冬温し 4   143句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
冬ぬくし二胡の奏づる讃仏歌 石本秋翠 馬醉木 201703
杖と杖親子寄り添ひ冬ぬくし 中西厚子 201704
冬ぬくし古刹の千のまねき猫 前原マチ 末黒野 201704
冬ぬくし匂ひいつまでパンの焦げ 布川孝子 京鹿子 201704
売るも買ふも屈む古書市冬ぬくし 岸洋子 201705
迷ひ猫家族に迎へ冬ぬくし 岩村惠子 ホトトギス 201705
冬ぬくし白き眺めは又緑 水谷直子 京鹿子 201706
出雲路に神々集め冬ぬくし 稲畑廣太郎 ホトトギス 201711
冬ぬくし書斎の整理手つがずに 稲畑汀子 ホトトギス 201711
悠久の花鳥諷詠冬ぬくし 竹下陶子 ホトトギス 201711
冬ぬくし人は輪廻を繰り返し 竹下陶子 ホトトギス 201712
長崎の人は健脚冬ぬくし 稲畑汀子 ホトトギス 201712
赤子まだ何もかくさず冬ぬくし 柴田佐知子 201801
図書館は老人天国冬ぬくし 古川幸子 春燈 201802
冬ぬくし本屋に少し長居して 西岡啓子 春燈 201802
代々の佛具の艶や冬ぬくし 佐野和子 万象 201802
パン種をそっと寝かせて冬ぬくし 須賀敏子 あを 201802
虚子句碑に湯垢離場の香や冬ぬくし 福岡かがり 雨月 201802
「神の湯」の壁画砥部焼冬ぬくし 奥田茶々 風土 201802
嬰の顔誰彼に似て冬ぬくし 宮井知英 201803
鎌倉や海を抱きて冬ぬくし 今村千年 末黒野 201803
油絵の暖炉赤あか冬ぬくし 斉藤マキ子 末黒野 201803
わらぼつち並ぶ里山冬ぬくし 岡尚 風土 201803
冬ぬくし鴎外の大き選句文字 仙田孝子 風土 201803
無住寺に忘れ番傘冬ぬくし 政時英華 京鹿子 201803
冬ぬくし団子屋前に鳩のゐて 青谷小枝 やぶれ傘 201803
冬ぬくし墓所への坂の石畳 青谷小枝 やぶれ傘 201803
一分の渡船の二人冬ぬくし 鈴木みのり 201803
丸めてはのばす粘土や冬ぬくし 松井季湖 201803
箱寿司の海老のほの赤冬ぬくし 火箱ひろ 201803
幼子のけん玉の音冬ぬくし 岡田香緒里 やぶれ傘 201804
あの人の佳句に出合ひぬ冬ぬくし 今村千年 末黒野 201804
冬ぬくし庇のふかき父母の家 磯貝尚孝 清閑 201804
白腹のとどまる処冬ぬくし 須賀敏子 あを 201804
冬ぬくし木立の影が芝に有り 篠原敬信 六花 201805
いまも匂ふ縄文の樟冬ぬくし 河原敬子 201806
磔像の真下に棺冬ぬくし 荒井千佐代 201806
いたはりの言の葉やさし冬ぬくし 和田華凛 ホトトギス 201806
冬ぬくしムスメのムコはひきこもり みさきたまゑ 船団 201809
冬ぬくし洋書の棚に楽茶碗 篠田純子 201811
猫塚の戦禍語るや冬ぬくし 植木やす子 201811
無住寺の魚鼓ささくれて冬ぬくし 和田照海 京鹿子 201901
一字を積み一紙を重ね冬ぬくし 鈴木光影 201901
冬ぬくしガイドは昼のシャンデリア 稲畑廣太郎 ホトトギス 201901
お蕎麦屋のカレーサンプル冬ぬくし 小山よる やぶれ傘 201901
冬ぬくし辞めても届く社内報 川高郷之助 201901
冬ぬくし真鯉しづめる水の綾 コ田千鶴子 馬醉木 201901
湯上りの坊ちやん団子冬ぬくし 奥田茶々 風土 201902
