蝌 蚪 2     148句

韃靼に夏雲立てて蝌蚪泳ぐ    高島茂

おたまじゃくし  蝌蚪

作品
作者
掲載誌
掲載年月
埋葬の畦の水田の蝌蚪だまり
山田耕子
京鹿子
200207
蝌蚪の國のぞけば七堂伽藍かな
市川英一
遠嶺
200207
大空の光ゆるるや蝌蚪の水
大曽根育代
遠嶺
200207
蝌蚪の足紙縒がものにならぬ夜
梶浦玲良子
六花
200207
蝌蚪生れ弁天池のさざなみす
永岡セツ
酸漿
200207
ユダを筆頭にうようようよと蝌蚪
長田等
200208
新しき鍬浸し置く蝌蚪の水
稲井夏炉
帆船
200208
蝌蚪岸に押し寄せ水の国を出づ
加藤あけみ
円虹
200208
水に棲み踏まれず育つ蝌蚪の尾よ
塚本務人
京鹿子
200208
蝌蚪生るる苗色の衿かけ替ふる
小川文子
京鹿子
200208
言訳のほどほどがよし蝌蚪のむれ
小川文子
京鹿子
200208
天日のまろびて暗き蝌蚪の水
高橋さえ子
200208
蝌蚪群れて天日重くありにけり
宮原みさを
花月亭
200208
蝌蚪生れて水柔らかくなりにけり
進峰月
円虹
200209
池底より雨を見てゐる蝌蚪の群
小澤克己
遠嶺
200210
看護婦のデートスポツト蝌蚪の池
本山卓日子
京鹿子
200210
冬なんぞものかは蝌蚪のお曼陀羅
黒田咲子
200301
帆船は未完のままに蝌蚪に足
森田蝌蚪
200302
浮藁に蝌蚪鈴なりとなりゐたり
平子公一
馬醉木
200304
星雲や渦を巻きたる蝌蚪の腹
加藤みき
200304
蝌蚪散りて見慣れし顔の残りけり
暮岸江
銀化
200304
蝌蚪の水朽葉いちまい通りすぐ
米倉よしお
雲の峰
200305
青草に手の泥を拭く蝌蚪の瓶
後藤志づ
あを
200305
庭下駄のなぐりあるきよ蝌蚪生るる
森川喜美子
銀化
200305
尾を強く振りて集まる蝌蚪の群
あさなが捷
200305
蝌蚪生れて金剛界の曼荼羅図
小澤克己
春の庵
200305
墨汁の蠢くに似て蝌蚪の国
有働亨
馬醉木
200306
老農の大き足あと蝌蚪生るる
藤野力
馬醉木
200306
蝌蚪の国生れしばかりの尾を振れり
中谷葉留
風土
200306
川底に太陽吸はれ蝌蚪生まる
峰幸子
200306
蝌蚪の水耳をダンボにして覗く
田村園子
200306
蝌蚪に脚親子農園募集中
齋藤宣子
帆船
200306
金盥の蝌蚪覗き込む一クラス
浜口高子
火星
200306
めいめいに動いて蝌蚪の昼動く
田中英子
火星
200306
蝌蚪生る朝からの雨大粒に
海老原信男
築港
200306
歓声や蝌蚪見つけしと鮒居ると
鎌田篤
雨月
200306
ぷるるると蝌蚪アラビアの文字思ふ
岡淑子
雨月
200306
蝌蚪の国手足の出でて乱れけり
後藤志づ
あを
200306
蝌蚪生れさざ波走る学校田
一瀬昭子
馬醉木
200307
手と肢の出て蝌蚪の尾のゆくへかな
富川明子
200307
蝌蚪に足よしなき好意受けにけり
風間史子
200307
富士を見て育つ忍野の蝌蚪の群
嶋木勝次郎
遠嶺
200307
蝌蚪に手足生えて玉縄幼稚園
神蔵器
風土
200307
漆黒の集団として蝌蚪生る
塩川雄三
築港
200307
答なし蝌蚪とわかって蝌蚪に聞く
西塚成代
六花
200307
蝌蚪泳ぐ頭おほきく振りながら
長谷川守可
百鳥
200307
蝌蚪の上を飛んで立たせし埃かな
米澤光子
火星
200307
代掻くや蝌蚪もゐもりも綯ひ交ぜに
藤原たかを
馬醉木
200309
葉畳の下蝌蚪の国神の池
木野裕美
