寒牡丹 4   100句

寒牡丹影うすうすとゆらぎ居り   橘沙希   軽鳧の子

作品
作者
掲載誌
掲載年月
藁苞に日の香潮の香寒牡丹 荒井千佐代 201202
閂のかたき塔頭寒牡丹 鈴木庸子 風土 201203
寒牡丹朝日身ぶるひして昇る 遠藤真砂明 201204
宮守の珠と育てし寒牡丹 水木沙羅 201204
寒牡丹見たしと想ふ見にゆかず 植田利一 春燈 201204
寒牡丹平氏の池より源氏池 神蔵器 風土 201204
くれなゐの綾子の色や寒牡丹 山田春生 万象 201204
くれなゐの七日も褪せず寒牡丹 山田春生 万象 201204
菰を著せ寒牡丹めく石仏 野上智恵子 万象 201204
白絹の煌めき持ちて寒牡丹 赤座典子 あを 201204
寒牡丹はらりと舞ひしけはいかな 吉弘恭子 あを 201204
定家塚訪ひ来て愛づる寒牡丹 和田崎増美 雨月 201205
客待つや枯山水の寒牡丹 金田けいし ろんど 201205
藁苞の中に真白き寒牡丹 松川照子 万象選集 201205
菰の中おほかた対の寒牡丹 田中貞雄 自註句集 201301
これ以上寄らず寄らせず寒牡丹 浅木ノヱ 春燈 201303
纏足の女人をおもふ寒牡丹 天野みゆき 風土 201303
苞に差すひざしに力寒牡丹 白井友梨 馬醉木 201304
江戸よりの鐘が鳴るなり寒牡丹 内藤静 風土 201304
オブラートほどの日が差し寒牡丹 鈴木千恵子 万象 201304
寒牡丹睡くてならぬ母との距離 北上正枝 201304
俳人のしつこく覗く寒牡丹 橋本くに彦 ホトトギス 201305
寒牡丹溺れさうなる空の彩 丸井巴水 京鹿子 201305
恋飛脚大和路の寒牡丹かな 安住敦 春燈 201312
菰ぬちに秘めたる力寒牡丹 佐久間由子 201401
ひとひらも欠けずや苞の寒牡丹 味村志津子 雨月 201402
背山より狐雨来る寒牡丹 味村志津子 雨月 201402
晶子歌碑に添へる深紅の寒牡丹 横山昭子 雨月 201403
寒牡丹見るにおほかた前のめり 柴田佐知子 201403
開かんと緋の色凝れる寒牡丹 大橋淳一 雨月 201403
寒牡丹如何にと菰の中のぞく 山本漾子 雨月 201404
寒牡丹源氏白旗つらねたる 内藤静 風土 201404
被せ藁に日射し留めて寒牡丹 和田慈子 末黒野 201404
当麻恋ふ晶子の歌碑や寒牡丹 磯野しをり 雨月 201404
一戸また一戸訪ふごと寒牡丹 内藤静 風土 201404
吾が息のふれ震へけり寒牡丹 宮原悦子 雨月 201405
力のたとへば菰の寒牡丹 伊藤希眸 京鹿子 201405
風韻に乗る琴の音や寒牡丹 塙誠一郎 201405
人声に開いてゆきし寒牡丹 稲畑廣太郎 ホトトギス 201501
寒牡丹早々咲いてしまひけり 稲畑汀子 ホトトギス 201501
寒牡丹菰より歩き出でさうな 岡真紗子 201504
箒目の乱れもあらず寒牡丹 梅村すみを 201504
築山の祠も詣で寒牡丹 遠山のり子 201504
どこからか水音聞こゆ寒牡丹 永田圭子 ろんど 201504
門跡の色を秘めたる寒牡丹 田伏博子 ろんど 201504
寒牡丹垣の暇より覗きけり 小山陽子 やぶれ傘 201504
藁苞の中へも夕日寒牡丹 赤堀洋子 万象 201504
十人の目に覗かるる寒牡丹 石谷淳子 雨月 201504
千年の恋は緋の色寒牡丹 鈴木鳳来 故山 201505
過る影覗く影受く寒牡丹 西川みほ 末黒野 201505
寒牡丹緋色尽して菰ごもり 石黒興平 末黒野 201505
