寒 11    100句

  寒明

作品
作者
掲載誌
掲載年月
寒煙の雲にまぎれてしまひけり 大木清美子 201402
寒禊締込のまま御慶かな 篠田純子 あを 201402
寒禊拝みふるへてゐたりけり 篠田純子 あを 201402
人を戀ふ寒の孔雀のつぶらの瞳 丸山佳子 京鹿子 201402
青年の晒のまぶし寒禊 篠田純子 あを 201402
靴捷げて寒の百間廊下かな 山田六甲 六花 201402
江戸ッ子の意地と気合の寒禊 篠田純子 あを 201402
点滴の一・二・三・四滴寒に入る 神蔵器 風土 201402
点滴を引きずつて行く寒厠 吉田耕人 ぐろっけ 201402
禿鵠の寒の亡者のごとからび 丸山佳子 京鹿子 201402
意地張つて寒の畑を打ちにけり 渡辺安酔 201403
ひと鳴きで鵯の飛び去る寒の入り 大島英昭 やぶれ傘 201403
コックスのこゑを聞きゐる寒九かな 丑久保勲 やぶれ傘 201403
酷寒やふくみて白き鎮痛剤 神蔵器 風土 201403
涛除けの石垣二重寒の浦 坂上香菜 201403
指先にあつまる日ざし寒茶摘む 福島せいぎ 万象 201403
鉾杉に寒気降り来る神の磴 高久正 201403
檻にゐる熊と目の遇ふ寒の入り 瀬島洒望 やぶれ傘 201403
鴉一羽何求めるや寒の空 水野弘 ぐろっけ 201403
寒の闇不迷てふ文字眼占む 四條進 201403
寒の音ひびく静寂や添水鳴り 辻香秀 201403
寒厳し黄泉への旅の従弟かな 渡辺安酔 201403
寒晴や阿波のをんなの心意気 竹内慶子 春燈 201403
寒晴や気息ゆたかに櫂揃ひ 丹羽啓子 馬醉木 201403
寒晴れの空を見上ぐる退職日 苑実耶 201403
寒晴れや漬物石の沈みゆき 松岡和子 201403
寒中の仮名垣魯文眠る墓 大島英昭 やぶれ傘 201403
深夜便の隠居大学寒の入 鷲見たえ子 201403
献盃の声のかなしき寒の日々 渡辺安酔 201403
地球儀にふつと息かけ寒気団 福島茂 201403
中京を地図みて歩く寒の入り 丑久保勲 やぶれ傘 201403
五臓六腑寒九の水の貫けり 神蔵器 風土 201403
高らかに鳶呼び合へり寒日和 坂上香菜 201403
グライダー寒九の空にひかりけり 白石正躬 やぶれ傘 201403
教え子の寒の涙や閨の中 水野弘 ぐろっけ 201403
寒晴や銀杏のつぼみ膨らめり 塩千恵子 201403
寒も底欅夕日に佇ちにけり 小山繁子 春燈 201403
寒の人異人僧侶の拭掃除 神田惣介 京鹿子 201403
躓くや走り根に寒詰まりをり 松本三千夫 末黒野 201403
参道に寒のひと日の暮れにけり 大島英昭 やぶれ傘 201403
曳き船に荷船に寒の日差しかな 廣瀬雅男 やぶれ傘 201403
まほろばの寒の花火を仰ぎけり 小林成子 火星 201404
一番鶏のきんと張る声寒の入り 宮崎左智子 201404
酷寒の井戸の竹蓋ゆるびあり 福山和枝 201404
日脚伸ぶ寒の入り日も大切に 筒井八重子 六花 201404
あつさりとカレーの仕上げ寒の内 数長藤代 201404
手轆轤に止まぬ軋みや寒の入 大内和憲 万象 201404
猛禽の和むひと刻寒日和 塩路隆子 201404
あっぱれな散りざま寒の御堂筋 大橋晄 雨月 201404
水下げの仕事ふえたり寒四郎 鎌田慶子 末黒野 201404
寒晴や触れあふことのなき畷 坂口夫佐子 火星 201404
寒晴の西行の眼に射貫かるる 小林愛子 万象 201404
シイインと車近づく寒の入り 田尻勝子 六花 201404
卆寿には地獄入りとも寒の入 佐藤山人 201404
啾啾と庭の片隅寒の闇 長崎桂子 あを 201404
甕底に青空のあり寒に入る 菊川俊朗 201404
寒の入地区の会所のトレーニング 長崎桂子 あを 201404
寒暁の貨車入れかへの汽笛かも 定梶じょう あを 201404
寒暁やダリの時計にうなさるる 岩月優美子 201404
寒晴に物選りゐる干物沼津港 井口淳子 201404
寒晴やエイト川面を滑り行き 木戸宏子 201404
寒晴や吉と出たるよ馬みくじ 山田春生 万象 201404
