寒牡丹 2     117句

背山より今かも飛雪寒牡丹    皆吉爽雨

寒牡丹 冬牡丹

作品
作者
掲載誌
掲載年月
みづからを高く保ちて寒牡丹 足立幸信 200312
日かげりて青ざめてきし寒牡丹 足立幸信 200312
翳る日も明るき日もあり寒牡丹 柴田靖子 200402
子の恋のことなど思ひ寒牡丹 藤井美智子 対岸 200402
日展と大道芸と寒牡丹 遠藤敏弥 帆船 200402
寒牡丹濃きも淡きも傘のうち 鎌倉喜久恵 あを 200402
また一人来てしゃがみたり寒牡丹 朝妻力 雲の峰 200402
巫子二人顔ゆかし寒牡丹 渕江千代 酸漿 200402
寒牡丹手焙りに手をかざしみる 阿部ひろし 酸漿 200402
激しさのきはみを見るも寒牡丹 阿部ひろし 酸漿 200402
刻々と明け染む空や寒牡丹 田澤初枝 遠嶺 200403
ひとところ風が舞ふなり寒牡丹 蓮尾あきら 風土 200403
菰内に香を蓄へて寒牡丹 泉田秋硯 200404
敷き藁に柾目の日差し寒牡丹 田所節子 200404
菰藁に色燃えうつる寒牡丹 菅谷たけし 200404
花片を風のめくりて寒牡丹 前迫寛子 河鹿 200404
寒牡丹寝転んでゐるカメラマン 鈴木多枝子 あを 200404
寒牡丹烈火のいろのすぐ変る 戸田和子 200404
寒牡丹見るとき声をひそめけり 若林杜紀子 百鳥 200404
人の息かかり人めく寒牡丹 堤田博子 対岸 200404
人去りし後のため息寒牡丹 永野順江 対岸 200404
藁苞に護衛されたる寒牡丹 木下栄子 築港 200404
藁苞の疲れてをりぬ寒牡丹 木下栄子 築港 200404
苞の中無垢なるままに寒牡丹 木下栄子 築港 200404
渾身の華やぎみせて寒牡丹 橘沙希 月の雫 200404
誰彼も溜息おとす寒牡丹 芳賀雅子 遠嶺 200405
朝の日の菰より洩るる寒牡丹 前迫寛子 河鹿 200405
きぬずれのやうな風音寒牡丹 館容子 200405
苞の中いたはり合うて寒牡丹 木下栄子 築港 200405
藁苞は鋭角にして寒牡丹 木下栄子 築港 200405
踏みこみし足跡誰ぞ寒牡丹 鈴木あき子 築港 200405
一滴の日ざし余さず寒牡丹 中根喜与子 200502
苞内の薔薇かと紛ふ寒牡丹 仙石君子 雨月 200503
道行の菰かぶりけり寒牡丹 橋爪隆 春燈 200503
番傘をかぶせ深紅の寒牡丹 木暮剛平 万象 200504
花弁を震はせどほし寒牡丹 高梨水青 築港 200504
藁帽子被せ藁敷き寒牡丹 中垣郁代 築港 200504
毛氈の前の恥ぢらひ寒牡丹 篠崎荘市 酸漿 200504
寒牡丹猫覗きゆく大宗寺 田中章子 酸漿 200504
寒牡丹たたまれてある車椅子 大島翠木 200504
活断層地底に鎮め寒牡丹 真角多賀子 対岸 200504
キリストの手足の血潮寒牡丹 伊藤佳代 対岸 200504
寒牡丹千姫髪をととのへよ 伊藤希眸 京鹿子 200504
被せ藁の中の孤高や寒牡丹 藤原照子 200504
水明かり障子にゆるる寒牡丹 田代ヨシ 河鹿 200504
寒牡丹不意に崩れてしまひけり 藤井昌治 200504
向けられしカメラに笑まひ寒牡丹 村松紅花 ホトトギス 200505
被せ藁の切口揃ふ寒牡丹 金子知代 万象 200505
寒牡丹あまた見し夜は風呂熱く 岩上とし子 200505
琴の音にひそと揺らぎし寒牡丹 田代ヨシ 河鹿 200505
伏線は寒牡丹なり道曲る 伊藤希眸 京鹿子 200505
寒牡丹人溢れゐて閑かなり 柿澤喜三郎 百鳥 200505
はんなりと気品競はず寒牡丹 吉田小幸 ホトトギス 200506
暮れなづむ影を重ねて寒牡丹 吉田小幸 ホトトギス 200506
傾くは恥ぢらひに似て寒牡丹 吉村ひさ志 ホトトギス 200506
大仏の流し目とどく寒牡丹 片山茂子 遠嶺 200506
崩るるも菰の中なり寒牡丹 吉村ひさ志 ホトトギス 200507
藁洩るる夕日微塵や寒牡丹 吉村ひさ志 ホトトギス 200507
乾坤に彩あり一花寒牡丹 竹下陶子 ホトトギス 200510
寒牡丹もともと蕪村贔屓なる 亀田虎童子 百里 200510
敷藁に柾目の日差し寒牡丹 田所節子 涼しき嵩 200511
