枯 蓮 2      100句

枯蓮の折れたる影は折れてをる   富安風生   朴落葉

蓮植う  蓮の花  蓮見  蓮池  蓮の浮葉  蓮葉  

蓮の露  蓮の実  蓮の飯  蓮根掘 敗蓮  枯蓮

作品
作者
掲載誌
掲載年月
枯蓮田立ち止まらずに歩きけり 沖増修治 百鳥 200403
水漬きたるものは動かず枯蓮 矢島久栄 200403
青空の雨をこぼせる枯蓮 長沼三津夫 200403
枯蓮や池の底ひの雲白き 早川紀子 200403
枯蓮となり日月に疎くなる 後藤立夫 ホトトギス 200405
枯蓮や二階の窓に夕茜 若林杜紀子 百鳥 200405
散歩圏枯木枯蓮ホームレス 橘澄男 山景 200408
青空に傾れなだれて枯蓮 稲畑廣太郎 ホトトギス 200412
枯蓮の一万本に風及ぶ 稲畑廣太郎 ホトトギス 200412
枯蓮の池の半分日当れる 山尾玉藻 火星 200412
紊乱の贅をつくせし枯蓮田 能村研三 200501
ひび割れし池に入りたる枯蓮 近藤公子 200501
はやばやと膝折るもあり枯蓮 鷹羽狩行 200501
懺悔ともとれ枯蓮の姿かな 足立典子 雨月 200501
枯蓮や兵たりし日をぼそりぼそり 密田真理子 200501
枯蓮を踏まへ白鷺狙ひをり 大坪景章 万象 200502
風に掠れ鳴る枯蓮吐息めく 村井久美子 200502
枯蓮やたれにも会はぬ歩を早め 杉浦典子 火星 200502
枯蓮にのこれる水の鈴張れり 神蔵器 風土 200502
枯の賦を吟ず枯蓮からからと 大橋麻沙子 雨月 200503
枯蓮の朽ちゆく相の一つならず 大橋晄 雨月 200503
青空の申し分なし枯蓮 長沼三津夫 200503
金山のかつての里の枯蓮 長沼三津夫 200503
枯蓮に川影重くなるばかり 長沼三津夫 200503
枯蓮の影ことごとく折れてをり 長沼三津夫 200503
枯蓮に跼めば顔に水の照 長沼三津夫 200503
枯蓮の枯れの極みぞ香しき 青山丈 200503
いく重にも幾何学模様枯蓮 鈴木多枝子 あを 200503
枯蓮の骨踊り出す月の夜 和田照子 200503
枯蓮の無常の相に対しけり 隅田恵子 雨月 200504
刀折れ矢つき枯蓮吹かれをり 大木千鶴子 雲の峰 200504
枯蓮や詣で納めの弁財天 北村香朗 京鹿子 200504
水音のスタツカートや枯蓮 下山田美江 風土 200504
懐旧のサインコサイン枯蓮 山下青坡 200504
枯蓮の日矢もろともに折れにけり 一民江 馬醉木 200504
枯蓮をぐいと啣へて鳥翔てり 伊藤以玖子 対岸 200505
枯蓮の水面に映る幾何模様 永島よしお 200505
枯蓮の乱れし丈の低きかな 廣戸次郎 200507
枯蓮の丈は揃いて水温む 植木やす子 200508
枯蓮の百面相でありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200511
枯蓮にとびうつりたる飛蝗かな 山田六甲 六花 200511
枯蓮もし坐るなら瞑想す 谷岡尚美 200512
枯蓮の土に伏してや神宿る 竹内悦子 200601
枯蓮に山影重くなるばかり 長沼三津夫 200601
枯蓮の枯れ切つて日を集めけり 竹内悦子 200602
夕づつや千の祈りの枯蓮 上柿照代 馬醉木 200602
水底に枯蓮の矢のさし交す 上柿照代 馬醉木 200602
枯蓮の水に息づくものの泡 足立典子 雨月 200602
枯蓮の天に真昼の月があり 南原正子 酸漿 200602
