ほととぎす 3     117句

ほととぎす猪牙の布団の朝じめり    抱一

杜鵑  ほととぎす  時鳥

作品
作者
掲載誌
掲載年月
人の世に何示唆してかほととぎす 大橋敦子 雨月 200507
水出しの珈琲待ちやほととぎす 山田六甲 六花 200507
ほととぎす記憶の中の祖母の声 渡邉友七 あを 200507
ほととぎす乙女峠に雲凝る日 村上光子 馬醉木 200508
ほととぎす鳴くやあの世もあかるくて 中山純子 万象 200508
潮騒の夜が江をつつむほととぎす 木下玉葉子 酸漿 200508
風袋しごく神将ほととぎす 永田二三子 酸漿 200508
切株の俄テーブルほととぎす 吉田明子 200508
一と声を馬の耳にもほととぎす 村越化石 200508
信長の城と知つてやほととぎす 中村龍徳 200509
ほととぎす鳴声談義となりにけり 佐藤玲子 春燈 200509
三更の月なき空やほととぎす 岡和絵 火星 200509
目に効くてふ小町の泉ほととぎす 神蔵器 風土 200509
羅漢の耳千の傾くほととぎす 飛鳥由紀 200509
ほととぎす山巓へ眼を上げにけり 大串章 百鳥 200509
耳遠く措くに大瑠璃ほととぎす 内山芳子 雨月 200509
窓あけてすぐ橅の森ほととぎす 内山芳子 雨月 200509
旅に櫛つかひてをればほととぎす 内山芳子 雨月 200509
濃き霧に盲ひてをればほととぎす 内山芳子 雨月 200509
陵に三日月刺さりほととぎす 高垣和恵 雨月 200509
見えて来し三重の塔ほととぎす 小野さとし 対岸 200509
富士を背の眼下の嶺やほととぎす 三関浩舟 栴檀 200509
ほととぎすまだ遠音なる山暦 豊田都峰 京鹿子 200509
声変り始まりし子やほととぎす 長谷川幸恵 酸漿 200509
ほととぎすトンネル抜けて隣町 清原彰子 河鹿 200510
釣人の竿の水平ほととぎす 門脇なづな 対岸 200510
走り根に苔青々とほととぎす 小澤克己 遠嶺 200510
明けきたる峡は煙雨やほととぎす 湯浅夏以 遠嶺 200510
幼子も戻り来る声ほととぎす 大塚民枝 酸漿 200510
山頂の霧が明るしほととぎす 辻恵美子 栴檀 200510
施主の名を秘す将の墓ほととぎす 玉置かよ子 雨月 200510
鎌倉山耳痛きまでほととぎす 塩田博久 風土 200510
水亭を訪へば遠音のほととぎす 浅井青陽子 ホトトギス 200511
まな板の殺生疵やほととぎす 菅野末野 風土 200511
ほととぎす鳴いて山霧うすれけり 藤田佑美子 栴檀 200511
そこに鳴き雨に下山のほととぎす 吉年虹二 ホトトギス 200512
足は老い耳衰へずほととぎす 上崎暮潮 ホトトギス 200601
碧空に雄峰連なるほととぎす 遠藤真砂明 200601
ほととぎす新緑眞日をつつみたる 瀧春一 常念 200606
寺に住む女子供やほととぎす 瀧春一 常念 200606
ハイカーの無ョ真晝のほととぎす 瀧春一 瓦礫 200606
大島の札所毎聞くほととぎす 神田一瓢 雨月 200607
ほととぎす貫く声の間近なり 谷榮子 雨月 200607
芭蕉庵に晴れの集まるほととぎす 神蔵器 風土 200607
虚子句集置かれし駅舎ほととぎす 奥田弦鬼 風土 200607
妻をて踏み入る砂丘ほととぎす 淵脇護 河鹿 200608
芦の湖にかそけき波やほととぎす 林翔 200608
三十六歌仙の額絵ほととぎす 小澤克己 遠嶺 200608
走り根に傾ぐ姫塚ほととぎす 松本静江 遠嶺 200608
林道もてつなぐ七浦ほととぎす 神蔵器 風土 200608
有楽斎に詣づ一念ほととぎす 落合絹代 風土 200608
片歌のまだととのはぬほととぎす 中村恭子 200608
暁の目覚しの声ほととぎす 川崎光一郎 京鹿子 200608
ほととぎすの声嘲笑ふ明け鴉 川崎光一郎 京鹿子 200608
ほととぎす鳴くに棚田の水足れり 阿部由紀子 200608
業平の墓を去にしなほととぎす 石垣幸子 雨月 200608
昼暗き修験の山路ほととぎす 三輪温子 雨月 200608
裏山のふところ深くほととぎす 綿谷美那 雨月 200608
ほととぎす矢弾のごとく賎ヶ岳 安達風越 雨月 200608