寒晴や受賞の報せ弾みくる 吉田政江 201404
寒晴や馬の土鈴のよき音す 山田春生 万象 201404
寒晴や風向計の上機嫌 甲州千草 201404
寒晴れのこの町が好き歩きつぐ 川村文英 末黒野 201404
寒太鼓信長廟のあたりより 橋添やよひ 風土 201404
寒中や地図の旅にて時送り 佐藤喜仙 かさね 201404
看取りするされるも同じ寒四郎 齋藤晴夫 春燈 201404
顔のほてりを刷ける寒の風 中野京子 201404
心技体揃はぬ句作寒の入り 大西よしき 末黒野 201404
亀池に寒の戻りのとどまれる 山尾玉藻 火星 201404
その青に魂奪はるる寒の晴 大松一枝 201404
カラフルなヘリ飛ぶ寒の空真青 木戸宏子 201404
あけぼのの鳥語しきりや寒に入る 小川玉泉 末黒野 201404
川魚がみじろぎもせず寒の朝 難波篤直 201404
扇骨の華と干さるる寒日和 橋添やよひ 風土 201404
継続の寒のリハビリ裏切らず 大西よしき 末黒野 201404
息災や寒中挨拶したためて 西川春子 春燈 201404
月の出にこゑ高まり来寒念佛 城孝子 火星 201404
グラスの水棒のごとくに呑むや寒 松本三千夫 末黒野 201404
大門を潜れば寒の空のあり 樺山翠 雨月 201404
古稀の身に寒九の水のゆきわたる 田中佐知子 風土 201404
竹藪に動く影ある寒九かな 坂口夫佐子 火星 201404
朝靄の日や眩惑の寒気満つ 柳本渓光 末黒野 201404
低きより灯る盆地や寒の入 生田作 風土 201404
酷寒やふくみて甘き鎮痛剤 神蔵器 風土 201405
日和得て薔薇植ゑ変ふる寒最中 中山良子 末黒野 201405
被曝地は南西百粁寒に入る 金子つとむ ろんど 201405
忘れ物せしかに寒の戻り来る 大橋晄 雨月 201405
餓ゑ鳥群れて啄む寒の餌 杉本綾 201405
開け閉ての音響かせる寒の朝 山田佳子 201405
列なして黙や寒九のプラットホーム 田岡千章 201405
閨秀や天の寒九の水呑みに 西田孝 ろんど 201405
寒極む指紋の渦のよく緊まり 北川孝子 京鹿子 201405
寒晴や足音澄める切通し 原和三 末黒野 201405
寒晴れの沖の白帆や鳶の笛 山崎稔子 末黒野 201405
寒声の吾を犬の瞳の訝しむ 浅井青二 雨月 201405
身の箍の締まり寒九の水を飲む 森清堯 末黒野 201405
托鉢の鐘ひびきくる寒の入 菊池ふじ子 馬醉木 201405
湖風に嗄らせし喉寒復習 播磨武子 雨月 201405
鳥たちのさざめく塒寒落暉 中野久雄 末黒野 201405
沈思てふ一語忘れじ寒怒濤 渡部良子 馬醉木 201405
わが沖のくっきりとして寒晒 津波古江津 船団 201406
母の胸嬰は夢の中寒の入 神田惣介 京鹿子 201406
亡き犬と夜ごと語りて寒過ぎぬ 飛高隆夫 万象 201406
寒といふ最後のあがき足もとに 橋本くに彦 ホトトギス 201406
朝茶吹くことに始まる寒一日 植村よし子 雨月 201406
寒晴の全容の富士颪とも 安原葉 ホトトギス 201407
あつぱれな散りざま寒の御堂筋 大橋晄 ホトトギス 201407
応援が怒号となりし寒マラソン 鎌田光恵 201405
起ちあがる寒濤だけを書いておく 堀内一郎 堀内一郎集 201412
寒の雲引つ張つてゐる鴎かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201501
寒の内とても出卦ける用多く 稲畑汀子 ホトトギス 201501
寒の内忘れてをりし用二三 稲畑汀子 ホトトギス 201501
寒ぬくしとはやうやくに今日のこと 稲畑汀子 ホトトギス 201501
寒晴の俯瞰全き富士の山 稲畑汀子 ホトトギス 201501
寒 →12      

 

2021年1月20日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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