枯蓮の根元いつまで生臭し 伊藤希眸 京鹿子 200603
枯蓮の重なる一本づつの棒 笹村政子 六花 200603
沈黙といふ賑はひに枯蓮 木内憲子 200603
枯蓮の水の下にも蓮枯るる 浅田浦蛙 対岸 200603
討つさまに討たるるさまに枯蓮 尾辻のり子 河鹿 200604
枯蓮田海の夕日の乗りゐたり 小林愛子 万象 200604
枯蓮の一と目に枯れてゐる日かな 青山丈 200605
枯蓮の向う流るる鴨の胸 山尾玉藻 火星 200612
好きで行く名もなき池の枯蓮 岡本眸 200612
枯蓮古りつつ沼の照りかげり 岡本眸 200612
枯蓮を刈るに残る実飛び出せり 小林昌子 200701
枯蓮仏と命つなぎゐて 柴田久子 風土 200701
枯蓮夕日の重さありにけり 勝見玲子 200702
枯蓮の一直線の疲れかな 宮内とし子 200702
東京の鬼門封じや枯蓮田 小嶋洋子 200702
ぽん菓子の音枯蓮の向かうより 浜口高子 火星 200702
枯蓮の折れて現はる露坐仏 齋部千里 ぐろっけ 200702
大いなる緋鯉のよぎる枯蓮 森田孟 200702
枯蓮の槍の穂囲む浮御堂 森田孟 200702
枯蓮の林の深さ鴨の声 森田孟 200702
枯蓮の日に華やげる力かな 伊藤奈津 200702
枯蓮へ歩きはじめてみたものの 青山丈 200702
枯蓮を隔てゝ潮見櫓見ゆ 松尾緑富 ホトトギス 200703
枯蓮や城の盛衰思ふとき 松尾緑富 ホトトギス 200703
城濠の枯蓮を刈る日数読む 松尾緑富 ホトトギス 200703
枯蓮に影といふものなかりけり 坊城俊樹 ホトトギス 200703
をりふしの雨にうなだる枯蓮 加地芳女 雨月 200703
枯蓮に背山の風の荒ぶかな 村上美智子 雨月 200703
枯蓮を見に来て鴨とたはむるる 宮津昭彦 200703
三尊に灯明暗し枯蓮 吉沢陽子 200703
枯蓮の動いてゐたる亀の道 高橋将夫 200704
枯蓮の黙に徹する吹きさらし 伊藤奈津 200704
枯蓮の朽ち果つまでの日数かな 伊藤奈津 200704
ひるすぎの日の混沌と枯蓮 前田陶代子 200705
座布団をつめて見えけり枯蓮 山尾玉藻 火星 200711
ひれ伏して水にしたがふ枯蓮 田口紅子 200712
世の風を読むかに揺れて枯蓮 鷹羽狩行 200801
枯蓮としよりたちのよくしやべる 浜口高子 火星 200801
枯蓮中の一本青きこと 浜口高子 火星 200801
枯蓮の今朝の水面や風渡る 塩野きみ 遠嶺 200802
影とうに昏れてゐたりし枯蓮 松岡隆子 200802
白き雲突き刺してゐる枯蓮 堀田恵美子 雨月 200803
水面打つ容赦無き雨枯蓮 足立典子 雨月 200803
枯蓮となり洗心の刻を得し 小山徳夫 遠嶺 200803
入相の鐘鳴り渡る枯蓮 曷川克 遠嶺 200803
枯蓮の天指しながら水漬きぬ 坂本ひさ子 遠嶺 200803
日輪の水漬きて黒し枯蓮 高橋さえ子 200803
人居らぬままに口暮れて枯蓮田 高橋さえ子 200803
枯蓮を見て鴎外の旧居まで 藤井昌治 200803
街騒にあり枯蘆も枯蓮も 佐藤真次 200804
水の面の張りを弛めず枯蓮 おかたかお 200804
枯蓮 →3      

 

2020年12月9日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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