百日紅 2     134句

百日紅この叔父死せば来ぬ家か   大野林火

百日紅  さるすべり

作品
作者
掲載誌
掲載年月
税関が見えるよ波止の百日紅
山田六甲
六花
200308
女坂男坂あり百日紅
塩川雄三
築港
200309
使ふカード使はぬカード百日紅
吉田島江
火星
200309
百日紅雨にじませて花ひろぐ
赤座典子
あを
200309
晴れやかに近況告げて百日紅
石山惠子
遠嶺
200310
光影の芯濡らしをり百日紅
松たかし
火星
200310
白壁に雨の筋あり百日紅
柴田佐知子
200310
紅は炎え白ひたすらに百日紅
赤田浩
円虹
200310
ちりちりとむかふから来る百日紅
篠田純子
あを
200310
「一隅照らす」碑ありて百日紅
及川澄江
風土
200310
閂のかたき正門百日紅
藤井美代子
帆船
200310
百日紅東の窓のはなやげる
中村輝子
酸漿
200311
百日紅紅の褪せずに咲き続く
岡村容子
築港
200311
百日紅百日咲きてなほ盛り
奥村光子
築港
200311
学校の静かなりけり百日紅
植木戴子
200311
百日紅雲はこの世のものならず
渡部義雄
200311
百日紅海野うんの格子の窓越しに
水田清子
200311
百日紅浅間山に雨の降りはじむ
水田清子
200311
歓声に零れさうなる百日紅
戸栗末廣
火星
200311
左手は字も書けぬ奴百日紅
杉浦典子
火星
200311
あちこちに潦生る百日紅
戸栗末廣
火星
200311
いつかくるひとりのくらし百日紅
垣岡暎子
火星
200311
墓守にこぼれてをりし百日紅
堀博子
火星
200311
千姫の化粧櫓や百日紅
名取袿子
200312
妻も子もありて独りや百日紅
保田英太郎
風土
200312
曇天へ吹き上げてゐる百日紅
前田永子
200312
百日紅終の花散る子の立ち日
川村紫陽
200401
百日紅笑い零さん百日も
中野英歩
八千草
200401
ひんやりと影持つベンチ百日紅
浅田光蛙
対岸
200401
掃き寄する塵も薄紅百日紅
大西まりゑ
酸漿
200401
格子戸に江戸を遺して百日紅
田中敬
200402
百日紅冬木となりて皮を剥ぐ
清水伊代乃
酸漿
200402
仮寓出る日はまだ先や百日紅
木村享史
ホトトギス
200403
百日紅わが口下手は父譲り
栢森定男
風よ
200407
浴場の素人寄席や百日紅
須佐薫子
帆船
200408
百日紅翁首途かどでのこころざし
能村研三
200409
風に鳴る葬の花輪や百日紅
杉江茂義
京鹿子
200409
静もれる無縁墓地あり百日紅
青木政江
酸漿
200409
手術決め絢爛とある百日紅
淵脇護
河鹿
200409
百日紅寺には大き鐘ひとつ
山嵜加代子
河鹿
200409
意地張つて生きし日のあり百日紅
山嵜加代子
河鹿
200409
潮の香の髪をはらりと百日紅
山嵜加代子
河鹿
200409
百日紅海を見てゐる野の仏
山嵜加代子
河鹿
200409
一族の墓の並びて百日紅
山嵜加代子
河鹿
200409
エホバ知る人の心の百日紅
東亜未
あを
200409
ただならぬパトカーの音百日紅
早崎泰江
あを
200409
正信偈合掌回想百日紅
長崎桂子
あを
200409
一つ家に表札二つ百日紅
高橋瑛子
河鹿
200410
百歳を生きる決意や百日紅
黒田美恵子
春燈
200410
死後も燃ゆ汝が生涯の百日紅
神蔵器
風土
200410
養生のための三食百日紅
鈴木庸子
風土
200410
百日紅「一隅照らす」最澄碑
布施まさ子
風土
200410
梅花藻に零れたる紅百日紅
辻恵美子
栴檀
200410
消防車庫観音開き百日紅
長村雄作
栴檀
200410
弁財天湖光あまねき百日紅
江崎成則
栴檀
200410
百日紅命を燃やしはじめけり
家塚洋子
酸漿
200410
ふんはりと影を作りし百日紅
林敬子
酸漿
200410
がん張つてみろと背を押す百日紅
関根義行
対岸
200410
忌日来る夫の手植の百日紅
福盛悦子
雨月
200410
百日紅言はねば思ふこと多き
藤原時子
雨月
200410
直立の法然像や百日紅
塩川雄三
築港
200410
太陽に両手広ぐる百日紅
大森玲子
築港
200410
おだやかな午後ある暮らし百日紅
貝森光大
六花
200410
人の性老いてあらはや百日紅
加瀬美代子
200410
逆光のなんと明るき百日紅
達山丁字
200411
百日紅「心外無法」の部屋に風
玉川悠
遠嶺
200411
髯剃つて逝きたる父や百日紅
遠野萌
200411
語らずに父は逝きたり百日紅
小林朱夏
200411
