ほととぎす 5       116句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
ほととぎす湖になだるる夜明雲 松田泰子 末黒野 201010
ほととぎす二羽と紛ひぬ谷こだま 上村光八 末黒野 201010
高原の風の匂へりほととぎす 室谷幸子 万象 201010
潔斎の僧に背山のほととぎす 玉置かよ子 雨月 201010
宿坊は別格本山ほととぎす 尾崎みつ子 雨月 201010
ほととぎす沖に戦のありし岬 次井義泰 201011
ほととぎす山のホテルの螺旋階 渡辺数子 火星 201011
樹林いま鳴交しゐるほととぎす 都丸美陽子 春燈 201012
ほととぎす咲くや曇りし後の月 小野口正江 末黒野 201101
目覚めては今ある命ほととぎす 小澤利子 201101
ほととぎす雲に孤独の濡るるとき 桂樟蹊子 201107
急峻の若杉わかす峠やほととぎす 浜福惠 風土 201107
清冷にして激流やほととぎす 碇天牛 雨月 201107
ほととぎすほととぎすとて暮れ明くる 阿部ひろし 酸漿 201107
夜の枕低きを選びほととぎす 塩路隆子 201108
励ましのひと声ひびくほととぎす 伊藤憲子 201108
女院にょういんの花摘みし跡ほととぎす 五十嵐勉 201108
点滴の遅遅の落下やほととぎす 笠井清佑 201108
始むより了ふは難しほととぎす 青柳雅子 春燈 201108
時鳥またほととぎす古寺の森 小島昭夫 春燈 201108
山峡の深さに抱かれほととぎす 中山静枝 201108
八雲湧く降臨の峯ほととぎす 小野千枝子 万象 201108
裏六甲やつぎ早なるほととぎす 中村ふく子 201109
一声のこだまとなりてほととぎす 松田明子 201109
ほととぎす母の忌日と思ひ覚む 武井美代子 万象 201109
ほととぎす一声とほす森の路 岡田愛子 京鹿子 201109
三門に醒むる仏心ほととぎす 小川玉泉 末黒野 201109
寝そびれて厠に立つやほととぎす 松本三千夫 末黒野 201109
ほととぎす一声大河のはじめかな 林いづみ 風土 201109
ほととぎすのあと雀らの賑賑し 加藤みき 201109
松騒の彼方しきりにほととぎす 秋葉貞子 やぶれ傘 201109
山荘に朝の一声ほととぎす 水原春郎 馬醉木 201110
今生の時を惜めとほととぎす 島田尚子 馬醉木 201110
石庭や山ほととぎす真向ひに 堺昌子 末黒野 201110
十界に如意輪おはすほととぎす 石田野武男 万象 201110
滔滔と水切切とほととぎす 岩岡中正 ホトトギス 201111
ほととぎす森の深さに啼き継ぎぬ 宮崎正 ホトトギス 201111
夜名告りながら遠くなるほととぎす ことり 六花 201111
武蔵野や暮れていつまでほととぎす 浅川たけし 万華鏡 201206
鳴ぎ過ぐる声の木霊やほととぎす 水原春郎 馬醉木 201207
ほととぎす高音に山家の内閑か 池内とほる かさね 201207
ほととぎす古井は鉄に閉ざされて 宮井知英 201207
ほととぎす声の情景豊かなり 四條進 201207
崩るるも積めぬ晩年ほととぎす 酒本八重 201208
ほととぎす月な欠けそと啼きにけり 松本三千夫 末黒野 201208
鐘楼をめぐる竹林ほととぎす 青木由芙 末黒野 201208
ほととぎす机の上の涙かな 竹内悦子 201209
野仏と無言の対峙ほととぎす 大室恵美子 春燈 201209
三峰山みつみねの雲の中よりほととぎす 山田春生 万象 201209
鎌倉の尾根に道ありほととぎす 北崎展江 くりから 201209
尾根たわむ磐梯山やほととぎす 黒坂紫陽子 馬醉木 201210
いつの世も母は待つ身やほととぎす 樋口みのぶ 201210
ほととぎす佛壇の灯のぼんやりと 笠置早苗 火星 201210
ほととぎす隣りの寺へ移りけり 丑久保勲 やぶれ傘 201210
ほととぎす祈祷太鼓を打ちはじむ 福島せいぎ 万象 201210
山風のあをき匂ひやほととぎす 川口崇子 万象 201210
くれなづむ空引つぱりてほととぎす 涌羅由美 ホトトギス 201211
里山の空を自在にほととぎす 涌羅由美 ホトトギス 201211
待ちゐたる文なかなかにほととぎす 松下信了 万象 201211