寒牡丹紅てふ温みありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200601
ショーウィンドウの畳にこぼれ寒牡丹 山尾玉藻 火星 200601
柩まだ空つぽなりし寒牡丹 竹内悦子 200601
友逝くに絢爛と咲く寒牡丹 松崎鉄之介 200603
モナリザの口元さみし寒牡丹 高橋将夫 200603
血縁といふ枷もあり寒牡丹 西條李稞 京鹿子 200603
プライドも句作の支え寒牡丹 坂井法 200604
寒牡丹おのが微光にひらきけり 西村博子 馬醉木 200604
曼荼羅の糸の修羅なす寒牡丹 児玉寛幸 馬醉木 200604
勤行の一喝ありて寒牡丹 久保東海司 200604
寒牡丹目ざめの雪に緋を濃くす 服部早苗 200604
太陽と人を恋ひをり寒牡丹 長坂ヤス子 酸漿 200604
寒牡丹いのち滴る思ひかな 神蔵器 風土 200604
寒牡丹風奏でゐる藁囲 梅村五月 栴檀 200604
寒牡丹水茎勢ふ名札つけ 梅村五月 栴檀 200604
寒牡丹見学の列滞る 梅村五月 栴檀 200604
寒牡丹賞でゐる女声の姦しき 梅村五月 栴檀 200604
寒牡丹園丁見廻はる遠巻きに 梅村五月 栴檀 200604
眼福を満たすひと日の寒牡丹 梅村五月 栴檀 200604
釘づけになる天衣てふ寒牡丹 梅村五月 栴檀 200604
火の島や菰はねのけし寒牡丹 田代ヨシ 河鹿 200605
菰着ても矜恃をひしと寒牡丹 安達実生子 200605
紅白の寒牡丹に偲びては 桑田青虎 ホトトギス 200605
人を訪ふごとく声かけ寒牡丹 岩崎慶子 200605
寒牡丹朱塗りの筆の書きごこち 植竹惇江 春燈 200605
確信の色ふくらます寒牡丹 伊藤たか子 遠嶺 200605
変遷は吾にもありて寒牡丹 菊池育子 遠嶺 200605
風の息すなほに受けて寒牡丹 竹内文子 遠嶺 200605
折々の鳥の鋭声や寒牡丹 江崎成則 栴檀 200605
寒牡丹藝心獨り生きとほす 瀧春一 常念 200606
こゝに又床几しつらへ寒牡丹 松尾緑富 ホトトギス 200607
寒牡丹日頃の雨の上りたる 松尾緑富 ホトトギス 200607
寒牡丹風ある姿なき姿 松尾緑富 ホトトギス 200607
それぞれに藁ぼつち着け寒牡丹 松尾緑富 ホトトギス 200608
寒牡丹白潔き色と見し 松尾緑富 ホトトギス 200608
寒牡丹盗まれうつろ藁囲い 藤原りくを 八千草 200608
寒牡丹大輪といふ主張かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200701
寒牡丹色を明かして久しかり 稲畑汀子 ホトトギス 200701
クオリアが生命なりけり寒牡丹 瀬川公馨 200702
寂しさはしんじつ白き寒牡丹 伊藤奈津 200702
凛として夫葬る友寒牡丹 島村久枝 200703
古寺の庭を進めば寒牡丹 中島静子 酸漿 200703
寒牡丹ひらくは筬の音に似て 渡邉友七 あを 200703
蒼天に風音聞ゆ寒牡丹 田中清子 遠嶺 200704
あるときはノラになりたや寒牡丹 岩月優美子 200704
藁芭も緋に映ゆばかり寒牡丹 大島寛治 雨月 200704
御僧の愛一身に寒牡丹 山田夏子 雨月 200704
尼寺の十株十彩(いろ)の寒牡丹 伊勢きみこ 火星 200704
寒牡丹の終焉なんとしどけなし 北川英子 200704
寒牡丹ひと拒むかに白つくし 富川明子 200704
鋼めく花びらはきと寒牡丹 乗光雅子 雨月 200705
陸奥の乳母日傘の寒牡丹 中里カヨ 酸漿 200705
夜は月のすべり込んだる寒牡丹 岩垣子鹿 ホトトギス 200706
寒牡丹非運の皇子が雪降らす 成瀬櫻桃子 春燈 200710
寒牡丹咲かせて心奢りけり 稲畑汀子 ホトトギス 200801
寒牡丹苞をはみ出す日和かな 大畠政子 雨月 200801
寒牡丹 3      

 

2021年1月27日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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