ぐろっけ
200310
手に負へぬ蝌蚪を放ちて戻りけり
遠野萌
200311
蝌蚪の足生えて七大陸めざす
木村みかん
200401
夏を越す蝌蚪法然の紫雲水
小山和男
京鹿子
200401
宮古島正月既に蝌蚪群るる
松崎鉄之介
200403
弁慶の投込岩に蝌蚪たかる
品川鈴子
ぐろっけ
200403
生国は能ヶ谷村や蝌蚪の陣
神蔵器
風土
200404
蝌蚪の群星の渦より生れたる
高橋将夫
200405
野火止の水豊かなり蝌蚪群るる
久保一岩
雲の峰
200405
蝌蚪の水大曲りしてをりにけり
伊藤白潮
200405
蝌蚪覗き孤愁の岸を男去る
伊藤白潮
200405
分校ニュース蝌蚪物語連載中
高野良
帆船
200406
とりあへず紙のコツプに蝌蚪掬ふ
吉沢かねよ
帆船
200406
蝌蚪生まれ風が転がす笊一つ
今瀬剛一
対岸
200406
小流れのあれば蝌蚪追ふ目となりぬ
板橋智恵子
百鳥
200406
蝌蚪ひと日固き陣地を解かざりし
梅村五月
栴檀
200406
水の端ばかりを蝌蚪の押し合へり
柴田佐知子
200406
日溜りの水際真つ黒蝌蚪一族
篠田純子
あを
200406
たなごころにひつつく蝌蚪の柔肌
篠田純子
あを
200406
道草の子の輝やけり蝌蚪の池
小橋末吉
対岸
200406
掬ひたる蝌蚪に名前を付けにけり
斉藤利男
百鳥
200407
雨の砲浴び蝌蚪の陣動きたり
森田久枝
築港
200407
佛心の淡海や蝌蚪の生まれゐて
水野恒彦
200407
蝌蚪の水大きな石がかたはらに
木下野生
200407
産土の杜に鎮まり蝌蚪の水
綿谷美那
雨月
200407
蝌蚪の国次から次へ広がりぬ
早崎泰江
あを
200407
避難小屋前に五月の蝌蚪の水
伊藤白潮
200407
蝌蚪の群遺伝子の粒うごめきて
内山照久
200407
睡蓮の葉を頭で押して蝌蚪泳ぐ
三関浩舟
栴檀
200408
泥田より湧き出でたるや蝌蚪の群れ
永田勇
六花
200408
感嘆符ななやこのとお蝌蚪生まる
山元志津香
八千草
200409
蝌蚪の水望郷といふ玩具かな
山元志津香
八千草
200409
山国の頭大きな蝌蚪二つ
滝沢伊代次
万象
200504
子等寄せて蝌蚪の乱舞の始まれり
稲畑廣太郎
ホトトギス
200504
蝌蚪の水ルンバサンバの騒ぎかな
齋藤實
200505
かたまつてをれば安心蝌蚪の陣
伊藤以玖子
対岸
200505
少年のまなざしとなる蝌蚪生れて
浅田光代
風土
200505
蝌蚪の水叩く棒切れきな臭し
田村園子
200505
山かげや未だ動かぬ蝌蚪の陣
濱田萬里子
河鹿
200505
蝌蚪生るははの匂ひの母の里
鈴鹿仁
京鹿子
200505
蝌蚪の水雲の濁りは赦さるる
宇都宮滴水
京鹿子
200505
蝌蚪に足一万円の還付金
須佐薫子
帆船
200505
蝌蚪どどと動きて遊び下手なりし
山尾玉藻
火星
200505
生れしばかりの蝌蚪ひとかどの游ぎやう
石垣幸子
雨月
200505
蝌蚪の池子供の頭おもたかり
竹内弘子
あを
200505
さみしむや蝌蚪の頭突きの同じ向き
伊藤白潮
200506
池の面にうつる日輪蝌蚪生る
隅田恵子
雨月
200506
沼の面に墨を流せば蝌蚪生る
渡辺民親
遠嶺
200507
大いなる富士見て育つ蝌蚪の群
嶋木勝次郎
遠嶺
200507
群れ易く散り難きかな蝌蚪の国
遊橋恵美子
風土
200507
一雨に滅亡の危機蝌蚪の国
名村早智子
築港
200507
蝌蚪の影蝌蚪より多いかも知れぬ
林昭太郎
200507
