冬木の芽 3     200句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
生きむとす鼓動ひたすら冬木の芽 石山雅之 遠嶺 200903
奥の手の閃きを待つ冬木の芽 松野睦子 遠嶺 200903
あをぞらてふ大カンバスに冬木の芽 井原美鳥 200903
冬木の芽五枚鞐にきほひ籠め 河本由紀子 春燈 200903
福鈴の緒の揺れ止まず冬木の芽 徳井節子 馬醉木 200903
喜びはきつとこれから冬木の芽 米山のり子 馬醉木 200903
微笑みの木喰佛や冬木の芽 近藤きくえ 200903
冬木の芽濠に江戸世の風情かな 塩路隆子 200904
三井家のここ発祥地冬木の芽 井口淳子 200904
国生みの神慮の樹々や冬木の芽 仙石君子 雨月 200904
ふるさとの町の石橋冬木の芽 高原節 炎環 200904
冬木の芽見上ぐる空は真青なり 山野惣一郎 遠嶺 200904
高い高いすれば嬰は反る冬木の芽 荒井千佐代 200904
冬木の芽ためし負ひせるランドセル 今瀬一博 200904
晴天の隙軟らかき冬木の芽 大島翠木 200904
角大師角のめでたき冬木の芽 竹中一花 200904
言霊のきらきらひかる冬木の芽 冨松寛子 200905
冬木の芽記念樹といふ競ひかな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200912
冬木の芽漢字ふえきし児の俳句 塩路五郎 201002
三師碑の追憶つきず冬木の芽 成宮紀代子 201002
冬木の芽光侍める明日のあり 安藤利恵 春燈 201002
冬木の芽それと気づかぬ幸ありて コ田千鶴子 馬醉木 201002
日々老ゆる身や壮んなる冬木の芽 藤原たかを 馬醉木 201002
凛として今日を暮さむ冬木の芽 田中藤穂 あを 201003
冬木の芽怪我で早去る盗塁王 佐方敏明 ぐろっけ 201003
押し寄せる子等の声して冬木の芽 本木下清美 ぐろっけ 201003
冬木の芽泪の数の介護かな 木村稔 ろんど 201003
乾坤の変を風雅に冬木の芽 小澤克己 遠嶺 201003
冬木の芽麓にひらく生薬屋 林友次郎 遠嶺 201003
さみどりに命をぎゆつと冬木の芽 木間春星 遠嶺 201003
江ノ電の速度が捉ふ冬木の芽 高木嘉久 201003
冬木の芽百年前の椅子机 野澤あき 火星 201003
歩こうか友さそはむか冬木の芽 濱田カノエ 酸漿 201003
貯へし力あらはに冬木の芽 冨田君代 酸漿 201003
青空へ明るさ広げ冬木の芽 片野美代子 酸漿 201003
幕間のさざめきのごと冬木の芽 松本三千夫 末黒野 201003
川筋の風やはらかや冬木の芽 中野久雄 末黒野 201003
訪れる風に寡黙な冬木の芽 涌羅由美 ホトトギス 201004
町なかにお濠の遺跡冬木の芽 今井松子 遠嶺 201004
六十の手習ひ一途冬木の芽 河瀬俊彦 遠嶺 201004
太陽の高くなり来し冬木の芽 堀志皋 火星 201004
冬木の芽今日も静かに育ちをり 劔持和子 酸漿 201004
稜線のかたち冬木の芽の形 高田令子 201004
許し得て校門くぐる冬木の芽 森田節子 風土 201004
歳月の変らぬ四方の冬木の芽 四條進 201004
蒼空のさくら冬木の芽の谺 四條進 201004
少年の素振りのバット冬木の芽 及川照子 末黒野 201004
落人に掟五箇条冬木の芽 柴田志津子 201005
枝先へ力ふつふつ冬木の芽 中島ひろし 末黒野 201005
冬木の芽子に泣く力飲む力 冨松寛子 201007
冬木の芽明日の望み疑はず 長崎桂子 あを 201101
牛乳に浮かぶ薄皮冬木の芽 佐々木群 201101