遺されし母ぽつねんと百日紅
渡部伸一郎
百鳥
200411
古井戸に錆びつく滑車百日紅
山口マサエ
雲の峰
200411
物捨てに出ては日まみれ百日紅
十文字慶子
200411
百日紅名残りの花も鵜の供養
辻恵美子
200412
残りたる燠のごとくに百日紅
石川一郎
対岸
200412
燃え盛る八雲の里の百日紅
安永圭子
風土
200501
咲きつぐや嵐三度の百日紅
平山風鳥
河鹿
200501
十三は供養の数か百日紅
山田六甲
六花
200506
百日紅もつとも唐人岩しづか
丸山照子
火星
200510
百日紅いまだ意識の戻らぬか
中上照代
火星
200510
地震あとの壁のひび割れ百日紅
諸冨清子
対岸
200510
墓石の水弾きけり百日紅
岡村葉子
栴檀
200510
ひつそりと門を閉ざせり百日紅
船越美喜
京鹿子
200510
百日紅八角堂の幼稚園
塩田博久
風土
200510
百日紅暮れて夕星琅玗忌
沼口蓬風
河鹿
200510
石塀の崩れ落ちゐし百日紅
石堂絹子
河鹿
200510
枝見えず花満開の百日紅
川山本よしを
築港
200510
百日紅街道飾る赤白花
上岡末喜
築港
200510
百日紅夕日を誘ひ紅を増す
川口弘子
築港
200510
百日紅けふも立山遠く見て
長沼紫紅
200510
わが庭に咲きし記憶も百日紅
長沼紫紅
200510
ゆつくりと日輪落つる百日紅
宮尾直美
200510
狭山茶の幟引き立て百日紅
須賀敏子
あを
200510
百日紅まだまだ咲けりカスタネット
中山純了
万象
200511
咲き出せり幹空洞の百日紅
木暮剛平
万象
200511
母の忌の白百日紅の盛りかな
中村春宵子
春燈
200511
百日紅寺の赤ん坊抱かさるる
山崎靖子
200511
散り敷ける白百日紅切り幣めく
松崎鉄之介
200511
芸妓名を門に掛けあり百日紅
山本耀子
火星
200511
鳥たちの朝のおしやべり百日紅
与川やよい
遠嶺
200511
朝明や白百日紅咲きあふれ
阿部ひろし
酸漿
200511
夜は夜の白百日紅浮びけり
阿部ひろし
酸漿
200511
夕風に花穂揺らせり百日紅
兼子栄子
酸漿
200511
百日紅姉は小柄な三姉妹
高木武人
百鳥
200511
探し来て一服したり百日紅
永田勇
六花
200511
一列に歩いて秋の百日紅
冨田正吉
200511
菜園のまっただ中に百日紅
明石文子
ぐろっけ
200512
枯れ庭の木偶坊めく百日紅
松崎鉄之介
200602
少々のことには懲りず百日紅
野村智恵子
八千草
200602
八十は華やぐ齢百日紅
高倉恵美子
200602
遠ざかるほどあきらかに百日紅
鷹羽狩行
200609
脳天の傾くカーブ百日紅
坂口夫佐子
火星
200609
百日紅時間の欠片降つてゐる
須田紅三郎
200609
百日紅忍び返しの櫓跡
野澤光代
ぐろっけ
200609
番犬の熟寝へ散りぬ百日紅
前田貴美子
万象
200610
日輪に花の群がる百日紅
岡田 麻枝
酸漿
200610
宿坊の東司の広し百日紅
石原光徳
酸漿
200610
支へ合ひふたりで一人百日紅
加瀬美代子
200610
百日紅咲き初めてゐて休診日
芝宮須磨子
あを
200610
欄干をたたいて渡る百日紅
篠藤千佳子
200611
遥かなる生家をおもふ百日紅
高尾幸子
遠嶺
200611
百日紅こころ明るき日は映ゆる
宮津昭彦
200611
日当たれる累の墓や百日紅さるすべり
柿沼盟子
風土
200611
百日紅草加煎餅三代目
島田和子
風土
200611
百日紅すこし離れて百日白
博多永楽
雨月
200611
すぐ笑ふ少女がひとり百日紅
島崎勇作
酸漿
200611
ほほゑみも言葉の一つ百日紅
島崎勇作
酸漿
200611
冥途への井戸くっきりと百日紅
角谷美恵子
ぐろっけ
200612
百日紅校門の上に咲き満てる
池部久子
酸漿
200612
秋色のきざして来たり百日紅
延川五十昭
六甲
200612
産終へし髪梳きにけり百日紅
野畑小百合
200612
立て膝の女爪切る百日紅
前田貴美子
万象
200701
秋雨の窓辺を被ふ百日紅
名取すみ子
酸漿
200701
わがままも夫ありてこそ百日紅
高倉恵美子
200701
ゆく雲のかげりて秋の百日紅
高橋さえ子
200702
鎌倉に垣根いろいろ百日紅
百瀬七生子
海光
200705
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2021年7月20日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。