かまきり  102句

卒然とまはりは枯れし雄かまきり   高島茂   鯨座

作品
作者
掲載誌
掲載年月
鎌の刃でかまきりを追ふ草刈女 中川濱子 ぐろっけ 199910
かまきりに覗かれてゐる湯浴みかな 橋本佐智 円虹 200001
かまきりの這へる鉄扉を押し出づる 今井妙子 雨月 200001
暁光に濡れかまきりの祈りをり 小宮山勇 遠嶺 200101
かまきりの全身はがね氷上郡 坪内稔典 船団 200105
かまきりを怒らせている女たち 恵美子 船団 200105
かまきりの翅一筋の朱を隠す 佐藤みほ 200112
まどひつつ蜘蛛かまきりに小さくなる 市場基巳 200201
かまきりに先を越されし汀かな 小澤克己 遠嶺 200209
かまきりの長き思案や草掴み 神宮きよい 馬醉木 200212
朝の露かまきり鎌をしまい込む 吉弘恭子 あを 200212
かまきりのせはしく動く影の口 西山美枝子 酸漿 200301
かまきりに威嚇されたる家郷かな 鈴木多枝子 あを 200311
捕へられかまきり首をまはしけり 西村しげ子 雨月 200312
押へられたるかまきりの首根つ子 黒田咲子 200411
仏壇の花につきゐる小かまきり 須永トシ 栴檀 200411
かまきりのパントマイムの今止る 鈴木實 百鳥 200412
かまきりの左右たしかめ渡りをり 常盤しづ子 馬醉木 200510
かまきりが恋の落書の上あるく 仲村青彦 200511
かまきりは夢の続きで鎌を研ぐ 菊谷潔 六花 200512
人間に似しかまきりの身を反らす 的池遙 百鳥 200602
目一杯殺気孕める小かまきり 生方義紹 春燈 200612
一匹のかまきり追ひしうまや 安永圭子 風土 200612
かまきりの骸を濡らす朝の雨 野沢しの武 風土 200703
かまきりの祈りのなりに立つ葉かげ 中野京子 200710
かまきりの本気に鎌を振りあぐる 大橋敦子 雨月 200712
かまきりの何を見る目もぎらぎらと 大橋敦子 雨月 200712
かまきりも歩む山路の日暮かな 三浦カヨ子 酸漿 200712
かまきりの頓死迷宮入りとなり 久津見風牛 200801
卵産むかまきりの腹真つ赤なる 原田しずえ 万象 200802
かまきりをつかみ損ねて指咬まれ 松村紀久男 ぐろっけ 200802
かまきりにをがまれてゐて近よれず 芝尚子 あを 200811
縁側をかまきりそろり伝ひゆく 都丸美陽子 春燈 200812
畦豆より罷り出でたる小かまきり 塩路五郎 200812
かまきりと結ぶ友情星月夜 坪内稔典 船団 200901
かまきりや悟り顔して動かざる 田口登代 遠嶺 200901
指を回せばかまきりの目がついてくる 菊地葉子 やぶれ傘 200901
かまきりの明智貌なる謀叛かな 沼田巴字 京鹿子 201001
かまきりの畳の上に立ち上り 鈴木とおる 風土 201001
かまきりの屹と構へし気魄かな 隅田恵子 雨月 201001
かまきりの翅ひろげたる夕日かな 岸千手 201002
かまきりのながなが飛べり朝曇 山尾玉藻 火星 201008
こころなし首傾げをり子かまきり 早崎泰江 あを 201009
子かまきりこの世に不義理あるやうに 久米なるを 201010
かまきりの峠こえゆく鈴の音 梶浦玲良子 六花 201011
かまきりの身を立て直す仁王門 梶浦玲良子 六花 201102
子かまきりまこと小さきが斧かざす 金森信子 雨月 201108
かまきりの構へに猫の怯みけり 白神知恵子 春燈 201111
かまきりの祈りのなりに餌をとらへ 中野京子 201112
腹浮かせかまきり道を過ぎりをり 笹村政子 六花 201112
朝風やかまきりの子の翡翠包 櫻井住江 万象 201112
子かまきり三日見ぬ間に大人びて 須賀敏子 あを 201209