南指す城の午砲や冬木の芽 田中芳夫 201102
冬木の芽真紅の鎧纏ひけり 吉本淳 ぐろっけ 201102
恋の碑をなべてなぞりし冬木の芽 鈴木石花 風土 201102
風に葉を盗られし跡に冬木の芽 中本吉信 201103
生きること使命と思ひ冬木の芽 杉本綾 201103
新都心とふビルの街冬木の芽 早崎泰江 あを 201103
とんがつてがんばつてゐる冬木の芽 辻美奈子 201103
本尊は秘仏におはす冬木の芽 内藤静 風土 201103
やさしさは強さ秘めをり冬木の芽 松本三千夫 末黒野 201103
冬木の芽仰ぎ心に力湧く 清海信子 末黒野 201103
鈍感のふりして朴の冬木の芽 大島翠木 201103
どんな夢咲かせてくれる冬木の芽 岩月優美子 201103
やうやくに小枝装ふ冬木の芽 鎌倉喜久恵 あを 201104
分け隔てなき陽光や冬木の芽 金田けいし ろんど 201104
今日よりも明日がいいはず冬木の芽 七田文子 201104
冬木の芽天井川と光りあひ 杉浦典子 火星 201104
山の日に刷かれて紅き冬木の芽 小倉正穂 末黒野 201104
冬木の芽ほどの希望を力とし 山田佳乃 ホトトギス 201105
冬木の芽ほつほつどつちにも向いて 中島悠美子 京鹿子 201105
自分史のゲラ刷り上がる冬木の芽 菅原末野 風土 201105
太陽の黒点目差す冬木の芽 稲畑廣太郎 ホトトギス 201106
篆額に触れむばかりに冬木の芽 鳳蛮華 201106
電球にがんじがらめの冬木の芽 稲畑廣太郎 ホトトギス 201112
白銀の精触れてゆく冬木の芽 稲畑廣太郎 ホトトギス 201112
日当たりて眠りむさぼる冬木の芽 布川直幸 201112
過去帳は捨てねばならぬ冬木の芽 鴨下昭 201201
一病にいのち見ゆる日冬木の芽 千田敬 201201
木道のかそけき流れ冬木の芽 清水美子 春燈 201203
病む人の視線の先に冬木の芽 黒澤登美枝 201203
日溜りに早にぎやかや冬木の芽 森清堯 末黒野 201203
星々へ光掲げて冬木の芽 本多俊子 201204
言の葉に伏せ字の見ゆる冬木の芽 中野京子 201204
あこがるるまだ見ぬ現冬木の芽 寺田すず江 201204
水底の水の韻きや冬木の芽 岡澤田鶴 201204
神木の洞十二畳冬木の芽 水木沙羅 201204
いづれ行く道にも見えて冬木の芽 田村すゝむ 風土 201204
冬木の芽ルーペで覗くプライバシー 北村淳子 ろんど 201204
晩年のこころさやかに冬木の芽 加古みちよ 火星 201204
午後の日をわづかに捉へ冬木の芽 加古みちよ 火星 201204
冬木の芽病衣まばゆく乾きけり 川端俊雄 火星 201204
校庭の影は三角冬木の芽 高野春子 京鹿子 201205
歩くとはものを知ること冬木の芽 村田岳洋 万華鏡 201206
ひとり居の母と語れよ冬木の芽 頓所友枝 冬の金魚 201209
大手門しつかと建てり冬木の芽 酒井秀郎 返り花 201211
病癒ゆる目途はるかなり冬木の芽 酒井秀郎 返り花 201211
佳きことば聞くは力や冬木の芽 吉田陽代 201302
きざはしの神への念ひ冬木の芽 鈴鹿仁 京鹿子 201302
冬木の芽こぞりて天を仰ぎけり 中村ふく子 201303
張りつめし空の危さ冬木の芽 丹羽啓子 馬醉木 201303
冬木の芽身のうちに抱く熱きもの 栗原公子 201303
冬木の芽惑星の自転たしかなり 本多俊子 201303
冬木の芽問ひに答を得しやうな 赤座典子 あを 201303
沈黙は金なりふふむ冬木の芽 塩路五郎 201304
佇めば木々の囁き冬木の芽 山口和子 201304
聞耳を立てゐるごとく冬木の芽 後藤立夫 ホトトギス 201304
