ほととぎす 4      100句

鳴くならば満月になけほととぎす    夏目漱石

杜鵑  ほととぎす  時鳥

作品
作者
掲載誌
掲載年月
この岩に対面久しほととぎす 丸山佳子 京鹿子 200807
学童の合羽ひといろほととぎす 黒坂紫陽子 馬醉木 200808
ほととぎす谺は若き声ばかり 渡邊千枝子 馬醉木 200808
妻寝ねし夜半の静寂やほととぎす 手島靖一 馬醉木 200808
雨霽れて鴇色の月ほととぎす 杉本綾 200808
ほととぎす打てど応へぬ右脳かな 伊藤憲子 200808
早朝の早口言葉ほととぎす 駒井のぶ 200808
ほととぎす聞こえてゐるや坐禅中 鷹羽狩行 200808
一声で森を貫くほととぎす 鷹羽狩行 200808
樹木医の七つ道具やほととぎす 黒須洋子 遠嶺 200808
忙しきことは嬉しきほととぎす 小林奈穂 200808
ほととぎす恋うてひとりの旅に出む 斉藤小夜 風土 200808
ほととぎす独身寮の小窓開く 徳丸峻二 風土 200808
ほととぎす裏返し干す楮釜 宮川みね子 風土 200808
ほととぎす山にも銀座コーヒの香 丸山佳子 京鹿子 200808
雲の間に佐渡たしかなりほととぎす 阿部ひろし 酸漿 200808
旅籠屋の鉄砲窓やほととぎす 水谷芳子 雨月 200808
家康忌命冥加なほととぎす 石田康明 春燈 200808
ほととぎすここに聞かんと岩に腰 松尾緑富 ホトトギス 200809
ほととぎす一声高く後聞かず 松尾緑富 ホトトギス 200809
寝返りてもう発つときかほととぎす 戸田和子 200809
峰寺にきて存分のほととぎす 山本漂子 雨月 200809
ほととぎす吉田松陰蟄居の間 岸崎華堂 炎環 200809
山荘の朝餉ふと啼くほととぎす 木暮剛平 万象 200809
満月に声つき入れてほととぎす 吉村摂護 200809
ほととぎす啼きてやまざる門司を発つ 藤井美晴 やぶれ傘 200809
病むひとの鼻梁の高しほととぎす 櫨木優子 200810
拝殿に額突きゐるやほととぎす 山形悦子 万象 200810
ほととぎす暁けの悲しき夢醒ます 川崎光一郎 京鹿子 200810
廃校に吊橋残りほととぎす 今井妙子 雨月 200810
廃れ窯覗き頭上のほととぎす 山本漾子 雨月 200810
ほととぎす声の欠片をふたつほど 前川明子 200810
高牧はまた霧込めてほととぎす 山喜久子 馬醉木 200811
百谷に百の彩りほととぎす 高村令子 風土 200811
風荒るる里捨てられずほととぎす 高村令子 風土 200811
ほととぎす金箔光る釘かくし 津野洋子 京鹿子 200901
ほととぎす山姥の口真つ赤に裂け 瀧春一 深林 200901
確かめてやはり眉山のほととぎす 稲畑汀子 ホトトギス 200905
ほととぎす三瓶の旅も終りけり 稲畑汀子 ホトトギス 200907
あかときや古墳山よりほととぎす 須賀允子 万象 200907
ほととぎす兼六園に水光る 伊藤敬子 200907
ほととぎす双掌につつむ朝の椀 渡邉友七 あを 200907
背山より一声賜ふほととぎす 水原春郎 馬醉木 200908
暮れなづむ棚田を斜にほととぎす 池田加寿子 200908
山割つて石を切り出すほととぎす 布川直幸 200908
五百羅漢巡る山道ほととぎす 羽賀恭子 200908
ほととぎす心の内を明かさねば 小澤克己 遠嶺 200908
連綿と奉納の句やほととぎす 星井千恵子 遠嶺 200908
供華散華鋭き声をほととぎす 岩下芳子 200908
天啓のひらめきに似てほととぎす 八染藍子 200908
兄の忌の必ず来鳴くほととぎす 山本漾子 雨月 200908