かまきりの尻尾をたててをりにけり 田尻勝子 六花 201212
玄関番かまきり斧をふり上げる 明石文子 ぐろっけ 201301
透明な斧振り上ぐる子かまきり 小池清司 かさね 201308
かまきりの十頭身をもて怒る 堀井英子 雨月 201312
神在す蟷螂山のかまきりは 後藤比奈夫 ホトトギス 201401
不受不施寺かまきり人にすがるかな 白神知恵子 春燈 201401
まだ青いこのかまきりはアルカリ性 寺田良治 船団 201403
砲口にかまきりの子があをあをと 浜口高子 火星 201407
かまきりの生まれてはやも鎌かざす 小川玉泉 末黒野 201408
子かまきり首傾げるは親ゆづり 原田達夫 201408
子かまきりさて捕へては見しものの 今井妙子 雨月 201408
をどりの夜白きかまきり歩みをり 篠田純子 あを 201409
かまきりの首をかしげて動かざる 黒住康晴 201411
カマキリの小首傾げて思案顔 青野安佐子 201411
かまきりをかまひし指のにほひけり 井上淳子 火星 201412
かまきりの脱皮惑星の爆発 たかはしすなお 201412
かまきりの保護色に見し秋の色 山下美典 ホトトギス 201501
システムの不具合だろうカマキリは 坪内稔典 船団 201502
かまきりやぐつと怺えて関節痛 木戸渥子 京鹿子 201502
かまきりの五体投地の序で死に 鳥居美智子 ろんど 201502
かまきりの逃げるに羽を使ひけり 中島和子 やぶれ傘 201512
カマキリの顎はどうして三角形 時澤藍 201512
カマキリと思っていたら宇宙人 千坂希妙 船団 201602
かまきりの果てねばならぬ門のぼる 竹下陶子 ホトトギス 201604
草のぼる鎌やはらかき子かまきり 石橋邦子 春燈 201609
切れ目なく敷居を渡る子かまきり 笹村政子 六花 201610
さよならを云うて暫く子かまきり 齋藤厚子 201610
かまきりの複眼時に憂ひさす 加藤峰子 201612
カマキリの卵チンした後のやう 佐藤喜孝 あを 201610
花売女能勢のかまきり連れて来し 阪上多恵子 雨月 201711
大葉より生まれしやうに子かまきり 秋千晴 201712
体より鎌を大きく子かまきり 秋千晴 201712
子かまきりすぐに青鎌かざし来る 秋千晴 201712
カマキリのつぎつぎ孵って!!!!! 阪野基道 船団 201802
船を待つ大かまきりと小かまきり 中居由美 船団 201806
かまきりのロックンローラーたる由縁 中居由美 船団 201806
予後の身に力合はすや子かまきり 茂木なつ 春燈 201808
いのちまで透きて見えたり仔かまきり 片山煕子 京鹿子 201810
かまきりに雲の流れは早すぎる 渡部ひとみ 船団 201812
九条を早や知る羽目に子かまきり 鈴鹿呂仁 京鹿子 201907
かまきりに振り向かれたる我が齢 小島良子 201908
子かまきり青やかな世に鎌を振る 亀井福恵 京鹿子 201909
大空にぶら下がり飛ぶ枯かまきり 佐藤喜孝 あを 201912
かまきりのからくりほどのしんきくさ 奥田筆子 京鹿子 202101
子かまきりもう親指の長さほど 奥田温子 やぶれ傘 202112
子かまきり草に生まれて草色に 小池かつえ 京鹿子 202209
子かまきり一人前の鎌の振り 臼居澄子 末黒野 202209
玄関へ飛んでかまきり行所なし 高木晶子 京鹿子 202212
かまきりのポーカーフェース裏戸守る 山中志津子 京鹿子 202212
かまきりの闘志の鎌を身構へて 宮崎浩美 末黒野 202302

 

2023年9月11日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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