狐火 鬼火    181句

狐火の燃へつくばかり枯尾花    与謝蕪村

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書・その他
狐火を見し夜無口を通しけり
鎌田亮
199805
狐火の手もとにありし硯かな
岡井省二
199812
おもはくを読むに狐火借りにけり
華明日香
銀化
199812
狐火を消しに戻れる野干かな
梅田津
銀化
199812
蹼をもて狐火の川渡る
堀江かつみ
199901
狐火をちろリに入れて帰るかな
大嶋康弘
銀化
199902
狐火や色留袖を手にしをり
延広禎一
199903
狐火や波一斉に奔りだす
小形さとる
199904
狐火や九十半ばの母の頭痛
金子兜太
海程
199906
狐火のいづれともなく相寄りし
高橋将夫
199908
火の舌の強きは鬼火盆太鼓
片田千鶴
馬醉木
199912
狐火の消えし所に立つてをり
高橋将夫
200002
狐火か星へと向ふ汽車の灯か
牛田修嗣
200002
狐火か時差に寝覚めの巴里の灯
品川鈴子
ぐろっけ
200002
狐火をはうと見る節穴のあり
小山森生
200003
夜景千金狐火もいくつかは
華明日香
銀化
200003
狐火に調子それたる子守歌
伊藤重美
雲の峰
200003
狐火や予言者のごとき巌
金子兜太
海程
200004
狐火にさわる樽柿である
神田夏果
海程
200004
狐火や五代の墓は背を並べ
関根洋子
風土
200005
狐火に怯えしままの陸奥泊
塩路隆子
精鋭選集
200008
初盆や狐火見しと言ひし人
吉田多美
京鹿子
200011
狐火や石の唐櫃人臭し
加藤みき
200101
狐火は不徳の致す処より
土井田晩聖
銀化
200101
伸び悩む鬼火に足らぬ闇を足す
大場佳子
銀化
200102
狐火も下火となりぬ佐渡ヶ島
土井田晩聖
銀化
200102
作麼生と問へば切羽の大鬼火
大林淳男
銀化
200103
狐火に舌先細うなりにけり
栗栖恵通子
200103
狐火やからだぢゆうで待つことのあり
烏居真里子
船団
200103
狐火を知らせるペダル踏みにけり
飯塚ゑ子
火星
200103
狐火の峡越えて行く雪明り
阿部悦子
酸漿
200104
狐火の飛び火ありたる鏡の間
延広禎一
200105
狐火と遊んで携帯電話ケータイ依存症
九堂夜想
海程
200110
今見しは狐火と思ひ身をすくむ
能村登四郎
羽化
200110
狐火に会ひたることを婆は云ふ
保坂加津夫
いろり
200112
狐火や化石は捏造かも知れず
大久保白村
円虹
200201
袂にはいつぞやの文狐火と
中原道夫
銀化
200201
狐火を吐き切つてをる五臓かな
栗栖恵通子
200201
狐火を三つ四つ見ての湯ざめかな
岡本久也
200202
狐火を見てより地酒まはり良き
加藤はま子
200202
夜のスキー狐火と見ゆ岩つ原
関口ゆき
あを
200202
狐火の地の利を得たる出場所にて
佐藤節子
銀化
200202
山の灯の一つがぽつと狐火に
高橋さえ子
200202
狐火と燃えず細菌テロ兵器
渡辺純
京鹿子
200202
まなうらに狐火ひとつ増えてゐし
土井田晩聖
銀化
200202
狐火と思ひしよりの夜道かな
黒川悦子
円虹
200203
狐火を走らす遠祖がたりかな
湯本道生
200203
狐火の飛んでジョーカー掌に
延広禎一
200203
狐火に脚を洗ひし過去のある
中原道夫
銀化
200203
嫁入りの遅れし狐火もあらむ
小林一雨
銀化
200203
狐火を見しは秘密にしておかむ
利根川妙子
200204
狐火や提げし魚の重くなり
石田邦子
遠嶺
200205
狐火も紛るる星座ありにけり
稲畑汀子
ホトトギス
200212
さうならば鬼火も飲んでみせやうか
ひらのこぼ
銀化
200301
裂けさうな星狐火のおきみやげ
戸田和子
200302
狐火や人の怨みを買はぬやう
土井田晩聖
銀化
200302
狐火を追ひて陰陽師の気分
塩路隆子
200303
狐火の並んで通る丸木橋
高橋将夫
200303
狐火に照らされていざ出で給へ
加藤みき
200303
消えしあとの狐火の闇つくろはれ
桑田眞佐子
火星
