蝌 蚪 3       115句

蝌蚪一つ鼻杭にあて休みをり    星野立子

おたまじゃくし  蝌蚪

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書その他
蝌蚪覗く生くる力を貰ふべく 伊藤白潮 200704  
固まるも散らばるもあり蝌蚪の水 伊藤白潮 200705  
蝌蚪追つて生涯仇名もたざりき 戸田和子 200705  
水際を透明にして蝌蚪の影 齊藤實 200705  
蝌蚪群るるごとしバッハの楽譜なる 木村火伸 200705  
田の隅に蝌蚪の遊びて暮れ始む あさなが捷 200705  
畦に沿ひすこし流れて蝌蚪の水 布川直幸 200706  
みちくさも覚えて蝌蚪を追ひにけり 米山喜久子 200706  
蝌蚪泳ぐ真つ正面に赤城山 上原重一 200706  
とりあへず蝌蚪の水まで歩きけり 高橋澄子 200706  
蠢々として陽光の蝌蚪の水 足立典子 雨月 200706  
かたまりて野川流るる蝌蚪の旅 木内美保子 六花 200706  
錠替ふる雨滴のごとく蝌蚪出づる 渡邉友七 あを 200706  
へろへろと雲泳がせて蝌蚪の陣 藤岡紫水 京鹿子 200707  
蝌蚪の水気儘なる刻過ごしをり 岩月優美子 200707  
少年が抱へて通る蝌蚪の壜 柴田久子 風土 200707  
さかしまの塔あり蝌蚪の国のあり 小宮山勇 遠嶺 200707  
蝌蚪生れて水の混濁始まりぬ 岡淑子 雨月 200707  
蝌蚪のひも黒点つなぎ漂へる 味村志津子 雨月 200707  
田の窪に足生えそめし蝌蚪群るる 藤田誉子 雨月 200707  
浮きし蝌蚪よりどころなく沈みけり 川崎良平 雨月 200707  
蝌蚪の水汲んできし子とのぞきをり 藤井昌治 200707  
人群るるところ蝌蚪ゐる沼明り 坪井洋子 200707  
堰止めて蝌蚪の太れる大和かな 奥田順子 火星 200708  
神の水小流れとなり蝌蚪かわす 森一枝 八千草 200708  
かたまりて蝌蚪の流るる野川かな 木内美保子 六花 200708  
ぼうふりと蝌蚪みたらしにせめぎ合ふ 鈴木千恵子 万象 200709  
湧き水に蝌蚪の教室生まれけり 村越化石 200709  
あきらかに山の上なり蝌蚪生るる 竹内悦子 200710  
結び目のほどけむばかり蝌蚪の紐 川口崇子 万象 200710  
マーラーのスコアの如く蝌蚪の群 稲畑廣太郎 ホトトギス 200804  
一匹に目覚める蝌蚪の国であり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200804  
一片が驚かせたる蝌蚪の国 稲畑廣太郎 ホトトギス 200804  
太陽を揺らめかせたる蝌蚪の群 稲畑廣太郎 ホトトギス 200804  
蝌蚪生れて池の春秋はじまりし 稲畑汀子 ホトトギス 200804  
お俳句や右往左往の蝌蚪の国 竹貫示虹 京鹿子 200804  
一匹の蝌蚪に押さるる水位標 山田六甲 六花 200804  
蝌蚪生れて水やはらかくなりにけり 南うみを 風土 200805  
朝日さしいま開国の蝌蚪のくに 清水節子 馬醉木 200806  
群それて独り善がりの蝌蚪ひとつ 上原重一 200806  
泥沼をS字に伸びる蝌蚪の紐 岸はじめ ぐろっけ 200806  
泡吹きて浮き沈みする蝌蚪の群 稲崎秋治 200806  
飛石に誘はれたる蝌蚪の国 長谷川歌子 春燈 200806  
蝌蚪の水遍路姿が覗きをり 蘭定かず子 火星 200806  
突かれて生死さまよふ蝌蚪の紐 西村しげ子 雨月 200806  
足生えて蝌蚪は尻尾を売りとばす 宇都宮滴水 京鹿子 200806  
囁いてくれる人あり蝌蚪の紐 青山丈 200806  
水満ちし泥田に動く蝌蚪の影 渡邉孝彦 やぶれ傘 200806  
死はうつつ動くと思ふ蝌蚪の紐 大島翠木 200807  
フアウストの罠に落ちたる蝌蚪の紐 瀬川公馨 200807  
十四の瞳の中に蝌蚪生る 和田政子 200807  
蝌蚪のはや手足健康優良児 須藤トモ子 200807  
蝌蚪の紐ぴくりと動く沼明り 佐藤雄二 万象 200807  
古池の生命反応蝌蚪の紐 鈴木撫足 春燈 200807  
暈かかる日輪宿し蝌蚪の水 森脇貞子 雨月 200807  
寄り道の下校子に蝌蚪育ちゆく 森脇貞子 雨月 200807  
なまぬるき田水濁して蝌蚪群るる 森藤千鶴 馬醉木 200808  
