風薫る 3    100句

脛高くかゝげし人も風薫る  松窓乙二  松窓乙二発句集

作品
作者
掲載誌
掲載年月
舟あらばあらば旅せむ風薫る 小澤克己 遠嶺 200508
風かをるラピスラズリの名画かな 伊藤和子 遠嶺 200508
絵はがきの異国の街や風薫る 宮倉浅子 遠嶺 200508
共白髪の記念撮影風薫る 長束房子 遠嶺 200508
人力車行き交ふ嵯峨野風薫る 坂井和子 酸漿 200508
絵はがきにハンカチの花風薫る 馬場順子 対岸 200508
風薫る献血の旗ひるがへり 高木武人 百鳥 200508
風薫る煉瓦造りの旧兵舎 堀井乃武子 ぐろっけ 200508
高原の濃きミルク飲み風薫る 中村碧泉 ぐろっけ 200508
真筆の三矢の訓風薫る 堀田清江 雨月 200508
山門の大内菱や風薫る 堀田清江 雨月 200508
風薫る抹茶に添へし串団子 山川涛石 築港 200508
小学生唱歌の牧場風薫る 鈴木石花 風土 200508
幼子のペンギン歩き風薫る 前田永子 200508
水源を守る里の宮風薫る 沼口蓬風 河鹿 200509
息合はす壺と轆轤や風薫る 尾辻のり子 河鹿 200509
風薫るみすゞの詩集読みたき日 松山正江 河鹿 200509
山は今青のモザイク風薫る 沢田清子 200509
斬新な小紋の意匠風薫る 今井松子 遠嶺 200509
「八九間」芭蕉の句碑や風薫る 舘泰生 風土 200509
風薫る島巡航の船の笛 鵜飼紫生 雨月 200509
風薫る温情の文しみじみと 仙石君子 雨月 200509
このあたり清洲越しの地風薫る 鵜飼紫生 雨月 200510
風薫る古き象牙の塔見えて 小島左京 ホトトギス 200511
古代杉の盛り上る根や風薫る 芦川まり 八千草 200511
名にし負うこの階や風薫る 中村禎子 八千草 200512

 中島たけ子『寺町』序句

寺町の竹をまじへて風薫る

鷹羽狩行 200601
復原の古代住居に風薫る 水原春郎 馬醉木 200607

 「耕」二十周年を祝して

海から祝電山からは風薫る

鷹羽狩行 200607
風薫る湯治場見守る磨崖仏 石田砧女 200607
馬に乗る少年の目や風薫る 南原正子 酸漿 200607
水の辺の花はむらさき風薫る 木村茂登子 あを 200607
四日目も死守の禁煙風薫る 鈴木照子 200608
風薫る煉瓦くぼみし煉瓦道 廖運藩 春燈 200608
釣果競ふ父と息子や風薫る 奥田弦鬼 風土 200608
風薫る机に帳簿と赤ん坊 浅田光代 風土 200608
蜂蜜に添へし小匙や風薫る 奥田茶々 風土 200608
沈香のなかまの伽羅や風薫る 林日圓 京鹿子 200608
萬代橋吾に五百歩風薫る 松崎鉄之介 200608
風薫る白壁つづく城下町 篠原木綿 200608
義経はこの村迂回風薫る 土屋利之 ぐろっけ 200608
隅櫓出来て城跡の風薫る 内藤順子 酸漿 200608
風薫り椅子を頼りの厨事 長澤健子 酸漿 200608
風薫る遠くへと旅したかりき わかやぎすずめ 六花 200608
蕉翁の泊まりし寺や風薫る 小澤克己 塩竃 200608
古民家の屋根の厚みに風薫る 芝宮須磨子 あを 200608
洛中にオアシスの御所風薫り 金山藤之助 200609
よく売れる戯画の絵巻や風薫る 山本康夫 200609
津軽三味の正午の時報風薫る 井口淳子 200609
小柴さんの楷の記念樹風薫る 久本久美子 春燈 200609
勅使門へと御供橋風薫る 松村多美 四葩 200609
風薫る南部鉄瓶だきりをり 中野京子 200609
風かをるカサブランカと聖書かな 近藤きくえ 200609
風薫るモスクに「いやしの水」の噴く 森田節子 風土 200609
モルダウの橋より橋へ風薫る 白川敏彦 遠嶺 200609
観音の縁起絵巻や風薫る 若江千萱 雨月 200609
航跡の尾道水道風かをる 岡本直子 雨月 200609
大黒はピアノの教師風薫る 落合絹代 雨月 200609
右近祈る天響のごと風かをる 豊田都峰 京鹿子 200609
風薫るファイルに店舗設計図 中尾公彦 200610
御神体は千年の杉風薫る 岡淑子 雨月 200610
戌の日の水天宮や風薫る 真木早苗 八千草 200610
宮司さま木沓かつりと風薫る 山元志津香 八千草 200611
名物の塩味まんぢゆう風薫る 池崎るり子 六花 200704
間をおかず返し文きて風薫る 鷹羽狩行 200706
瀬戸内や島あるところ風薫る 鷹羽狩行 200707
灯台を包みて夜も風薫る 鷹羽狩行 200707
風薫る自然と顔に浮ぶ笑み 中島玉五郎 200707
ヘレニズムの雲崗仏に風薫る 松崎鉄之介 200707
泣き笑ふ人面石や風薫る 田原陽子 200707
乗り心地良き馬の背に風薫る 大塚洋子 酸漿 200707
体内の本流支流風薫る 中野京子 200708
支へられてけふの我あり風薫る 長谷仁子 春燈 200708
新しき村に青年風薫る 関口昌代 200708
風薫る曾良の菩提の正願寺 小澤克己 遠嶺 200708
風薫る走り根の上の崖にをり 鈴木久香 遠嶺 200708
オホーックヘ百歩の駅舎風薫る 岸川素粒子 万象 200708
風薫る篳篥にある竹冠 服部早苗 200708
風薫る校舎にコーラス響きけり 秋千晴 200708
処得し師の句碑に風薫るかな 出口賀律子 雨月 200708
見返しの『あを』の青色風薫る 木村茂登子 あを 200708
先達の千の墨書や風薫る 久留米脩二 馬醉木 200708
肩に手を邂逅の駅風かをる 高瀬史 馬醉木 200708
執念の名刀手入れ風薫る 泉田秋硯 200709
風薫る五万三千石の城 次井義泰 200709
風薫る石の御門の浜離宮 矢島久栄 200709
院外へ率にてパジャマ風薫る 山崎靖子 200709
剥落の屋号の一字風薫る 佐野静子 遠嶺 200709
風薫るいつもの箱に置き薬 飛山ますみ 遠嶺 200709
刑部岬は夕日の丘よ風薫る 横田初美 春燈 200709
テニスコートに七十路集ひ風薫る 竹内喜代子 雨月 200709
珈琲のサイフォンのぼり風薫る 山本喜朗 雨月 200709
風薫るホテルの朝のアメリカン 山本喜朗 雨月 200709
鶯張り踏む静ごころ風薫る 落合絹代 雨月 200709
姉妹艦ならぶ岸壁風薫る 鳳蛮華 200709
大川の風薫りくる力士町 久田澄子 馬醉木 200710
やうやくに馴じみきし街風薫る 大川冨美子 ぐろっけ 200711
留袖を子に譲る日や風薫る 真木早苗 八千草 200712
はいポーズに明眸皓歯風薫る 真木早苗 八千草 200712
風薫る郊外電車の車輪音 宮本徹志 八千草 200712
風薫る→ 4      

 

2021年5月16日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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