冬木の芽むかしは舟で行き来して 内藤静 風土 201304
冬木の芽少年の背のまた伸びて 和田慈子 末黒野 201304
湯治湯に効能書や冬木の芽 土井ゆう子 風土 201305
捨てきつた後にふつくら冬木の芽 中野京子 201305
赤ん坊のつぶやきに照る冬木の芽 山尾玉藻 火星 201501
水分の吉野の社冬木の芽 山口キミコ 201502
力ため初心に返る冬木の芽 藤森すみれ 201502
冬木の芽公園に子ら草野球 戸田澄子 末黒野 201502
アルプスを突き上げてゐる冬木の芽 吉田葎 201503
命の色内に秘めたる冬木の芽 横田晶子 風土 201503
眉筆に般若心経冬木の芽 鈴木石花 風土 201503
冬木の芽ラクダが鼻をよせてくる 佐藤千重子 201503
冬木の芽雪を耐へきし開山堂 能勢俊子 馬醉木 201503
さみしさに慣るるにちから冬木の芽 中村房子 馬醉木 201503
考への指組みほぐす冬木の芽 藤森すみれ 201504
アフリカの子の暮し観る冬木の芽 石田かし子 ろんど 201504
指揮棒の先が天向く冬木の芽 鈴木庸子 風土 201504
未来てふ希望ふふみて冬木の芽 石井悦子 風土 201504
冬木の芽思ひ思ひに天をさし 島玲子 風土 201504
冬木の芽風のことばの聞えたる 中島昌子 201504
冬木の芽詩心いつもあたらしく 本多俊子 201504
槍皮葺く簷ゆるやかや冬木の芽 塩路隆子 201504
飛行音南へ落ちて冬木の芽 神田美千留 京鹿子 201504
足下につむじ風立つ冬木の芽 國保八江 やぶれ傘 201504
増築の話を詰めて冬木の芽 土谷倫 船団 201505
冬木の芽米つぶほどの光かな 太田チヱ子 末黒野 201505
娘とは合はざる意向冬木の芽 佐渡谷秀一 対座 201505
少年の瞳まつすぐ冬木の芽 中島悠美子 京鹿子 201505
はりまとは佳き名なりけり冬木の芽 山田六甲 六花 201512
冬木の芽しらず知らずといふこころ 片山煕子 京鹿子 201601
冬木の芽ありやなしやの風の中 加藤みき 201602
冬木の芽見をればパリのテロの報 藤井美晴 やぶれ傘 201602
渾身のちからは赤し冬木の芽 宮内とし子 201603
辛抱の拳となりて冬木の芽 齊藤實 201603
弁財天の乳房ふつくら冬木の芽 永淵惠子 201603
少年に宝の小石冬木の芽 本多俊子 201603
才能は人それぞれに冬木の芽 安野眞澄 201603
冬木の芽塾へ行く児と途中まで 坂場章子 201603
明日への力を溜めて冬木の芽 塩野谷慎吾 201604
かたくなに命ひそめむ冬木の芽 小山繁子 春燈 201604
金縁の寺門に添うて冬木の芽 伊藤希眸 京鹿子 201604
小吉のみくじを託す冬木の芽 山田佳乃 ホトトギス 201605
雄鳩と並んで歩く冬木の芽 宇都宮敦子 201605
蒼空のせつせと解く冬木の芽 山口ひろよ 201605
絵地図には載らぬ川辺の冬木の芽 風間史子 201607
冬木の芽生存率てふ数字ふと 栗原公子 銀の笛 201612
これよりをしかと踏み出す冬木の芽 コ田千鶴子 馬醉木 201701
ことごとく天を向きをり冬木の芽 亀卦川菊枝 末黒野 201702
魁となる適塾や冬木の芽 前田美恵子 201703
光年を星は眠らず冬木の芽 矢崎すみ子 201703
多摩川の流れゆるやか冬木の芽 山本久枝 やぶれ傘 201703
道問うて道づれとなる冬木の芽 平野みち代 201703
冬木の芽ささやき交すかに光る 下田村園子 201704
爪先のやうに天指す冬木の芽 石田きよし 201704
死に神の近寄れぬなり冬木の芽 近藤喜子 201704
