冬 籠 2    114句

能なしは罪も又なし冬籠  一茶

冬籠  雪籠

作品
作者
掲載誌
掲載年月
存分に俳書読みたき冬ごもり 福永政江 河鹿 200603
蒟蒻に味しむる頃冬籠 片田千鶴 馬醉木 200604
重き膝リハビリもせず冬籠 足利ロ子 ぐろっけ 200604
冬籠り戸口へふいに托鉢僧 横井博行 万象 200604
人形の数ふやしつつ冬籠 永岡セツ 酸漿 200604
冬籠眼鏡かけかへ辞書をひく 北島上巳 酸漿 200604
太柱恃みに越の冬ごもり 清水節子 馬醉木 200604
太梁に味噌玉乾ぶ冬ごもり 金子知代 万象 200604
読みもせぬ本積み上げて冬ごもり 井川伸子 対岸 200604
臓腑みな堕落の兆し冬籠 隅田享子 200605
足踏器歩数確かめ冬籠 岩崎可代子 ぐろっけ 200605
スリッパに左右の生まれ冬籠り 寒河江桑弓 200606
冬籠煙草の匂ふかの蔵書 能村研三 200611
夜は夜の笹の風音冬ごもり 粂谷京子 200702
百兆のゼロを数へて冬籠 石岡祐子 200703
冬籠る足にもくすり指があり 定梶じょう あを 200703
折鶴を戻せば四角冬籠 中塚照枝 200704
冬籠一病息災かみしめて 青垣和子 雨月 200704
オカリナの音をもらしつつ冬籠 永岡セツ 酸漿 200704
小見出しの記事まで読みて冬籠 木場田秀俊 200705
眠るため髪梳いてをり冬籠 百瀬七生子 海光 200705
ここに住み冬籠無しミモザ咲き 嶋田摩耶子 ホトトギス 200706
籬して風待つ里の冬ごもり 和田照海 京鹿子 200706
真ん中に背を掻く柱冬籠 堀内一郎 あを 200801
鉛筆の2Bが好き冬ごもる 篠田純子 あを 200802
老の身の赤き湯呑に冬ごもり 村越化石 200803
負けん気も身に閉ぢこめて冬籠 林和子 200804
ドンコサックの無伴奏合唱冬ごもり 泉田秋硯 200804
嬰の顔に無聊癒さる冬籠 馳井のぶ 200805
千金の余生の浪費冬籠 北尾章郎 200805
冬籠り今日は俳誌を友とせむ 駒井のぶ 200805
十二神将力瘤入れ冬籠 岡本幸枝 ぐろっけ 200805
鬱の字を確と検索冬ごもり 野中啓子 200805
加湿器に水足す仕事冬ごもり 河井富美子 ぐろっけ 200805
ききおぼえあるは我がこゑ冬籠り 鈴木直充 素影 200811
ここにも筆あそこにも筆冬籠 堀内一郎 あを 200901
いく度も繰れる歳時記冬籠 和田郁子 200902
冬籠るしたく煙突高く接ぐ 工藤ミネ子 風土 200902
冬籠声軽ろやかに留守電話 上田幸夫 ぐろっけ 200902
マニキュアの指が鶴折る冬籠 重見久子 火星 200903
贋作のモネを飾りて冬ごもり 阪本哲弘 200905
冬籠同じルーツの二人なり 山口ひろよ 200905
冬ごもり忘れられたる心地する 高倉恵美子 200905
置き薬いつも身近に冬ごもり 木場田秀俊 200906
ファッションの雑誌散らかし冬ごもり 木場田秀俊 200906
冬籠る竜血走しれる天井画 小林玲子 ぐろっけ 200906
傍らに沸き立つ薬缶冬ごもり 坂本節子 200908
ぽこぺんとぽつぺん鳴らす冬籠 鈴木勢津子 樹間 200911
猫の尾が赤子に當たる冬籠 佐藤喜孝 あを 201001
珈琲はキリマンジャロや冬籠 古屋元 201002
冬籠忍一と文字の額掲げ 寺岡ひろし 雨月 201002
二枚舌三枚舌の冬籠 太田良一 末黒野 201003
待つてゐるやうなる母の冬籠 高倉和子 201003
冬籠ショコラの中毒にもなりぬ 島本知子 ぐろっけ 201003
一部屋に物取りそろへ冬籠る 佐藤喜仙 201003
目薬を四種抱へて冬籠る 赤座典子 あを 201003
あれこれと眼鏡とり替へ冬籠 安武晨子 201004
冬籠白き卓布に燭ひとつ 丸山照子 火星 201004
電気化のキーに戸惑ふ冬籠 呂秀文 春燈 201004
葉書数枚書きなにがなし冬籠 山尾玉藻 火星 201102
