冬の日 2    186句

冬の日や臥して見あぐる琴の丈   野沢節子

冬日  冬の日  冬陽

作品
作者
掲載誌
掲載年月
冬の日に手足笑うて坐りけり 竹中一花 200802
冬の日の庭にありしと思ひゐる 豊田都峰 京鹿子 200802
冬の日の枝先のみのありかなる 豊田都峰 京鹿子 200802
冬の日を溜めて空缶漂流す 藤原はる美 200802
冬の日の濃き神農の虎の口 城孝子 火星 200802
冬の日の黒文字手折り聞く香かな 井上幸子 酸漿 200802
冬の日の壁に相寄る影法師 鈴木勢津子 200803
曳売や冬の日和の粟田口 奥田順子 火星 200803
冬の日を障子に余し住み古りぬ 関戸国子 酸漿 200803
寝釈迦山俯瞰の海へ冬の日矢 阿部すず枝 万象 200804
冬の日を紡ぐごとくに母をりし 高橋将夫 200804
冬の日に妙義が襞を描きをり 阿部ひろし 酸漿 200804
御手洗の甕に冬の日こぼれをり 永岡セッ 酸漿 200804
訪ふ人のなき冬の日の殉教碑 神原徳茂 遠嶺 200804
河馬までの冬の日踏んで恋人は 坪内稔典 稔典句集 200804
冬の日に尻を並べて河馬夫婦 坪内稔典 稔典句集 200804
冬の日のホワイトシチューことことこと 苑実耶 200805
時計塔冬の日差しを集めけり 浅田光喜 絵巻物 200806
冬の日をほしいままなるサンルーム 金田美恵子 ぐろっけ 200812
粗目糖冬の日差しに琥珀めく ことり 六花 200812
冬の日の動かぬ虫を押してやり 加藤克 200901
冬の日や楸邨の書の何か言ふ 市ノ瀬遙 炎環 200902
冬の日や塔にかぶさる山の影 豊谷青峰 春燈 200902
冬の日と溶け合ふ色の僧衣かな 村田さだ子 酸漿 200902
冬の日矢白き叡山射止めけり 安本恵子 200903
壁を塗る冬の日差しを擦り均らし 井口淳子 200903
冬の日を岩かげに溜め真鯛釣る 長谷川閑乙 馬醉木 200903
冬の日の影を友としあめんぼう 西山美枝子 酸漿 200903
冬の日や子等が覗ける釣瓶井戸 石井邦子 酸漿 200903
冬の日の男とアメリカバイソンと 坪内稔典 船団 200903
冬の日を喪には触れずに過しけり 小林玲子 ぐろっけ 200904
冬の日の浜にひろひし貝いくつ 井口初江 酸漿 200904
体だけ冬の日向に置きゆくか 高橋将夫 真髄 200907
翁忌や冬の日の筆讃へあふ 伊藤敬子 200912
冬の日や観音の腰まったりと 篠田純子 あを 201001
束の間の冬の日差しやティータイム 森下康子 201002
もうとべぬ跳箱冬の日に晒す 田辺博充 201002
冬の日を集めて白き鉋屑 多戸昌子 遠嶺 201002
冬の日の木洩れ日混声四重唱 山田暢子 風土 201002
蕉翁の冬の日永遠に久屋の地 青木錥子 201002
冬の日のくまなきにある義民の碑 豊田都峰 京鹿子 201003
冬の日のさす教室の壁新聞 清水晃子 遠嶺 201003
川岸の矢板に冬の日差かな 大崎紀夫 やぶれ傘 201003
冬の日のあまねくやさし花やしき 佐渡谷秀一 春燈 201003
冬の日を膝に終点までの旅 矢島久栄 201004
冬の日や廻船問屋の土間かたし 佐田昭子 ぐろっけ 201004
アフリカンキッズに冬の日差しかな 瀬川公馨 201009
冬の日や句帳のほそき栞紐 中根美保 風土 201102
冬の日の棺に供華を溢れしめ 和田崎増美 雨月 201102
冬の日の寝釈迦の山に手を合はす 鎌田紀三男 酸漿 201102
柊の垣根に冬の日差しかな 根橋宏次 やぶれ傘 201102
冬の日のすとんと落つる先斗町 村上絢子 馬醉木 201103
冬の日のまつすぐに来る膝頭 本文代 万象 201103
三門の礎石に冬の日のぬくみ 宮崎高根 201103
冬の日を顔に当て観世音 橋本之宏 風土 201104
玄冬の日のまぶしさに鶴の息 玉田瑞穂 万象 201104
坂道に冬の日当たる一葉忌 藤井美晴 やぶれ傘 201104
冬の日や手熨斗で畳む日章旗 田中臥石 末黒野 201104
玻璃越に冬の日母の背にあり 三井公子 酸漿 201104
海峡に大橋溶けさう冬の日矢 増本明子 ぐろっけ 201106
万華鏡めく冬の日の瀬に飛んで 篠田純子 あを 201112
穏やかな玄冬の日を纏ひけり 小林久子 201201
