寒 8    104句

  寒明

作品
作者
掲載誌
掲載年月
寒の内とて身ごしらへととのふる 稲畑汀子 ホトトギス 201201
文学碑文字の飛び出しさうな寒 稲畑廣太郎 ホトトギス 201201
終末を許すつもりの寒晴れです 鴨下昭 201201
旅支度ぬかりなかりし寒の内 稲畑汀子 ホトトギス 201201
稜線を統べ寒天の下りてくる 稲畑廣太郎 ホトトギス 201201
寒の内とは心得し旅なれど 稲畑汀子 ホトトギス 201201
鏡中のいちにんと遭ふ寒の顔 鳥居おさむ ろんど 201201
赤を着て実年ぼかす寒の街 布川直幸 201201
荒るるてふ雲の形も寒のもの 稲畑汀子 ホトトギス 201201
虚子ひとり上野を急ぐ寒時雨 神蔵器 風土 201202
寒晴れや病廊試歩のまづ五十 上原重一 201202
石に耐へ寒の金魚の眠りけり 山田六甲 六花 201202
木洩れ日に寒の湧き水コポッコポッ 上原重一 201203
杜氏らの威勢よき唄寒仕込 宮崎左智子 201203
つく杖の力も寒に入りにけり 芝尚子 あを 201203
寒晴や青の時代のピカソが好き 丹生をだまき 京鹿子 201203
寒の入り臓腑を持てる釈迦如来 山崎里美 201203
覗き窓あるビル工事覗きて寒 千田敬 201203
伊吹嶺の白光撥ねて寒に入る 大橋晄 雨月 201203
鳶の舞ふ空の風見る寒日和 黒澤登美枝 201203
目薬をさし寒晴に打つて出づ 千田百里 201203
粥腹が習ひとなりて寒に入る 小池清司 かさね 201203
寒に入りほとほといとし忘れ癖 秋葉貞子 やぶれ傘 201203
寒に入る守りにすぎしわが身かな 吉田陽代 201203
寒に母亡くしあの子は何所で泣く 水野範子 ぐろっけ 201203
寒の入糊の大刷毛反りかへり 福本スミ子 201203
寒や堂天女の壁画剥落し 尾崎みつ子 雨月 201203
寒九てふひと日限りの水賜ふ 松本信子 かさね 201203
寒色や身ほとりのもの日当つて 山尾玉藻 火星 201203
寒晴の棒高跳は背より落つ 大日向幸江 あを 201203
寒晴やくるりくるりと干鱓 松下八重美 夢見の鐘 201203
寒晴るる蒼穹広き下にかな 井口ふみ緒 風土 201203
寒晴れや行き交ふジョガー手で挨拶 田島昭久 かさね 201203
寒中の孤松の庭の青きかな 松本信子 かさね 201203
寒日の磐座襞を正しけり 豊田都峰 京鹿子 201203
焼酎を割れる寒九の水清し 塩路五郎 201203
その内に逢はう逢はうと寒の訃や 北川英子 201203
赤松の深空亭々寒に入る 上原重一 201203
大皿の意匠大胆寒日和 坂上香菜 201203
寒中の寒受けて立つ背をのばし 折橋綾子 201204
寒晴の沖に手かざし船大工 中山純子 万象 201204
寒晴や海に構へる朱の鳥居 森清信子 末黒野 201204
冷え性の妻に寒九の厨事 山村一翠 ぐろっけ 201204
山の端の入日きらりと寒に入る 大泉美千代 雨月 201204
南京黄櫨の白き輝き寒日和 長濱順子 201204
一ト声をかけたし寒に咲くさくら 堀田こう 雨月 201204
釣人の池のさざ波寒半ば 吉田きみえ 末黒野 201204
町並を鮮やかにして寒の入り 永田万年青 六花 201204
潮風に吹かれて畦の寒童 黒滝志麻子 末黒野 201204
影富士や寒の内なる富士見台 三輪慶子 ぐろっけ 201204
黒猫のついと振り向き寒に入る 山村一翠 ぐろっけ 201204
晩年の夫寒中を病みこもり 白石善子 雨月 201204
磐座にくぼみありけり寒施行 深澤鱶 火星 201204
編笠を海へ傾げて寒修行 田村愛子 万象 201204
