小春 2     200句

小春日の子等に囲まれビラを貼る   赤城さかえ

小六月  小春

作品
作者
掲載誌
掲載年月
人力車に商ひ中とある小春
三村禮子
酸漿
200202
足鳴らし小春のポニー餌を乞へる
石井邦子
酸漿
200202
小春日や肩書とれし人とゐる
阿部たみ
酸漿
200202
小春日や人形の服新調す
永岡セツ
酸漿
200202
小春日や妻がにほはす薄化粧
小山香月
酸漿
200202
青年に尋ね小春の両子句碑
吉田政江
200202
風箏たこ競ふ小姐シヤオチエの声小春空
渡辺昭
200202
子の家にみどり児のゐる小春かな
富川明子
200202
小春空をしかと嵌めたる観覧車
大堀鶴侶
雨月
200202
除幕さる宗祖の像や小春の日
古田考鵬
雨月
200202
快癒して医聖の地訪ふ野の小春
藤田誉子
雨月
200202
時香炉の燻ゆる小春の開祖廟
小山尚子
雨月
200202
小春日の靴屋に修理了へし靴
渡辺正子
百鳥
200202
小春日の旧仮名で来しEメール
関章子
百鳥
200202
すべり台一緒にすべる小春かな
青池亘
百鳥
200202
遠視性乱視の進む小春かな
二瓶洋子
六花
200202
小春日や川の残瀬に魚の陰
市川伊團次
六花
200202
上り坂つむりの光る小春かな
小田元
六花
200202
鳴き竜の堂広びろと小春かな
大竹節二
春耕
200202
海を背にあゆむ小春の離宮道
岡本たか子
春耕
200202
滝の音流れかがやく小春かな
鎌田茂
春耕
200202
小春日やきらめく沼の鯉出荷
鎌田茂
春耕
200202
小春日や遊ぶ親子のそこかしこ
高樋洋子
いろり
200202
小春日や竿竹売りの声かすか
鎌田俊雄
いろり
200202
小春日や上州なまりも和らいで
中野辰子
いろり
200202
皇孫の誕生祝ふ文字小春
篠田純子
あを
200202
辞書割るや不遇の詞小春日へ
亀丸公俊
銀化
200202
画用紙に小春日和を残しけり
堀川夏子
銀化
200202
小春日やしづかな森の美術館
穴澤光江
遠嶺
200202
切株に園児ら憩ふ小春の日
小牧喜美子
遠嶺
200202
ロック座のあとかたもなき小春かな
川上昌子
200202
雲小春杖もつ息のニイニイ三ン四
丸山冬鳳
京鹿子
200202
藪道を出るより小春戻りけり
福井鳳水
円虹
200202
小春日の輪ゴム遠くへ飛ばしけり
小田道知
円虹
200202
小春日や喪中の葉書来てをりぬ
笹村政子
六花
200202
父のまづ滑つてみせる園小春
笹村政子
六花
200202
絹製の五臓模型や寺小春
笹村政子
六花
200202
小春日の画廊に隠すピザの皿
笹村政子
六花
200202
空へ伸ぶ電柱工事街小春
笹村政子
六花
200202
智恵の輪へ口が動きて小春の子
信崎和葉
六花
200202
病む母と小春の時を遊びをり
北川とも子
ぐろっけ
200202
吸呑みを離さぬ母の小春かな
高尾豊子
火星
200203
小春日の自分にうたふ誕生歌
尾上直子
200203
寄す波を波止がなだめて江の小春
新田巣鳩
馬醉木
200203
小春日や砂に親子の足の跡
政木紫野
馬醉木
200203
お手玉に小春日和の重さかな
堀川夏子
銀化
200203
大筋は小春日和にまかせおく
石山正子
銀化
200203
小春日や師の講演のしみじみと
芳賀雅子
遠嶺
200203
小春日や己を飾るものいらず
町野昭人
遠嶺
200203
一枚の小春の空に乾杯す
鈴木とし子
