ほととぎす 6       128句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
ほととぎすヲノノコマチとなきにけり 山田六甲 六花 201506
竹林のざわつき止まずほととぎす 布川直幸 201506
ほとゝぎす創刊号に紙魚寄せず 稲畑廣太郎 ホトトギス 201507
ほととぎす鳴き本尊は厨子の内 安藤久美子 やぶれ傘 201507
三門の仁王の阿吽ほととぎす 四條進 201507
分教場放課の教師ほととぎす 定梶じょう あを 201507
薄明の裏山を駈けほととぎす 田村加代 末黒野 201508
返り来る谺は青しほととぎす 福島照子 京鹿子 201508
房総のここは真ん中ほととぎす 内海良太 万象 201508
早暁の峡の底よりほととぎす 河原昭子 万象 201508
また寝そびれて明け方のほととぎす 藤井美晴 やぶれ傘 201509
禅寺の寂光に聞くほととぎす 黒滝志麻子 末黒野 201509
雷去りて森に飛び交ふほととぎす 山崎郁子 万象 201509
団塊の世代の法事ほととぎす 江見巌 六花 201509
雨やんで束の間の星ほととぎす 石垣幸子 雨月 201509
ほととぎす阿吽の虎の真上より 中島昌子 201510
碑文読みをれば背山をほととぎす 安斎久英 末黒野 201510
ほととぎすに呼び戻さるる下山みち 今井妙子 雨月 201510
石舞台へ声張りつづけほととぎす 森礼子 雨月 201510
ほととぎす佐渡まで海の真つ平 原田達夫 箱火鉢 201511
地球儀の点の島きてほととぎす 鈴鹿仁 京鹿子 201605
ほととぎす古代遺跡をつなぐ径 高橋たか子 馬醉木 201608
奥津城に柏手打てばほととぎす 河合佳子 馬醉木 201608
ほととぎす魚板のくぼみ打ちにけり 宮川みね子 風土 201608
千年杉の宮の背山のほととぎす 櫛橋直子 雨月 201608
ほととぎす古代の王の治めし地 櫛橋直子 雨月 201608
城山の要害翔けるほととぎす 佐藤山人 201609
風を生む棚田百枚ほととぎす 川原博美 馬醉木 201609
ほととぎす備前長船耀けり 福田周草 風土 201609
ほととぎす千枚の畑鳴き渡る 水井千鶴子 風土 201609
ほととぎす樟は神鈴加へつつ 深川淑枝 201609
東西に尾根南北にほととぎす 松尾龍之介 201609
リハビリの杖の伸縮ほととぎす 野畑さゆり 201609
ほととぎす山中の靄深きより 佐藤貞子 雨月 201609
ほととぎすの遠音に山の深きかな 多方清子 雨月 201609
塚ほどの窯跡ほととぎすしきり 青谷小枝 やぶれ傘 201609
青空を切り裂いてゆくほととぎす 涌羅由美 ホトトギス 201610
明けの宿一声過ぐるほととぎす 小山ほ子 末黒野 201610
天平の法灯揺るるほととぎす 井上和子 201610
荒行は空の半ぱやほととぎす 吉田葎 201610
ほととぎす風ひそみゐる遺跡谷 土江比露 春燈 201610
星の夜を憚りのなしほととぎす 松本三千夫 末黒野 201708
ほととぎす朝の心音聴きに来る 片山煕子 京鹿子 201709
ほととぎす耳を澄ましてをりにけり 竹内悦子 201709
分蘖のすすむ早さやほととぎす 南うみを 風土 201709
ほととぎす船頭小屋の薬缶焦げ 中嶋陽子 風土 201709
ほととぎす利鎌のごとき月上げて 松本三千夫 末黒野 201709
夕映えの高原の牧ほととぎす 森清信子 末黒野 201709
沖望む木椅子にしばしほととぎす 安斎久英 末黒野 201709
畳なはる那須連山やほととぎす 菅野日出子 末黒野 201709
野に放つ牛百頭やほととぎす 佐藤貞子 雨月 201709
田仕事の田にゐて嬉しほととぎす 石原健二 やぶれ傘 201709
酒蔵をめぐる沢水ほととぎす 大沢美智子 201710
林より森の居心地ほととぎす 柴崎甲武信 春燈 201709
ほととぎす足湯にしばし微睡みぬ 平野みち代 201710
ほととぎす獏には遣れぬ夢の覺め 石川桂郎 風土 201710
庭先に来て鳴きくれしほととぎす 小林輝子 風土 201710
灯を洩らしをれば応ふるほととぎす 亀井福恵 京鹿子 201710
ほととぎす檜の風呂に木の枕 福島せいぎ 万象 201710
ほととぎす鎮守の杜を統べてをり 今村千年 末黒野 201710
身は病むとも魂は健やかほととぎす 藤田美耶子 201711
乾し皀莢吊す曲屋ほととぎす コ田千鶴子 馬醉木 201807
遠退きてまたほととぎす鳴きにけり 廣瀬雅男 やぶれ傘 201807
ほととぎす倒木あをく水漬きけり 近藤暁代 馬醉木 201808
