寒 14    68句

  寒明  寒の水

作品
作者
掲載誌
掲載年月
演能の一笛統ぶる寒気かな ほんだゆき 馬醉木 201510
寒晴れの碧梧桐忌となりにけり 大崎紀夫 虻の昼 201510
空樽の上に猫ゐる寒の入り 大崎紀夫 虻の昼 201510
寒深む橋場の煙長くながく 佐藤恭子 あを 201511
主なき机上のひかりすすろ寒 鈴鹿仁 京鹿子 201511
百の灯の暮らしありけり寒の川 原田達夫 箱火鉢 201511
すつきりとし過ぎて寒の館の庭 稲畑廣太郎 ホトトギス 201601
芽キヤベツに辛子利かせよ寒の入 水原秋櫻子 馬醉木 201601
寒の雨長靴欲しと謂う子あり 七郎衛門吉保 あを 201601
寒の空ぽつかり空いて館の庭 稲畑廣太郎 ホトトギス 201601
何時死ぬかはわからず寒の水を飲む 中江月鈴子 201602
寒おぼろ戻りひとりの風呂沸かす 中江月鈴子 201602
寒ぬくし笹舟二つ流しけり 中江月鈴子 201602
寒の入しばらくは月細りゆく 今井肖子 ホトトギス 201602
寒晴や玉虫色の鳩の胸 窪田粧子 馬醉木 201602
寒晴や墓拭きにゆく二人して 井上信子 201602
神の岩寒九の水に包まるる 山田六甲 六花 201602
退却をゆるさざりけり寒怒濤 甕秀麿 201602
大根の厚切り煮込む寒に入る 中江月鈴子 201602
土臭きサッカー少年寒戻る 布川直幸 201602
余呉湖とふ銀の器に寒北斗 辻由紀 雨月 201602
力抜くための力や寒の水 平野みち代 201602
むらさきに六甲暮るる寒の入 多方清子 雨月 201603
パトカーのうしろに車列寒の入り 丑久保勲 やぶれ傘 201603
フラミンゴ寒晴に緋色したたらせ のざきまみこ 201603
一念は男の反り身寒北斗 能村研三 201603
遠くから見る富士が好き寒日和 吉田政江 201603
海蝕の崖に一縷の寒の水 松井志津子 201603
寒芽吹き有心に習ふ扇塚 鈴鹿呂仁 京鹿子 201603
寒金柑そのままにして目白待つ 須賀敏子 あを 201603
寒晴の空を見てゐる埴輪の目 室伏みどり 雨月 201603
寒晴やひと息つけるポン菓子機 辻水音 201603
寒晴やふれたるのみの力石 柴田志津子 201603
寒晴や古代の石がちょとのぞく 火箱ひろ 201603
寒晴れや流木に錆ぶる五寸釘 荒井千佐代 201603
寒晴れや流木に錆ぶる五寸釘 荒井千佐代 201603
寒潮のいま変はりそむ壇ノ浦 山口ひろよ 201603
寒潮や過ぎゆく風の白き音 近藤喜子 201603
寒入りの鍼脳天にひびきけり 渕上千津 201603
行き帰り見て寒晴れの筑波山 大畑善昭 201603
雑踏に身をおく影も寒の人 鈴鹿呂仁 京鹿子 201603
試着室の三方鏡寒に入る はしもと風里 201603
出るときに追ひ焚きをする寒の風呂 丑久保勲 やぶれ傘 201603
真田ひも解かざるもあり寒の書庫 渕上千津 201603
身に燃ゆる炎は見えず寒の入り 松田都青 京鹿子 201603
針山の一針一針寒に入る のざきまみこ 201603
人を呑む大蛇のごとき寒の市 鈴鹿呂仁 京鹿子 201603
漬け物の重しは二キロ寒に入る きくちきみえ やぶれ傘 201603
爪立ちて一番風呂に寒の入 斉藤裕子 あを 201603
灯台のいきいき点り寒に入る 西住三惠子 201603
廟裏の寒は塒を巻いてをり 鈴鹿呂仁 京鹿子 201603
病む猫の厳寒の夜は総毛立ち 秋川泉 あを 201603
帽子脱げば寒の青空かぶさりく 定梶じょう あを 201603
夕暮の赤提灯や寒の入 四條進 201603
すれ違ふ目が語りをり寒の入 外山節子 末黒野 201604
わが腰も曲り始めし寒の入 佐藤山人 201604
一木の影真直なる寒日和 金田誠子 201604
回廊や朱の彩わかつ寒日影 水田壽子 雨月 201604
柿右衛門の朱に染まりつ寒に入る 山崎靖子 201604
寒一歩一歩正体顕せり 大橋晄 雨月 201604
寒晴の波に濡れゐる荒岬 小山繁子 春燈 201604
寒晴やあつけらかんと死ぬ話 豊谷ゆき江 春燈 201604
寒晴やこの一瞬も星落ちて 千田百里 201604
寒晴や尼僧の走る門跡寺 雨宮桂子 風土 201604
寒晴れに富士は頂き輝かす 大木清美子 201604
寒晴れやわたしの中の少しの闇 中下澄江 201604
寒晴れや机上清めてより書けず 黒滝志麻子 末黒野 201604
寒声に聞き入る我はナルシスト 江島照美 201604
寒→1

 

2023年1月31日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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