浮舟のかすかな揺れや寒牡丹 榊山智惠 末黒野 201505
薄き日に緋を育みし寒牡丹 竹田ひろ子 ろんど 201505
一心に紅を育む寒牡丹 伊藤希眸 京鹿子 201505
真心は蕊にひそめて寒牡丹 岸上道也 京鹿子 201505
かりそめの影をひきたる寒牡丹 山田閏子 ホトトギス 201506
寒牡丹雪ん子のごと菰かぶり 入山繁幸 万象 201506
寒牡丹閉門告ぐるオルゴール 石川賢吾 201508
日の光月の光に寒牡丹 吉永すみれ 風土 201511
咲き終りたるは地に置く寒牡丹 稲畑汀子 ホトトギス 201601
稿債や心安らぐ寒牡丹 稲畑汀子 ホトトギス 201601
屈まねば目文字かなはぬ寒牡丹 窪田粧子 馬醉木 201603
結ふほどの髪となりけり寒牡丹 荒井千佐代 201603
死去といはず他界と聞きし寒牡丹 雨村敏子 201603
寒牡丹ひらききらずに散りにけり 秋山蔦 春燈 201604
風の中光の中や寒牡丹 沼田巴字 京鹿子 201604
寒牡丹思惟の姿の二輪かな 黒澤登美枝 201604
藁ぼつちに光り幾筋寒牡丹 黒澤登美枝 201604
藁ぼつち一つ家にして寒牡丹 黒澤登美枝 201604
寒牡丹たをやかに身をほぐしけり 及川照子 末黒野 201604
寒牡丹囲はれし身の美しき 岩月優美子 201604
人寄れば威儀を正せり寒牡丹 内藤静 風土 201604
めでたけれ連鶴てふ名に寒牡丹 佐藤貞子 雨月 201604
藁苞に息ひそめゐる寒牡丹 蒲田豊彦 雨月 201604
紅満ちて菰ふくらます寒牡丹 宇都宮敦子 201605
姫のごと傘を被りて寒牡丹 長田厚子 末黒野 201605
藁蓑の雨の雫や寒牡丹 久世孝雄 やぶれ傘 201606
着せ藁をこぼるる日差し寒牡丹 石黒興平 末黒野 201606
寒牡丹咲き終りしと地に下ろす 稲畑汀子 ホトトギス 201701
合掌の形いろいろ寒牡丹 沼田巴字 京鹿子 201701
寒牡丹声を聞かむと屈みけり 犬塚李里子 201702
崩るるを怺へ影濃き寒牡丹 コ田千鶴子 馬醉木 201703
人影の時折かかる寒牡丹 大崎紀夫 やぶれ傘 201703
荒行の男往来寒牡丹 瀬川公馨 201704
ただ聞いてくれるやさしさ寒牡丹 須賀ゆかり 201704
うすうすと三分の色や寒牡丹 鶴岡節子 風土 201704
寒牡丹水音高き芭蕉庵 中嶋陽子 風土 201704
消えかかる熾火のぬくみ寒牡丹 落合絹代 雨月 201704
艶ならずとも馥郁と寒牡丹 宮原悦子 雨月 201704
着せ藁を透くる薄ら日寒牡丹 菅野日出子 末黒野 201705
寒牡丹菰の中にて笑まひけり 今井充子 201706
菰のまま雪に埋れし寒牡丹 三村純也 ホトトギス 201706
寒牡丹完璧といふ孤高かな 楠原幹子 201803
寒牡丹夕暮にいろ窮らする 堀田こう 雨月 201804
寒牡丹種火のごとき芽を宿し 平城静代 201804
菰藁に潮騒聴くや寒牡丹 北郷和顔 末黒野 201804
はなびらの小さき呼吸寒牡丹 安田優歌 京鹿子 201804
菰ぬちの彩のきはだつ寒牡丹 岡田史女 末黒野 201804
菰内に塔の日あつめ寒牡丹 白澤よし子 馬醉木 201804
藁苞の裾に風あり寒牡丹 笹村政子 六花 201804
寒牡丹→5

 

2021年2月8日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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