百日紅 3     100句

新しき猿又ほしや百日紅   渡辺白泉

百日紅  さるすべり

作品
作者
掲載誌
掲載年月
お隣の百日紅の咲くわが家 稲畑汀子 ホトトギス 200708
百日紅ひと日一日の美をこぼし 中野英歩 八千草 200708

 木曽岳風子さんを偲び

百日紅に八月二十八日来る

山田六甲 六花 200708
百日紅残暑の海へ散りにけり ことり 六花 200708
百日紅白塗地蔵は辻守り 豊田都峰 京鹿子 200709
白百日紅咲き初めつ且つ擁み初め 阿部ひろし 酸漿 200709
出流原いづるはらの湧水の上百日紅 佐藤健伍 200710
百日紅歴史を語る土塀かな 佐藤洋子 200710
大寺の寂奥として百日紅 勝見玲子 200710
弟の七回忌なり百日紅 野澤あき 火星 200710
橋渡りて行く家並ぶ百日紅 岡部邦枝 200710
蔵街の陰拾ひゆく百日紅 石原光徳 酸漿 200710
午後の日を明るく弾き百日紅 仙石君子 雨月 200710
紺碧の全き空や百日紅 須藤トモ子 200711
百日紅炎暑の空のつめたさに 金井充 百日紅 200711
突き上げし拳はいくつ百日紅 清水明子 遠嶺 200711
百日紅父さんと行く貝類館 渡邉美保 火星 200711
百日紅つつかれて散る机上論 小林朱夏 200711
百日紅一朶の雲に飛び火せり 藤岡紫水 京鹿子 200711
百日紅咲きて名を知らざる二世 柳川晋 200711
百日紅あはれ散りどき逸したる 田辺博充 200711
咲き満ちて白百日紅静かなり 青木陽子 酸漿 200711
測量士いつもかけ足百日紅 渡辺方子 万象 200712
夭折の俳人全集百日紅 山村桂子 遠嶺 200712
風うけて朱を敢なく百日紅 北村香朗 京鹿子 200712
再会を約せしままに百日紅 長田等 200801
心音の昂りよそに百日紅 木山杏理 京鹿子 200801
猛暑日の影くろぐろと百日紅 大山妙子 酸漿 200801
水運ぶ人のゆらゆら百日紅 坪内稔典 稔典句集U 200804
百日紅仏法の世を待つごとく 小川匠太郎 200807
風死してこれより真の百日紅 藤田宏 長城 200808
白日は天の花なり百日紅 鷹羽狩行 200809
戒名に政の一字や百日紅 神蔵器 風土 200809
恋は突然愛はゆつくり百日紅 常盤優 炎環 200809
白百日紅撓みはじめて又白し 阿部ひろし 酸漿 200809
月の夜を白百日紅咲きたはむ 阿部ひろし 酸漿 200809
殿の芽吹きは寺の百日紅 松村光典 やぶれ傘 200809
ベビーカーの母子ピンクに百日紅 小澤菜美 200810
菩提寺の花ゆさゆさと百日紅 杉本綾 200810
海光に揺るる挿頭の百日紅 斉木永久 馬醉木 200810
ライターに顔寄すふたり百日紅 上原重一 200810
百日紅身籠るといふさびしさよ 小林奈穂 200810
白百日紅庭にうかべり朝の月 阿部文子 酸漿 200810
訪ひし家の白百日紅先づ讃ふ 井口初江 酸漿 200810
蜂の集ひて散らす百日紅 松崎鉄之介 200810
敗戦日なほ戦へと百日紅 泉田秋硯 200811
颯々の近江観音百日紅 池田加寿子 200811
ひとり湯の五右衛門風呂や百日紅 松田和子 200811
木歩忌や疲れてゐたる百日紅 藤田良 炎環 200811
百日紅鄙の屋敷の屋根厚き 鎌田篤 雨月 200811
かむばせの口一文字百日紅 田原陽子 200811
百日紅の根元に坐せり夢幻能 中山皓雪 200811
おなじこと忘れし二人百日紅 三角千栄子 炎環 200812
歳と共に頑固詮なし百日紅 北村香朗 京鹿子 200812
潮枯れもせず耶蘇島の百日紅 荒井千佐代 200901
春さるや百日紅の幹の肌理 三村武子 酸漿 200904
ちちは松すらりとははの百日紅 荒井千佐代 200907
父癒えて道に立つなり百日紅 柴田佐知子 垂直 200907
売家の札あたらしき百日紅 宇都宮滴水 京鹿子 200908
濡らせし指振つてかわかす百日紅 荒井千佐代 200909
百日紅あかいものから蓋をする 堀内一郎 あを 200909
忍性の千服茶臼百日紅 神蔵器 風土 200909
返事ありて待たされてをり百日紅 楠原幹子 200909
起きてすぐ始まる句業百日紅 小澤克己 遠嶺 200910
琴の音の洩れくる夕ベ百日紅 川口襄 遠嶺 200910
百日紅ピカソの「近衛兵と鳩」 神蔵器 風土 200910
百日紅の白にひらかる冠木門 東野鈴子 雨月 200910
百日紅いと鮮やかな退院日 檀原さち子 酸漿 200910
百日紅すぐ忘れたきことひとつ こがわけんじ 炎環 200910
いつまでも百日紅は窓覆ふ 芥川多喜子 200910
堀越しに路地に垂れ咲く百日紅 由井求 200910
問屋場の土間の湿りや百日紅 塩路隆子 200911
咲き満ちて千の簪百日紅 杉本綾 200911
昔ガラス百日紅のいよよ揺れ 伊藤洋子 200911
百日紅火照りしままに散りにけり 水谷洋子 十進法 200911
仏足石に願ふ健脚百日紅 植山美代子 200911
百日紅の白きがこぼれ武家屋敷 河合とき 末黒野 200911
百日紅うとましくまたなつかしく 橘正義 春燈 200911
ふるさとの血脈の墓百日紅 岡野ひろ子 200911
百日紅散りたるままの戦没碑 岡野ひろ子 200911
この盛る百日紅や師に会はめ 大坪景章 万象 200911
日蝕は雲の中なり百日紅 原田しずえ 万象 200911
壁土で繕ふ蔵や百日紅 柴田佐知子 200911
百日紅大揺れの街火葬場ヘ 北村香朗 京鹿子 200911
普賢菩薩に由来の寺の百日紅 大橋晄 雨月 200911
罪の字の多き聖書や百日紅 山本康夫 200912
万年橋袂色増す百日紅 小張昭一 春燈 200912
交番の英語マップや百日紅 矢口笑子 春燈 200912
仏飯を撒けば鳥来る百日紅 上林富子 やぶれ傘 200912
百日紅ぼんぼりのごと宵の街 野田しげこ 200912
百日紅家並に人も風もなし 小川凉 201002
厠まで母をさがす子百日紅 小林朱夏 201007
水郷に加齢の水車百日紅 鴨下昭 201008
白百日紅ひたすら澄みし天に咲く 阿部ひろし 酸奬 201009
大風車につられて揺るる百日紅 長濱順子 201010
三月後の予定を入れぬ百日紅 松岡和子 201010
斎告ぐる魚板響けり百日紅 木下ふみ子 馬醉木 201010
手の平の一花の軽し百日紅 小川玉泉 末黒野 201010
かんかんとあり命日の百日紅 井上信子 201010
先々へ花置き咲ける百日紅 鈴木阿久 201010
百日紅→4      

 

2021年7月21日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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