辿るかな胸突八丁ほととぎす 安達風越 雨月 200608
ほととぎす倒木に道迂回して 安達風越 雨月 200608
村人にいつも湖ほととぎす 安達風越 雨月 200608
前山に月のかたぶくほととぎす 白井友梨 馬醉木 200609
新聞少年馳けゆくあしたほととぎす 筏愛子 200609
大由布のほととぎすとは雲の中 坊城俊樹 ホトトギス 200609
声すでに雨意をふくみてほととぎす 鷹羽狩行 200609
天辺は欠けずにゐたりほととぎす 竹内悦子 200609
杉の小枝に頭陀袋ほととぎす 中島陽華 200609
虚に迷ひ実に安堵やほととぎす 和島出 遠嶺 200609
白堤を渡る頭上をほととぎす 松崎鉄之介 200609
ほととぎす鳴きめぐりをり夜半の雨 長澤健子 酸漿 200609
亡き人を偲ぶよすがのほととぎす 綿谷美那 雨月 200609
漆黒の闇刮目しほととぎす 堀田清江 雨月 200609
ほととぎす丹波出石の休み窯 徳永亜希 馬醉木 200610
小城下の真午の厨ほととぎす 浅井青陽子 ホトトギス 200610
ほととぎす最中半個の茶が入る 生方義紹 春燈 200610
ほととぎすメタセコイヤから雫 河崎尚子 火星 200610
肩の辺におきし浦風ほととぎす 小宮山勇 遠嶺 200610
ほととぎす金剛杖は縮むばかり 柴田佐知子 200610
ほととぎすの誘ふやうに行者径 邑橋節夫 遠嶺 200611
一声を真闇に去りしほととぎす 堀田清江 雨月 200611
ほととぎす彫り跡さはに切通し 原喜久 八千草 200611
ほととぎす聴くに眼鏡をかけにけり 若槻妙子 200702
ほととぎす広ごる声の矢継ぎ早 ことり 六花 200706
岩魚釣山に入る日やほとゝぎす 瀧春一 200706
ほととぎす先づ鍬鎌に夜の白む 渡邉友七 あを 200707
香煙の絶えぬ境内ほととぎす 四條進 200708
暁の谷戸を引き裂くほととぎす 金光絹江 200708
頂へ山ほととぎす友にして 藁谷文枝 遠嶺 200708
雨を鳴く日牟礼の杜のほととぎす 石垣幸子 雨月 200708
ほととぎす鳴く夜の遠野物語 熊岡俊子 雨月 200708
ほととぎす鳴きゐて山路踏み迷ふ 熊岡俊子 雨月 200708
ほととぎす三十一文字に愛と憎 布川直幸 200709
ほととぎす木洩日の坂ゆつくりと 近藤きくえ 200709
語部の淡海哀史やほととぎす 森洋子 京鹿子 200709
くさぐさの袋小路やほととぎす 高橋澄子 200709
川音のたひらになりぬほととぎす 相良牧人 200709
ずぶ濡れの山河を領すほととぎす 小林輝子 風土 200709
もう一度我に啼きくれほととぎす 清水美子 春燈 200709
憂国の三島の杜のほととぎす 宮田豊子 春燈 200709
ほととぎすまだ明けやらぬ平家里 木下玉葉子 酸漿 200709
ほととぎす灯の入る島の診療所 木下玉葉子 酸漿 200709
ほととぎす空に楔を打ち込めり ことり 六花 200709
くわくこうの後ろがはからほとゝぎす 佐藤喜孝 あを 200709
ほととぎす渡る山湖の月蒼し 間宮あや子 馬醉木 200709
ほととぎす書写参道の左右より 大栗須美子 万象 200710
早起きか夜更しか今ほととぎす 阿部ひろし 二の杉 200710
ほととぎす松の切株三百とは 丸山佳子 京鹿子 200710
奇跡とは人身龍変ほととぎす 角直指 京鹿子 200710
皇内に始まる院のほととぎす 角直指 京鹿子 200710
ほととぎす鳴きづめ南朝行在所 内山芳子 雨月 200710
鳴きしきり山彦となるほととぎす 内山芳子 雨月 200710
道ひとつ違へし夕ほととぎす 河内桜人 京鹿子 200711
ぬばだまの夜を継ぎ朝のほととぎす 阿部ひろし 酸漿 200711
愛憎に遠のく齢ほととぎす 上崎暮潮 ホトトギス 200712
生続けたしほととぎす聞くために 上崎暮潮 ホトトギス 200712
靄容れて翌檜暗しほととぎす 山元志津香 八千草 200712
ほととぎす4      

 

2021年5月13日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。