寒 13    100句

  寒明

作品
作者
掲載誌
掲載年月
寒晴の富士の雄姿に小躍りす 佐藤弘香 ろんど 201504
寒晴や匙に刮げしやうな富士 坂場章子 201504
寒晴や等間隔の着陸機 菅谷たけし 201504
寒晴や眩しき伊吹の大斜面 室伏みどり 雨月 201504
寒晴れや三寸人参つややかに 山下良江 万象 201504
寒晴れや真つ当に生き流されず 山内洋光 201504
寒声の喉をつぶせと叱咤せり 福島せいぎ 万象 201504
寒声の前のめりなる太夫かな 田邊豊子 201504
寒弾く女優のせりふ炭坑話 岡山敦子 京鹿子 201504
寒凪の向かう火の島雲延べて 佐藤弘香 ろんど 201504
寒落暉固き握手を交すかな 鈴木直枝 ろんど 201504
強面の風を従え寒九郎 鈴木直枝 ろんど 201504
仰ぐ龍の八方睨み寒厳し 山田愛子 201504
空き缶の風に転がる寒夜かな 佐竹千代 やぶれ傘 201504
行く道のだうだうめぐり寒に入る 竹田ひろ子 ろんど 201504
黒猫の舌こまやかに寒の水 生田作 風土 201504
三四郎池にみを曳く寒日和 大坪貞子 万象 201504
山彦に海彦に雨寒九かな 岩木茂 風土 201504
産土の竹のさやぎも寒に入る 綱川恵子 万象 201504
酒蔵の井戸に溢るる寒の水 岩下芳子 201504
樹氷林八寒(はちかん)地獄かもしれぬ 高橋将夫 201504
祝はれて九十二才寒厳し 折橋綾子 201504
書くほどに筆の強弱寒の入り 上野紫泉 京鹿子 201504
硝子戸に猫背の映る寒夜かな 小山陽子 やぶれ傘 201504
乗り過ごす東京湾の寒入日 大坪景章 万象 201504
折れ竹の簓に沁むや寒の雨 森和子 万象 201504
喪帰りの富士くつきりと寒の入 山本とく江 万象 201504
蔵元の深井より汲む寒の水 宮内とし子 201504
存へむための一錠寒の水 田原陽子 201504
耐寒マラソン蒼天高く響かせて すずき巴里 ろんど 201504
大樟の幹のぽろぽろ寒に入る 大山春江 万象 201504
竹百幹風をしぼりて寒に入る 藤岡紫水 京鹿子 201504
竹林を貫く寒の入り日かな 大坪景章 万象 201504
長々と貨車鉄橋に寒怒濤 井口光石 風土 201504
鳥辺野に鴉と寒を眩しめり 松本鷹根 京鹿子 201504
鉄骨につきさされゐし寒の空 森田尚宏 201504
呑み干して五臓の震へ寒の水 山田愛子 201504
呑み干して五臓の震へ寒の水 山田愛子 201504
日と風に我が身の業も寒晒 近藤喜子 201504
濡れしもの皆美しき寒の雨 川崎良平 雨月 201504
白一色合掌村の寒日和 松田和子 201504
畑にて一服のお茶寒に入る 齋藤博 やぶれ傘 201504
病棟の消灯コール寒戻る 森下康子 201504
不忍池や寒九の水の黒きこと 大坪景章 万象 201504
文も絵も一筆にして寒見舞 落合絹代 風土 201504
墨染の草鮭の火照る寒修行 荒木奈美惠 ろんど 201504
味噌樽の箍いかめしき寒の入 佐藤山人 201504
夜の深けて雨音激し返り寒 山荘慶子 あを 201504
夜更しやしゆんしゆん滾る寒の水 村上倫子 201504
幼な子の泣き泣き帰る寒の入 松原三枝子 万象 201504
落し蓋踊りだしたる寒夜かな 吉永すみれ 風土 201504
梵鐘の潰えし撞座寒土用 塩路隆子 201504
しののめの空より寒の明けにけり 堺昌子 末黒野 201505
まんまるの月の浮力や寒の明け 中島讃良 ろんど 201505
一山を小脇に寒の虹始む 柳本渓光 ろんど 201505
花一輪開きはじめる寒の底 中西明子 京鹿子 201505
寒見舞「またね」と交はす余韻かな 羽賀恭子 201505
寒最中海に一つの手漕ぎ舟 吉田きみえ 末黒野 201505
寒三日累積雪量更新中 鎌田慶子 ろんど 201505
寒晴と思ひしが俄か淡雪と 久保晴子 雨月 201505
寒晴や駅の噴水横つとび 阿部澄 万象 201505
寒土用顔より大きオムライス すずき巴里 ろんど 201505
寒凪やかもめの群るる舟だまり 西川みほ 末黒野 201505
居酒屋の他は仕舞ひし寒夜かな 中野久雄 末黒野 201505
菰丈をはみ出ず寒の白牡丹 菅谷たけし 201505
護摩太鼓ひびきわたりぬ寒日和 宮本加津代 万象 201505
黒白の熱き闘ひ寒日中 金子つとむ ろんど 201505
妻倦まぬ力ード占ひ寒の雨 佐渡谷秀一 対座 201505
四天王を四隅に手水寒戻る 下山田美江 風土 201505
漆黒の麒麟の舌先寒に入る 間島あきら 風土 201505
真つ向の寒十五夜と相対す 渡辺安酔 201505
声の出ぬ恙の義弟寒見舞 久保晴子 雨月 201505
大楠の幣の白さや寒に入る 岩崎眉乃 万象 201505
朝の音なべて短し寒に入る 佐渡谷秀一 対座 201505
朝市の山風重き寒九かな 黒滝志麻子 末黒野 201505
鉄を剪る音をくぐりて寒見舞 間島あきら 風土 201505
豆浸す寒九の水の息づかひ 竹田ひろ子 ろんど 201505
入相の鐘の一打や寒詣 播磨武子 雨月 201505
浜駈くる赤毛の馬や寒日和 菅野日出子 末黒野 201505
亡き友の跡地は四角寒の雨 波多野孝枝 末黒野 201505
野を戻る寒綺羅星をふりかぶり 下平しづ子 雨月 201505
薬効かざりし寒夜の鳩時計 永野由美子 ホトトギス 201505
罅入るほどに晴れたり寒の空 平野みち代 201505
シリウスの青を極めし寒夜かな 涌羅由美 ホトトギス 201506
ドアノブに静電走る戻り寒 柴田久子 風土 201506
シリウスの青を極めし寒夜かな 涌羅由美 ホトトギス 201506
ドアノブに静電走る戻り寒 柴田久子 風土 201506
寒の空斜めに白き線数多 水谷直子 京鹿子 201506
寒の水優柔不断の掌を浸す 古川夏子 201506
寒残る天井高き阿彌陀堂 入山繁幸 万象 201506
寒晴や下校の赤きランドセル 藤波松山 京鹿子 201506
厳寒の峙つ富士に襟正す 安原葉 ホトトギス 201506
刃めく風や南下の寒気団 石黒興平 末黒野 201506
日当つてをらない寒といふ言葉 後藤立夫 ホトトギス 201506
快慶の仁王の威嚇もどり寒 岡真紗子 201507
日本海まだ芯のある寒戻り 太田チヱ子 末黒野 201507
寒の風呂胸にざんぶり母のこと 中原幸子 船団 201508
寒北斗生あるものの美しく 東英幸 船団 201508
石甕の水の濁りや鬼餅寒 比嘉半升 万象 201508
白山より立山白し寒の入 河原昭子 万象 201508
寒 →14

 

2022年1月31日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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