ほととぎす暮るるに間あり露天風呂 都丸美陽子 春燈 201808
身に余る新しき役ほととぎす 森清堯 末黒野 201808
湯の街の山並暮るるほととぎす 安斎久英 末黒野 201808
祖師堂へ磴九十九折ほととぎす 森脇貞子 雨月 201809
囚はれの身は気賀にありほととぎす 亀井福恵 京鹿子 201809
わぶ人に夜をかけて鳴けほととぎす 善野行 六花 201809
ほととぎす朝の静寂を覚ましけり 大内幸子 六花 201809
ほととぎす谷に腹這ふ登り窯 吉田葎 201809
基地の空暮色漂ひほととぎす 安斎久英 末黒野 201810
降りやみのせはしき一日ほととぎす 安斎久英 末黒野 201810
ほととぎす開発止めの叫びとも 小倉純 末黒野 201810
ほととぎす朴は葉裏をひるがへし ふけとしこ 船団 201811
山頂の墓に箒目ほととぎす 河原敬子 201811
大原へ峠は二つほととぎす 橋添やよひ 風土 201906
里山の残る団地やほととぎす 森清堯 末黒野 201908
鳴き止みてそれとは知れりほととぎす 出牛進 201909
朝立ちの仕度の忙しほととぎす 森清堯 末黒野 201909
ほととぎす森の匂ひの漂ひ来 笹村政子 六花 201909
ほととぎす曇天の果鳴き渡る 大内幸子 六花 201909
前山に雨後の日の差すほととぎす 廣瀬雅男 やぶれ傘 201910
ひと声を仏母の山のほととぎす 尾崎みつ子 雨月 201910
あの時のあの声が終ほととぎす 下田奉枝 雨月 201910
転生の父や五更のほととぎす 井原美鳥 202001
青岸渡寺への標上臈ほととぎす 西千代恵 雨月 202001
川べりの一つ家にきてほととぎす 竹内悦子 喜悦 202002
引明けの空の匂やほととぎす 鈴木直充 春燈 202008
雄岳にこゑ残し雌岳へほととぎす 塩貝朱千 京鹿子 202008
山頂の雲ぬぐ迅さほととぎす 森清信子 露の堂 202008
ホトトギス鳴いてパズルのほどけ出す 植田秀子 京鹿子 202009
夫居らず夫の居らずとほととぎす 小林輝子 風土 202009
ほととぎす芭蕉と曾良のゆきし道 山崎正子 202009
あけぼののこゑの濡れゆくほととぎす 藤生不二男 六花 202009
池巡る朝の散歩やほととぎす 菅野日出子 末黒野 202009
真夜啼いて天地揺るがすほととぎす 星野椿 ホトトギス 202010
鶯に少し遅れてほととぎす 星野椿 ホトトギス 202010
ほととぎす九十九に折れる女坂 石川東児 202011
落石の止みし静寂をほととぎす 中村襄介 ホトトギス 202012
向かひ合ふ山の谺やほととぎす 牛島晃江 202108
ほととぎす谺で測る森の黙 石原孝人 京鹿子 202108
ほととぎす丸太二本の橋渡る 廣瀬雅男 やぶれ傘 202109
帰るさの能楽堂やほととぎす 森清堯 末黒野 202109
味読する久女句集やほととぎす 高木邦雄 末黒野 202109
有明の空に一ト声ほととぎす 小山ほ子 末黒野 202109
山晴れて湖上へ響くほととぎす 村田敦子 末黒野 202109
夜尿してしののめに聞くほととぎす 善野行 六花 202109
ほととぎす鳴いて碧空裏返す 間島あきら 風土 202109
返信をただ待つ夜やほととぎす 谷田明日香 風土 202109
戦の碑忘れられたりほととぎす 牛島晃江 202110
ほととぎす此処に来て鳴け疫盛る 石川東児 202112
一族の墓傾かせほととぎす 辻泰子 春燈 202112
こだま来てこだまで返すほととぎす 服部早苗 202112
石棺の内は丹の色ほととぎす 深川淑枝 202112
ほととぎす山の鼻より鳩待へ 沼崎千枝 末黒野 202204
遠巻きに山ほととぎす鳴き頻る 谷口一献 六花 202207
摺り足にきしむ草屋ほととぎす 黒滝志麻子 末黒野 202208
浅き夢見しや夜啼きのほととぎす 牛島晃江 202209
ほととぎす一気に山の青くなる 増成栗人 202209
ほととぎす日照雨のあとの静けさに 池乗恵美子 末黒野 202210
谷幽し山ほととぎす休まむか 待場陶火 202210
宿帳の「土方」の名やほととぎす 本郷公子 京鹿子 202210
痒みをば痛みに変へてほととぎす 直江裕子 京鹿子 202301
空海の食事の時間ほととぎす 山本則男 202302
裏山はほととぎす来るころの色 深川淑枝 202304
ほととぎす→ 1

 

2023年5月18日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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