冬ぬくし千年分の鳥居ぬけ 仲里貞義 201902
血管を探る看護師冬ぬくし あさなが捷 201902
級友は挙りて白髪冬ぬくし 苑実耶 201902
冬ぬくし右ポケットに指十本 近藤紀子 201902
先代に似たる住職冬ぬくし 大石よし子 雨月 201902
冬ぬくし使ひ込みたる雑記帳 永尾春己 201902
冬ぬくし大阪城にハングル語 たかはしすなお 201903
渋谷行き三時の電車冬ぬくし 渡邉孝彦 やぶれ傘 201903
今風の斎は折詰め冬ぬくし 大霜朔朗 末黒野 201903
湧水に鯉の群れをり冬ぬくし 黒滝志麻子 末黒野 201903
小銭入れの膨らむズボン冬ぬくし 大霜朔朗 末黒野 201903
冬ぬくし猫のびのびと岩の上 飛田典子 末黒野 201903
冬温し後ろに伊豆の波のこゑ 萩原渓人 やぶれ傘 201904
冬ぬくし茶室へ木橋石の橋 森田節子 風土 201904
安売りに伸ぶる千手や冬ぬくし 秋津令 201904
初句集装丁凝りて冬ぬくし 柴崎和夫 やぶれ傘 201904
最後尾に「医師」とゼッケン冬ぬくし 岩井京子 201905
街中のせせらぎきらと冬ぬくし 岡美智子 末黒野 201905
冬ぬくし父が居母がゐる如く 後藤比奈夫 ホトトギス 201906
人形に挨拶されて冬ぬくし 稲畑廣太郎 ホトトギス 201911
冬ぬくしブラスバンドは天を衝く 稲畑廣太郎 ホトトギス 201911
弓川と虚子の絆や冬ぬくし 稲畑廣太郎 ホトトギス 201911
旅多き日々の一駒冬ぬくし 稲畑汀子 ホトトギス 201911
美奇さんの話は尽きぬ冬ぬくし 稲畑汀子 ホトトギス 201911
お弁当いつ食べようか冬ぬくし 稲畑汀子 ホトトギス 201911
往診も厭はぬ国手冬ぬくし 永石清湖 馬醉木 201912
冬ぬくしそろそろ髭が伸びてくる 篠田大佳 あを 202001
オリンピックミュージアムの射撃体験冬ぬくし 篠田純子 あを 202001
お世辞てふ良薬効きて冬ぬくし 政時英華 京鹿子 202001
言の葉は緩きカーブや冬ぬくし 西村白杼 京鹿子 202002
葬送にジャズの流れて冬ぬくし 宮本俊子 雨月 202002
冬温し久闊を叙す午餐会 三輪温子 雨月 202002
焼きたてのパン屋の列や冬ぬくし 西本花音 京鹿子 202002
冬ぬくし緑に暮るる竹生島 木村傘休 京鹿子 202002
冬ぬくし夜具ふっくらと日を吸へり 荻坂真稚子 雨月 202002
絵本読む父娘の笑顔冬ぬくし 田宮敦子 202003
冬ぬくし園児の数をフラフープ 辻水音 202003
女子会に母も交へて冬ぬくし 北城美佐 202003
冬ぬくし二階建てバスはとバス来 落合絹代 雨月 202003
ふところに海ある都冬ぬくし 今村千年 末黒野 202003
百獣を手懐くる夢冬ぬくし 岩崎藍 末黒野 202003
畳てふ文化に転た寝冬ぬくし 谷島弘康 末黒野 202003
虚子の句の自筆の句碑や冬ぬくし 堺昌子 末黒野 202003
口どけのよき落雁や冬ぬくし 斉藤マキ子 末黒野 202003
大手門前の人出や冬ぬくし 岡田史女 末黒野 202003
手になじむ暮らしの道具冬ぬくし 松井季湖 202003
冬ぬくし一枚脱ぎて歩きけり 石川憲二 六花 202004
ふるさとのふところふかし冬ぬくし 根岸善行 風土 202004
ガムランの祈りの響き冬ぬくし 中村洋子 風土 202004
賜りし茶碗に朝茶冬ぬくし 占部美弥子 末黒野 202004