200303
狐火や野壷に落ちし人のこと
竹内弘子
あを
200303
ドーパミン狐火いよよ増えてきて
高橋将夫
200304
狐火やくれなゐいろに杉の髄
水野恒彦
200304
狐火を連れてきさうな女なり
柴田佐知子
200305
狐火は湖のかみなる露天風呂
城孝子
火星
200306
蛍火を鬼火のやうに囲ひけり
大串章
百鳥
200307
狐火や沖紺青の夜となれり
水野恒彦
200401
狐火を怖ぢて少年峠越す
淵脇護
河鹿
200402
狐火や拝みては貼る万能薬
嵯峨根鈴子
火星
200402
漢ひとり狐火の円陣に
栗栖恵通子
200402
狐火や皿に載せたる匙フォーク
今瀬剛一
対岸
200402
狐火やぬれ煎餅をかみしめて
深田雅敏
200402
狐火の糸に引かるるやうに消ゆ
大串章
百鳥
200402
狐火や異国への旅間近き夜
鹿間樟
百鳥
200402
狐火の消えてしづけき雨となる
岡本明美
雲の峰
200402
しはしはと狐火沼の面テかな
栗栖恵通子
200403
狐火やひよんな事から芝居観に
齊藤實
200403
宮島の狐火どきを帰りけり
出来由子
200403
吟行に狐火見しと真顔なる
藤田かもめ
ぐろっけ
200403
狐火を合言葉とす友来たる
鍬形幸子
百鳥
200404
百歳のこゑ狐火を濃くしたり
大串章
百鳥
200404
美しき嘘狐火の走りたる
鳴海晴美
六花
200405
狐火や占ひごとの廃れざる
橘澄男
山景
200408
狐火や死語となりたる狐憑き
橘澄男
山景
200408
鬼火追ふ気骨も持てり髪切れば
瀬下るか
200501
狐火よわが脳の中照らしあれ
東亜未
あを
200501
狐火を見してふ祖母の真顔かな
渡辺繁
火星
200501
狐火や男の足のぬくかりき
城孝子
火星
200502
狐火を見ず不知火を見ず寒し
大串章
百鳥
200502
狐火や軸に明月記の断簡
上野澄江
百鳥
200502
狐火小さし親なし子狐がともし
成瀬櫻桃子
春燈
200502
狐火やたちまち音の無い世界
加藤峰子
200502
狐火の考へて出るものでなし
高橋将夫
200503
狐火に日めくり痩せてゐたりけり
成瀬櫻桃子
春燈
200504
狐火やベッドが空になつてゐる
栗栖恵通子
200504
狐火の出さうな平家村も過ぎ
長沼三津夫
200504
狐火も第九交響曲に和す
中杉隆世
ホトトギス
200506
狐火の並んで通る丸木橋
高橋将夫
星の渦
200507
狐火のえつさほいさと闇支ふ
近藤喜子
200508
狐火の慶子繚乱うたがはず
八田木枯
晩紅
200508
狐火のあとは鬼火や篠つく雨
八田木枯
晩紅
200508
四万十の夜振りは魚の鬼火とも
品川鈴子
ぐろっけ
200508
母見んと狐火の山いくつ越す
淵脇護
河鹿
200510
狐火に遭ふべくうどん啜りけり
大串章
百鳥
200601
にぎみたま枯野わたるは狐火か
西村純太
200602
身の内に狐火ひとつ飛び込みぬ
近藤喜子
200602
一心に祈れば狐火の消ゆる
岡崎桂子
対岸
200602
狐火へ川幅広く拒みけり
鈴木満喜子
対岸
200602
狐火やそろそろシチュー煮える頃
竹内悦子
200603
越山に狐火なんぞ借りにける
栗栖恵通子
200603
直面と見がみたる狐火か
西村純太
200603
葛城の闇の狐火信じたり
畑絹枝
馬醉木
200604
狐火や木簡にある恋の文字
延広禎一
200604
高速道狐火並び走りゆく
渡辺暁
酸漿
200604
狐火を見しと捜索打ち切られ
小谷延子
栴檀
200604
狐火や戀といふ字のもつれゐる
服部早苗
200605
節分や鬼火の燃ゆる蔵王堂
山口素基
万象
200606
狐火を逸れて来たよなをんなかな
山元志津香
八千草
200606
減る減ると見せ狐火の増えゆけり
鷹羽狩行
200701
狐火を見しは五人のうち二人
田中藤穂
あを
200701
狐火を語る古老の赫き鼻
金子輝
春燈
200702
狐火や壁にねんねこ掛かりあり
山尾玉藻
火星
200702
狐火が靴紐結ぶうちに消ゆ
加藤みき
200702
漁火かはた狐火か海荒るる
近藤幸三郎
風土
200702