地球儀に眼鏡ちかづけ冬籠 山尾玉藻 火星 201102
冬籠ときに銀座の灯を恋ひて 水原春郎 馬醉木 201103
考える葦考えぬ葦冬籠 山中宏子 201103
五週目は清張映画と冬籠 宮川秀穂 201103
氷砂糖失せ果実酒の冬ごもり 中田のぶ子 ろんど 201103
電話受けこころが点る冬ごもり 中山純子 万象 201104
柚子香るコーヒー香る冬籠 上野かりん ろんど 201104
玻璃ごしの浮雲一つ冬ごもり 早崎泰江 あを 201104
冬ごもり厨ひねもす煮炊きの香 吉田晴子 201105
わが動く他音のなし冬籠 藤井久仁子 ぐろっけ 201105
冬ごもり笑む人形のまたゑめり 佐藤喜孝 あを 201105
冬籠る余生の計をたて直し 安武晨子 201106
耳鳴は誰がささやきか冬ごもり 藤井寿江子 馬醉木 201202
裏木戸に閂かけて冬籠もる 松岡利秋 かさね 201202
からだ巻く管のくねくね冬籠り 上原重一 201202
老眼鏡を手もとに老いの冬ごもり 伊地智浅江 春燈 201202
抽出に亀を眠らせ冬籠り 西村純太 201203
冬籠り琥珀の中の虫となる 石崎浄 風土 201203
月十句日に一合の冬籠 松崎雨休 風土 201203
お湯割りを両掌で包み冬籠 小池清司 かさね 201203
冬ごもり煙草をやめて久しかり 吉田啓悟 かさね 201203
冬ごもる円居楽しき合掌家 奥村真人 雨月 201203
朝な夕な窓の富士見て冬籠 早崎泰江 あを 201203
豊かなる刻やジャム煮て冬籠 杉本綾 201204
冬籠六畳の間がわが宇宙 高橋将夫 201204
腹の子の独り遊びや冬籠り 仲里奈央 201204
永眠にならないやうに冬籠 田中貞雄 ろんど 201204
冬籠りそのまま逝つてしまはれし 小林愛子 辻楽師 201206
きのふ虚子けふは芭蕉と冬籠 木村享史 ホトトギス 201206
伴侶とは病む妻のこと冬籠 木村享史 ホトトギス 201206
稿債を仕上ぐるための冬籠 稲畑汀子 ホトトギス 201211
向き合うて明け暮れ同じ冬籠 酒井秀郎 返り花 201211
冬籠スマートホンを自習せり 田中貞雄 ろんど 201301
冬籠むかしは重きもの着たり 細野恵久 ぐろっけ 201301
菓子箱を振れば鈴音冬ごもり 蘭定かず子 火星 201302
冬籠本とパソコンあれば好し 笠井清佑 201302
傍らに旅の本積み冬籠 石川かおり 201302
鬼の棲む山の裾なる冬籠 山田美恵子 火星 201302
新聞を切りぬく音や冬ごもり 長久保郁子 かさね 201303
再会を夢に養生冬ごもり 大西よしき ろんど 201303
冬籠といひて何かをして居りぬ 安武晨子 201303
みどり児の爪切り難し冬籠 仲里奈央 201303
手仕事にひとり居忘れ冬ごもり 山口郁子 末黒野 201304
図書館の本を十冊冬籠り 吉田和子 ぐろっけ 201304
過ぎし日を見つめ直して冬籠り 丹後みゆき ぐろっけ 201304
冬ごもり祖父も用ひし火桶かな 菊谷潔 六花 201305
冬籠杖を引く日は気負ひけり 瀧春一 花石榴 201312
冬籠働く人を垣間見て 瀧春一 花石榴 201312
鯛の眼をすすりし音と冬籠 山尾玉藻 火星 201312
石筍の音なく育つ冬籠り 竪山道助 風土 201402
日に三度煮炊きのにほひ冬籠 小林朱夏 201403
開く書にけふの光や冬籠 堀田順子 馬醉木 201403
冬籠パン屋のやうにパンを焼く 安永圭子 風土 201404
薯だんご用途に丸め冬ごもり 石坂比呂子 末黒野 201404
冬籠すぐに目の行く写真かな 井浦美佐子 201406
冬籠→ 3      

 

2021年11月17日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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