寒 明 2     100句

寒明けて歳時記の忌の目白押し   金子蛙次郎  獐

  寒明

作品
作者
掲載誌
掲載年月
肩の荷の降りし心地し寒明くる 二村蘭秋 雨月 200304
寒明けや沼まで続くわだち跡 折橋綾子 200305
寒明けの一樹一樹に声かけて 環順子 遠嶺 200305
舞鶴道抜けて寒明確かにす 宮本幸子 円虹 200305
寒明を告げて続くや雪予報 宮本幸子 円虹 200305
病床に寒明といふよき見舞 宮本幸子 円虹 200305
寒明くる雲の逡巡ありながら 村田明子 円虹 200305
七部屋のカーテン洗ひ寒明くる 村田明子 円虹 200305
メール打つ指先に寒明けてをり 村田明子 円虹 200305
寒明くる少し大きな指輪して 村田明子 円虹 200305
寒明の宙の悲劇の地に届く 山戸暁子 円虹 200305
献血をして寒明の街に出る 福井鳳水 円虹 200305
手を握り手を振つて寒明けにけり 平田倫子 百鳥 200305
寒明といふに伊予路の雪に遇ふ 片山喜久子 雨月 200305
第一楽章アレグロ寒明くる 雨村敏子 200305
寒明けの夫の焼きたる大鰯 堀博子 火星 200305
寒明けや大漁祝ふ海人のこゑ あさなが捷 200305
岩白く波白く寒明けむとす 岡本眸 200305
寒明けの海全面で日を返す 小澤克己 春の庵 200305
寒明けの地震の一揺れ飛び起きる 坂口三保子 ぐろっけ 200305
チョコレートとろりとのどへ寒明ける 蓮尾みどり ぐろっけ 200305
寒明の風の巷に出づるかな 下平しづ子 雨月 200306
寒明の鯉の目そろふ水の上 十河波津 200307
寒明けて飛立ちさうな胡蝶蘭 増田八重 酸漿 200311
指の骨鳴らしてメール寒明ける 村井ひさ女 200312
寒明の翡翠とべり湖の上 岡井省二 省二全句集 200312
寒明くる持薬の縛をひとつ解き 秋葉雅治 200401
ヴラマンクの架かる一室寒明けず 山元志津香 西の峰 200401
この宵も寒明待ちて月そだつ 阿部ひろし 酸漿 200402
水底の沢庵石や寒明くる 里中章子 200403
振り洗ふパセリみどりに寒明けぬ 岡本眸 200403
寒明の手相見に問ふ定年後 堀一郎 雲の峰 200404
松の上に火星の顆粒寒明くる 宮津昭彦 200404
無人駅無人交番寒明ける 堀内一郎 あを 200404
寒明けの空何となくやさしくて 鎌倉喜久恵 あを 200404
並べ干す僧の草鞋や寒明けぬ 田中佐知子 風土 200404
寒明けの紅を差す指ささくれをり 川越勢津子 200405
新幹線待つさつま路や寒明くる 沼口蓬風 河鹿 200405
寒明けの卵はゆるく弧を描く 片山タケ子 200405
錆色の葱の先より寒明くる 城孝子 火星 200405
漉草に寒明けの陽のゆれてをり 高松由利子 火星 200405
寒明ける軒の柚餅子のちぢまりて 土川照恵 栴檀 200405
寒明けや深き轍が汀まで 荒井千佐代 200405
寒明けのめし屋の奥に鯛泳ぐ 柴田久子 風土 200405
剣道衣軒に武道館寒明ける 手塚久子 風土 200405
寒明や家鴨一家の水しぶき 有島扇水 河鹿 200406
寒明の船音水音ありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200502
二の杉を寒明の日が越えて落つ 阿部ひろし 酸漿 200503
寒明けの水に貴船の占を待つ 朝妻力 雲の峰 200503
寒明くる鬼の遊び場石畳 深川敏子 春燈 200503
寒明けのぎつくり腰と告げらるる 伊藤白潮 200503