遠嶺
200203
小春日や農村歌舞伎畦にわく
鈴木とし子
遠嶺
200203
小春日や布団をたたく団地かな
大平保子
いろり
200203
小春日や逢えば人みな喜べり
林田加杜子
いろり
200203
野良猫の好みの場所の小春かな
竹川美佐子
いろり
200203
小春日やひと日のなぞの解け始め
侭田伊都希
いろり
200203
仏法の話尽きざる縁小春
落合由季女
雨月
200203
シーバスを越えて鵜がとぶ小春凪
岸本すみゑ
酸漿
200203
磯波の素足にやさし小春の日
岸本すみゑ
酸漿
200203
小春日や港ガイドの赤い靴
朝倉富次
酸漿
200203
小春日や船のゆくての波きらら
朝倉富次
酸漿
200203
他所の子を抱かされてゐる小春かな
関戸国子
酸漿
200203
吊されし大豆はじける小春かな
河野友子
六花
200203
ジャケットを肩に引つ掛け旅小春
加藤暢一
200203
小春日やひとりづつ来て茶の稽古
池谷市江
200203
これよりは僧の留守守る句碑小春
大久保白村
ホトトギス
200204
待合すでもなく出会ひ波止小春
村田明子
円虹
200204
小春日のペンキ塗り立てなる通路
松本文一郎
六花
200204
辞世の句刻む墓石小春風
小阪律子
ぐろっけ
200204
小春日の鳥の楽苑黒き椅子
小島とよ子
遠嶺
200205
小春日の大豆を打てる老夫婦
佐原正子
六花合同句集
200205
小春日のこの寂寥のいづくより
稲岡長
ホトトギス
200206
峡部落小春の底にかたまれり
宮原みさを
花月亭
200208
遊遁といふ小春日の握手かな
稲畑廣太郎
ホトトギス
200211
火の山の噴煙さへも小春かな
稲畑汀子
ホトトギス
200211
果樹園に鶏ついて来る小春
須佐薫子
帆船
200211
祝ぎ心抱きたるより小春かな
稲畑汀子
ホトトギス
200212
皆小春心を抱きて集ひ来し
稲畑汀子
ホトトギス
200212
一歩二歩歩きはじめの小春かな
鏡山千恵子
帆船
200212
御嶽はや筑波の消えし小春なり
阿部ひろし
酸漿
200212
青々と空蒼々と海小春
稲畑廣太郎
ホトトギス
200301
慶びを分かつ小春の仲間たち
山田弘子
円虹
200301
小春日にくるまれ祝の花届く
山田弘子
円虹
200301
坊さんと連れ小便の小春かな
松崎鉄之介
200301
小春日を膝いつぱいに除幕待つ
村越化石
200301
小春の日点字も添へてある句碑よ
村越化石
200301
故郷小春杖音に寄る池の鯉
村越化石
200301
小春の海前にほほばる握り飯
大橋敦子
雨月
200301
小春日やお城自慢の地の人と
小山尚子
雨月
200301
船行きて小春の波止に波寄する
山田天
雨月
200301
小春日となればガソリンなど零し
山崎未可
銀化
200301
小春日の遺跡を見たりこんなもの
須佐薫子
帆船
200301
小春日や大道芸の人を呑む
斉藤静枝
あを
200301
小春日や縄跳ぶ少女影躍る
斉藤静枝
あを
200301
小春日や門前の聲数を増す
長崎桂子
あを
200301
弘法市抜けて小春の塔仰ぐ
山下佳子
馬醉木
200302
小春日の産着に選ぶ鶴模様
田下宮子
200302
小春日の長崎となす晴れ女
鎮田紅絲
200302
ポン菓子屋来ている湖国小春凪
古川利子
200302
小春日の干潟に夫と離れゐる
山尾玉藻
火星
200302
俳人のじろ目が怖い小春蝶
丸山佳子
京鹿子
200302
歩をかへす定点の木の里小春