蝌蚪泳ぐ水の惑星ささ濁り 岡澤田鶴 200808  
うたかたのふつふつ軽し蝌蚪の水 前川明子 200808  
蝌蚪を見て人も小さく固まれり 前川明子 200808  
蝌蚪一つ濁りひとつを残しけり 澤辺たけし 万象 200808  
蝌蚪に脚池はときをり笑ひ皺 丸井巴水 京鹿子 200808  
順ぐりに蝌蚪ひらひらと泳ぎ出す 網野茂子 酸漿 200808  
子供等にまじりて覗く蝌蚪の池 土屋喜美代 酸漿 200808  
きれいとはいへざる池や蝌蚪の紐 木村享史 ホトトギス 200809  
蝌蚪を手にのせて手の平こそばゆし 内山芳子 雨月 200809  
この棚田そこの棚田も蝌蚪群るる 内山芳子 雨月 200809  
蝌蚪の陣乱して里を日帰りす 佐藤香女 京鹿子 200901  
子どもたち蝌蚪のごとくに日向ぼこ 瀧春一 深林 200901  
蝌蚪漆黒氷の如き水に拠り 瀧春一 深林 200901 みちのく旅吟
蝌蚪掬ふあなたの白き掌 稲畑廣太郎 ホトトギス 200904  
この池の蝌蚪メタボリック症候群 稲畑廣太郎 ホトトギス 200904  
蝌蚪の紐花鳥諷詠てふ自由 稲畑廣太郎 ホトトギス 200904  
尾のとれて蝌蚪に芽生える自立心 塩路隆子 200905  
打ち覗き真つ暗がりや蝌蚪の水 鷹羽狩行 200905  
対峙して敵味方なき蝌蚪の陣 鷹羽狩行 200905  
蝌蚪生れて光弾ける水面かな 大沼まり子 200905  
蝌蚪の水夜半の驟雨に流されて 羽田岳水 馬酔木 200905  
蝌蚪の毬水より掬へば流れさう 松本桂子 200905  
老人と子供の頭蝌蚪の水 竹内弘子 あを 200905  
恋の句が出来ぬと蝌蚪の水の辺に 田中藤穂 あを 200905  
山裾のひようたん池や蝌蚪の国 山路紀子 風土 200905  
蝌蚪に脚白髪の髪の齢問はれ 竹貫示虹 春燈 200905  
万葉の「琴池」濁す蝌蚪の紐 品川鈴子 ぐろっけ 200905  
出世払ひとふ約束や蝌蚪の紐 斉木永久 馬醉木 200906  
泥の中蝌蚪の紐ごと動きけり 石脇みはる 200906  
溜池を守る小祠蝌蚪泳ぐ 鈴木朗月 万象 200906  
一枚の朽葉に眠る蝌蚪の紐 奥太雅 万象 200906  
照る沼の雲の中なる蝌蚪の紐 川口襄 遠嶺 200906  
畦伝ふ北條の里蝌蚪の水 門伝史会 風土 200906  
蝌蚪生る貧しき頃の子沢山 山路紀子 風土 200906  
蝌蚪一つ動きとりどりうごき出す 中谷葉留 風土 200906  
堰趾や蝌蚪の集むる子らの声 柴崎甲武信 春燈 200906  
一行のみな覗き込む蝌蚪の水 安達風越 雨月 200906  
大師寺池を昏めて蝌蚪の群 吉野さと 酸漿 200906  
蝌蚪の紐を皆で見てゐる日曜日 菊地葉子 やぶれ傘 200906  
小流れにト音記号や蝌蚪の紐 高瀬史 馬醉木 200907  
峡の田の蝌蚪が濁らすほどの鬱 佐藤山人 200907  
川底の乱数表や蝌蚪生る 江草礼 春燈 200907  
蝌蚪に足地球の外に人住めり 加藤みき 200907  
蝌蚪曇る沼のほとりの詩人の碑 小山徳夫 遠嶺 200907  
蝌蚪の国大きな雲のとぶ日かな 戸栗末廣 火星 200907  
縺れゐて縺れてをらず蝌蚪の紐 垣岡暎子 火星 200907  
料亭の庭の静謐蝌蚪の紐 仙石君子 雨月 200907  
蝌蚪の国干上がりさうな水にあり 奥太雅 万象 200907  
永劫の水の流れや蝌蚪の紐 岩上利一 200907  
一塊の蝌蚪より蝌蚪の離れゆく 彦坂ハツ子 200907  
連弾の楽譜は斯くや蝌蚪飛散 布川直幸 200908  
蝌蚪の紐揺れて古沼の目覚めけり 川口襄 遠嶺 200908  
大いなる地球の窪み蝌蚪生るる 竹内悦子 200908  
手足出てよりばらばらとなりし蝌蚪 長田等 200908  
朝焼けの消えつつ蝌蚪の紐ふくれ 田中藤穂 あを 200908  
水黒きところ即ち蝌蚪の陣 有吉桜雲 200909  
蝌蚪生まる時間を溜めて待合室 高木晶子 京鹿子 200909  
人影に蝌蚪は青藻をちらしけり 渡辺暁 酸漿 200909 蝌蚪→ 4

 

2014年3月30日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

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