かはほり(かわほり)    72句

かはほりやむかひの女房こちを見る   蕪村

蝙蝠  蚊喰鳥  かわほり

作品
作者
掲載誌
掲載年月
かはほりの飛びはじめたる家路かな 稲畑汀子 ホトトギス 199806
かはほりにPanasonicの大看板 山尾玉藻 火星 199906
かはほりや盥に立てる足二本 中原道夫 銀化 199908
かはほりや資材置場の混沌と 八木下巌 199909
かはほりの空うやむやと音のして 福井啓子 200008
かはほりのころなり足を拭いてをり 中井和子 200008
かはほりの海より湧きし島泊 浜口高子 火星 200009
かはほりのしきりに電話鳴りゐたり 加藤真起子 火星 200009
かはほりや藍ひといろの夕ごころ 亀田愚風 銀化 200108
かはほりや家それぞれに橋を持ち 酒井多加子 俳句通信 200109
紫陽花や深空にかわほりの震え 金子皆子 海程 200110
かはほりや御廟に二十八部衆 橋添やよひ 風土 200111
かわほりやブラックホール閉鎖中 伊藤格 200111
かはほりの反転に日の落ちにけり 高橋たか子 馬醉木 200209
かはほりや祖母在りし頃影絵めく 小林千草 馬醉木 200209
かはほりや点りて暗き旅籠の灯 中島真沙 円虹 200209
かはほりや飯粒で貼る火伏札 石田阿畏子 馬醉木 200308
かはほりや雲の高浪夕焼けて 神蔵器 風土 200309
かわほりに夜の匂ひを乱さるる 天野きく江 200310
かはほりに軒をとられてしまひけり 荒井和昭 200311
かはほりの棲みつく蔵や父母在さぬ 木下ふみ子 馬醉木 200311
かはほりや病気見舞の梯子して 中田みなみ 200406
かはほりや天保山に観覧車 黒田咲子 200408
かわほりの紫よぎる弾薬庫 近藤喜子 200409
かはほりや荒川またぐ橋明り 宮崎裕子 春燈 200410
かはほりの高さ麻酔の効きはじむ 堀義志郎 火星 200410
窓掠め舞ふかはほりや外科病棟 淵脇護 河鹿 200411
かはほりの律儀に宙を田圃あと 山本圭穂 築港 200508
かはほりや潮入川の臭ふ刻 金山藤之助 200509
かはほりや摘果を急ぐ人の影 窪田粧子 馬醉木 200509
絵馬堂やかはほり高くまた低く 東郷すみ江 万象 200509
かはほりのせはしき舞や薪能 林八重子 馬醉木 200601
かわほりの大曲りして没日かな 竹内悦子 200608
かわほりに無言の音波返しをり 天野きく江 200608
かはほりの空の下なる痴話喧嘩 山尾玉藻 火星 200608
かはほりの秋風に吹き戻さるる 山田六甲 六花 200610
かはほりの飛んで夕方膨らみぬ 後藤立夫 ホトトギス 200701
かはほりや暮れ残りゐる双つ塔 松本俊介 春燈 200706
かはほりや足掛け鉄扉下ろしきる 岡本眸 200806
かはほりに笑まひてゐたる御忌小袖 中島陽華 200807
かはほりのひらめき飛んで空を出ず 鷹羽狩行 200807
かはほりや自転車ふたつ凭せあり 長田曄子 火星 200807
かはほりの池の面よぎり昏れにけり 河合直子 200909
かはほりや豆腐屋の吸ふ喇叭の音 冨山俊雄 山居抄 201008
かはほりにアパートの空路地の空 大崎紀夫 やぶれ傘 201009
かはほりの空となりたる市村座 深澤鱶 火星 201009
かはほりや地下鉄車両並べあり 加藤みき 201011
かはほりの乱れて出口調査かな 池田華甲 201012
かはほりに音なかりけり夕桜 山本耀子 火星 201107
かはほりや茶髪少年屯せる 川崎利子 201109
かはほりの空地の空を折り返す 大崎紀夫 やぶれ傘 201111
かはほりの来て日落しに耽るかな 鳥居おさむ ろんど 201206
かはほりを黄泉の使ひと思ひけり 中田禎子 201210
かはほりや幹の片側まだ火照り 大畑善昭 201211
かはほりの闇にまなこを馴らしをり 荒井和昭 201310
かはほりに底ひの浅き玄武洞 飯塚ゑ子 火星 201309
かはほりや闇の濃くなる磨崖仏 玉田瑞穂 万象 201511
かはほりの稲妻型に翔ぶことよ 大畑善昭 201608
かはほりの下ろしゆくなり夜の帳 七田文子 201609
かはほりや太閤の闇出発す 加藤みき 201609
かはほりや辺りいつしか昏れてをり 佐津のぼる 六花 201611
間諜のやうにかはほり家廻る 原田達夫 201709
かはほりの過ぐるや橋を渡るとき 岡田史女 末黒野 201910
かはほりの声なく夕空とびゆけり 柴田靖子 202008
かはほりや行き交ふ笛吹川薄暮 林いづみ 風土 202009
かはほりのかすめていよゝ闇となる 今井肖子 ホトトギス 202106
かはほりや逢魔が時の無音界 鳥居公子 202107
かはほりや陸橋下の雨やどり 上月智子 末黒野 202109
あかがねの空にかはほり乱れとぶ 大四乃子 202112
かはほりや水の膨らむ鶴見川 岡田史女 末黒野 202208
かはほりや水音こもる橋の下 鈴木直充 春燈 202209
かはほりの空に小石を擲つて 小山よる やぶれ傘 202209
月白やかはほりの数ただならず 升田ヤス子 六花 202212
かはほりの日暮れて草の匂ひせり 廣畑育子 六花 202212

2023年5月26日 作成

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