鐘楼のまはりに挙り冬木の芽 黒滝志麻子 末黒野 201704
冬木の芽こぞりて隠岐の空の下 森清堯 末黒野 201704
日溜りの橋のたもとや冬木の芽 加藤静江 末黒野 201704
天つ日に秘むる力や冬木の芽 大川暉美 末黒野 201704
冬木の芽静かな闘志もらひうく 松本胡桃 風土 201704
一瞥に大きく朴の冬木の芽 足立典子 雨月 201705
身に添はぬ世辞とも赤き冬木の芽 中川句寿夫 ここのもん 201705
袈裟斬りに比良の風来る冬木の芽 山口順子 馬醉木 201705
掌の中に声の出さうな冬木の芽 高山誓英 万象 201705
朝日さすや涵養林の冬木の芽 岡田史女 末黒野 201705
冬木の芽ペン胼胝といふ力瘤 田岡千章 201706
待つといふ悦びもあり冬木の芽 栗原公子 201801
冬木の芽われに成すことまだ多く 大畑善昭 201802
くれなゐは明日を期す色冬木の芽 林昭太郎 201802
冬木の芽特別史跡黙解かむ 清水佑実子 201802
雲多き櫻桃子忌や冬木の芽 石橋邦子 春燈 201802
体育はいつも見学冬木の芽 有松洋子 201802
混沌の現世にひよいと冬木の芽 吉田順子 201802
雲切れて一話完結冬木の芽 鈴木みのり 201803
つなぎくる小さき手ふくふく冬木の芽 山田くみこ 201803
図書館の窓嵌め殺し冬木の芽 小林のり人 春燈 201803
冬木の芽次つぎ挑む登り棒 森なほ子 あを 201804
ぬげるもの脱ぎし身軽さ冬木の芽 望月晴美 201804
醸すとは紅うつすらと冬木の芽 広渡敬雄 201804
約束のさくらさくらへ冬木の芽 井上菜摘子 京鹿子 201804
たしかなる信や夕日の冬木の芽 小野恵美子 馬醉木 201804
冬木の芽まだまだ君は伸び盛り 藤井啓子 ホトトギス 201804
冬木の芽ゆるやかに時充電す 卜部黎子 春燈 201804
磨り減りし船頭の座や冬木の芽 河原敬子 201804
ひと日毎(ごと)いのち犇めく冬木の芽 寺田すず江 201805
風の香に支度出来たと冬木の芽 杉原ツタ子 201805
冬木の芽入院の荷を整ふる 林徹也 201806
ペリットの骨の一片冬木に芽 火箱ひろ 船団 201809
磨り減りしカンカン地蔵冬木の芽 石川賢吾 201811
明日たぐるやうに引寄せ冬木の芽 ほんだゆき 馬醉木 201901
強くなれ強くなりたし冬木の芽 岡部名保子 馬醉木 201901
胸中に時を待つこと冬木の芽 渕上千津 201901
汲み零す水の明るさ冬木の芽 丹羽啓子 馬醉木 201902
生きめやも見る聞く話す冬木の芽 日置游魚 201902
美しき準備の時間冬木の芽 藤田美耶子 201902
もののふの都や確と冬木の芽 今村千年 末黒野 201903
こまやかなる配置の妙や冬木の芽 森清堯 末黒野 201903
まだ少し眠りたいらし冬木の芽 渡辺やや 風土 201903
すめらぎの若き日の恋冬木の芽 藤原若菜 春燈 201903
ふと触れて心ときめく冬木の芽 今村千年 末黒野 201903
今度いつ来るかは聞かず冬木の芽 笹村ルル 201903
大いなる伸び代を秘め冬木の芽 亀井福恵 京鹿子 201904
平成を終ふる年輪冬木の芽 久保寺眞佐子 末黒野 201904
植木屋の去りし翌朝冬木の芽 鈴木石花 風土 201904
近づけばつぶやき聞こゆ冬木の芽 鈴木庸子 風土 201904
天守てふ光に向ひ冬木の芽 古賀しぐれ ホトトギス 201905
冬木の芽旅人になる版画展 川島由紀子 船団 201906
冬木の芽 →4

 

2022年1月26日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。