豊田都峰
京鹿子
200302
ゆづり合ふ座席小春の陽が占むる
高木智
京鹿子
200302
小春日や懸案ほぐれ浮き上がる
高木智
京鹿子
200302
小春日の水辺オランダ風車かな
小澤克己
遠嶺
200302
神鈴のけふよく響く小春かな
岩田育左右
遠嶺
200302
富士指呼に小春雀の日和かな
菊池育子
遠嶺
200302
職辞してよりの小春の銀座かな
近藤真夫
遠嶺
200302
猫呼べば鳩もつきくる小春かな
上田繁
遠嶺
200302
媼三人語らふ辻の小春かな
上田繁
遠嶺
200302
木曾椀の木目波打つ小春かな
中根栄子
遠嶺
200302
小春日や石仏さまと笑み交す
松村ゆきほ
遠嶺
200302
小春日や歩幅そろひし友がゐて
松村ゆきほ
遠嶺
200302
小春日や能管袋青海波
大森美恵
風土
200302
佇ずめば鯉の寄りくる小春かな
野澤あき
火星
200302
手の甲の虫吹き上ぐる小春かな
小林成子
火星
200302
鶏鳴や屋島へつづく小春凪
大島翠木
200302
小春日の泣きくづれをる木偶人形
近藤きくえ
200302
小春日や来るなと言ふて待つ見舞
戸田和子
200302
天誅さんと呼び馴染みをり宇陀小春
成宮紀代子
200302
小春日の象の貧乏ゆすりかな
廣島泰三
200302
理科室に劇薬並ぶ小春かな
須佐薫子
帆船
200302
小春日や指にてんとう虫だまし
竹内匡子
帆船
200302
テニスボール響く小春と向き合へり
鈴木昭子
帆船
200302
小春日を一人占めして句集読む
岡村容子
築港
200302
小春日やクルス皮膚科の忘れ物
房安栄子
築港
200302
開元寺の小春を見張る猴行者
松崎鉄之介
200302
鳶は輪を大きく里は小春なる
村越化石
200302
好きな本好きに並べて読む小春
藤岡紫水
京鹿子
200302
振り向けば小春日だけの極楽寺
矢野千佳子
京鹿子
200302
湖小春琵琶湖周航歌碑を見む
青垣和子
雨月
200302
湖を見てこころ癒えゆき小春の日
青垣和子
雨月
200302
小春日を天井仏と相対し
小林佐江子
雨月
200302
小春日の風をとらへし熱気球
川瀬さとゑ
雲の峰
200302
梅花藻の花つんと立ち小春なり
西山美枝子
酸漿
200302
蜂の声どこかに小春つづきをり
小泉豊流
酸漿
200302
小春日の嵯峨路に憩ふ嵯峨豆腐
小石秀子
酸漿
200302
八ヶ岳を背に一望の郷小春なり
朝倉富次
酸漿
200302
老犬と縁ゆづり合ふ小春かな
江本路代
酸漿
200302
白壁の水に揺れゐる小春かな
谷上佳那
百鳥
200302
小春日のやはらかき影連れ歩く
上野孝行
百鳥
200302
反芻といふ小春日にたちすくむ
佐藤喜孝
あを
200302
山水を掬ふも小春日和かな
松原ふみ子
200302
小春日や刈り込む音の昏るるまで
小林紗智子
200302
亡き妻も舞ひ降りさうな小春かな
鈴木喜三郎
ぐろっけ
200302
小春日のドックに真黒潜水艦
木原今女
ぐろっけ
200302
鴎舞ひ鴨はただよふ沼小春
沢聰
馬醉木
200303
隠岐便は既に出港小春凪
浜田南風
200303
輝きて小春の蝶となりにける
金山藤之助
200303
猫起ちて縁の小春日動きけり
田中康雄
200303
自転車の籠に仔犬や小春の日
白髭美佐子
200303
小春日の姉妹はるばる阿州より
岡淑子
雨月
200303
一犬平仏の眼の遥けさの小春かな
阪上多恵子惠
雨月