冬の日の始発で京の冬の陽へ 松岡利秋 かさね 201202
冬の日の控へ目がちの茶室かな 吉川隆 春燈 201202
冬の日を味はふやうに松一樹 佐々木紗知 京鹿子 201202
濯ぎもの冬の日差しもたたみこむ 町山公孝 201203
櫻桃子忌冬の日射の晴男 上山永晃 春燈 201203
冬の日をゆたに受けつつ玻璃磨く 海村禮子 春燈 201203
冬の日を浴びんと孔雀羽根拡ぐ 久保東海司 201203
冬の日や欅通りの空広げ 生田作 風土 201203
冬の日の映ゆる蔵壁一葉忌 鍋島武彦 末黒野 201203
遠景は冬の日暮れのすべてとす 豊田都峰 京鹿子 201203
冬の日や男峰女峰の睦まじく 河内桜人 京鹿子 201203
冬の日や姿ただせし軍鶏の丈ヶ 松橋利雄 光陰 201203
冬の日や炭に焼く木の積まれあり 天野美登里 やぶれ傘 201203
冬の日や驚くほどに脚弱り 神谷耕輔 201204
尖塔のマリアを射たり冬の日矢 石川笙児 馬込百坂 201206
冬の日や一人歩きの美術館 柳田晧一 かさね 201207
冬の日矢渡船が連れて島へ着く 和田照海 京鹿子 201302
冬の日や袖に絡まる千歳飴 佐藤喜仙 かさね 201302
冬の日の射して輝くアール・デコ 岩月優美子 201302
干し物の冬の日ざしを抱き取る 田所節子 201303
冬の日を束ね命をふくらます 安居正浩 201303
冬の日の匂へる古書の街に入る 菊川俊朗 201303
冬の日や暮れきはの鯉むらさきに 宮川みね子 風土 201303
冬の日の遍く届く舟屋かな 山口ひろよ 201303
冬の日を羽織つて母の背中かな 高橋将夫 201303
冬の日や子どもの手紙に泣き出して 出口誠 六花 201303
冬の日や姿を正すショーウインドー 藤井久仁子 ぐろっけ 201303
冬の日や鶏舎に雄と雌の矮鶏 大島英昭 やぶれ傘 201303
竹藪は十坪ほどにて冬の日に 大島英昭 やぶれ傘 201303
冬の日や棚田組む石みな丸し 吉村摂護 201303
冬の日の暮れゆく坂の京菓子屋 安藤久美子 やぶれ傘 201304
ミーティング冬の日向を確保せよ 火箱ひろ 船団 201306
冬の日の画伯珈琲の豆を碾く 瀧春一 花石榴 201312
冬の日の底に真鯉の深紫 瀧春一 花石榴 201312
冬の日の田楽辻子の桂垣 田中貞雄 ろんど 201312
冬の日やチリペッパーの利きすぎて 加藤みき 201402
冬の日の直滑降に暮れにけり 堀上一成 馬醉木 201402
冬の日の戻れる道の影法師 藤井美晴 やぶれ傘 201402
掛け取りや冬の日裏法体ぞ 瀬川公馨 201403
田のひとつまるごと冬の日向かな 廣瀬雅男 やぶれ傘 201403
冬の日や石炭積まぬ船ばかり 柴田佐知子 201403
冬の日を皺にあつめて象の背 林昭太郎 201403
冬の日を月の鏡が反射せり 高橋将夫 201404
冬の日や太郎の赤はより赤く 石川かおり 福袋 201404
冬の日に伸び切つてゐる電波塔 稲畑廣太郎句帳 ホトトギス 201412
冬の日をねぢこむ蘭の根方かな 山尾玉藻 火星 201501
冬の日の田楽辻子の桂垣 田中貞雄 ろんど 201502
水底を冬の日狂ほしく走る 佐藤恭子 あを 201503
本堂に窓より冬の日ざしかな 渡邉孝彦 やぶれ傘 201503
美しき冬の日向よふるさとよ 高倉和子 201503
折帖に繋ぐ歳月初冬の日 園部早智子 ろんど 201503
冬の日の断片を浮かべ二人棲み 千田敬 201504
真姿の池とは冬の日を湛ふ 内藤静 風土 201504
座布団に冬の日あたる廊下かな 白石正躬 やぶれ傘 201504
冬の日の幹真つ白なさるすべり 久保村淑子 万象 201504
冬の日や潮の匂ひの残る町 植田洋子 201506
冬の日のきらりとコビトカバの尻 大崎紀夫 虻の昼 201510
海峡の暗きに冬の日矢の立つ 原田達夫 箱火鉢 201511
冬の日や傾くままの墓石群 中根美保 風土 201602
冬の日をたつぷりに石閉づるなり 井上信子 201602
冬の日をあつめてメタセコイヤかな 戸栗末廣 201603
がらくたに冬の日返す物のあり 中田禎子 201603
霧動く檜林に冬の日矢 生田作 風土 201603
冬の日の午後の大寺鳶三羽 白石正躬 やぶれ傘 201604
