蟷 螂 3   71句

蟷螂の斧と白波五人男の傘   高島茂

蟷螂  かまきり  枯蟷螂

作品
作者
掲載誌
掲載年月
蟷螂の腹引きずれる風の中 宇都宮敦子 金玉羹 105404
蟷螂の怒りのまなこ澄むばかり 植田桂子 馬醉木 201510
か細くも風に身構ふ子蟷螂 下平しづ子 雨月 201511
蟷螂のはみ出す程の眼をむける 植竹美代子 雨月 201511
蟷螂の鎌のまだ鋭し秋闌くる 秋葉雅治 201512
蟷螂の鎌を構へてしづかなり 藤井彰二 馬醉木 201512
今朝もまた向じ葉陰に大蟷螂 須賀敏子 あを 201512
小蟷螂を手の平に乗せ睨み合ふ 塚篤子 末黒野 201512
蟷螂の構へて虚空抱へけり 田中臥石 末黒野 201601
蟷螂は枯れても大義振りかざす 高橋将夫 201602
蟷螂の枯れて王者の如く座す 手島南天 万象 201602
活け終へて壺にこぼるる子蟷螂 井浦美佐子 201602
鍬の柄を上りつめたる子蟷螂 本間羊山 風土 201607
廻りつつ青蟷螂の流れゆく 柴田佐知子 201607
鉛筆一本蟷螂とかく遊び 佐藤淑子 雨月 201611
蟷螂の三角貌の眼かな 岡淑子 雨月 201611
蟷螂に負けじと吾も息をとめ 山田六甲 六花 201611
風上に向き蟷螂の動かざる 山田六甲 六花 201611
蟷螂の己が力を疑はず 柴田佐知子 201611
蟷螂の淡き欠伸を移さるる 齋藤厚子 201612
蟷螂も蔵王へ向きて母郷かな 田中臥石 末黒野 201612
蟷螂の眼にうつり込むスカイツリー 秋川泉 あを 201612
蟷螂の我を見据ゑる目の真澄 大石喜美子 雨月 201701
逆しまに錆蟷螂の張り付ける 小林愛子 万象 201702
蟷螂の攻めも守りも斧かざす 高橋将夫 蜷の道 201703
蟷螂の星を目差してゐる眼 稲畑廣太郎 ホトトギス 201706
子蟷螂その身構への親譲り 松本峰春 春燈 201708
ほそほそと蟷螂の子の透けてをり 辻美奈子 201709
同じ貌して子蟷螂の出るは出るは 渡辺輝子 201709
子蟷螂身じろぎもせず草つかみ 枝みや子 やぶれ傘 201709
蟷螂やいつしか隣は核の国 平野多聞 201710
蟷螂の六法踏みて失せにけり 吉田順子 201711
蟷螂のみどりの命生まれたて 上辻蒼人 風土 201711
蟷螂の吾に戦ひを挑むとは 山田天 雨月 201711
蟷螂の風に胸はる塀の上 岡尚 風土 201712
若冲の絵には戻れぬ青蟷螂 高木晶子 京鹿子 201801
まだ飛べず蟷螂の子は跳ねてをり 秋千晴 201712
吹かるるや身の浮きあがる子蟷螂 深川淑枝 201712
蟷螂のおつとこ前に枯れてゐて 田尻勝子 六花 201712
蟷螂の死に近き身を横たへて 木村瑞枝 やぶれ傘 201712
蟷螂の高く舞ひたる野分あと 飛高隆夫 万象 201802
鎌もたげ蟷螂出づる植木鉢 山咲和雄 末黒野 201804
蟷螂のゆらゆら歩き跳びてみよ 河原敬子 201804
蟷螂の怒りや反りて羽根広げ 河原敬子 201804
枯蟷螂やや重たくて水になる 阪野基道 船団 201806
振向くとまだ蟷螂の構へをり 柴田佐知子 201811
蟷螂は太つ腹なり小顔でも 高橋将夫 201811
枯蟷螂カントの貌である様な 水野恒彦 201812
青信号を渡り切つたる子蟷螂 岩下芳子 201812
色褪せし大蟷螂の影や濃し 松井季湖 201812
蟷螂に野の色絡み付きにけり 上辻蒼人 風土 201901
蟷螂に斧と炯眼ありにけり 亀井福恵 京鹿子 201901
色褪せし大蟷螂の影や濃し 松井季湖 201901
蟷螂のかかってこいの面がまえ いろは 201901
草蔭にゐて蟷螂の草の色 増成栗人 201901
枯蟷螂しかと未来をたくしゆく 柴田靖子 201902
狛犬をのぼる蟷螂日本晴 庄司久美子 201902
つまらないプライド捨てて枯蟷螂 平野多聞 201902
枯蟷螂杖曳く我に鎌上ぐる 樺山翠 雨月 201903