師の遺児の事にかかはり寒明けぬ 松崎鉄之介 200504
寒明けて尾長の目立つ雑木山 伊東秀二 200504
寒明けて肩の荷ひとつ軽くなり 千田久美子 築港 200504
待ちゐたる寒明過ぎて日々速し 阿部ひろし 酸漿 200504
寒明や今朝声高の四十雀 島崎勇作 酸漿 200504
寒明けの牛舎に牛の息荒き 東芳子 酸漿 200504
寒明の太鼓とどろく鞍馬寺 中川晴美 雲の峰 200504
屋根裏に電気屋の声寒明くる 木野本加寿江 火星 200504
オリオンの楯傾けて寒明くる 中島あきら 200504
杣小屋に煙一条寒明くる 水原春郎 馬醉木 200504
寒明けや光跳ね飛ぶ魚市場 白神知恵子 春燈 200505
搗きたての米の温みや寒明くる 藤田満枝 万象 200505
寒明けの鳥の縄張三番瀬 三橋泥太 遠嶺 200505
寒明けるホテルに草の盆栽展 平田紀美子 風土 200505
火渡りのあとの足裏や寒明くる 田中英子 火星 200505
縹色に遠山けぶり寒明くる 西村しげ子 雨月 200505
伽羅の香の茶室に残り寒明くる 三輪温子 雨月 200505
寒明くや骨量検査先づ先づと 青垣和子 雨月 200505
寒明くる川瀬の音に日の色に 三崎由紀子 遠嶺 200506
寒明けて偽五百円のさばりぬ 北村香朗 京鹿子 200506
すれすれに車が通り寒明ける 福山至遊 200507
寒明くや拉致の問題閉じしまま 藤原りくを 八千草 200508
寒明の句座新しき句敵も 稲畑廣太郎 ホトトギス 200602
寒明の畑に芥焼く煙り 滝沢伊代次 万象 200602
夏水仙芽を出して寒明けにけり 阿部ひろし 酸漿 200603
芭蕉らしからぬ筆太寒明くる 山田六甲 六花 200603
杉の風石のごとくに寒明くる 山田六甲 六花 200603
寒明けやタオル絞ればいで湯の香 山田六甲 六花 200603
篝火の音の向かうや寒明くる 安岡房子 200604
寒明や殊に円らな一つ星 中川悦子 酸漿 200604
寒明ける話しことばで書く手紙 飯島きみい 対岸 200604
船笛の間のびも佳けれ寒明くる 上薗櫨夫 河鹿 200605
寒明けや旅に出会すロシア犬 高畠陽子 河鹿 200605
指に琴糸の痕つき寒明くる 山口高子 200605
砂吐かす貝の水かへ寒明くる 平田紀美子 風土 200605
寒明くる夫のカルテの厚さかな 林いづみ 風土 200605
染抜きし屋号の暖簾寒明くる 大久保恵美子 遠嶺 200605
寒明の振つて束子の水を切る 田村園子 200605
閻王の鏡きらりと寒明くる 大島翠木 200605
枯ポプラ風鳴りづめの寒明くる 佐藤哲 万象 200605
寒明けて浜に外国文字の瓶 佐藤哲 万象 200605
寒明も近し夜空を飛行船 長沼三津夫 200605
寒明といふ心には折目あり 稲畑汀子 ホトトギス 200702
寒明けてをりむらさきの数珠を手に 神蔵器 風土 200703
舌を出す貝にこゑあり寒明くる 稲葉ちよこ 風土 200703
曲げ輪つぱ造る板煮て寒明くる 阿部月山子 万象 200704
寒明くる沖のタンカー音もなし 山川好美 春燈 200704
寒明けや鳥居派画く絵看板 松波とよ子 春燈 200704
藁屋根のたつぷり濡れて寒明くる 志村美江 酸漿 200704
寒明 →3      

2021年2月7日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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