冬の日のぬくさ湛へるガラス窓 荻龍雲 201604
逃げやすき冬の日差しや室の花 笠井敦子 201604
立冬の日を吸ひ込めり蟹の穴 大坪景章 椿垣 201612
耳聡く目ざとく冬の日の一人 木村公子 201702
冬の日や津波防止の道普請 田中臥石 末黒野 201702
冬の日に会話賑はふカフェテラス 高橋正江 末黒野 201703
冬の日に花高々とアロエ咲く 松村光典 やぶれ傘 201703
冬の日や悪い日ばかりでないと医師 岩井京子 201703
冬の日やしつかり畳む洗濯物 加藤みき 201704
冬の日の端まで届く写経の間 田代貞香 201706
初冬の日を戴くやうに深呼吸 江木紀子 雨月 201801
冬の日を呼吸してゐる紬かな 山田健太 風土 201801
冬の日の逃げ足速し鍬洗ふ 藤井明子 馬醉木 201801
あたたかき冬の日ざしもあとわづか 大坪景章 万象 201802
立冬の日溜りとなる畳かな 川村みよき 万象 201802
無双窓鬼籍に入るや冬の日イ 瀬川公馨 201802
看板に冬の日のこる蕎麦どころ 大島英昭 やぶれ傘 201803
冬の日を背負ふ茶の花シルエット 上家正勝 末黒野 201803
冬の日に包まれてをり巴塚 石川純子 万象 201803
冬の日や開戦告げし無線搭 柴川志津子 201803
雲を切り冬の日ざしが窓にさす 出口誠 六花 201804
目に溢る冬の日差しの大路かな 廣畑育子 六花 201804
赤い実がいつぱい冬の日がいつぱい 角野良生 201806
光るおむすび冬の日差しの中ふたり 火箱ひろ 船団 201809
冬の日や漱石全集初版本 大山夏子 201811
グリーンサラダ冬の日差しを窓越しに 青谷小枝 やぶれ傘 201901
冬の日のアタッシュケースどかと床 安藤久美子 やぶれ傘 201901
しろがねの冬の日燦と八ヶ岳 藤森すみれ 201902
晩年にほどよき冬の日ざしかな 高橋将夫 201902
冬の日を戻りし部屋の暗さかな 赤羽陽子 春燈 201903
冬の日をあまねく返し観世音 岡村彩里 雨月 201903
冬の日がブロック塀の穴を抜け 大島英昭 やぶれ傘 201903
老友のごとくに冬の日が親し 中杉隆世 ホトトギス 201904
朝なさな冬の日の出を見る病者 東木洋子 春燈 201904
冬の日や真綿のごとき雲の中 加藤あけみ ホトトギス 201905
冬の日の海へ傾く煮干の簀 田中臥石 末黒野 201905
ガソリンは満杯冬の日の旅路 稲畑汀子 ホトトギス 201911
冬の日を誘ひ出したる水音かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201911
一瀑に冬の日差しの戻りくる 荒川心星 202002
冬の日や空青くして安らけし 大橋晄 雨月 202002
琅玕の藪刃めく冬の日矢 藤井明子 馬醉木 202002
冬の日の九人の句会忍冬忌 小原紀子 末黒野 202002
冬の日や家より外がぬくいとは 出口誠 六花 202003
冬の日や老師のやうな山羊のゐて 栗坪和子 202003
冬の日や家より外がぬくいとは 出口誠 六花 202003
冬の日のこの明るさは水の音 太田沙良 202003
冬の日やもう音立てぬオルゴール あさなが捷 202007
立冬の日差しの届く机かな 廣瀬雅男 やぶれ傘 202101
冬の日の独り吟行波郷の忌 山下健治 春燈 202102
冬の日や黄粉をまぶす黍団子 中野あぐり 春燈 202102
網代戸を開き冬の日入れにけり 間島あきら 風土 202102
冬の日の頭を垂れてゐる如し 中杉隆世 ホトトギス 202104
山腹の四戸に冬の日が溜る 小林和子 202104
冬の日の戸をたつ音の聞こえくる 秋山信行 やぶれ傘 202105
冬の日を穂先にのせて仮名崩す 直江裕子 京鹿子 202105
冬の日が敷きっぱなしの枕上 佐藤竹僊 あを 202112
冬の日を膝に抱へて木のベンチ 高橋将夫 202204
冬の日のかくも豊かに人包み 湖東紀子 ホトトギス 202305
冬の日の時を忙がぬ古時計 武藤節子 やぶれ傘 202304
冬の日やじやんけんで得し母の膝 苑実耶 202309
冬の日 →1

 

2023年12月5日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。