子 200802  
叩き売りの男に指さる小春かな 高尾豊子 火星 200802  
小春日の茶房コーヒーよく香り 辰巳あした 雨月 200802  
鶏呼んで餌を撒く庭の小春かな 田中峰雪 雨月 200802  
灸の灰掃出す縁の小春かな 田中峰雪 雨月 200802  
物干しに男一人の小春かな 廣瀬義一 雨月 200802  
広前の婚儀や住之江の小春 溝内健乃 雨月 200802  
うぐひす張りの廊下賑はひ寺小春 岡田章子 ぐろっけ 200802  
微笑みの観世音像見し小春 唐鎌光太郎 ぐろっけ 200802  
小春日や弥生の琴を掘り当てぬ 武田美雪 六花 200802  
惹かれ来し手児奈の里の小春かな 清水伊代乃 酸漿 200802  
共に老い去りし日語る小春かな 小山香月 酸漿 200802  
近江より苞苴ほうしよのとどく小春かな 山下青坡 200803  
提琴をひくロボットや小春の日 田下宮子 200803  
小春日の足湯や海の遠見えて 山田春好 200803  
おしやべりは精神安定剤小春 嶋田摩耶子 ホトトギス 200803  
出来たてのおむすび受けし掌の小春 嶋田摩耶子 ホトトギス 200803  
女船頭水棹ゆるりと小春かな 鈴木漱玉 馬醉木 200803  
小春日や茅葺き屋根の深呼吸 秋場貞枝 春燈 200803  
天平の土ひとつかみ小春空 布施まさ子 風土 200803  
窓小春胸のつかえを払ふべし 高木智 京鹿子 200803  
一人行く数へ切れない小春かな 森津三郎 京鹿子 200803  
義士の鬨ひびく小春の播磨灘 川崎光一郎 京鹿子 200803  
知らぬ街一駅歩く小春かな 吉田俊子 万象 200803  
旅役者町へ繰り出す小春かな 山本敦子 万象 200803  
小春日や仰山でたぞ貝の殻 瀬川公馨 200803  
奈良小春阿修羅に逢はむときめきに 山本漾子 雨月 200803  
小春日や干す物多き峡ぐらし 大畠政子 雨月 200803  
歌仙図に小春の日差あまねかり 田所洋子 雨月 200803  
小春日の峡空渡る樵る音 内藤紀子 遠嶺 200803  
小春日や風呂敷包み解くやうに 林友次郎 遠嶺 200803  
小春日の庵の壁の石版画 宮澤さくら 遠嶺 200803  
融け合へる水尾と水輪の小春かな 大谷茂 遠嶺 200803  
やはらかき嬰あやす声小春空 赤池英津子 遠嶺 200803  
小春日や妻納骨の儀を修す 嶋木勝次郎 遠嶺 200803  
雲流る果てより生きてきし小春 薗田英治 遠嶺 200803  
小春日やまこと小さきイルカの歯 天谷翔子 火星 200803  
鉄塔に作業する人小春空 国永靖子 ぐろっけ 200803  
小春日や駄菓子屋の名はまからん屋 中条さゆり 200803  
小春日やシリア土偶の胸豊か 渡邉紅華 酸漿 200803  
博物館出て小春の風の中 渡邉紅華 酸漿 200803  
駅小春救助訓練くりかへし 小島みつ代 200803  
釘を打つこと小春日のこととして 真保喜代子 200803  
亡き人としばらく頒つ小春かな 奥田紀子 200803  
鍵の鈴小春の音をたてにけり 唐木和世 200803  
何よりの小春日和の小城下に 浅井青陽子 ホトトギス 200804  
会ふたびに白髪を賞めて小春の日 加藤克 200804  
小春日や浜辺に刺さる忘れ傘 松本文一郎 六花 200804  
小春日の日ざし遍き柞山 渡邉紅華 酸漿 200804  
誰もかも土くさくなり小春かな 坪内稔典 稔典句集 200804  
木の傷も小春日和や中学校 坪内稔典 稔典句集 200804  
小春日や河馬に涙の湧くような 坪内稔典 稔典句集 200804  
小春日におさらい展の幕開く 奥田妙子 ぐろっけ 200805  
小春日の海月が傘を開きけり 川島澄子 酸漿 200805  
レリーフの扉の先の小春かな 津田礼乃 遠嶺 200806  
御料地の馬のいななく小春かな 阿久津勝利 万象 200808  
毛ばたきの毛が又抜けて小春の日 宮崎すみ 神々の交信 200808  
一日は小春の旅となりしこと 稲畑汀子 ホトトギス 200811  
極楽に一番近き堂小春 稲畑汀子 ホトトギス 200811  
筆跡は永遠に虚子句碑小春 稲畑汀子 ホトトギス 200811  
小春日や砂の一粒一粒に 稲畑汀子 ホトトギス 200811  
新しき山門小春乗せてをり 稲畑汀子 ホトトギス 200811 小春 →5

 

2020年11月1日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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