あとがきを書き終へ書斎冬ぬくし 久保白村 ホトトギス 202004
外は雨なれど集へば冬ぬくし 今井千鶴子 ホトトギス 202004
都心雨北国晴れて冬ぬくし 安原葉 ホトトギス 202004
冬ぬくし老舗の主人祖父を知る 伊吹之博 京鹿子 202005
句に遊ぶ心ほのぼの冬ぬくし 木村享史 ホトトギス 202005
冬ぬくし逢ひたき人に逢へてより 保坂リエ ホトトギス 202006
病室の母の寝息や冬ぬくし 秋津令 202006
軽やかな茶筅の音や冬ぬくし 押田裕見子 202006
奪衣婆の胸に一円冬ぬくし 都築繁子 202006
荒海もけふは穏やか冬ぬくし 安原葉 ホトトギス 202007
クッキーのバターの香り冬ぬくし 山岸明子 202007
邂逅の誰彼と逢ひ冬ぬくし 稲畑汀子 ホトトギス 202011
四百回続けこられし冬ぬくし 稲畑汀子 ホトトギス 202011
冬ぬくしぬくしと油断ありにけり 稲畑汀子 ホトトギス 202011
もう少し生きて行けさう冬ぬくし 稲畑汀子 ホトトギス 202011
冬ぬくし橋を渡れば虚子の里 稲畑廣太郎 ホトトギス 202011
重ねたる会の歴史や冬ぬくし 稲畑廣太郎 ホトトギス 202011
冬ぬくし転びし傷の癒ゆるより 稲畑廣太郎 ホトトギス 202011
会員の揃ひしことの冬ぬくし 稲畑汀子 ホトトギス 202011
見晴らしのよかりし高さ冬ぬくし 稲畑汀子 ホトトギス 202011
播磨の賀終へて薩摩の冬ぬくし 稲畑廣太郎 ホトトギス 202012
冬ぬくし緊張解けゆきにけり 稲畑汀子 ホトトギス 202111
教室の配置替して冬ぬくし 稲畑汀子 ホトトギス 202111
冬ぬくし都心のビルを曖昧に 稲畑廣太郎 ホトトギス 202111
冬ぬくきことがもてなし応接間 稲畑汀子 ホトトギス 202112
冬ぬくし自分の影で子は遊び 小山よる やぶれ傘 202201
老医師に数値ほめらる冬ぬくし 河本由紀子 春燈 202202
書道展に子らの句並ぶ冬ぬくし 持田信子 春燈 202202
冬ぬくし路地に鳴り出すオルゴール 近藤真啓 春燈 202202
駅カフェに男二人や冬ぬくし 辻泰子 春燈 202202
大仏の背に開く小窓冬ぬくし 岡野里子 末黒野 202203
快速の停まる新駅冬ぬくし 太田良一 末黒野 202203
冬ぬくき水の湧き出づ海蔵寺 田中春江 末黒野 202203
街の灯の彩さまざまや冬ぬくし 有賀鈴乃 末黒野 202203
お茶運ぶロボットに礼冬ぬくし 前原マチ 末黒野 202203
冬ぬくし幾度も読む友の文 三浦千恵子 末黒野 202203
こころ佳き美女医の薬冬ぬくし 安田優歌 京鹿子 202203
延暦寺の法灯ほのか冬ぬくし 森清信子 末黒野 202204
口少し開けたる土隅冬ぬくし 松本胡桃 風土 202204
揺り椅子に文の封切る冬ぬくし 佐藤千恵 京鹿子 202204
冬ぬくし旅の絵本の淡き色 北野節子 末黒野 202205
竜のごとき松の根は神冬ぬくし 河原敬子 202205
縁側に猫が留守番冬ぬくし 横田敬子 202205
物置となりし絵馬堂冬ぬくし 曽根富久恵 202208
板塀に日向の匂ひ冬ぬくし 塙誠一郎 家系図 202211
冬温し→ 1

 

2022年12月21日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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