ほととぎす谺は青く峡渡る 渡邉友七 あを 200908
図書館に睡魔きてをりほととぎす 東亜未 あを 200908
山中の風の湿りにほととぎす 西村博子 馬醉木 200909
ほととぎす畝傍の森の鎮もれる 坂根宏子 200909
紛れなきほととぎす声夜半の風 新実貞子 200909
ほととぎす上等水兵戦死の碑 松本平八郎 炎環 200909
ほととぎす反芻の牛動かざる 駒形祐右子 万象 200909
ほととぎす聞いて欲しいと幾度も 沼田桂子 春燈 200909
名も知らぬ伊勢の山々ほととぎす 由井求 200909
噴き上る泉源いくつほととぎす 松井倫子 火星 200909
踵返す我に一声ほととぎす 堀田清江 雨月 200909
山頂の霧の深さやほととぎす 東芳子 酸漿 200909
山迫る甲斐の秘湯やほととぎす 片野美代子 酸漿 200909
重き足曳きずる帰路にほととぎす 吉本淳 ぐろっけ 200909
ほととぎす鳴くや会話も聞きとれず 奈佐幸子 200910
切株に坐して弁当ほととぎす 塩出眞一 ぐろっけ 200910
森といふ深みに落ちしほととぎす 佐藤午後 炎環 200910
父逝くや声を限りのほととぎす 中村クミ子 遠嶺 200911
ほととぎす山襞を濃く雨あがる 遠山のり子 200911
小城下に住みて幸ありほととぎす 浅井青陽子 ホトトギス 200912
ほととぎすもう鳴く頃と水亭に 浅井青陽子 ホトトギス 200912
うすうすと横たふ主峰ほととぎす 伊藤敬子 200912
刻かけて一灯捧ぐほととぎす 伊藤敬子 200912
句作とは祈りのかたちほととぎす 岩岡中正 ホトトギス 201001
ほととぎす御陵の杜の何処より 中山良子 末黒野 201004
鳴き飛べり夜中の空をほととぎす 滝沢伊代次 万象 201006
白樺の白の陰翳ほととぎす 上谷昌憲 201007
ほととぎす翔り夜明の月淡し 藤谷紫映 馬醉木 201008
田翁に喝を入れたるほととぎす 駒井でる太 201008
曙の森洗はれてほととぎす 湯橋喜美 201008
一声に全山領すほととぎす 内山芳子 雨月 201008
密教の山峡かけてほととぎす 今井妙子 雨月 201008
雨霧らふ山遠きよりほととぎす 宮平静子 雨月 201008
わが町の雨の静けさほととぎす 岡田房子 酸奬 201008
ほととぎす真夜中の声始まれり 坂本知子 酸奬 201008
酒絶ちて十年を経たりほととぎす 加藤利勝 酸奬 201008
墨はじく料紙の箔やほととぎす 八染藍子 201009
人待ちの半端な時にほととぎす 泉田秋硯 201009
ほととぎす山の夜闇を昂らせ 田所節子 201009
暁闇の厠点すやほととぎす 松本三千夫 末黒野 201009
ほととぎす鎮守の杜を欲しいまま 鈴木一三 末黒野 201009
手をにぎるのみの見取やほととぎす 鈴木礼子 末黒野 201009
墓石を濡らしてをればほととぎす 笠井敦子 201009
捨て台詞きつぱりと去るほととぎす 武田ともこ ぐろっけ 201009
仮寝中しかと聞きたりほととぎす 武田ともこ ぐろっけ 201009
ほととぎすひらきしままの歎異抄 大崎ナツミ 雨月 201009
ほととぎす静かに針を運びをり 坂井和子 酸奬 201009
杉山に治き日ありほととぎす 田宮勝代 酸奬 201009
見下しの湖の碧さやほととぎす 工藤美和子 酸奬 201009
ほととぎす →5      

 

2021年5月14日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

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