蟷螂の逆さまのまま凍ててをり 赤松赤彦 六花 201905
青空へ蟷螂は胸反らしけり 田代貞香 201905
古墳へと枯蟷螂を跨ぎゆく 河原敬子 201906
蟷螂の一間飛んでそれつきり 丑久保勲 やぶれ傘 201911
蟷螂と目を合せ聴くコンチェルト 七郎衛門吉保 あを 201912
蟷螂の如雨露の水に身じろがず 住田千代子 六花 201912
蟷螂の洗濯物に揺られをり 増田祐司 やぶれ傘 201912
細々と生き大胆に枯蟷螂 河口仁志 201912
武士の貌して蟷螂枯れきざす 高橋あさの 201912
蟷螂の無表情猫無表情 谷口一献 六花 201912
母蟷螂登るいのちの高さかな 武田未有 201912
まばたかぬ蟷螂の目に射られをり 山田夏子 雨月 202001
石庭のかそけき音や枯蟷螂 小林共代 風土 202001
枯蟷螂腹ぷにぷにと押されをり 廣畑育子 六花 202001
蟷螂の青き死斧を挙げしまま 松井志津子 202001
蟷螂の骸に冬日とどきけり 横尾かんな 202001
蟷螂の怒りを子らの囃したて 小原芙美子 風土 202001
じつと居る蟷螂きみも淋しいか 岩月優美子 202001
蟷螂の細いところを抓みけり 宇都宮敦子 琴引鳥 202002
斧をあげ宙をまさぐる枯蟷螂 阪上多恵子 雨月 202002
蟷螂の合掌姿のまま逝けり 廣畑育子 六花 202002
眼の黒点我を放さず枯蟷螂 岡本尚子 風土 202002
蟷螂の贄を食みつつ祈りつつ 山田佳乃 ホトトギス 202002
音たてて蟷螂の雄食はれたり 四方由紀子 風土 202002
弁慶の勇姿の形や枯蟷螂 及川照子 末黒野 202003
聖哲の貌となりゆく枯蟷螂 柴田佐知子 202003
蟷螂の最後に枯るる目玉かな 岩下芳子 202003
草々に草の色して子蟷螂 小河原清江 梛の木 202007
墓守の貌して蟷螂現るる 小河原清江 梛の木 202007
蟷螂や鎌振り上げてポーズとる 出利葉孝 202011
武士の貌して蟷螂枯れきざす 高橋あさの 201911
細々と生き大胆に枯蟷螂 河口仁志 201911
夜の蟷螂鉢の陰より踏み出づる 柿沼盟子 風土 202012
鎌たたみ枯蟷螂のかしこまり 森清堯 末黒野 202103
枯蟷螂おのれの音に身構へる 黒滝志麻子 末黒野 202103
轢かれても枯蟷螂の貌三角 松尾龍之介 202104
蟷螂の吹かれては貌拭ひをり 深川淑枝 202105
子蟷螂えやみに鎌をあげてをり 大畑善昭 202108
子蟷螂尾を上げて来て手から手へ 牛島晃江 202109
生垣へそつと戻して子蟷螂 奥田温子 やぶれ傘 202110
子蟷螂の細うで未だ影もてず 安田優歌 京鹿子 202110
蟷螂は伸し烏賊のごと靴の底 黒澤佳子 あを 202111
子蟷螂堅気の貌で生まれ来し 山本則男 202112
蟷螂の貌も構へも三角形 水谷昭代 202112
枯蟷螂いまだ放さぬ斧二丁 村上葉子 202202
陽の匂ひ共に取り込む枯蟷螂 岡山敦子 京鹿子 202204
さみどりの蟷螂ふいに飛び立ちぬ 谷口摩耶 202210
大丸へ山の蟷螂斧かざす 浅田光代 風土 202210
風立ちて蟷螂は斧休めをり 枇杷木愛 202211
蟷螂の斧の錆びつく雨催 森岡正作 202212
枯蟷螂日照雨に少し鎌を振る 甲州千草 202212
蟷螂の四肢もて掴む我が腕 志方章子 六花 202212
色変はる蟷螂の背や鉄扉 田中由紀子 末黒野 202301
蟷螂の古墳色して西に向く 大西逸子 京鹿子 202301
いのちには限りあるらし枯蟷螂 今村千年 末黒野 202302
山深く蟷螂生る静寂かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 202306
蟷螂→ 1

 

2023年9月14日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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