蝌蚪の群あさきゆめみて酔ひもせず
浅田光喜
対岸
200507
磁気帯びし砂鉄のごとく蝌蚪群るる
鈴木勉
対岸
200507
しがらみの尾を切る日まで蝌蚪は蝌蚪
大橋麻沙子
雨月
200507
蝌蚪に足けふの予定のびつしりと
生方ふよう
200507
てのひらの蝌蚪の目玉を探しをり
森永敏子
河鹿
200508
わつと散りおそれつつ寄り蝌蚪の群
原田要三
200508
どことなく水轟きて蝌蚪の沼
佐藤哲
万象
200508
蝌蚪つれて畦川の堰落つる水
三関浩舟
栴檀
200508
ふと散りし蝌蚪が静かに群もどす
永田二三子
酸漿
200508
蛇の舌伸ぶる一瞬蝌蚪呑まる
海野みち子
万象
200509
父われや何もあたへず蝌蚪を見る
瀧春一
菜園
200509
富士見池蝌蚪はどこにも漂へる
瀧春一
菜園
200509
もう泣かず蝌蚪にもの言ふ少年よ
楠原幹子
白卓布
200602
蝌蚪を見る少女のやうな瞳かな
稲畑廣太郎
ホトトギス
200604
三角池蝌蚪をまあるく泳がせて
稲畑廣太郎
ホトトギス
200604
自傷さながら蝌蚪の水騒がする
伊藤白潮
200604
ソナタめく蝌蚪の二列でありにけり
稲畑廣太郎
ホトトギス
200605
ただいまの声抛り投げ蝌蚪溜
石田厚子
馬醉木
200605
蝌蚪の国のぞきこの世を近くせり
三橋泥太
遠嶺
200605
蝌蚪の水覗けばのぞくほど濁る
田村園子
200605
あはあはとゆらひでゐたる蝌蚪の紐
寺田すず江
200605
蝌蚪の国覗く頭と頭かな
安田青葉
対岸
200605
岩壺にとろりと青し蝌蚪の水
瀧春一
常念
200606
水音に蝌蚪の鼓動のふくらみて
芝生南天
河鹿
200606
紐ゆるみ蝌蚪兄弟の縁果つる
増田大
春燈
200606
一クラス五十六人蝌蚪生るる
服部早苗
200606
石放ち乱数の蝌蚪あわてさす
宇都宮滴水
京鹿子
200606
群を追ふ蝌蚪の叫びの尾を振れり
瀧春一
瓦礫
200606
幸福に放心の蝌蚪流さるる
瀧春一
瓦礫
200606
蛙生る蝌蚪より小さく見えにけり
森理和
あを
200606
蝌蚪に足出て水底を歩みをり
河口仁志
200607
蝌蚪の尾の取れるは月夜かもしれぬ
千田百里
200607
蝌蚪の水ポストの前にこぼれけり
戸栗末廣
火星
200607
少子化といふは何ぞと蝌蚪の紐
浅井青二
雨月
200607
息止めて見るや片寄る峡の蝌蚪
本間羊山
風土
200607
ガリバーの子が踏み入るよ蝌蚪の国
久米憲子
春燈
200608
蝌蚪生るる沼の面雲のはしりをり
林陽子
万象
200608
笹舟の置かれし石に蝌蚪群るる
赤堀洋子
万象
200608
あをあをと田水をさなき蝌蚪の国
八木柊一郎
ぐろっけ
200608
滑る足危うく渡る蝌蚪の沼
梁瀬照恵
ぐろっけ
200608
堕天使の子がまぎるるか蝌蚪の紐
山元志津香
八千草
200608
何やかや忙しき日なり蝌蚪に足
生方ふよう
200608
音の無き生の躍動蝌蚪の群れ
森ヒロ子
四葩
200609
しのび足の鴉の蝌蚪をついばめり
影島智子
200609
田の神に守られていたり蝌蚪の紐
物江晴子
八千草
200610
しょうべん小僧の池に黒々蝌蚪の群れ
物江晴子
八千草
200610
まあこれが蝌蚪の紐かと覗く池
中島英子
八千草
200610
蝌蚪 3→      

 

2021年3月30日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。