光源氏の生れし伽藍やほととぎす 小島昭夫 春燈 201212
なんびとも寄せぬ廃鉱ほととぎす 近昌夫 春燈 201212
ほととぎす啼くたびいのち泡立つか 池田澄子 201212
どちらかと言へばドイツ語ほととぎす 細野恵久 ぐろっけ 201307
ほととぎすの渡りの途なり茶臼山 西村節子 火星 201309
ほととぎすの声に呼ばれて訪ふ三瓶 長山あや ホトトギス 201310
空白み浅き眠りにほととぎす 森清信子 末黒野 201310
渓深しひねもすとどくほととぎす 吉田きみえ 末黒野 201310
山をかけ谷かけ深山ほととぎす 内藤恵子 万象 201311
渓谷の奇岸巨石やほととぎす 大橋伊佐子 末黒野 201311
摩耶山を枕にひと夜ほととぎす 山田六甲 六花 201406
口重くひらく一言ほととぎす 長沼恒子 馬醉木 201407
ほととぎす鳴かせてゐたり風見鶏 松嶋一洋 201407
どの山もよき名を持てりほととぎす 宮川みね子 風土 201408
友引の死出の山越えほととぎす 宮崎左智子 201408
友引ゆういんの死出の山越えほととぎす 宮崎左智子 201408
夜は背山昼は妹山ほととぎす 松本三千夫 末黒野 201408
子の分も生きよ生きよとほととぎす 鈴木漱玉 馬醉木 201408
山稜の闇を震はせほととぎす 西村操 雨月 201408
神境に神住む木霊ほととぎす 河崎國代 春燈 201408
特許許可局確かに宵のほととぎす 石川笙児 201408
退院を明日に二声ほととぎす 松本峰春 春燈 201408
ほととぎすに声をひそむる安来節 中本古信 201408
ほととぎす一言主の杜高く 内海良太 万象 201408
ほととぎす金剛峰寺に自刃の間 橋添やよひ 風土 201408
ほととぎす言葉飛沫となりてをり 湯橋喜美 201408
ほととぎす棚田たつぷり水張られ 松本三千夫 末黒野 201408
ほととぎす鳴き行く月の明るさに 松本三千夫 末黒野 201408
ほととぎす踊りはじめし茹玉子 宮川みね子 風土 201408
ほととぎす裏六甲の山住ひ 栗山恵子 雨月 201408
鳥瞰の山開け放ちほととぎす 山田暢子 風土 201408
句座の窓開け放したりほととぎす 福島せいぎ 万象 201409
暁闇を裂きてふた声ほととぎす 松本三千夫 末黒野 201409
観音の千の手真直ぐほととぎす 大山文子 火星 201409
壺風呂へ山ほととぎす惜しみなく 綱川恵子 万象 201409
岬から明ける半島ほととぎす 遠藤真砂明 201409
本殿は総竹造りほととぎす 橋添やよひ 風土 201409
亡き夫の書斎こと問ふほととぎす 植村よし子 雨月 201409
山畑は風無きところほととぎす 蘭定かず子 火星 201409
ほととぎす人を待つ間の文庫本 生田恵美子 風土 201409
狂ほしく初ほととぎす闇を縫ふ 野村重子 末黒野 201409
山霧の晴れゆく宿やほととぎす 藤生不二男 六花 201409
一山を鳴きぬらしけりほととぎす 藤生不二男 六花 201409
むかし母とききし夜なかのほととぎす 菊地螢子 春燈 201409
ははの忌の供花摘む土手やほととぎす 鈴木礼子 末黒野 201409
ほととぎすただ一と声の昂れる 小林愛子 万象 201409
ほととぎす気圧の谷を遡る 上谷昌憲 201409
ほととぎす鳴くへ畷の墓参道 植村よし子 雨月 201409
朝まだき夫の奥津城ほととぎす 植村よし子 雨月 201409
太宰忌と気付く夕べやほととぎす 安斎久英 末黒野 201410
老杉は靄に溺れずほととぎす 米山のり子 馬醉木 201410
手を浄め口を漱げばほととぎす 田村園子 201410
山頂の吟詠と和すほととぎす 橋場美篶 末黒野 201411
警策の四尺二寸ほととぎす 神蔵器 風土 201411
奈良歌の舌頭千回ほととぎす 雨宮桂子 風土 201411
ホトトギス巻頭を祝ぐ梅雨の明け 山田夏子 雨月 201411
かはたれや森の奥よりほととぎす 近昌夫 春燈 201412
ほととぎす →6      

 

2021年5月15日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

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