母編みし手袋ぬくし寒四郎 増田甚平 ろんど 201204
さみしさはいつも後や寒に入る 竹田ひろ子 ろんど 201204
友見舞ふ小寒の日の和らげり 吉田きみえ 末黒野 201204
留石の棕梠縄緊まる寒九かな 石田厚子 馬醉木 201204
隣家より人の声漏る寒の入 加藤千春 春燈 201204
開け閉ての音の軋みや寒の底 相良牧人 201204
露地辨天片手拝みに寒の入 折橋綾子 201204
老襲ふ病魔と対峙寒に入る 大西よしき ろんど 201204
寒に入る机ひとつが我が砦 田村すゝむ 風土 201204
寒に入る手に一滴の化粧水 松本桓子 ぐろっけ 201204
寒の磯釣糸垂れるロダンの像 蓮尾みどり ぐろっけ 201204
寒晴の海や吉事の鼓動とも 西出しず子 雨月 201204
寒晴の空からつぽの広さかな 大文字孝一 春燈 201204
寒晴や空手着掛けて納棺す 数長藤代 201204
寒晴や枝しづかなる櫟山 坂口夫佐子 火星 201204
寒晴や代々に恙のなきごとし 来海雅子 201204
スカイツリーその寒影の長きかな 小林美登里 かさね 201204
看護師の真夜の電話寒の声 数長藤代 201204
障害の子の手曳く母寒の朝 神田惣介 京鹿子 201204
丸き背のますます丸く寒に入る 小林和世 末黒野 201204
顔の寒の微風に洗はるる 中野京子 201204
そう麺のすだれの如き寒の入り 川井素山 かさね 201204
身の縮み上がる寒九の外厠 大森道生 春燈 201204
仁王像眼をみひらきて寒を射る 伊東和子 201204
水天一碧犬吠埼の寒に入る 座古稔子 201204
瀬戸内のけふもしづかに寒に入る 西岡啓子 春燈 201204
胸底に寒のものぐさ棲まひをり 日下部亜こ ろんど 201204
端座して墨の香を聞く寒の入り 杉本薬王子 風土 201204
吾が骨のきしみていよよ寒に入る 本多寿美子 雨月 201204
寒天の磴駆け上がる豆剣士 橋本くに彦 ホトトギス 201205
拉致の浜沖濤尖り寒に入る 小林静枝 万象選集 201205
海に灯の浮び寒九の雨となる 平野みち代 201205
本尊は三丈三尺寒ともし 和田崎増美 雨月 201205
フェルメール展にゴヤ展寒多忙 橘正義 春燈 201205
ブランコの鎖垂直寒に入る 瀬戸悠 風土 201205
踏ん切りに飲みし寒九の力水 近藤南麓 万象選集 201205
白樺の細枝赤し寒の晴 谷廣司 万象選集 201205
自販機の真夜は唸りに寒九郎 田岡千章 201205
妨げるものなき空や寒に入る 金田けいし ろんど 201205
鎌倉の寒ゆるびたりとんびの輪 山下良江 万象選集 201205
寒の内納豆をよく掻き回し 南恵子 万象選集 201205
寒の風何に驚く群雀 菊谷潔 六花 201205
寒晴の惜しみなき聖鐘にあふ 箕輪カオル 201205
寒晴れや眼下見わたす二十階 児玉有希 京鹿子 201205
小魚を吐き出す蛸や寒の糶 志方章子 六花 201205
禁酒して寝るほかはなし寒の内 三村純也 ホトトギス 201205
軒に吊る信玄賞でし寒豆腐 木内博一 春燈 201205
とりよろふ寒の雪嶺蛇綱の邑 大竹淑子 風土 201206
太鼓の音止めば気になる寒九の夜 渡邉孝彦 やぶれ傘 201206
自販機の真夜は喰りに寒九郎 田岡千草 201206
寒 →9      

 

2021年1月15日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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