狐火や霊山といふ闇ながら
長沼三津夫
200702
狐火やはつきりせぬもくつきりと
近藤喜子
200703
狐火や沼底いつか黙り込む
大山里
200703
狐火を語りし母を取り囲む
片山茂子
遠嶺
200703
狐火のひとつ鏡に閉ぢこめし
柴田佐知子
200703
狐火を見しこと告げる通夜の席
大西八洲雄
万象
200704
嫁ひでり村とよ鬼火燃ゆるとよ
守屋井蛙
酸漿
200704
狐火を見し祖父はるか囲炉裏端
池田光子
200704
狐火を信じ唯物論信じ
吉年虹二
ホトトギス
200706
狐火の所定の位置に点りたる
土井田晩聖
万事
200711
狐火や紙衣の音は藤十郎
中島陽華
200711
狐火に危機管理マニュアル覗かれし
能村研三
200801
真顔にて山の狐火語る人
滝沢伊代次
万象
200801
狐火に好みの風の来たりけり
高橋将夫
200802
鉤の手に狐火さかるあたりかな
栗栖恵通子
200802
電飾のひと色狐火に貰ふ
辻美奈子
200802
狐火といふはかなさを美しく
長沼三津夫
200802
狐火のこと細やかに飛騨ことば
長沼三津夫
200802
狐火やパスタに芯のありにける
延広禎一
200803
狐火の出るの出ないの賽を振る
延広禎一
200803
狐火や闇にたかぶる視神経
岩月優美子
200803
鬼火かな根方に灰のなかりける
近藤公子
200803
狐火か宮の火か霧うすれゆく
芝山喜久子
馬醉木
200804
狐火のやがて曼荼羅模様かな
延広禎一
200804
狐火や五指より放つ静電気
岡澤田鶴
200806
狐火や我がうちに揺れ止まぬもの
近藤喜子
200903
狐火や青き雨降る未生かな
西村純太
200903
狐火やあれはあなたの恋心
村上ひで香
炎環
200903
狐火の浮く一ツ川二ツ川
中村洋子
風土
200903
狐火や湯殿の天井しづくして
戸田春月
火星
200903
狐火や明日香におはす鬼と神
南恵子
万象
200903
狐火を男世帯の火種とし
柴田朱美
京鹿子
200904
狐火の焔で煮つめた一行詩
柴田朱美
京鹿子
200904
惜しみなく奪はれたしと狐火に
柴田朱美
京鹿子
200904
狐火が火を捨てに来る夜泣橋
柴田朱美
京鹿子
200904
狐火や魂すこし軽くなる
柴田朱美
京鹿子
200904
狐火といふも狸火とは聞かず
佐藤山人
200905
狐火や墳のいはれは知らぬまま
青山悠
200905
狐火の二つがとぼり三つ消え
山田弘子
ホトトギス
200906
能登沖に鬼火を連ね夜焚舟
倉科紫光
馬醉木
200909
螢火と鬼火ともつれ逝きにける
西村純太
200909
美しき嘘狐火を見しことも
八田木枯
晩紅
201002
打掛けをもて狐火をかばひたる
八田木枯
晩紅
201002
狐火のぽぽと地表を離れけり
久染康子
201002
狐火や父母に両手をとられゐて
久津見風牛
201002
狐火を見にゆくといふ身拵へ
風間史子
201003
狐火や湖の真珠の太るころ
堀江惠子
201004
狐火の潜みし森もダムの底
柳川晋
201004
狐火や真間の継橋ゆらり越ゆ
安立公彦
春燈
201004
狐火やころりと用事忘れたる 久津見風牛 201101  
狐火の遠野のむかし膝に乗せ 伊藤希眸 京鹿子 201101  
狐火を追うて入りける人の闇 西村純太 201102  
狐火や交番出払つてゐます 大橋俊彦 201102  
秩父夜まつり尾根に揺るるは狐火か 久染康子 201102  
狐火となるかも届かざる想ひ 近藤喜子 201103  
狐火や行々(おどろ)林の名は古りて 相良牧人 201103  
狐火を信ず信ぜず男と女 折橋綾子 201103  
狐火の遊ぶごとくに友逝けり 上原重一 201104  
狐火は城山の端や星なき夜 成瀬櫻桃子 成瀬櫻桃子俳句選集 201105  

 

11/11/30 制作

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

掲載年月順です。

ご希望の季語又は語彙がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。