200303
風の字の大きく跳ねて句碑小春
小宮山勇
遠嶺
200303
小春日や父子のじやんけん暮るるまで
小沢喜美子
遠嶺
200303
小春日の芝生に椅子の影二つ
渡辺智佳
遠嶺
200303
小春日や寝そべる虎の大欠伸
青木暁子
築港
200303
小春日や峠土産の笹子餅
大山妙子
酸漿
200303
小春日や息継ぎ登る御岳山
小林れい
酸漿
200303
縁小春首の据らぬ嬰児(やや)を抱く
田中嘉代子
ぐろっけ
200303
適塾は明治のまゝの小春かな
滝青佳
ホトトギス
200304
四季咲きは小花の特技風小春
丸山冬鳳
京鹿子
200304
心電図撮り終へ外は小春の陽
大井昌
京鹿子
200304
小春日や列に加はり吾も羅漢
大槻右城
円虹
200305
その中の小春のやうな一羅漢
大槻右城
円虹
200305
加賀落雁濃茶嗜み小春かな
福盛悦子
雨月
200305
柵も絮も翔べ翔べ小春空
春日久子
八千草
200305
ゴージャスな小春日浴す薔薇館
桑原泰子
八千草
200306
小春日や蜜柑出荷の渡船場
川上美穂子
酸漿
200307
小春日や出船入船に鳶の声
川上美穂子
酸漿
200307
小春日や下谷にろばのパン屋さん
須佐薫子
帆船
200311
どことなく小春日和でありにけり
稲畑汀子
ホトトギス
200311
小春日の公園試歩の人溢れ
稲畑廣太郎
ホトトギス
200311
木々騒ぐ鎮守の杜の村小春
稲畑廣太郎
ホトトギス
200311
体温でかわく衿もと小春の蝶
丸山佳子
京鹿子
200312
小春日や夫に内緒のほまち金
北嶋ひさ子
帆船
200312
今日あたり子を連れ来るや小春猫
伊藤とら
雲の峰
200312
忘却も生きるすべなり小春風
藤山星河
200312
小春日の花柄杖とひ孫かな
福西政子
200312
小春日の黒谷和紙の滲みかな
前田美恵子
200312
小春日や故郷いつもここにあり
森岡芳樹
200312
切株は小春のうてな天道虫
大畑善昭
200401
小春日の玉のごとくに平茶碗
神蔵器
風土
200401
小春日を膝に仔犬の三ヶ月
宮川みね子
風土
200401
小春日の紺の入江や帆が走る
浜明史
風土
200401
沢しんと雲なき小春日和かな
中島陽華
200401
五代目の頑固におはす小春かな
水原春郎
馬醉木
200401
貝桶も貝も源氏絵小春かな
小山和男
京鹿子
200401
小春日や待ちたくて待つ一時間
吉村紀代子
京鹿子
200401
小春日の草に腹這ふ腕相撲
金子和子
帆船
200401
小春日のバザーにありし画集かな
森脇多恵子
帆船
200401
にきたつの小春に櫂を上げにけり
松崎鉄之介
200401
おしやべりに忙しき人小春空
志方章子
六花
200401
海小春海岸線を守る職場
南港
築港
200401
生き生きと生きて小春日たのしめり
粟生光明寺
築港
200401
小春凪沖に水尾引く貨物船
大石登志美
築港
200401
小春日の水切り五つ跳ねにけり
北吉裕子
雲の峰
200401
小春日やとぷんとぷんと波止の波
戸木下節子
雲の峰
200401
月釜に賑はふ寺の小春かな
前阪洋子
雲の峰
200401
小春日や裏山が子の秘密基地
高橋作之助
雲の峰
200401
小春日の中や駿也と言ふ子得し
原田伸夫
雲の峰
200401
小春3→      

 

2021年11月27日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。