かきつばた     51句

天然の風吹きゐたりかきつばた    細見綾子

杜若  かきつばた  燕子花

作品
作者
掲載誌
掲載年月
あやめともかきつばたとも電柱の人 島津亮 海程 199812
古今集の歌より冬のかきつばた 神蔵器 風土 199901
かきつばた鉛筆のように困って 神田夏果 海程 199911
花びらの最後内巻きかきつばた 西塚成代 六花 199911
夕風をゆっくり歩くかきつばた 樫井賢一 船団 199912
我思ふ故に我ありかきつばた 松下幸恵 六花 200002
練馬区の人妻は留守かきつばた ロツキイ 六花 200107
かきつばた水明りよりぬきん出て 外川玲子 風土 200108
かきつばた往きと帰りはちがふ貌 片山煕子 京鹿子 200108
托鉢のかたちの二本かきつばた 植村金次郎 海程 200110
城垣の隙間に小石詰かきつばた 山田六甲 六花 200206
かきつばたの八橋歩む小股かな 杉山やす子 200208
かきつばた胸郭軋むまで笑ふ 田村園子 200308
鮮しき紫みせてかきつばた 大竹淑子 風土 200309
信楽の壼に窯変かきつばた 奥田弦鬼 風土 200309
環濠屋敷の細き石橋かきつばた 出口賀律子 雨月 200309
神苑に新郎新婦かきつばた 西宮舞 200409
浮橋をよくよくみればかきつばた 八田木枯 夜さり 200409
かきつばた男の眉の匂ひけり 内藤ゑつ ゑつ 200411
かきつばた中性的でありにけり 近藤喜子 200509
一本の川が県境かきつばた 樋口すま子 200609
かきつばた野郎畳に寝ころんで 加藤みき 200609
社家の橋渡る木沓やかきつばた 奥田弦鬼 風土 200609
俳聖の墓の一と本かきつばた 堀田清江 雨月 200609
かきつばた傾ぎそめ大杜若 井上信子 200708
かきつばた花を掲げて池の端に 朝倉富次 酸漿 200712
かきつばた紫紺落着く雨のあと 朝倉富次 酸漿 200712
乳母車から脚振る児かきつばた 高橋大三 ぐろっけ 200802
二峠越え村口のかきつばた 西山美枝子 酸漿 200908
燕子花咲いてゐるのはかきつばた 高木晶子 京鹿子 200909
白かきつばた紫ほのとにじみゐて 大橋敦子 雨月 201008
白雲を写す池の面かきつばた 山本無蓋 201108
夕暮れて水に映れるかきつばた 廣瀬義一 雨月 201109
かきつばた雨意は空より地にひそむ 長山あや ホトトギス 201110
かきつばた城のうちそと水奔り 小林千草 馬醉木 201110
かきつばた丹後の空の縹色 コ田千鶴子 花の翼 201111
公達の舟遊び池かきつばた 和田郁子 201207
光琳展紫紺極むるかきつばた 市川玲子 春燈 201208
いつまでも屈みゐし師よかきつばた 大坪景章 万象 201209
不退寺の業平振りのかきつばた 尾崎みつ子 雨月 201210
爆音は雲の中よりかきつばた だいじみどり 201310
身の内に軋む音ありかきつばた 片山煕子 京鹿子 201408
かきつばた風の高さに見てをりぬ 浅田光代 風土 201408
祭神は天鈿女命やかきつばた 橋添やよひ 風土 201408
涸るるなき千古の神池かきつばた 錫木妙子 馬醉木 201508
二の丸に入るや大井戸かきつばた 渡たみ 馬醉木 201509
一村の戸ごとに水場かきつばた 杉本光祥 201609
ややこしき姫の家系図かきつばた 服部早苗 201609
かきつばた覚皇院は禅寺で 定梶じょう あを 201708
かきつばた大田の沢に山彦来 つじあきこ 202009
かきつばた上賀茂局ではがき出す 丑久保勲 やぶれ傘 202109
かきつばた清少納言の名を持ちぬ 志方章子 六花 202210

 

2023年5月22日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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